薯童謠(ソドンヨ)2話
あらすじ
チャンマッコとともに夫婦のふりをして旅に出るヨンガモ。ヨンガモは傷ついて食欲がありません。「一人の体ではないのですよ。お腹の子供のためにも食べるべきです。」とチャンマッコに励まされました。「侍従武将(シジョンムジャン)のワング様よりすべてを任されています。私に従ってください。」匙を差し出すチャンマッコ。そこにモンナスが表れて「ネノミ!」とチャンマッコを殴ります。食事に毒が入っていたことにモンナスが気づき、二人は逃げました。ワングもヨンガモを殺そうとしていたのでした。
訳をきくモンナスにどうしても理由を答えられないヨンガモ。モンナスは、ヨンガモが自分のことを間違いなく思っていることを確信していることを知っていたのでありました。抱きしめあう二人。
ヨンガモは威徳王の前にあらわれこう言いました。「あの日のことで、王様の子を身ごもりました。殺されかけました。王様のご指示なのか知りたくてまいりました。王様のご意思だったのなら死にます。すでに私は王様が原因で心から愛していた人を失いました。私にはもう生きる理由がありません。ですがお腹の子は王様のご意思に従うべきだと・・・」
哀れに思った威徳王はヨンガモに五色夜明珠(オセクヤミョンジュ)を渡します。生まれた子が男だったら五色夜明珠を渡し、娘だったらから五金(オグム)山から南へ100歩の馬龍(マリョン)池ところにこれを沈めよといいました。五色夜明珠は百済の王子だけが持てる証でした。五色夜明珠だけが王子が威徳王の息子であることを証明できる唯一の方法でした。本当にすまないと謝る威徳王。王権が弱まっているために威徳王はヨンガモを守ることができないのでした。
博士(パクサ)に昇進し、七支(チルチ)の儀式を受けるモンナス。神妙に七支刀の加護を受け取るモンナス。七支刀は翡翠色に輝いていました。
モンナス 「三韓(サマン)の知恵を与えよう 天を知れ 三韓の技術を与えよう 大地を拓け 三韓の文化を与えよう 海をあやつれ 我らの知恵 技術 文化は人を中心にして成り立つもの それが我が連盟体 三韓の精神なり」
祭司「私の治める天と地と海もしかり その中心は人である 馬韓(マハン)の農業技術は我々に富をもたらすゆえ 百済の心臓は馬韓のものだ 私に続くすべての王よ 忘れるな 馬韓と百済の心はひとつだ 忘れるな 三韓の精神を これが七支の戒だ」
百済に忠誠を誓うモンナスを皆が見守ります。
12年後、五金寺の馬龍池。お墓を盗掘してお宝を盗む子供のチャン。チャンは子供たちと玉の首飾りを盗んでやくざに上納していました。隠れ住むヨンガモとチャン。チャンは子供たちと一緒に屋台に豆の粉で煙幕を作り、それを弓で射り盗みを働きました。役人に捕まってしまうチャンとヨンガモたち。役人に必死に謝りチャンのかわりに罰してくださいと懇願します。重税とヨンガモに50発の体罰が与えられました。チャンはヨンガモに天竺に行こう、お釈迦さまになったら身分が低くても偉くなれるといいました。ヨンガモは自分の手でチャンを立派に育てるのは無理だけど、どうか立派になってね、と言いました。ゴロツキにすら見下される生活に見切りをつけたヨンガモはチャンに太学舎(テハクシャ)に行って技術者になりなさいと言いました。
太学舎とは治金に陶器、製鉄に染料、すべてに精通している所です。太学舎に来たチャン。ちょうど祭天行事が開催される前で、行事には次期国王の任命式が行われ、倭国、扶南や黒歯国(みなさん気づきましたか?悪役フクチピョンのフクチと同じ漢字ですね!)、天竺からも使臣が来ます。交易で有利になるように太学舎は準備をするようにモンナスは支持しました。ヨンガモに持たされた手紙をチャンがモンナスに見せたところ・・・
モンナス「チャン、私の息子」
チャン「お父様、私がチャンです」とチャンはひれ伏して挨拶しました。
チャンは字がほとんど読めず技術もなく品性もないので出ていけといわれました。太学舎あから追い出されるチャン。
チャンは祭事、父威徳王の儀式をこっそり盗み見します。華麗な姿にあこがれのまなざしで見るチャン。
チャンはあきらめきれずにモンナスの扉をたたきます。ヨンガモからの手紙にはチャンを教育するように書かれていました。事情については説明も許されないのだと。涙を流し文を握るモンナス。手紙を置いた場所にはモンナスが掘り起こした予言の香炉がありました。
プヨソンは部下(いつものおじさん)から阿佐太子の船が壊れたと報告を受けました。倭国に兵を送り、太子が生きていたら殺すように指示しました。
王宮へ貢物の中に隠れて忍び込もうとするチャンは、トラブルに巻き込まれて逃走する荷車から転げ落ちました。荷車の中には阿佐太子の手紙を持った兵士が一緒に隠れていたのでした。彼から阿佐太子の手紙を受け取るチャン。兵士は事情を話す前に息絶えてしまいました。
感想
あのおじさん(フクチピョン役のイ・ヒド)、今回は一段と悪い顔をしていましたね。いつもより悪い顔ですよ(笑)
主人公のチャンは貧しいからギャングになってしまったようですね。ガキ大将で盗みで母を養っているという以外は威徳王の息子らしい気品すらありません。
最初はこれ、つまらないのではないか?と思ったのですが、よく見てみると意外とちょっと面白いかもしれません。少なくともチョンウチよりは面白いです。
チャンがモンナスのことを父ちゃんと呼んでモンナスも息子よ!と言ってよい感じだったのにクソガキであることを見抜かれていきなり追い出されてしまいましたね。
チャンがモンナスのことを父ちゃんと呼んでモンナスも息子よ!と言ってよい感じだったのにクソガキであることを見抜かれていきなり追い出されてしまいましたね。
そして「七支刀」(しちしとう)ですよ。どこかで見たことあるな!と思われた方も多いのでは?
>代倭王家に仕えた豪族物部氏の武器庫であったとされる奈良県天理市の石上神宮に伝来した鉄剣。その由来は早くに忘れられ、田植えの儀式などに用いられた。来未有此刀百済・・・などの銘文が刻まれていた。
ドラマでは七支刀は佐平が持っていましたよね。日本でも王じゃなくて物部氏の倉庫にあったということですから、王の持ち物というよりは、高官が儀式に使う道具だったのでしょうか。
ドラマだけでなく歴史でも百済と日本は特別な関係にあったようですね。今の情勢から想像もつかないほど仲が良かったのでしょうか。古代は想像するだけでわくわくします。
黒歯平と黒歯国
ドラマでフクチピョンとフクチクグという言葉がでてきましたので気になったので調べました。
黒歯常之・・・百済の将軍。百済滅亡後には百済復興を掲げて反唐運動を率いた将軍の一人である。だが、復興の果たせないことを悟り、唐に投降し、唐の将軍として主に対突厥戦線で活躍した。しかし劇中のフクチピョンのいる時代はざっくり計算して威徳王の即位年から+26年+12年でおそらく592年くらいなんじゃないかと思います。
さらに気になったのが歯黒です。日本では歯に漆を塗ることが美とされてきましたから、日本と黒歯国との関連が気になりませんか?ちょっと調べたら黒歯国は東南へ船で1年かかって稲、黍、蛇を食らうとありますね。そうなると、インドネシアあたりかな!?しかしほんとにあったかどうかわからないし、歯黒は日本の文化ですから、噂から想像が膨らみ、なんてこともあったのかもしれません。どうなのでしょうね。
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