「薯童謠(ソドンヨ)」(全55話)第54話 秘密の計画 のあらすじとネタバレ感想
54話 秘密の計画 あらすじ
「何だと?500人も捕まえた?」
プヨソン(法王)はフクチピョンから報告を受けていました。
「はい。次々と捕まえています。悪名が広まったせいかチャンの名を聞くと泣く子も黙るそうです。」
サテッキルも一緒に話を聞いていました。
「当分の間、義賊の行動は控えてください。」
チャンはユリムに言いました。
「つまり?」
「警戒をおろそかにさせるのです。」
「では我々は何をすれば?」
「衛士部(ウィサブ)に潜入するのです。」
「え?衛士部にですか?」
「もうすぐ兵士の募集があります。ワング将軍はユリム公の部下の訓練をしてください。試官(採点をする官吏)ですから短期間でも足りますね?」
「はい。基本ができている者なら大丈夫です。」
ワング将軍は答えました。
「皆、基本はできています。」
ユリムは言いました。
「私の兵と合わせて衛士部に送り込めば彼らの心臓部に入れます。」
ヨン・ギョンフ大将はチャンに言いました。
「肝心なのはモンナス博士(パクサ)にお任せする仕事です。あの件は?」
「はい。なかなか見つからず苦労しています。」
ソンファ公主は言いました。
「何をお探しで?」
ユリムは聞きました。
「はい。元役人のユリム様にぜひご相談が。国策を作れる人材が必要です。太子様は王になるより大事なことだと。誰か適任者はいませんか?」
ソンファ公主はユリムに説明をしました。
「殿下。」
ユリムは嬉しそうに言いました。
「どうしました。」
「おかげで悩みが解決しました。実はまだ話していなかったのですが。私と同時期に退職した役人は阿佐太子様の臣下です。」
「え?」
「阿佐太子様は生前、人材を車載斗量(しゃさいとりょう、物や人材が多いこと)ほども集め、役所の重要機密の収集や国策作りの指示をされておられました。」
「さすがは太子様。」
「皆は今、家業に励んでいますが気持は変わりません。」
「さすがは兄上です。死んでもなお私を救ってくださる。驚きました。」
チャンは阿佐太子に感謝しました。
「彼らと連絡をとってみてください。」
「何と連絡を?」
「都市部(トシブ、商業交易をつかさどる部署)の対徳(テドク)だったタルスを捕らえろ。」
チャンは討伐隊に命じました。
農作業をしていたタルスは連行されました。
「何をする。訳を教えろ。」
タルスは暴れました。
「玄、黄・・・宇、宙、洪、荒・・・」
元役人は子供たちに言葉を教えていました。
「点口部(チョングブ)の季徳(ケドク)だったアジッキを捕らえろ。」
「何をする。やめろ。」
訥弁アジッキルは連れていかれました。
「刀部(トブ、王室の武器関連部署)の振武(チンム)だったキチョルを捕らえろ。」
フクチピョンはプヨソンに報告をしました。
「陛下、チャンが一人で陛下とお話しがしたいと。どうしましょう。」
控えていたサテッキルの表情が曇りました。
「まだそんな権利を与える気はない。」
プヨソンはフクチピョンに言い部屋を出ました。
「一対一で話したいと?」
「陛下、実は、各地で盗賊を捕らえながら張り紙の犯人を調査しました。」
チャンがプヨソンに報告をしました。
「それで?」
「ふと阿佐太子様の言葉を思い出したのです。」
「どんな阿佐の言葉だ?」
「役人たちの中に自分の忠臣がいると。」
「なんだと?阿佐の忠臣がいるだと?それは誰だ?」
「誰かは知りませんが妙な点に気づきました。阿佐太子と威徳王の死後、大勢の役人が同時に辞職をしました。」
「何だと?同時に?」
「はい。盗賊は彼らでしょう。」
プヨソンとフクチピョンは頷きました。
「私とモンナス博士を知りかつ役人に投書ができるのは彼らだけです。そのうちの三人を捕らえました。全員探し出して元山島へ送ります。処刑するとまた民心が騒がしくなります。まずは流刑にしてください。」
「それが一対一で話したかったことか?」
「いいえ。私が彼らを全員捕まえたらモンナス博士を解放してください。博士に田舎で静かに暮らせるようにしてください。今までの罪は私が償います。博士だけはお助けを。陛下。」
「連中を全員捕らえてから考えよう。」
「陛下。」
「下がれ。」
プヨソンたち三人は部屋に戻りました。
「恐ろしい奴だ。阿佐の臣下を流刑にと?」
プヨソンは言いました。
「モンナス博士を人質にして正解だったのです。」
フクチピョンはプヨソンに言いました。
「これを。急げば今晩の船で送れますが。」
兵士になったトウィルはチャンに書類を渡しました。
部屋には二人の阿佐太子の元官僚が縛られていました。
「もう一人送るから明日の朝にする。」
「もう一人とは?」
「来い。」
モジンがチャンに捕まりました。
「チャンア。」
「お前がこんなことをするなんて。」
ウスとコモはチャンを恨みました。
「不敬罪で元山島へ送ります。」
「不敬って?どういうことか説明して。」
「モジン技術者は分かるはず。」
「サテッキルの豹変で十分だ。もう私たちを苦しめるな。」
コモはチャンに言いました。
「連れていけ。」
「はい。」
トウィルはモジンを連れて行きました。
「チャンア。やめて。こんなことしないで。」
ウスは震えました。
「まさか・・・そんな。」
ウンジンは驚きました。
「あの野郎、ただじゃおかねぇ。」
メクオツは愛するモジンが連れていかれて怒りどこかへ行きました。
「父さん、父さん、見間違いだろ?」
ポムノはウスに聞きました。
「私も、そう願いたいわ。」
「本当にチャンだったの?」
「そうだってば。」
「お母さん。」
ウンジンは母のところに走りました。
「なんてことしやがる。本当に犬になってしまったのか?」
メクトスはチャンにつかみかかりました。
「離せ。」
トウィルはメクトスに言いました。
「いいんだ。」
チャンはトウィルを制しました。
「この野郎。ポムセン・・・・・・。アイゴー。かわいそうなポムセン。身代わりになってやったのにあの時この人でなしが死ぬべきだった。」
メクトスは息子が殺されたことをまだ恨んでいました。
「お母さん!お母さん!」
ウンジンとポムノが連行されるモジンを止めに来ました。
「どけ。」
兵士はモジンを連れて行きました。
「この裏切者め。」
「何を考えているの。」
モジンはすでに捕まえられた二人のところに連れて行かれました。
「私が何者なのか、これがその答えです。支度しろ。」
「はい兄貴。」
「準備はできたか?」
チャンは部下に聞きました。
「はい。」
「そうjか。では待機させておけ。」
ウヨン公主がチャンの部屋に来ました。
「何の御用でしょうか。」
「今は何の役にも立てず心苦しい。とはいえ頻繁に会うと衛士部に好奇の目で見られる。」
「もう行かなくては。」
ウヨン公主はチャンに鎧を渡しました。
「防剣服だ。命拾いをしたのに盗賊に殺されては大変だ。必ず着なさい。」
ウヨン公主は嬉しさを隠し切れずチャンに言い部屋を出て行こうとして足を止めました。
「お願いだ。この程度でいい。私の心を受け入れよ。それ以上は望まない。」
ウヨン公主は照れたようにして部屋を出ました。
チャンはため息をつきました。
部屋を出たウヨン公主は笑みをこらえきれず、嬉しそうに微笑みました。
トウィルはウヨン公主の後姿を見て怪訝に思いました。
「こりゃ兄貴驚いた。噂に聞く防剣服ですね。」
「何の用だ。」
防具をほしそうに胸に当てているトウィルにチャンは聞きました。
「準備が終わったので来てください。ご出発です。」
「怪しまれるような言い方をするな。」
「奴らが出発なさいます・・・行きやがる。」
モジンたちは船着き場に連れて行かれました。
モジンはチャンを見ましたがチャンは視線をそらしました。
「お母さん!」
「モジン、チャン、あんな仕打ちはあんまりだ。」
ウンジンとメクトスが人だかりをかき分けて来ました。
「モジン様は母親同然の人だろう。厳しいけど本当は優しいんだ。チャンア。モジン様を解放してくれ。モジン様を返してくれ。早く船を戻せ。モジン様!」
「お母さん!」
「モジン様!」
ポムノも叫びましたが船は行ってしまいました。
モンナス博士が兵士たちと仲良くたき火をしていました。
「船が来たぞ。見ろよ、女が乗っている。」
「こんなところに女を送るもんか。」
兵士たちが言いました。
「本当だ。」
モンナス博士が顔を上げるとモジンが連れてこられました。
「!」
「罪人などとたわむれるとは。」
兵士の一人が兵士を叱りました。
「こんな島では逃げても無駄です。何もしませんよ。」
「今後不敬な輩が送られてくる。小屋を増やせ。」
「はい。」
モジンたちは連れて行かれました。
島の罪人たちの集落が建設されていました。
「なぜ君までがここに?」
モンナス博士はモジンの両腕を掴みました。
モジンは胸の中から本を取り出しモンナス博士に渡しました。
「チャンから?」
「はい。」
モンナス博士は本を布で包み地面に埋めて隠しました。
海辺に二人は座っていました。
「以前、チャンをただ心配なだけではないと。どんな意味ですか?チャンにも正体を訪ねましたがチャンは流刑がその答えだと。博士、もしかして・・・もしや、チャンが四男なのですか?それしか説明がつきません。ヨンガモが博士から去ったのも、博士がチャンを守るのも、チャンが四男だからですか?」
「ああ・・・その通りだ。」
「ええ?」
モジンは立ち上がりました。モンナス博士はモジンの腕を掴みました。
「なぜ私には隠していたのですか?私が従わないと思ったのですか?ヨンガモの息子だから私がチャンの正体を告げるとでも?」
「モジンや。」
「博士を頭の中が真っ白になるほど何度も恨みました。」
モジンは目を真っ赤に潤ませました。
「なぜそんな思いを私にさせ続けたのです。」
「・・・・・・。君には、知らずにいてほしかった。」
モジンは涙を流しました。
「先の見えない道だ。一緒に重荷を背負えとは言えなかった。君に何一つしてやれないこんな男と一緒に・・・・・・。」
「博士・・・博士!」
モジンはモンナス博士に抱き着きました。
モンナス博士もモジンを抱きしめました。
「チャン、大変よ!」
ウンジンが血相を変えてチャンの部屋に来ました。
「どうした?」
「あんたのせいで・・・」
「どうした。」
「お母さんを島流しにしたのも憎らしいのに。おじさんまで・・・・。」
「どうした。」
「生きるのが嫌だって川に身を・・・・・・。」
「何だって!?」
チャンは急ぎ部屋を出ました。
メクトスは靴を脱ぎ、凍る皮に入りました。
「溺れ死のうが凍え死のうが・・・・・・。」
メクトスは氷の上を歩きました。
「父さん!父さん!やめるんだ。溺れ死ぬぞ。早く帰ろう。」
ポムノがメクトスを引き留めました。
「この世に未練はない。死なせてくれ。」
「やめるんだ。」
「放せ。」
二人は氷の上に転びました。
「川まで行かせてくれ。放せ。」
「父さん。やめろ。」
チャンが来ました。
「おじさん、いけません。」
チャンも氷の上で滑りました。
「死なせてくれ。」
「おじさん、つらいのは分かります。」
「俺を川に投げ込んでくれ。放せといってるだろ。」
「何してる。引っ張っていけ。」
トウィルはメクトスを引っ張りました。
「俺を川に投げてくれ。」
メクトスは暴れました。
「アイゴー。アイゴー。俺にどうやって生きていけと言うんだ。」
「大丈夫?」
「俺をとめるな。」
「おじさん。私には父親も同然です。死ぬだなんて。」
チャンはメクトスに言いました。
「父親。そうさ。ポムセンが死んだ時はお前を恨まなかった。お前も息子だと思ったからだ。だが今はもう何もかもが恨めしい。親も同然の博士とモジン様を島流しにしたお前が俺には分からない。だから死んだほうがマシだ。とめないでくれ。」
「おじさん、話があります。」
「兄貴。」
「話します。」
「何をだ。」
「実は私が四男なんです。」
「なんだって?聞こえた?」
ウンジンが言いました。
「四男(サナム)だって。」
ポムノは言いました。
「サナムに改名したのか?」
メクトスはとぼけました。
「私が、威徳王の四男なんです。」
「みんなが捜しているあの四男か?」
「シっ。」
「はい。」
「皆、チャンが送ったのか?」
モンナス博士は強制労働させられながら元官僚の話を聞きました。
「はい。もっと送るそうです。」
「私は都市部にいたタルスです。阿佐太子様の外交文書が手元に。」
「点口部のアジッキです。戸籍簿を持っています。」
「刀部のチキョルです。貴族の私兵を把握しています。」
「阿佐太子様に仕えていた方々ですか?」
「はい。」
「ご指示を。」
モンナス博士は彼らを呼びました。
「阿佐太子様がまいてくれた種だ。今度こそ実を結ばせなくては。監視は甘いが注意は怠るな。合図を決めよう。」
モンナス博士と阿佐太子の元役人は話し合いました。
「もうすぐ衛士部の兵の選考日だ。」
「はい。」
「えい。」
「えいや。」
「えい。」
ワング将軍は兵士を訓練していました。
「これは衛士佐平ではありませんか。なんだか顔色がすぐれませんね。」
フクチピョンはサテッキルをからかいました。
「いいえ。」
「もう討伐を中止せよとの陛下の命令が。チャンが戻ったら討伐隊は解散させる。衛士佐平が働かなくても世の中は平和なのだな。静かだ。適任者はほかにいるのではないか?」
チャンはサテッキルを見つめました。
「(そうさ、いっそのこと・・・・・・。)」
サテッキルはチャンを見て思いました。
プヨソンは重臣たちを呼び会議を行いました。
「聞け。私はチャンの過ちを赦す。皆への戒めとして罰することも考えた。だが許されることで奮起し国に貢献するならそれに勝ることはない。そなたたちの意見は?」
「陛下。その寛大な処置を民も称賛するでしょう。ですが陛下、寛大な処置をするにあたって提案が。チャンを衛士部の達率に。盗賊の討伐で手柄を立てた者です。能力にあった場所にチャンを配置してください。」
サテッキルはチャンの昇格を望みました。
「衛士佐平の思うようにしろ。」
プヨソンはサテッキルに言いました。
「公主ウヨンも籍田まで行き臣下たちに模範を見せた。お前を太学舎の首長に迎えたい。どうだ。」
「陛下。光栄でございます。」
「玉座に就いたものの、過去の過ちにより民心は荒廃した。だがもう元通りになった。」
「その通りです。政事巌会議(チョンサアム会議)でも民心を一つにするために仏教行事を開こうとの案が出ました。」
チルリョはプヨソンに同意しました。
「はい。陛下。東明祭も開催すべきかと思います。」
サドゥガンが言いました。
「その通りだ。私も開こうと思っていたところだ。」
「はい陛下。ご命令ください。」
「威徳王と阿佐太子の霊を蓮灯祭を開いて弔うのだ。祭りの期間中は殺生を禁止する。民は飼っている鷹を放し漁具は狩りの道具もしまえ。皆純潔な心で慰霊するのだ。」
「はい。」
「ようやく治世を始めるときが来た。皆心を一つにして百済の再興に力を尽くせ。」
「はい陛下。」
プヨソンは満足しました。
サドゥガン派の貴族は歩いて話をしていました。
「衛士佐平には驚いた。」
「チャンを傍に置いて監視したいのだろう。」
「有能な部下を選ぶのも上に立つものの才能です。」
「ははははは。」
「驚くことはない。理由は今お二人が言っていた通りだ。俺は当分休む。すぐに衛士部の仕事をしろ。」
サテッキルはチャンに命じて去りました。
「はははははは。チャンア。ちょっと私についてこい。」
フクチピョンはチャンを呼び出しました。
「何の御用でしょうか?」
ウンジンは仕事場に入ってきたウヨン公主に言いました。
「太学舎の首長になった。」
「ええ?」
「服を作るから準備しなさい。」
「はい。生地は寸法を教えてください。」
「私が作る。」
「公主様がですか?」
「そうだ。お前は手伝うだけでいい。」
「はい・・・。」
ウヨン公主は絹を選びました。
フクチピョンはチャンをチン・ガギョン大人に紹介しました。
「衛士部の達率に?おめでとうございます。」
ソンファ公主はチャンを祝いごちそうを用意しました。
「ははははは。チン大人のおかげですべて丸く収まりました。」
フクチピョンはご機嫌でした。
「とんでもない。」
「うううん。チャンを仲間にできて私も心強い。はははははは。困ったことがあればいつでも相談しろ。」
フクチピョンは仲間には優しかったのでありました。
「はい。」
「達率があんまり仕事ができるから衛士佐平は一気に老け込んだ。はははははは。こうして見ると、二人はお似合いだな。」
「はい?」
チャンとソンファ公主は声を揃えました。
「チン大人をどう思う?」
「チン大人はどう思う?」
「・・・縁結びを頼みます。」
ソンファ公主はフクチピョンに微笑みました。
「ははは。嫌いではないのだな。ははははは。」
「達率は恥ずかしいのか?」
「いえ、その・・・。」
「あはははは。良縁は近くにあるものだ。ちょっと厠に。」
フクチピョンは部屋を出ました。
ソンファ公主はチャンの手を握りました。
「冷や汗がでます。困ります。」
「久しぶりですもの。」
チャンはソンファ公主の手をふりほどきました。
「ところでソドン公。防剣服をトウィルにあげたそうですね。」
「ええ。」
「ウヨン公主が傷つきますよ。」
「ですが・・・。」
酔っぱらったフクチピョンが戻ってきました。
「とにかく、チン大人、チャンの教育を頼みましたよ。」
「どういうことでしょうか。」
「チン大人はとても賢い人です。陛下の心を掴み、サテッキルも負かした。」
「大したことでは。」
「くぅーくくくくく。いいや。衛士佐平の顔を見せたかった。休みたいとまで言ったぞ。くぅー。」
「元山島へ行く。船着き場へは止めるな。就いたらすぐにやれ。」
「はい。」
サテッキルは部下に命じました。
元山島の小屋。
「座れ。戸籍などの整理は?」
モンナス博士は元官僚に聞きました。
「資料を追加しておきました。賦科のことは?」
「終えました。」
「兵力は?」
「はい、終わりました。」
「貴族の私兵の資料は?」
「もうすぐです。整理したら見せます。」
サテッキルは数名の部下を引き連れて元山島に上陸しました。
「二手に分かれて探せ。」
「はい。」
「私兵の資料は?」
「はい。書き終えました。」
「資料を交換してすべて把握しておくように。」
「はい。わかりました。」
部屋にサテッキルが入ってきました。
「なぜお前がここに・・・」
モンナス博士はサテッキルに言いました。
「衛士佐平だ。来てもおかしくない場所です。小屋と彼らを調べよ。」
「佐平様、怪しい場所が。」
「連れて来い。」
モンナス博士はモジンのところに連れて行かれました。
「この女が何かを隠すところを見ました。」
兵士がサテッキルに報告しました。
サテッキルが地面を掘り返してみると、論語、孟子といった本が出てきました。
サテッキルは本をいくつもめくりました。
「チャンが私に持たせてくれたものよ。」
「読書も許してもらえないのか。」
サテッキルは本を破り折りたたんだ内側を見ましたが何も出てきませんでした。
「絶対に何かある。調べよ。」
サテッキルはモジンとモンナス博士を睨みました。
兵士たちは小屋の中をくまなく調べましたが何もでてきませんでした。
服を脱がせても何もありませんでした。
「よく調べたか。」
「ここには何もありませんでした。」
「ここに違いない・・・・・・。」
サテッキルは考えをめぐらしました。
「どうしますか?宮殿に戻りませんと。」
「撤収しろ。」
「行くぞ。」
「危なかった。」
モンナスたちは服を引き裂きました。服の内側には資料が書かれていました。
「モジンに従わなかったら危ないところだった。」
「まったくです。ははははは。」
「だから太子様は私を送ったのです。保安の達人だから。」
モジンは言いました。
「ははははは。」
皆は笑いました。
「ここまで来るとは。サビ城に問題でも?」
モジンはモンナスに尋ねました。
「サテッキルが一人で疑っているのだろう。」
「焦っているようでした。」
ウヨン公主は嬉しそうに仕立てた手縫いの服をチャンの部屋に持ってきました。
「一人か?」
「ええ。衛士佐平は出かけているもので。」
本を読んでいたチャンは立ち上がり、再び座りました。
「受け取れ。」
「何でしょうか。」
ウヨン公主は箱を開けました。
「見なさい。」
箱の中には茶色の官服が入っていました。ウヨン公主は恥じらいました。
「着てみよ。寸法が合うか・・・。」
「受け取れません。防剣服だけで十分です。」
「だが、これは手作りの・・・・・・・。」
「トウィル。」
トウィルが入ってきました。
「何でしょう。」
トウィルは防守服を着ていました。
「受け取れません。」
「兄貴。」
「申し訳ありません。受け取れないのです。」
ウヨン公主は顔を横に向けまた振り返りました。チャンの指にはソンファ公主とおそろいの指輪がはめられていました。
「受け取って。」
「できません。お返しします。」
「私が作ったのだ。生まれて初めて作った服だ。」
「だから受け取れません。」
「本当に、私には少しも心を開く気はないの?」
「はい。」
「・・・・・・。」
ウヨン公主は箱を持って帰りました。
チャンはため息をつきました。
サテッキルはウヨン公主を見ました。ウヨンは恥ずかしくて逃げて行きました。
ウヨン公主は庭木の下に座り涙を流しました。
サテッキルはその様子を見ていました。
ウヨン公主は部屋に帰り、悲しそうにしていました。その人差し指は針でケガをして包帯で巻かれていました。ウヨン公主は着物をくしゃくしゃにして泣きました。
夕方。ウヨン公主は箱を再び持ち出しました。サテッキルはその後を追いました。
衛士部の執務室。
ウヨン公主は箱を置きました。
「受け取れ。命が惜しいなら。私は知っている。すべて知っている。」
サテッキルは聞き耳を立てていました。
「知っている?」
感想
次がいよいよ最終回ですよ!あんなに憎らしかったフクチピョンが優しいおじさんになっています。ウヨン姫は積極的ですね。朝鮮の女性はこんなにも積極的なのが当たり前なのでしょうか?男も女も恋に積極的なのでしょうか?こんな性格なら恋に苦労せずにすみそうですね。日本では心情を言葉で表現しない風習があるので、人間関係を隠す傾向があるので人口も少子化に向かっています。好きなら好きといったほうがあきらめも早くなりよさそうです。サテッキルはまた虐殺をするのか!?と思いましたが、今回は何とか生き残れましたね。さすがにモジンやモンナスを殺しては視聴者に恨まれますからね。チャンとソンファは仲良しだとわかっていても、ウヨンちゃんがかわいそうですね。ウヨンは一体何を知っているというのでしょうか!?続きが楽しみです。チャンが冷たくしすぎてかわいそう!