「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第77話 世子の「」 あらすじとネタバレ感想
77話 世子の四輔星 あらすじ
「余は数千年の未来まで民が政治の主体となってほしい。そのため余は今後生涯をかけてこの朝鮮の民のために文字の創製に取り組んでいく。」
世宗は政務を世子に任せてハングル文字の開発に取り組みました。
世子妃のポン氏は自ら世宗に廃庶人にするように頼みました。世宗はポン氏が女官と性交したことに驚きました。
シン・スクチュは義祖父のユン・フェに酒を飲んではいけないと言いました。ユン・フェは酒がないと肝臓が痛むのだ、療養せずに一緒に孫婿と働きたいと言いました。
「お前が私の希望なのだ。」
「記里鼓車です。ここまで乗ってきました。」
「乗れ。そなたの席は後ろだ。」
ファン・ヒはシン・スクチュに言いました。
「おじいさま(ファン・ヒ)に頼まれたのですか?」
「そなたの亡き父(シン・ジャン)の遣いだ。」
ファン・ヒはシン・スクチュを載せて記里鼓車を出しました。シン・スクチュは父のシン・ジャンから仕事の話を聞いていたので記里鼓車の測量はすぐに慣れました。
「では集賢殿に積まれている"山"はなんだ?」
ファン・ヒはシン・スクチュを刺激しました。
ユン・フェはシン・スクチュに文字創製の仕事場を見せました。シン・スクチュは目を閉じ父シン・ジャンが働いていた様子を連想しました。
「熱意です。父の熱い思いです。」
シン・スクチュはシン・ジャンが執筆した新撰八道地理志を見せられました。
「そこにおじいさまや学士の思いが共にあるのですか。」
ユン・フェは孫婿に頷きました。
「今度はそなたの番か。新たな熱意を加えていくのだ。」
世子(文宗)はシン・スクチュに話しかけました。
「嘘であってほしい話だ。」
「申し訳ございません義父上。お願いする資格などありませんが廃位になることで世子様にご迷惑をおかけしたくありません。」
「わかった。さがれ。もうよい。さがっていろ。」
ソサンとタンジは王宮の塀を乗り越え逃げました。
昭憲王后は世宗に事実を話し廃妃を申し出た世子妃を叱りました。
「娘よ、そなたは、大丈夫なのか?」
世子妃は涙を流しました。
「この母は何も言ってやれぬ。言葉をかけてやりたいのに。」
「気になさらないでください母上。もうどうすることもできません。」
イ・スンジは天球儀を動かし方角を設定しました。
「あれが北極星ですね。北極星に一番近い星はなんですか?」
シン・スクチュは世子に話しかけました。
「四輔星です。」
イ・スンジは答えました。
「北極星の補佐役。宰相みたいな星だ。」
世子はシン・スクチュに言いました。
「スクチュの任命理由はどうかご内密に。王様が話されるまでは機密を保持するのです。たとえ世子様に対しても。」
ユン・フェは首陽大君に言いました。
世子はまずは得を持ってこそ真の国の中心となれるとシン・スクチュに言いました。シン・スクチュは宰相星のようになってみせますと世子に言いました。
「シン・スクチュは幼い頃から神童と言われてきた。王様の目的は?まだ科挙にも合格していないのに・・・まさか、とんでもないことをお考えに・・・」
チョン・インジはヨンシルに言いました。
チェ・マルリは世宗が文字創製を行っていることに気が付きました。
仲間となったチョン・チャンソンとキム・ムンはマルリが立ち上がると自分たちも立ち上がりました。
「冗談ではなかった。」
「考えすぎでは。」
ヨンシルはチョン・インジに言いました。チョン・インジはこの恐ろしい計画を止めることができるだろうかとつぶやきました。
「殿下、殿下、殿下、あの・・・問題が」
オム・ジャチは慌てて世子のところに行きました。
チェ・マルリのもとにソサンとタンジが来ました。
「申し訳ありません。私に責任があります。」
昭憲王后は世宗に謝りました。
「夫人は、優しすぎる人だ。だが、それも残酷だ。人の過ちまで抱え込みむしろ自分を責める。なぜそのようなことができるのだ。いっそ私を責めてくれ。国王は民の父だと偉そうなことを言っておきながら血を分けた息子の苦しみを理解してやれない。それどころか深く傷ついていることにも気づかなかった。それでも国王なのか。親だというのか。そういって私を責めるのが当然なのだ。」
「そんなことは、私にはできません。あなたはこれまで十分すぎるほど苦しんできました。」
「どうか手遅れにならないでほしい。息子に、できるなら我が息子の代わりに苦しみを背負いたい。」
父の言葉を扉の外で世子は聴いていました。
チェ・マルリはソサンとタンジに見せられた世子妃の卑猥な絵を見ていました。
「かくまってくださいますね。」
「もちろんそうしよう。」
「はいれ。」
奴婢たちがソサンとタンジを捕まえました。
「何の真似ですか?離して。」
「一日でも長生きしたいならおとなしくしておいたほうが賢明だぞ。」
「女官を始末するのですか?」
「世子妃を脅迫して世子様を侮辱したのだ。十分死に値する。」
チェ・マルリは呟きました。
「なんとしても代理聴政はやめさせるべきです。」
キム・ムンは言いました。
「ではこれは、最高の切り札です。」
チョン・チャンソンは言いました。
世宗は世子(文宗)に飲もうと酒を酌みました。
「話があるのでしょう。」
「まずは飲め。」
「無理はするな。」
世子は首陽大君に世子を渡そうと言いました。
「それが王室の名誉を守る唯一の・・・」
「王室の名誉よりもお前のほうが大事だ。すまなかった。ひとりで苦しませて。痛みを分かち合えず心を打ち明ける相手になってやれなかった。ふがいない父だ。すまぬヒャン。」
「父上。お許しください父上。父上の期待にこたえたかったのに。どうしてこんなことに。抱けませんでした。」
「さぞつらいことだろう。お前のせいではない。この先何が起ころうともこれは決してお前のせいではない。」
世宗と世子は涙を流しました。
ユン・フェは肝臓を押えて倒れこみました。シン・スクチュは痛いならお酒を飲んでくださいと言いました。
「酒を貸せ。」
ユン・フェは自分と孫婿の衣に酒を塗り横になりました。
世宗が来ました。
「何をしているのだ。」
「お判りでしょう。」
「飲んだのか。」
「殿下・・・実は・・・・・」
シン・スクチュが義祖父の病気を告白しようとしました。
「一緒に飲んだといっても言い訳にならないぞ。」
「そなたを理解できぬ。余が置かれている状況を知っているだろう。王室内のことから国の内外まで問題だらけなのだ。これでは文字創製などはじめられぬ。いやわかっている。そんな態度はとれぬ。」
世宗は怒って部屋を出ていきました。
ユン・フェは世宗に杯を返しました。
「素直に処分を受けるという意味です。私にも面目というものがありますので。」
「今後は一滴たりとも飲んではならぬ。特に最近は顔色もよくない。」
「この年で少年のような肌では逆に変でしょう。」
「心配だから酒を飲むなと言っているのだ。」
「私に対する深い愛情にかわりがないようでうれしいです。」
ユン・フェは杯を返してごまかしました。
チェ・マルリは世子にいかがわしい絵を見せて世子に真実を問いました。
「隠ぺいしたいですか?」
「師匠の望みは?」
「よい国王になっていただきたい。そのためなら隠ぺいもできます。」
「感謝すべきですか?」
「感謝はまだ早い。取引は終わっていません。文字の創製です。」
「今なんといったのですか。」
「王様は野蛮な民が持つ文字を望んでおられるのです。それがいかに無謀なことか王様もご存知です。だから集賢殿にさえ内緒で動いているのです。誰にも言わずおひとりで。今王様に必要なのは時間です。幸いなことに代理聴政は明日からです。今からでも拒否してください。」
「私が拒否しなかったら?」
「私を敵に回すでしょう。」
チェ・マルリは世子を脅迫しました。
世子は世宗に文字創製が事実か確かめました。世宗はそれを認めました。
「この国の中心は民たちなのだ。だから文字が必要なのだ。」
「王室の醜聞を流すと持ち掛けてきました。」
「今日ですべての政務はお前に移る。自分自身で決めるのだ。」
翌日、世子はチェ・マルリを呼びました。
「集賢殿がまず進めるべき作業は、医方類聚の編纂です。(1445年に編纂された医学百科事典)」
「どういうことですか?」
「仕事の支持を出しているのです。つまり私は政務代行を拒まない。」
「世の中は世子様から次期王の地位を奪いますよ。私は世子様の師匠である前に政治家であると警告したはずです。」
「容赦はいりません。私も退くつもりはありません。」
感想
チェ・マルリは世宗と文宗の政敵だったのか?これまで仲間仲間していたのにこの寝返りようはすごいですね。こうも簡単に王を裏切るなんて!そして世子は弱気なようで頑固ですね。こういった弱気と強気が同時に存在する性格は王としては不適格なのですがー。のちの事態を予感させるようにわざとそんな風にドラマでは描いているのですねー。