「薯童謠(ソドンヨ)」(全55話)第40話 武康太子の誕生 のあらすじとネタバレ感想
40話 武康太子の誕生 あらすじ
「お前は私の弟だ。私とは立場が違うが父上の死も見届け私の苦悩も目にしたことだろう。息子をすべて失った今私に欲はない。なのにまだ私を信用せず衛士部を国王殿に入れるのか。私がお前に王位を譲って死にゆく日まで安らかに過ごしたい。宮殿から衛士部の兵を撤収させてくれ。祠堂くらいしか出入りするつもりはない。兄としての最後の願いだ。」
プヨゲは一瞬何のことかわかりませんでしたが、プヨソンの仕業とわかりました。プヨゲはプヨソンを呼び兵を撤収させるように命じました。ウヨンは父の許可なくなぜこのようなことをしたのかと義兄のプヨソンを責めました。プヨゲはもう王に力がないので兵を下げるように息子に命じました。
プヨソンは兵を撤収し、今後の人事について決めようとフクチピョンとサテッキルに命じました。
威徳王はモンナス博士にチャンを連れてくるように、ワング将軍にはチャンドゥの確保を命じました。
「あれを準備しろ。そうだ。できるだけやってみる。息子に最後の意地を見せたい。だからチャンを連れてこい。内密に連絡し私が会いたがっていると伝えろ。チャンドゥの確保は指示したか?万一の事態に備え親衛隊のほかにも兵が要る。ほかにあてはないか?チャンの安全のために必要だ。慎重に動け。私が迷っていたせいであまり時間がない。気を引き締めて動くように。」
天の峠学舎の技術士たちは皆、逃げずに残るとモンナス博士に誓いました。逃げたがっていたメクトスも残ると言わされました。モンナス博士は第四王子の即位のために内密に準備を進めるように命じました。ウンジンたちは緊張しました。
チャンドゥは山に連れ出されてフクチピョンに処刑されようとしていました。
「罪人チャンドゥ、お前は第四王子の指示ではあるがお前は太子様の命を狙った。公開処刑をするべきだが譲位式も近いのでここで刑を執行する。陛下のご配慮に感謝しろ。処刑しろ。」
フクチピョンが部下に命じると黒い袋をかぶせられているチャンドゥは斬られて死にました。
捨てられたチャンドゥの遺体をワング将軍が確認すると、それはチャンドゥの死体ではありませんでした。ワング将軍は遺体の保存を部下に指示しました。
本物のチャンドゥは街にいました。チャンドゥは野原でキム・サフム(サテッキルの父で商人のアビジ)と会いました。
「3日後に譲位式が済めばドハムの天下だ。ドハムが改めてお前の功績を讃えるだろう。」
サフムはチャンドゥを労いました。
チャンドゥはサフムと別れて歩いていたら、ワング将軍の部下がチャンドゥを確保しました。
「会っていた者たちの正体を調べろ。こいつは箱に閉じ込めておけ。」
チャンドゥは縛られて朱塗りの木箱に入れられました。
威徳王はチャンを部屋に呼びました。
「開けてみろ。」
モンナス博士とワング将軍が箱を開けると箱の中からチャンドゥが出てきました。威徳王はチャンドゥに尋問したら、暗殺を指示したはずの四男の顔は知りませんでした。チャンドゥはプヨソンの命令で阿佐太子を殺したことを認めました。チャンドゥは王に降参しました。威徳王はワングに男の証言を記録して閉じ込めておくように命じました。威徳王は引き続き指示通りに動くようにモンナス博士とワング将軍に命じました。
モンナス博士はチャンに阿佐太子の薄水色の絹の服を着せ金の帽子をかぶせました。戸惑うチャンは、太子の装束となりました。威徳王とワング将軍が任命書を持って来ました。
「百済第27代王である私は四番目の息子を阿佐太子に次ぐ太子に任命する。その名前を武康とする。これで正式な太子だ。武康太子(ムガンテジャ)だ。」
威徳王はチャンに五色夜明珠を授けました。チャンは驚き戸惑いました。
チャンは太子の服を脱ぎました。
「王様、計画を教えてください。」
ワングは威徳王に問いました
「東明祭の時とは事情が異なります。出席者は外国の使臣ではなくすべて王子の反対勢力です。」
モンナス博士も譲位がうまくいくか心配でした。
「だから反対勢力を倒そう。方法がある。成功すると信じている。成功しなかったとしてもチャンの正統性だけは必ず守ってみせる。だから不測の事態が起きた時はまず太子を守るのだ。」
威徳王はいつもにない勇気と覚悟を決めていました。
ソンファ公主はチャンに会いに来ました。チャンは自分が太子に任命され譲位されることを話しました。
「譲位だなんて。私に王が務まるとでも?間違っています。陛下を危険に晒すだけです。思いとどまらせなければ。」
チャンは譲位を受ける気はありませんでした。チャンはモンナス博士のところに行き、陛下を説得するように頼みました。モンナス博士は陛下を変えたのはチャンだから説得できるのはチャンしかいないといいました。チャンは威徳王のところに行きました。
「陛下。私は阿佐太子とは違います。博士が何をどう言おうが私には王族教育も能力もありません。」
チャンは譲位を辞退しました。
「私は教育や能力に興味はない。これから身に着ければよいことだ。私が見たのはお前の意地だ。私はお前に示したい。私が見せてやれる、お前が見せてくれといった意地と努力を。そしてそのささやかな意地は、お前のおかげで芽生えたのだ。感謝している。いつも危険を恐れて黙っていた。しかし考えていた計画がある。失敗しない計画が。私は・・・自ら・・・プヨソンを暗殺する。私が実行する。この手で直接息子たちの恨みを晴らす。チャン、そうしたいのだ。息子を殺した者を私の手で殺したい。だからお前の復讐心と怒りは私が背負っていきたい。私と阿佐太子の思いを継げ。百済を再興するのだ。私もお前も自分の役割を果たすのだ。」
「いけません。危険な行為をするのも未熟な私に譲位することもです。納得できません。お許しください。私の無礼な発言のせいです。罰してください。悪いのは私のせいです。」
謝るチャンに威徳王はワングに命令してチャンを閉じ込め譲位の準備をさせるよう命じました。
チャンは倉庫に縛られ閉じ込められました。
ポムノとウンジンはチャンが閉じ込められて驚きました。ワング将軍はモンナス博士たちにチャンを見張るように命じました。
「犯罪ではない。いいことをしたのだ。だから見張ってくれ。」
ワング将軍はモンナス博士に威徳王の決心が固いことを伝えました。
ポムノとウンジンは「チャン、すまない、許してくれ」と言ってチャンの口に布を巻きました。
「もう止めるな。もし成功したら私が仏門に入った後私が政事の相談に乗ろう。失敗しても阿佐太子の暗殺は暴いて見せる。それに私は武康太子に確実に譲位したい。だから私がどうなろうと任務を果たすのだ。万一失敗したとしてもチャンを守ってくれ。そしてこれが親心だと伝えてくれ。よいな。」
威徳王はモンナス博士とワング将軍に遺言を伝えました。
ポムノはうとうとしながらチャンの倉庫の前で眠っていました。
ウヨンは技術士たちに譲位の準備ができたか確認していました。
「人事はまとまったか?私と王妃様が納得できるものに。ほかは私が見て回る。お前は国賓接待の準備の点検を。夜は私と共に父上の補佐をしてもらう。」
ウヨンはサテッキルに命じました。サテッキルはモンナス博士とチャンがいないので譲位に反対する気ではないかといいました。サテッキルはポムノよウンジンがいないことに気づきました。サテッキルはチャンがどこにいるのかメクトスに聞きました。
「最近様子が変なんです。部屋にこもってばかりで返事もないんですよ。あいつのことを考えると歯がゆいというか・・・」
メクトスはデタラメを答えました。
モジンとウンジンは第四王子のための服をしたためていました。
フクチピョンの兵士は撤収を命じられました。フクチピョンは不満でした。
「衛士部の兵の数は親衛隊の数倍だ。しかも宮殿の外を包囲している。これから帰宅して正装してくる。お前もそうしろ。」
プヨソンはフクチピョンに話しました。
威徳王とワング将軍はプヨソンの暗殺の手順を確認していました。
「帰宅時を狙い一人になった時に連れてこい。」
「陛下、私にお任せください。」
「私がこの部屋でやる。人目につかないし確実だ。」
「ではこの部屋で私が・・・」
「お前がいたらプヨソンも護衛をつけるだろう。言う通りにしろ。」
プヨソンは威徳王に呼ばれて護衛を置いて一人で部屋に来ました。
威徳王は皆を下がらせました。ワング将軍は「私まで下がれと言われたのだ。皆下がれ。」とプヨソンの護衛を追い払いました。
威徳王とプヨソンは酒を飲みました。
「陛下、お話しとは何でしょうか。陛下。」
威徳王はしばらく黙って酒を飲むと、立ち上がり、プヨソンに跪きました。
「助けてくれ。」
「陛下。」
「出家して宮殿とは永遠に縁を切るつもりだ。だからどうか命だけは。」
「陛下。」
「もっと早くお前に王位を譲るべきだった。すべて私が悪いのだ。後悔している。助けてくれ。私は、太子殿下のように死にたくない。」
「陛下。誰も陛下のお命を狙ったりしません。お立ちください。偉大なる百済の王なのですから。」
「私は、阿佐太子のようにはなりたくない。」
「陛下、あのようなことは起こりません。太子殿下のように亡くなったりしません。どうかお立ちに。おたちください。さあ。」
威徳王は短剣をプヨソンの腹に突き刺しました。
「ええい。私は、阿佐太子のように死にたくはないのだ。」
「陛下・・・うぁっ。陛下が陛下がこんなことをなさるとは。」
「息子を殺された父親の復讐だ。いや、王による断罪だ。そうやって力を入れると、より早く死に近づくことになるぞ。刃に毒を塗ってある。」
プヨソンは倒れてもがきました。威徳王は剣をその場に捨てました。
感想
もうプヨソンがやられてしまうのでしょうか!?果たして短剣をプヨソンのところに落とした威徳王は無事なのでしょうか。「あっ」と驚くようなお話でした。あの弱気な威徳王がプヨソンに立ち向かうとは。プヨソンを断罪することで、政敵がいなくなるとはおもえませんが、この先どーなっちゃうの?と続きが気になります。