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「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第74話 志を立てた場所 あらすじとネタバレ感想

「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第74話 志を立てた場所 あらすじとネタバレ感想

74話 志を立てた場所 あらすじ

「"銃筒謄録"の破棄は不要だったのでは?新兵器への言及はありませんでした。」
キム・ジョンソはチョ・マルセンに言いました。
「明の東廠(トンチャン)を甘く見るな。」
マルセンは東廠の恐ろしさを知っていました。

「その前に新兵器の情報を手に入れてください。自国の脅威を軽んじる者は逆徒。皇帝の師である資格はありません。」
東廠のヘ・スは皇太子の師のファン・チャンに言いました。

ファン・チャンはチェ・マルリに新兵器の開発をやめるように明への留学の権利を引き換えに頼みました。

世子は"銃筒謄録"を世宗に差し出し廃棄するように言いました。
「両国の平和のため"銃筒謄録"をお渡しください。」
世宗は朝鮮の自主独立を望んでいました。
「国防なくて自主などありえぬ。お前がすべきなのは忠告ではなく謹慎だ。謹慎しながらお前が犯した過ちは何か考え反省しろ。」

チェ・マルリも"銃筒謄録"をファン・チャンに差し出しました。
「ごくろうさまです。」
そこに現れたヘ・スはチェ・マルリの明への忠心を褒め、"銃筒謄録"を持ち去りました。

「朝鮮の服がよくお似合いですな。」
チョ・マルセンはヘ・スに嫌味を言いました。
「我が国の法律を犯し密入国した罪で捕まえる。」
チョ・マルセンとキム・ジョンソはヘ・スを捕まえました。
「無礼者め。ただでは済まんぞ。」
「昔のよしみで明に送り返すだけですませろ。ただし、荷物を調べて何も出てこなければの話だが。これは何ですか?」
チョ・マルセンはヘ・スの持って言える"銃筒謄録"と表紙に書かれた本を問いました。
「白々しい。強力な新兵器の開発は明への挑戦だ。・・・なんだこれは!?」
ヘ・スが本の中を見ると本にも書かれていませんでした。
「チェ・マルリは知れば知るほど面白い。」

「なぜ白紙なんだ!」
ヘ・スはチェ・マルリに掴み掛りました。
「私は尊敬の意を表しただけです。常々我々は明の文明と学識に深い敬意を持っております。もし新兵器に関する知識が必要であれば明の力で書を埋められるはずです。ファン殿は両国の平和のために武器の調査が必要といわれましたがあいにく私の管轄ではないのです。ですから情報もありません。公式に要請し明の礼部と朝鮮の礼曹とで解決策を模索されるのですな。私の知る限りそれが正しい外交の姿です。」
チェ・マルリはファン・チャンに言って部屋を出ました。

チェ・マルリはチョ・マルセンに反論しました。
「私は出世のために国家機密を売ったりはしません。心置きなく反対したいのですから。国土開拓を名目に征伐を行うのも反対です。」
「領土の広さと民の数は国力を意味する。強国は嫌いか?」
「領土が広いだけでは強い国とはいえません。領土が広くても野蛮な国は多々ある。」
「そなたごときが覆せると思うのか。世論は征伐を支持する。」
「いつまで・・・若造扱いするのですか。私も人を使う術を心得ています。」
「人を使うだと?」
「ただ大監と違うのは私は金ではなく原理原則で人を動かすのです。」
チョ・マルセンは微笑みました。

チェ・マルリは世子に国の平和と民の安全のために戦うべきだと言いました。
「自信とは、正義のために戦う中で培われるものです。急にはつきませぬ。殿下は頑張っておられます。」
チェ・マルリは自信がないという文宗を励ましました。

世宗はファン・チャンと茶を飲みました。ファン・チャンはチェ・マルリに伝言を伝えるように世宗に頼みました。「昨夜受けた厚意は絶対に忘れない」と。

「朝鮮はワン・ジンが思っている以上に不遜な国かもしれぬ。」
ファン・チャンは朝鮮を危険だと認識しました。

チョン・インジは赤色の官服を着て集賢殿に現れました。皆はチョン・インジの出世(集賢殿 副提学)に驚きました。チェ・マルリとキム・ムンとチョン・チャンソンは嫉妬し笑いませんでした。
「応教様は王様との戦いに敗れました。」
キム・ムンはチェ・マルリの劣等感を刺激しました。

世子の師匠がチェ・マルリから左議政のメン・サソンとホ・ジョに変えられました。
「立派な人は国家機密を流したりしません。反対することと国家機密を流すこととは話しが違います。」
「自重なさってください殿下。」
世子は部屋を出ていき申聞鼓を何度も叩き続けました。

「なぜ世子様があのような暴挙に。チェ・マルリの人事のせいか。」
ファン・ヒは世子の荒れようを心配しました。キム・ジョンソはチェ・マルリを罰するべきだったと言いました。

世子は父世宗に呼ばれました。
「チェ応教の人事は不当です。チェに罪を犯させたのは父上です。父上は明に朝鮮を警戒させました。両国の平和は遠ざかっていくのです。すでに新兵器は民の心臓を狙っています。父上が征伐に熱中する間に内政は混乱に陥り民は依然として富める者と権力者に支配され苦しんでおります。私とチェ・マルリが同盟になる目的はすべて民のためなのです。大国と友好関係を築き徳のある国を建てること。それが朝鮮が選ぶべきだと思います。領土を広げるより内政を重視する君主、そのような王になりたいのです。昔のように民の衣服を身にまとい町へお出かけください。そうしたら25年前の父上が申聞鼓を鳴らし守ろうとした民、彼らに出会うことができます。」
世子は父の軍事に反対しました。

「父上は各方面において民の便宜を図り農事直説も配布される予定です。」
首陽大君は兄の世子(のちの文宗)に言いました。
「父上はお忍びで行くべきだ。王の姿では真実とは出会えない。官吏や民たちは王が喜ぶことしか見せないからな。きっと役に立つ。」
世子は首陽大君に手紙を渡しました。

世子の指摘を世宗は受け取りました。世宗は世子の言う通り忍びで街に出るとファン・ヒに言いました。
「そなたはなぜだ。すべて捨てたのになぜ戻ってきたのだ。余はあの日からだった。実際に見た民は書物に描かれた姿とはまったく違った。あさましく無知な彼らに出会ったあの日から、この世を変えるために政治を行った。町は余が志を立てた場所なのだ。再びその場に立ち反省するのも悪くはないだろう。」

世宗はファン・ヒを連れて町の見物に出かけました。

昭憲王后は世宗の失政を熱心に調べている息子に父とよく似ていると言いました。
「そなたは幼いころからほんとうに王様にそっくりでした。おかげで私も苦労したものです。しかしもう違う道をあるきはじめた。ならば当然うれしいはずなのに、なぜこうも心が重いのでしょう。」

世宗は見せで食事と酒を頼んでいました。首陽大君がそこに現れ父の役に立てればと言いました。

「母はそなたを見ているのがつらいのです。苦しむそなたの姿をそばで見守るのが耐えられません。もちろん母はそなたを信じます。王様もそなたも良き王になろうと努めている。そなたは思いやりがあって賢いからこそこうして王様と衝突するのでしょう。しかし長い目で見れば二人の志は同じです。私もそのことは理解しています。嬪宮にも心を開きわかってもらいなさい。嬪宮が心配というよりそなたが心配なのです。この先ずっと、世子として王として生きていかねばなりません。それはとてもつらく寂しいことです。そんな時はよりどころが必要となりましょう。その寂しさを共に分かち合うこと。それが宮中での生活を耐え忍ぶ女にとって一番の喜びなのです。嬪宮にもその喜びを分け与えてください。そうすればそなたも嬪宮も幸せになれます。」
昭憲王后は世子の手を取り涙ぐみました。

からくり時計が子の刻を継げました。

世子は嬪宮の部屋に行きました。
「開けろ」
部屋の中からは女性の笑い声が聞こえてきました。
「こっちへ」
「おやめください」
「じらさないで」
「あははは」
部屋の扉を開けると肌もあらわな嬪宮と女官が淫らに戯れていました。
「世子様・・・・・・。」
文宗は無言で嬪宮のもとから去りました。

庭で立ち尽くす世子に嬪宮が来ました。
「いつからだ」
「理由を聞くのが先ではありませんか。」
「三日だ。三日のうちに始末をつけろ。」
「許してくださるのですか。」
「もめ事は好まない。」
「私はあなたの妻なのですよ。」
「だからなんだというのだ。」
「せめて私のお顔を見て話してください。」
「これでも精一杯寛大に接している。」
「なぜ怒らないの?少しでも人間らしく振舞っていてくれたら私だってこんなことには・・・」
嬪宮は涙を流しました。
「ここまでだ。これ以上は何もできない。始末をつけ、世子妃の務めを果たせ。無理なら形だけでも・・・わかったな。」
「私は嬪宮ではなくあなたの妻になりたいの。人間らしく生きたいの。」
「辛抱強く私を待てばよかったのだ。そうしたらそなたの望む関係になれたかもしれない。廃妃にしないと、それがそなたのためにできる精一杯のことだ。」
嬪宮は世子に触れようとしましたが触れられませんでした。
「私が間違っていました。だから今回だけ大目に見てください。お願いします。」
世子が去ると嬪宮は地面に座って泣きました。

感想

あらま。ちょっと調べてみたら、世子の妃は二人廃妃にされているようで、一人目徽嬪金氏は廃妃後に自殺、二人目純嬪奉氏は結婚してから7年後に廃妃となったようです。三人目顕徳王后權氏が敬恵王女と端宗を産んでまもなく亡くなられたようです。そしてこの破廉恥なスキャンダルはほんとうにあったようですね・・・そうというのも世子は世子妃に性的な興味を抱かなかったからだそうで・・・、どうやら文宗は心も許せる女性としか交わらなかった生真面目な男性のようですね。それともよほど好みではない女性だったのでしょうね。世子妃ももとからそういう趣味ではなかったようで、あれこれ世子にかまってもらおうとがんばったけどついに交われないからそっちに目覚めていったような感じですね。なんとも・・・面白い話ですね。でもかわいそうですね、一番目の世子妃はもう二度と結婚できないからつらくて自殺しちゃっだんでしょうか。なんとも無慈悲な世子ですね(笑)その口が民への慈悲を唱え正しいと主張するのですからはなはだおかしいですね。そんな文宗のご無沙汰ぶりを思うとまだお盛んで子だくさんな王様のほうが王者としてふさわしく思えてしまいます(笑)

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