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「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第84話 儒教国のタブー あらすじとネタバレ感想

「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第84話 儒教国のタブー あらすじとネタバレ感想

84話 儒教国のタブー あらすじ

昭憲王后は世宗の失明の苦しみを理解しようとしていました。世宗の目はほとんど見えなくなっていました。

世宗はチャン・ヨンシルの仕事場で転びました。
「明かりをつけろ。そうすれば・・・・・。」

「生きていけるか?」
「媽媽。」
ハン尚宮は王妃を気遣いました。
「視力を失い光なき闇の中で生きねばならないのか。殿下はまだ殿下はやりたいことが山ほどおありなのに。」
昭憲王后は泣きました。

「見えますか。」
ヨンシルは世宗を支えました。
「徐々に闇の時間が長くなると医官が言っていた。今は、いつまでかが重要だろう。余の目はいつまでもつのだろうか。目が見えるうちに文字創製を成し遂げられるだろうか。」

チョン・インジは何かに気がつこうとしていました。
「朝鮮語の発生・・・音の出る位置・・・それぞれ違うのか。」

「私にできることは全力でいたします。」
ヨンシルは世宗に言いました。
「今余が何を考えているのか、そなたが知れば驚愕するだろう。それでもそなたは余の力になってくれるな?」
「もちろんでございます殿下。」

「人体解剖ですと?」
「我々が集めた言葉は音の出る位置や特徴がバラバラだ。その原因を究明するために人体の構造を詳しく知る必要があると余は考える。反対するより前向きに考えよ。父は・・・父にはあまり時間がない。」
世宗は首陽大君やチョン・インジ、シン・スクチュ、ソン・サンムンらに言いました。

チェ・ヘサンは解剖に反対しました。ヨンシルはヘサンに遺体を連れてくるように頼みました。

「朝鮮は儒学を尊ぶ国だ。人体解剖はやりすぎだ。」
首陽大君は二人に言いました。
「7年間研究を続けても文字の形すらできていません。」
ソン・サンムンは言いました。
「完成のためなら、悪鬼とでも手を結びます。」
シン・スクチュは首陽大君に言いました。

ヨンシルはしつこくヘサンに献体を頼んでいました。
「開発のためにも文字が必要です。朝鮮の文字で技術を記録したいのです。チェ・ムソン様は技術を漢字で書き遺されました。」
「俺を笑っているのか?漢字の習得が遅くて父の技術を生かせなかったと?」
「後世のためにもやさしい文字を作るのです。」
「本当にやさしい文字を作るのか?」
「民への普及が目的ですから。」
「大砲の扱いを書いて知らせばけがをする奴が減るかもな。」
「多くの者が技術を速く習得し・・・」
「開発も早くすすむだろうな。まったく。お前と王様はいつも面倒ばかり起こす。」

「チェ・ヘサンが津寛寺にたびたび訪れる?目的は何だ?」
ヘ・スはチョン・チャンソンから報告を受け寺の地図を持ってくるように命じました。

世子は回回人の中に医者がいないか調べるようにキム・ジョンソに命じました。それをキム・ムンは盗み聞きしてチェ・マルリに報告しました。

「王様の病気がさらに悪化した。そうだろう?」
チェ・マルリは御医を問い詰めていました。
「王様が何かおっしゃったので?」
「事実のようだな。」
「王様のご病気は以前からのことです。」
「ならなぜ世子様自ら回回人の医者を探すのだ。」

文宗は首陽大君に解剖を前向きに考え回回人の医師に接触するように言いました。首陽大君は拒絶していました。そこにチェ・マルリと御医が入ってきました。
「なぜ回回人の医者を?」
「王様のお体を診させるのですか?」
「そうではない。」
「ではなぜ?」
「王様のご病気が改善の兆しがないので意見を聞いてみたいのだ。」
「回回人は人の体を切り裂く悪鬼のような輩です。」
御医は言いました。チェ・マルリは意見を聞くことなど許されませんと世子に言いました。

チェ・ヘサンは解剖する遺体を探していました。
「身寄りがないなら俺が葬式でも出してやろうと。」
ヘサンが遺体を引き取ろうとすると妻と子供がお父ちゃんとやって来て泣きました。そこにヨンシルが来ました。
「今日も、無駄足ですか?」
「謀反で処刑されれば放置されるのだが、最近は謀反をたくらむ者がなく処刑も執行されぬのだ。」
「陛下が血と汗で築かれた太平の世を嘆くのですか?」

「今の朝鮮はこれまでにない乱世です。」
チェ・マルリは首陽大君に王子さまこそ新たな王にふさわしいと言いました。
「そなたが私から聞き出したいのは父上を責める決定的な証拠だ。」
「私を見くびっておいでです。王子様のお力を借りずとも必要な情報は手に入ります。私は今、王子様を朝鮮の国王にと申し上げているのです。」
「それは謀反だと承知のうえか。」
「王子様が玉座に就けば忠臣に変わります。」
「聞かなかったことに。」
「口外するなとはおっしゃいませんよね。その理由を当ててみましょうか?」
チェ・マルリは首陽大君の胸に手を当てました。
「そのお心の中に潜む葛藤のためでしょう。どれだけ熱心に研究しても決して官吏になれぬ者。どれだけ王様や世子様を支えても権力を持てぬ者。そういう者たちが抱く葛藤です。」
「それが王子の宿命なのだ。」
「頭で理解しても受け入れるのは難しい。」
「決めつけるな!不愉快だといったはずだ。」
首陽大君はチェ・マルリをにらみました。
「今日はこのへんにしておきます。自らに潜む真実と向き合うには時間が必要です。玉座への門は、いつでも媽媽に開かれています。真実と向き合う勇気が生まれたらその門をたたいてください。そのときは私は喜んで媽媽の策士になります。」
首陽大君は部屋から出ていきました。

「帰って別の方法を探してみよう。」
チェ・ヘサンは帰ろうとしました。
「この死体はどうです?」
兵士が死体を持ってきました。
「昨夜獄死した身寄りのない死体です。」
「これはありがたい。なんと礼を言ったらいいか。」
「やけにうれしそうですね。」
「償った分だけ前世の罪が軽くなるからな。そうだろ?では失礼。」
チェ・ヘサンは死体を連れて行きました。その様子をプンゲと手下は見ていました。

「チャン・ヨンシル確かなのだな?」
「間違いありません。」
東廠の密偵はヘ・スに報告しました。

パク・ペンニョンとハ・ウィジは遺体の入った箱が運ばれるのを見ていました。
「あれは何だ?」
「文字創製のための資料だろう。でなければあの男が動くわけがない。納屋ではなかった。文字創製の研究室だよ。あの上に小さな庵がある。」
「ではその庵が研究室と?」
「確かめてみよう。」

庵の中に遺体の入った箱が運ばれてきました。パク・ペンニョンはハ・ウィジに箱の中を確かめるように言いました。ハ・ウィジはひもを解き箱を開けました。
「うげっ・・・・!」
ハ・ウィジは大きな声を出しかけて口を押えました。
「準備はできたか?」
世宗の声がしました。箱はひもで縛りなおされて元通りになりました。
オム・ジャチは紐を解いて箱を開けました。

パク・ペンニョンとハ・ウィジは全速力で逃げました。そこにヨンシルと文宗が現れました。
「幽霊だ!」
ハ・ウィジはいなくなったヨンシルを見て驚きました。
「驚くことはない。」

ヨンシルの出現と遺体の輸送はチョン・チャンソンの報告でチェ・マルリにも教えられました。
チェ・マルリは解剖が行われることを察知しました。

ヘ・スは津寛寺の地図を入手し、チャン・ヨンシルが寺にいると言いました。

チェ・マルリは解剖の現場を押さえて世宗を玉座から引き下ろし文字創製を中止させることを思いつきました。

「疫病で死んだ者です。下手をすれば津寛寺だけでなく都中に疫病が広がります。」
医師は世宗に言いました。
「何だと?」
オム・ジャチは遺体に触れた手を気にしました。

「庵に通じる道、チャン・ヨンシルの隠れ家はここだ。ここに隠れている可能性が高い。」
ヘ・スは寺の北東の庵を刺しました。ヘ・スはヨンシルを殺し朝鮮王を征伐すると言いました。プンゲは塀を乗り越えマルセンのもとに向かおうとしました。そうするとそこにはヘ・スがいました。
「裏切者はお前だったか。やれ。」
プンゲは馬に乗って逃げました。ヘ・スは弓を射るとプンゲの背中に二本の矢が刺さりました。
「追いますか?」
東廠の一人がヘ・スに聞きました。
「矢は確かに急所に刺さった。助からないだろう。」

「あのう、大監。」
チェ・ヘサンにオム・ジャチが金を渡そうとしました。
「遺族に金を払って遺体を買えと?」
繁みの中から重症のプンゲが這い出してきました。
「プンゲや!」
「チャン・ヨンシルが、上護軍が危険です。私は近道を来ました。すぐに追っ手が押し寄せるでしょう。」
「チャン・ヨンシルを、早く安全な場所へ。」
「開城府へ向かう道は・・・・・。」

「自ら転がり込んできた。これは運がいい。捕まえろ。」
ヘ・スは馬に乗ったヨンシルと出会いました。ヨンシルは馬から降りて逃げました。弓矢がヨンシル目がけて飛んできました。
ヘ・スたち東廠は剣を抜きました。ヨンシルは足が悪く逃げられませんでした。
東廠にいくつもの爆弾が撃ち込まれました。チェ・ヘサンでした。ヘ・スたちが混乱してヨンシルのいない方向に逃げました。チェ・ヘサンはヘ・スに追いつかれてしまいました。ヘ・スの背後にはヨンシルがいました。ヘサンはヘ・スに刺されて殺されました。ヨンシルは地面に座り込んでしまいました。
「あいつには手を出すな。」
ヘサンは倒れました。
ヘ・スはヨンシルに剣を突き付けヨンシルを殺そうとしました。そのときカン・フィと兵士がヘ・スと東廠の兵士を殺しました。
「片付けろ。」
カン・フィは部下に指示しました。
「しっかり、すぐ手当を・・・・・。」
「無理しなくていい・・・・・・。」
「大監・・・・。」
「父さんと呼べ、ヨンシル。よかった。けがはない。」
ヘサンはヨンシルの手が無事であることをたしかめました。
「ありがとう。お前のおかげでいい人生だった。」
「何を言うのです。少しの辛抱です。」
「俺は、もう助からない。今上にしっかり伝えてくれ。しがない私ですが、死んだ後くらい役立たせてくださいと。学びやすい朝鮮の文字をつくるためにお役に立てれば幸いですと。私との約束を・・・決して忘れないでくださいと。」
ヘサンはヨンシルの頬を手でとんとんと叩き亡くなりました。
ヨンシルはヘサンの目を閉じ泣きました。
カン・フィは二人を見守ってヘサンの死を悲しみました。

ヨンシルは世宗のもとに行きヘサンの遺言を伝えました。
「無理だ。受け取れぬ。あまりに・・・あまりに・・・重すぎる忠心だ。」

ファン・ヒのところにチョ・マルセンとイ・チョンとチェ・ユンドクが来ました。
「どういうことですか?」
「チェ・ヘサンがあっけなく・・・」
「冷たいようだが今考えるべきはチェ・ヘエサんの死ではなくヘ・スの死だ。ヘ・スは朝鮮に勅使として来た。一歩間違えれば大きな外交問題になる。」
「あの者が助かるよう祈りましょう。」
マルセンはファン・ヒに言いました。

プンゲは意識がありませんでしたがまだ生きていました。オム・ジャチはプンゲの世話をしましたらプンゲは目を覚ましました。

「なぜ回回人(アラブ人)の医者をここに連れてきた。」
世宗はキム・ジョンソに言いました。
「そなたは何を知っているのだ?」
「民を思う心です。王様と我々を結び付けているのはまさにその心です。」
礼曹判書のキム・ジョンソは言いました。
「王様のお心を察すれば言葉はなくとも道は見えるのです。」
「父の、忠誠心をお受け取りください。」
ヨンシルは世宗に言いました。

感想

うわーん。チェ・ヘサン(崔海山)が死んでしまいました。崔海山は享年63歳だったようですね。実際はヘ・スに殺されたのではないようですよ。ヨンシルとの関係などは作り話のようです。ヨンシルがかわいそうです。そしてヘ・スがあっけなくカン・フィに倒されてしまいました。カン・フィかっこいい^^。でもカン・フィは内侍府の護衛兵ですから、大事なところがないのですね。彼の出演作もないみたいで。カン・フィ役のイ・ハンガルは現実でも武術の達人で体育大学を卒業して大学院で演劇を学んだそうでテコンドー、剣道、合気道の有段者でスキーの救護資格もあるんだって。世宗も目がほとんど見えなくなってとてもつらかったでしょうね。当時は蛍光灯なんてありませんでしたから、短い寿命の中で寝る間を惜しんだであろうことは想像することができますね。あと2話です!文字創製、日本では「ひらがな」や「カタカナ」を作った人はこんな風にあまり大々的に取り上げられることはないのですが、もしかして、かなを作った人がいるのかな?

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