朱蒙(チュモン)31話
あらすじネタバレ
玄菟(ヒョント)城のヤンジョンは帯素(テソ)王子からのチュモンの作戦についての連絡を受け楽浪郡の補給部隊を迂回させるように命じました。
朱蒙(チュモン)は帯素(テソ)王子の裏切りを予見していました。チュモンはアクプ嶺の楽浪郡の補給路を断たずに別の場所で奇襲攻撃するとマリとヒョッポとオイに言いました。
テソ王子は勇ましく軍隊を指揮していました。プドゥクプルはテソ王子の頑張りを金蛙(クムワ)王に称えました。
テソ王子はスイコウ陣が最も優れているのでスイコウ陣が威力を発揮するだろうとクムワ王に言いました。クムワ王はチュモンが合流するまでは軍の指揮権を与えるといいました。
ヨンポ王子は本気でチュモンを手伝うのかとテソに言いました。テソは戦には勝たねばならぬといいました。ヨンポ王子にテソ王子の考えは理解できませんでした。
召西奴(ソソノ)は本軍より先に出発して陣を整えてはどうだろうと父延陀勃(ヨンタバル)に言いました。サヨンもそれに同意しました。ウテは真番と臨屯が扶余軍と衝突する場所を予測してそこに陣を整えようと言いました。
テソ王子はソソノを訪ねてきました。
「御用でしょうか。」
「ソソノ。私がいつまでもお前を待つと思うなよ。今は確かに劣勢だがこの戦が終わればおそらくは私が優位に立つことだろう。そうなっても私の気持ちを拒み続けるなら覚悟することだ。」
テソ王子はソソノを脅迫しました。
「ここで待ち伏せする。各陣地を決め敵が車で休んでおけ。」
草原を馬で走ってきたチュモンは部下たちに命じました。
夜になりました。チュモンたちは別動隊を待ち伏せしました。
チュモンは子供の兵士の手を取り我々が漢軍を倒す様子を見て胸の恨みを晴らしてほしいといいました。
「本当に両親の敵を取りたければ恨みを抱くな。なぜ漢軍を倒す意味がわかれば本当の仇が取れる。」
チュモンは少年に言いました。
「やつらが来ます。」
馬の音を聞いたマルガル族の部族長がチュモンに言いました。
チュモンは火矢を放ちました。
「かかれーっ!」
チュモンが号令をかけると楽浪郡の補給部隊を襲いました。
少年はチュモンが戦う様子を見て自分も剣を構えて敵と戦いました。すぐに少年は敵の力に負け転び殺されそうになりました。チュモンは少年を襲っている敵を倒しました。
延陀勃(ヨンタバル)商団は一足早くに物資を運んでいました。そこに弓矢が飛んできました。
「敵襲だ!」
優台(ウテ)は叫びました。
「おい!」
ケピルはとまどいました。
「かかれー!」
ピルの君長ソンヤンの軍隊がサヨンの腹を斬りました。
「サヨン!逃げて!早く!」
ソソノはサヨンを馬に乗せて行かせました。
ソソノと優台(ウテ)とケピルは兵士に囲まれ剣を捨てました。
「小娘が。覚えているか。あの屈辱は一生忘れんといった。お前の思い上がりがどのような結果を招いたかとくと見よ。」
ソンヤンはソソノに言いました。
「ご自分が何をしているかわかっていないようですね。今度はあなたの命だけでは済まないということはどうぞお忘れなく。」
ソンヤンはヨンタバルを殺すと言いました。
サヨンはヨンタバルの店に戻りピリュの君長ソンヤンにやられたといい気を失いました。
ソンヤンからヨンタバルに書簡が届きました。
「ソルボンの大君長の座を譲りケルをピリュに従わせるように」
テソは出陣の要求を金蛙(クムワ)王に願いました。クムワ王は別動隊の連絡があるまで出陣はしないと言いました。ヨンタバルは奇襲を受けて商団が倒されたとクムワ王に報告しました。プドゥクプルたちはすぐに戦争反対とチュモンの責任追及を唱えました。
テソ王子とヨンポ王子は喜びました。
「ソソノはどうなったのだ?」
テソ王子はヨンタバルに聞きました。
「ソンヤンの狙いは私ですからすぐにソソノを殺しはしないでしょう。」
「何としてもソソノを助けなければ。ソンヤンという奴は何者だ?」
「ソンヤンはピリュの君長です。おそらくヤンジョンと手を組んだのでしょう。」
「ではこれもヤンジョンの差し金か?」
「おそらくはそうでしょう。」
「兄上、今ならチュモンにすべての責任を押し付けられますよ。」
ヨンポ王子はテソ王子に言いました。
「ナロ。ソソノと補給部隊を救出する。」
「兄上、これで延期になればチュモンの立場を失墜させられますよ。」
「彼らは扶余の軍商なのですよ。このまま見捨てることはできません。」
プドゥクプルはクムワ王に戦争に中止を上奏しました。
「まだ望みはある。それを待つのだ。」
「どんな望みがあるというのです?」
「チュモンの別動隊は楽浪の補給部隊から物資を得たはずだ。私はチュモンを信じている。待つのだ。」
チュモンは扶余の兵士と出会いました。
「あなたがたが王様の悩みを解決してくださいました。」
兵士はソソノの商団がピリュの部隊に捕まったことをチュモンに報告しました。
「そんな!」
ヒョッポはつぶやきました。
チュモンの隊列を漢の鉄騎軍が待ち伏せして襲いました。
「奇襲だ!退却しろ!」
チュモンたちは逃げました。
「包囲されました。退路はありません。」
「ここに陣を構えて持ちこたえよう。我々の任務は玄莬の援軍と真番の合流を遅らせることだ。ここに陣を張って鉄騎軍の攻撃を食い止める。」
「はい!」
チュモンは皆に命じました。
「私は本軍を離れられん。必ずソソノを救い出すのだ。」
テソ王子はナロと軍に命令しました。
ナロが出発しようとしたところ・・・
「話がある。ナロ、私についてこい。」
王妃の兄がナロを呼びました。
「行くだけ行ってソソノを助けずに戻りなさい。」
王妃はナロに命じました。
「お前に悪いようにはしないから安心しなさい。これもすべてテソを思ってのこと。」
ヨンポ王子もナロに王妃に従うように言いました。
ソンヤンの陣営。
「どうしてまだ何の連絡もないんだろうな。」
「父さん落ち着いて。君長様が何とかしてくれるでしょう。」
優台(ウテ)は父をたしなめました。
「やっぱりあの時ソンヤンを殺しておけばよかった。お嬢様があいつのことを怒らせたから。」
「父さん!」
「その通りだ。すべては私の未熟が招いたこと。そのせいでケルとチュモン王子様に迷惑をかけてしまった。」
ソソノはつぶやきました。
「お嬢様・・・・・・。」
ウテはソソノを心配しました。
兵士はチュモンの別動隊が物資を奪い、物資はもうすぐ城に到着すると報告しました。
テソはソソノ救出に兵士を送ったので出陣を待つようにクムワ王に言いました。クムワ王はそれを承諾しました。
チュモン王子とマルガル族の傭兵部隊は鉄騎軍と対峙していました。チュモンが弓で敵を挑発すると鉄騎軍が向かってきました。チュモンたちは漢軍と戦いましたが次々と味方の兵士が殺されていきました。マリとヒョッポとオイはチュモンと合流し、漢軍と戦いました。オイたちはチュモンが編み出した急所を狙う方法で鉄騎軍を倒していきました。
「退却!」
鉄騎軍は馬に乗り逃げていきました。
「総監!」
「物資は本軍の兵に引き渡しました。」
「ソソノお嬢様がピリュの君長の兵に襲われて捕まったようです。」
マリとヒョッポとオイはチュモンに報告しました。
ヨンタバルはヨミウルにケルの兵を連れてソソノを救出すると言いました。
「君長が兵を動かしては危険です。ほかの手を考えねば。ソンヤンと取引をしなさい。ソンヤンが望むものをすべて与えるのです。」
「ソンヤンが望んでいるのは私の命でしょう。だがそれで娘を救えるなら首を差し出しても。ソンヤンに会いに行きます。」
「いいえ、私が会って交渉します。ソンヤンは巫女の私に手を出せないでしょうから。あなたに恩返しをしたいのです。」
ヨミウルはヨンタバルを助けました。
「この二日、何も食べていません。このままでは飢え死にしてしまいます。」
マリはチュモンに言いました。
「包囲を突破して、ソンヤンの陣を目指す。」
「はい総監!」
「父は得るものが少ないと思えばわが子でも捨てる人です。父はピリュに兵を差し向けたかもしれませんよ。私が死ねば、あなたの命もない。」
ソソノはソンヤンに言いました。
「生意気な小娘だ。だがへらず口がいつまで続くか。明日の朝になっても返事がなければお前にはあの世に行ってもらう。」
ソンヤンはソソノを殺すと言いました。
夜、チュモンたちは鉄騎軍を野営地を奇襲しました。
しかし味方は次々と殺されていきました。チュモンは怒りに震え雄たけびを上げました。
感想
王道といいますか、主人公とヒロインの危機ですね。マリたちは武術の腕っぷしも強いみたいでまるでチュモンと同格の腕前ですね。ヨンポは自立しようとせずにいつまでも兄の味方をしていたり、テソは物としてしか見ていないはずのソソノを助けに行ったり、あらすじは本当にむちゃくちゃですが、面白いです。