「薯童謠(ソドンヨ)」(全55話)第48話 プヨソン即位 のあらすじとネタバレ感想
48話 プヨソン即位 あらすじ
「触紘礼(チョックァン)を終わります。19重目の経帷子(きょうかたびら)です。これで最後です。」
コモ技術士は言いました。棺に氷と藁が敷かれ、その上に麻の布が敷かれ王の遺体が入棺されました。
「ウヨンはまだなの?」
王妃はフクチピョンに聞きました。
「連絡したのでじき戻ります。ノサジにおられません。」
「いないだと?ならばどこにいる。」
プヨソンは言いました。
「まだ分かりません。」
祭儀場に運ばれる王の棺とともにプヨソンたちは行列をなしていました。
「陛下ーっ・・・・・・・。」
ウヨンが喪服に着替えずに走って来て王の棺に取りつきました。
「ウヨン。どうしたらいいの。陛下。ウヨンが参りました。どうしたらいいの陛下。ウヨンが参りました。聞こえますか陛下。」
王妃は泣きました。
「別宮においででした。」
兵士はフクチピョンにサテッキルの居場所を報告しました。
「別宮で恩卒様を尋問なさるようです。」
「四男はどこか言え。兵士はどこだ。言え。四男と兵士は?」
サテッキル(沙宅己樓)はチャンを尋問していました。チャンは拷問されて頭から血を流していました。
「お前と衛士佐平様が殺したろ。」
「嘘だ。復讐するためだけに戻ってきたというのか。お前が復讐のために・・・・・・。お前がソンファ公主まで巻き込むわけがない。命より大切な人を危険な目にあわせるか。」
「だが俺のためなら何でもしてくれる人だ。俺のためならどんなことにも従うと。お前には理解できないだろう。」
サテッキルはチャンを棒で叩きました。チャンは痛がり苦しみました。
「ありえん。人間はみな同じだ。わざわざ火に飛び込むはずがない。間違いなくほかに理由があるはずだ。言え。」
ウンジンはソンファ公主にウヨン公主だけが王宮に戻りチャンがいないと言いました。ポムノはフクチピョンが王宮に戻りサテッキルは数日前からいないとヨム・ギョンフ大将に言いました。大将はチャンはサテッキルに捕まったのだろうと言いました。ソンファ公主はウンジンとポムノにウヨン公主に接触してチャンの居所を聞き出すように、ヨム・ギョンフには私兵の砦を移動するように命じました。
ソンファ公主はアビジ商団のキム・サフム(金思欽)に会いました。
「あの方はどこですか?」
「何のことです?」
「公主の身分とともに恐怖心も捨てたわ。それが誰のためかはわかっているはずです。」
「ええ、よく存じていますとも。ドハムが衛士佐平の信頼を誰より得ていることも。」
「新羅人と知られれば信頼も水の泡になるわ。息子に伝えなさい。あの方に何かあったらその日のうちにキム・ドハムを殺すと。」
ウヨンはギン・ガギョンに手紙を渡すように侍女に命じました。
「恩卒なんてどうでもいいわ。プヨソンを刺激しないで。ソルリを帰しなさい。」
王妃はウヨンに頼みました。
フクチピョンが勝手に部屋に入ってきました。
「明日には王になる衛士佐平様の命令です。ここからは一歩も出しません。」
「私は即位式で玉璽と勅書を渡す王妃よ。」
「だからお守りするのです。入れ。」
太学舎の女性技術士ウスが入室しました。
「できるだけ派手に飾ってやれ。」
ウンジンとポムノはウヨンの部屋に入れませんでした。
「どうしよう。ウスはどこへ?」
ウンジンとポムノはウヨン公主が軟禁されたことをソンファ公主に報告しました。
ウンジンはウヨン公主に接触する方法があることを思い出しました。
チャンとサテッキルはまだ同じ倉庫にいました。
「一つだけ聞く。俺が公主様を奪ったとしよう。いや、お前が欲しかった王の座奪ったとしよう。その王の座でしたかったことがあるのか?」
「黙れ。」
「衛士佐平を王にし、叶えたいことがあったのか?」
「黙れといった。」
「そうで、あってほしい。ないなら、見つけてくれ。民まで殺して座を得ても志がなかったらむなしいだろ?」
激高したサテッキルは剣を抜いて震えました。
「これは真心だ。」
サテッキルは剣を捨てました。
「治世の根幹は民だと本に書いてある。だがそれは嘘だ。そんなものは建前だ。民を王に従わせるためのな。従順な時だけ民は味方なんだ。逆らった瞬間民は敵になる。殺すのは愉快だがそれほどの悪事ではない。敵になりうる民を退治しただけだ。」
「お前はそういう人間だったのか?それとも悪行を正当化しているのか?」
「とにかくお前は新しい王になる衛士佐平への生贄だ。」
サテッキルは部屋を出ていきました。
モジンは洞窟の中で眠っていました。朝、モジンが目覚めるとモンナス博士はいなくなっていました。モンナス博士は川の渡し場に来て船頭に船を出してもらい王宮へ帰りました。モジンは走ってきましたがモンナスは既に出発していました。モンナス博士は振り返りモジンに気が付きました。
「すまないモジン。最後までお前の心を受け止められなかった。」
「ヨンガモのためですか?」
「チャンが・・・ヨンガモの息子チャンが・・・武康太子(ムガンテジャ)なのだ。だが、それがどうしても言えなかった。」
「結局はヨンガモのためですか?」
「ヨンガモの息子のために命を賭ける。お前も命をかけてくれとは言えない。」
「あんまりです。ひどすぎます。」
「だから知らぬまま生きろ。私が事実を知らずヨンガモを恨んだようにお前も私を恨みながら生きろ。」
「恨みます。」
「恨んでくれ。」
「忘れます。」
「ああ、忘れろ。そのほうがいい。忘れることも恨むこともできぬまま私のように苦しむのではと。それが心配なのだ。」
モンナス博士とモジンは心の中で思いました。
ウスは王妃の衣服の飾りつけをしていました。ウスも即位式に呼ばれました。
「博士とチャンを死なせるつもり?」
ウンジンはウスを呼び出して責めました。
「気づかれたら私たち、とがめられるわ。」
「お願いウスや。頼むから一度だけ助けて。仕事を替わるだけよ。簡単でしょ。お願いウスや。一度だけ協力して。」
プヨソンの即位式が始まりました。
サドゥグァンたち重臣は新しい王に侍りました。
プヨソンは惠王の妻から玉璽を受け取りました。ウヨンは「万世つつがなくあらせます。」とプヨソンに拝礼しましたらウンジンがウヨンの隣にいました。ウンジンはチャンの居場所をウヨン公主に聞きました。ウチ王子もプヨソンに挨拶をしました。
新しい人事が発表されました。衛士佐平はサテッキルに、親衛隊長はフクチピョン、中佐平はサドゥグァンに命じられました。
法王(ポブワン)、第二十九代王が誕生しました。
ソンファ公主の侍女は男から手紙を受け取りました。侍女たちが呼ばれた場所に行くとモンナス博士がいました。侍女たちはモンナス博士に状況を知らせました。
サテッキルは馬車でチャンを荷台に入れて走っていました。モンナスはサテッキルの前に立ちはだかりました。
「チャンが乗っているな?命だけは助けてやってくれ。なぜ仲たがいした?チャンを認めてくれと昔お前は言った。それなのになぜ殺そうとする?権力のためだとはいえなぜなんだ。」
「わかりませんか?チャンを引き立てたのは私です。チャンに意欲を与えたのも私です。でもそのときは何も知りませんでした。チャンは私の目標を奪ったのです。これがチャンの結末です。」
「百済に戻るときチャンはお前を救った。その借りを返すと思って、今回だけは助けてくれ。」
「救った?殺したのです。」
「キルや。キルや。キルや。」
モンナス博士は縄で縛られようとしていました。そこにソチュンと兵士たちが現れてモンナス博士に逃げるように言いました。
すぐに駆け付けた親衛隊はサテッキルに言いました。
「衛士佐平様。衛士佐平に任命されました。陛下がお待ちです。」
「わかった。」
「早くお逃げください。」
「モンナスが逃げる!早く捕まえろ。」
サテッキルは親衛隊に命じました。ソチュンは腕に手刀を受けました。チャンはどこかに連れ去られました。
「恩卒は・・・どうなったのだろう。チン・ガギョンは助け出せたのか?」
ウヨン公主はチャンの心配をしていました。
ソンファ公主とヨム・ギョンフ大将はソチュンが倒れていることに気が付きました。
チャンは宮殿に連れて行かれて牢屋に閉じ込められました。
ソンファ公主はサテッキルにチャンの命乞いをしました。
「助けて。お前の狙いは私でしょう?復讐の対象も私のはず。お願い、チャンを助けて。」
「見返りに何をくれるのです?」
「私をあげるわ。」
「・・・・・・手遅れです。一族が崩壊し新羅から戻ったとき言いました。私に従ったらすべて許すと。もう遅いです。お嬢様は自分を差し出すと?奪います。あなたと結婚もしません。妻の座も与えません。私はあなたを奴婢にするつもりです。それくらいしなくては復讐とはいえません。それを目標に裏切りに手を染めたのです。そんな提案は無意味です。」
ソンファ公主はサテッキルの足を掴みました。
「どうすればいい?お願いだから命だけは助けて。何でも聞くわ。何でも・・・助けて。お願い。助けて。」
「・・・気の毒でなりません。」
「お嬢様・・・・・・。」
侍女たちはかわいそうなソンファ公主に涙を流しました。ソンファ公主は地面に伏して泣いていました。
「おたちください。どうしてそこまでするのですか。」
「新羅に知られたってかまわない。助かるなら土下座でも何でもするわ・・・・・・。」
「陛下に会ってきます。」
「策はあるの?」
母は娘に聞きました。
ウヨン公主は部屋を出てプヨソンの部屋に行きました。
ウヨン公主はプヨソンに拝礼しました。
そしてプヨソンに箱と書類を渡しました。
「忠誠の証です。五色夜明珠と私兵の位置を記した地図です。」
プヨソンは地図を見て、夜明珠を見ました。
「陛下。大罪を犯しました。愚かな私をお許しください。四男は死にました。この目で遺体を確かめました。私兵は育成しましたが謀反を起こす気などありません。陛下に逆らうことなどありえません。先代王が亡くなったあと私たち母子が生きるために少しでも力が欲しかったのです。不安だったのです。ご理解ください。」
「ああ。それはわかる。怖かったかもしれん。だが私に断りもなくチャンやモンナス博士と内通し彼らを呼んだことは許せん。」
「陛下。ご相談しなかったことは大罪ですが貴族に圧力をかけられたのです。ですがチャンやモンナス博士を受け入れたことは今も正しかったことだと思います。」
「なんだと?」
ウヨンは本をプヨソンに見せました。
「彼らが立てた国策です。彼らのことは陛下よりよく存じております。陛下に対抗する気なら彼らを選びません。彼らは才能はあっても政事は知りません。勢力も家門の力も持っていません。ただ彼らの力を利用し先代王の治世の助けになればと。私は忠誠心から人材を生かそうとしたのです。陛下の治世にも役立つ者たちです。真心(チンシン)です陛下。」
「わかった。下がってよい。」
ウヨン公主が部屋からでるとフクチピョンが来ました。
「すぐに私兵を一網打尽にしろ。」
「はい。」
夜、モジンは部屋にいました。ウンジンが母に言いました。
「心配じゃないの?博士がどんな目にあっているか・・・チャンが死ぬかも。お母さん。チャンと博士のことなのよ。チャンはともかく、博士が危ないのになぜ放っておくの?博士を想ってきたでしょ。それなのにどうして背を向けているの?」
「今やめたほうがいいのよ。」
「お母さん。」
「・・・・・・。」
モンナス博士は砦に行きました。しかしそこには誰もいませんでした。私兵はすでに移動していました。
「イムゴクへ移る。」
モンナス博士は大将が置いていた手紙を飲み込みました。
モンナス博士は兵士に囲まれました。
「私兵を配置しなければ。」
ワング(王仇)将軍は言いました。
「牢獄は敗れません。侵入する前に衛士部に殺されます。」
大将は反対しました。
「やってみよう。太子様の命がかかっている。」
「謀反の罪なら市場で処刑されるかも。」
「そうとは限らない。宮殿で処刑する場合もある。」
ソンファ公主はキム・サフムの家に行きました。そこにはサフムの息子、サテッキルもいました。
「泣きついても無駄です。」
「哀願などしない。決めたわ。私の身分を明かす。私を見てきたからわかるでしょう。恋のために、宮殿を追われお前たちに跪きもした。だからこの恋に命を捧げるつもりよ。命を捨ててでもあの方を助ける。チャンが死んだら私とお前たちの正体をただちに陛下に伝える。私は本当に愚かだった。恋を貫けないならいっそ死んだほうがいい。」
チャンは牢獄で縛られていました。
ウヨン公主は部屋でチャンを想っていました。
ソンファ公主もチャンを想っていました。
ワング将軍とヨン・ギョンフは兵とともに隠れて機会を待っていました。
「私の正体を明かします。」
サテッキルはサフムに言いました。
「ドハム、それはいかん。」
「今後も足枷になります。」
「殺されるかもしれん。」
「許されるかもしれない。」
「私はそうは思わん。」
「私はもう新羅の密偵ではありません。希望は残されています。恐れていたらチャンにとどめを刺せません。また道を阻まれます。」
「ドハムや、よく考えろ。」
「陛下を信じてみます。王様になった今、新羅の貴族だった我々が必要かも。」
「そうだとしても危険だ。」
「父上は身を隠していてください。」
サテッキルはプヨソンに謁見しました。
「どうした。」
「折り入ってお話しがあります。」
「そうか。何があった。言ってみろ。」
「陛下・・・・・。」
「お前らしくないな。言ってみろ。」
「私は陛下に・・・・・・。」
「陛下!モンナス博士を捕まえました。」
サテッキルが正体を明かそうとしたらフクチピョンがプヨソンに報告に来ました。
「チャンと共に庭に連れてこい。本当に四男が死んだか最後の確認をする。」
チャンとモンナスは庭に連れてこられました。
「博士!」
「チャンア。」
サテッキルは二人に尋問を始めました。プヨソンは見守っていた。
「モンナス博士をお前の手で殺せ!」
サテッキルはチャンに命じました。
(記事がよかったらハンドクリームも見て行ってくださいね!)
「別宮で恩卒様を尋問なさるようです。」
「四男はどこか言え。兵士はどこだ。言え。四男と兵士は?」
サテッキル(沙宅己樓)はチャンを尋問していました。チャンは拷問されて頭から血を流していました。
「お前と衛士佐平様が殺したろ。」
「嘘だ。復讐するためだけに戻ってきたというのか。お前が復讐のために・・・・・・。お前がソンファ公主まで巻き込むわけがない。命より大切な人を危険な目にあわせるか。」
「だが俺のためなら何でもしてくれる人だ。俺のためならどんなことにも従うと。お前には理解できないだろう。」
サテッキルはチャンを棒で叩きました。チャンは痛がり苦しみました。
「ありえん。人間はみな同じだ。わざわざ火に飛び込むはずがない。間違いなくほかに理由があるはずだ。言え。」
ウンジンはソンファ公主にウヨン公主だけが王宮に戻りチャンがいないと言いました。ポムノはフクチピョンが王宮に戻りサテッキルは数日前からいないとヨム・ギョンフ大将に言いました。大将はチャンはサテッキルに捕まったのだろうと言いました。ソンファ公主はウンジンとポムノにウヨン公主に接触してチャンの居所を聞き出すように、ヨム・ギョンフには私兵の砦を移動するように命じました。
ソンファ公主はアビジ商団のキム・サフム(金思欽)に会いました。
「あの方はどこですか?」
「何のことです?」
「公主の身分とともに恐怖心も捨てたわ。それが誰のためかはわかっているはずです。」
「ええ、よく存じていますとも。ドハムが衛士佐平の信頼を誰より得ていることも。」
「新羅人と知られれば信頼も水の泡になるわ。息子に伝えなさい。あの方に何かあったらその日のうちにキム・ドハムを殺すと。」
ウヨンはギン・ガギョンに手紙を渡すように侍女に命じました。
「恩卒なんてどうでもいいわ。プヨソンを刺激しないで。ソルリを帰しなさい。」
王妃はウヨンに頼みました。
フクチピョンが勝手に部屋に入ってきました。
「明日には王になる衛士佐平様の命令です。ここからは一歩も出しません。」
「私は即位式で玉璽と勅書を渡す王妃よ。」
「だからお守りするのです。入れ。」
太学舎の女性技術士ウスが入室しました。
「できるだけ派手に飾ってやれ。」
ウンジンとポムノはウヨンの部屋に入れませんでした。
「どうしよう。ウスはどこへ?」
ウンジンとポムノはウヨン公主が軟禁されたことをソンファ公主に報告しました。
ウンジンはウヨン公主に接触する方法があることを思い出しました。
チャンとサテッキルはまだ同じ倉庫にいました。
「一つだけ聞く。俺が公主様を奪ったとしよう。いや、お前が欲しかった王の座奪ったとしよう。その王の座でしたかったことがあるのか?」
「黙れ。」
「衛士佐平を王にし、叶えたいことがあったのか?」
「黙れといった。」
「そうで、あってほしい。ないなら、見つけてくれ。民まで殺して座を得ても志がなかったらむなしいだろ?」
激高したサテッキルは剣を抜いて震えました。
「これは真心だ。」
サテッキルは剣を捨てました。
「治世の根幹は民だと本に書いてある。だがそれは嘘だ。そんなものは建前だ。民を王に従わせるためのな。従順な時だけ民は味方なんだ。逆らった瞬間民は敵になる。殺すのは愉快だがそれほどの悪事ではない。敵になりうる民を退治しただけだ。」
「お前はそういう人間だったのか?それとも悪行を正当化しているのか?」
「とにかくお前は新しい王になる衛士佐平への生贄だ。」
サテッキルは部屋を出ていきました。
モジンは洞窟の中で眠っていました。朝、モジンが目覚めるとモンナス博士はいなくなっていました。モンナス博士は川の渡し場に来て船頭に船を出してもらい王宮へ帰りました。モジンは走ってきましたがモンナスは既に出発していました。モンナス博士は振り返りモジンに気が付きました。
「すまないモジン。最後までお前の心を受け止められなかった。」
「ヨンガモのためですか?」
「チャンが・・・ヨンガモの息子チャンが・・・武康太子(ムガンテジャ)なのだ。だが、それがどうしても言えなかった。」
「結局はヨンガモのためですか?」
「ヨンガモの息子のために命を賭ける。お前も命をかけてくれとは言えない。」
「あんまりです。ひどすぎます。」
「だから知らぬまま生きろ。私が事実を知らずヨンガモを恨んだようにお前も私を恨みながら生きろ。」
「恨みます。」
「恨んでくれ。」
「忘れます。」
「ああ、忘れろ。そのほうがいい。忘れることも恨むこともできぬまま私のように苦しむのではと。それが心配なのだ。」
モンナス博士とモジンは心の中で思いました。
ウスは王妃の衣服の飾りつけをしていました。ウスも即位式に呼ばれました。
「博士とチャンを死なせるつもり?」
ウンジンはウスを呼び出して責めました。
「気づかれたら私たち、とがめられるわ。」
「お願いウスや。頼むから一度だけ助けて。仕事を替わるだけよ。簡単でしょ。お願いウスや。一度だけ協力して。」
プヨソンの即位式が始まりました。
サドゥグァンたち重臣は新しい王に侍りました。
プヨソンは惠王の妻から玉璽を受け取りました。ウヨンは「万世つつがなくあらせます。」とプヨソンに拝礼しましたらウンジンがウヨンの隣にいました。ウンジンはチャンの居場所をウヨン公主に聞きました。ウチ王子もプヨソンに挨拶をしました。
新しい人事が発表されました。衛士佐平はサテッキルに、親衛隊長はフクチピョン、中佐平はサドゥグァンに命じられました。
法王(ポブワン)、第二十九代王が誕生しました。
ソンファ公主の侍女は男から手紙を受け取りました。侍女たちが呼ばれた場所に行くとモンナス博士がいました。侍女たちはモンナス博士に状況を知らせました。
サテッキルは馬車でチャンを荷台に入れて走っていました。モンナスはサテッキルの前に立ちはだかりました。
「チャンが乗っているな?命だけは助けてやってくれ。なぜ仲たがいした?チャンを認めてくれと昔お前は言った。それなのになぜ殺そうとする?権力のためだとはいえなぜなんだ。」
「わかりませんか?チャンを引き立てたのは私です。チャンに意欲を与えたのも私です。でもそのときは何も知りませんでした。チャンは私の目標を奪ったのです。これがチャンの結末です。」
「百済に戻るときチャンはお前を救った。その借りを返すと思って、今回だけは助けてくれ。」
「救った?殺したのです。」
「キルや。キルや。キルや。」
モンナス博士は縄で縛られようとしていました。そこにソチュンと兵士たちが現れてモンナス博士に逃げるように言いました。
すぐに駆け付けた親衛隊はサテッキルに言いました。
「衛士佐平様。衛士佐平に任命されました。陛下がお待ちです。」
「わかった。」
「早くお逃げください。」
「モンナスが逃げる!早く捕まえろ。」
サテッキルは親衛隊に命じました。ソチュンは腕に手刀を受けました。チャンはどこかに連れ去られました。
「恩卒は・・・どうなったのだろう。チン・ガギョンは助け出せたのか?」
ウヨン公主はチャンの心配をしていました。
ソンファ公主とヨム・ギョンフ大将はソチュンが倒れていることに気が付きました。
チャンは宮殿に連れて行かれて牢屋に閉じ込められました。
ソンファ公主はサテッキルにチャンの命乞いをしました。
「助けて。お前の狙いは私でしょう?復讐の対象も私のはず。お願い、チャンを助けて。」
「見返りに何をくれるのです?」
「私をあげるわ。」
「・・・・・・手遅れです。一族が崩壊し新羅から戻ったとき言いました。私に従ったらすべて許すと。もう遅いです。お嬢様は自分を差し出すと?奪います。あなたと結婚もしません。妻の座も与えません。私はあなたを奴婢にするつもりです。それくらいしなくては復讐とはいえません。それを目標に裏切りに手を染めたのです。そんな提案は無意味です。」
ソンファ公主はサテッキルの足を掴みました。
「どうすればいい?お願いだから命だけは助けて。何でも聞くわ。何でも・・・助けて。お願い。助けて。」
「・・・気の毒でなりません。」
「お嬢様・・・・・・。」
侍女たちはかわいそうなソンファ公主に涙を流しました。ソンファ公主は地面に伏して泣いていました。
「おたちください。どうしてそこまでするのですか。」
「新羅に知られたってかまわない。助かるなら土下座でも何でもするわ・・・・・・。」
「陛下に会ってきます。」
「策はあるの?」
母は娘に聞きました。
ウヨン公主は部屋を出てプヨソンの部屋に行きました。
ウヨン公主はプヨソンに拝礼しました。
そしてプヨソンに箱と書類を渡しました。
「忠誠の証です。五色夜明珠と私兵の位置を記した地図です。」
プヨソンは地図を見て、夜明珠を見ました。
「陛下。大罪を犯しました。愚かな私をお許しください。四男は死にました。この目で遺体を確かめました。私兵は育成しましたが謀反を起こす気などありません。陛下に逆らうことなどありえません。先代王が亡くなったあと私たち母子が生きるために少しでも力が欲しかったのです。不安だったのです。ご理解ください。」
「ああ。それはわかる。怖かったかもしれん。だが私に断りもなくチャンやモンナス博士と内通し彼らを呼んだことは許せん。」
「陛下。ご相談しなかったことは大罪ですが貴族に圧力をかけられたのです。ですがチャンやモンナス博士を受け入れたことは今も正しかったことだと思います。」
「なんだと?」
ウヨンは本をプヨソンに見せました。
「彼らが立てた国策です。彼らのことは陛下よりよく存じております。陛下に対抗する気なら彼らを選びません。彼らは才能はあっても政事は知りません。勢力も家門の力も持っていません。ただ彼らの力を利用し先代王の治世の助けになればと。私は忠誠心から人材を生かそうとしたのです。陛下の治世にも役立つ者たちです。真心(チンシン)です陛下。」
「わかった。下がってよい。」
ウヨン公主が部屋からでるとフクチピョンが来ました。
「すぐに私兵を一網打尽にしろ。」
「はい。」
夜、モジンは部屋にいました。ウンジンが母に言いました。
「心配じゃないの?博士がどんな目にあっているか・・・チャンが死ぬかも。お母さん。チャンと博士のことなのよ。チャンはともかく、博士が危ないのになぜ放っておくの?博士を想ってきたでしょ。それなのにどうして背を向けているの?」
「今やめたほうがいいのよ。」
「お母さん。」
「・・・・・・。」
モンナス博士は砦に行きました。しかしそこには誰もいませんでした。私兵はすでに移動していました。
「イムゴクへ移る。」
モンナス博士は大将が置いていた手紙を飲み込みました。
モンナス博士は兵士に囲まれました。
「私兵を配置しなければ。」
ワング(王仇)将軍は言いました。
「牢獄は敗れません。侵入する前に衛士部に殺されます。」
大将は反対しました。
「やってみよう。太子様の命がかかっている。」
「謀反の罪なら市場で処刑されるかも。」
「そうとは限らない。宮殿で処刑する場合もある。」
ソンファ公主はキム・サフムの家に行きました。そこにはサフムの息子、サテッキルもいました。
「泣きついても無駄です。」
「哀願などしない。決めたわ。私の身分を明かす。私を見てきたからわかるでしょう。恋のために、宮殿を追われお前たちに跪きもした。だからこの恋に命を捧げるつもりよ。命を捨ててでもあの方を助ける。チャンが死んだら私とお前たちの正体をただちに陛下に伝える。私は本当に愚かだった。恋を貫けないならいっそ死んだほうがいい。」
チャンは牢獄で縛られていました。
ウヨン公主は部屋でチャンを想っていました。
ソンファ公主もチャンを想っていました。
ワング将軍とヨン・ギョンフは兵とともに隠れて機会を待っていました。
「私の正体を明かします。」
サテッキルはサフムに言いました。
「ドハム、それはいかん。」
「今後も足枷になります。」
「殺されるかもしれん。」
「許されるかもしれない。」
「私はそうは思わん。」
「私はもう新羅の密偵ではありません。希望は残されています。恐れていたらチャンにとどめを刺せません。また道を阻まれます。」
「ドハムや、よく考えろ。」
「陛下を信じてみます。王様になった今、新羅の貴族だった我々が必要かも。」
「そうだとしても危険だ。」
「父上は身を隠していてください。」
サテッキルはプヨソンに謁見しました。
「どうした。」
「折り入ってお話しがあります。」
「そうか。何があった。言ってみろ。」
「陛下・・・・・。」
「お前らしくないな。言ってみろ。」
「私は陛下に・・・・・・。」
「陛下!モンナス博士を捕まえました。」
サテッキルが正体を明かそうとしたらフクチピョンがプヨソンに報告に来ました。
「チャンと共に庭に連れてこい。本当に四男が死んだか最後の確認をする。」
チャンとモンナスは庭に連れてこられました。
「博士!」
「チャンア。」
サテッキルは二人に尋問を始めました。プヨソンは見守っていた。
「モンナス博士をお前の手で殺せ!」
サテッキルはチャンに命じました。
(記事がよかったらハンドクリームも見て行ってくださいね!)