朱蒙(チュモン)29話あらすじネタバレ感想
チュモン29話 あらすじネタバレ
四出道の豪族マガは犬使者(キョンサジャ)の首を金蛙(クムワ)王に送りクムワに兵を献上しないと言いました。怒ったクムワ王はマガを殺すというと、大使者のプドゥクプルは思いとどまるように上疏しました。重臣たちも声を揃えました。
ヨンポ王子はチュモンにどうなっているのか、これからどうすればよいのだと言いました。そこに帯素(テソ)王子が表れて「ヨンポの言う通り漢への攻撃は不可能だ。不満ならもう一度父上を説得してみせるがいい」と朱蒙(チュモン)王子を挑発しました。
チュモンは母の柳花(ユファ)姫に状況を知らせました。
「キョンサジャを殺した彼らをこれからどうすればいいか・・・・・・。」
「チュモン、これは王様とサチュルトはまさに今権力争いをしているのです。これは戦をするしないの問題ではない。ここでもし後に退いたらすべてを失ってしまうでしょう。何があっても王様が志を貫けるようお前がお助けしなければ。」
ユファ姫はチュモンに政治の助言をしました。
漢から来た密偵の鍛冶職人は太守ヤンジョンの密書を同じく密偵の鍛冶職人に見せました。
クムワはチュモンに事態の収拾法を尋ねました。
「若輩者の私ごときに何が言えるでしょう。私は王様のご命令に従うのみ。いかなるご命令であろうとも実行します。反旗を翻したサチュルトのチェガの排除もいといません。母上はもしも後に退いたらそこですべて終わりだと言いました。」
「歯向かったチェガを亡き者にして収拾をつけることができるだろう。しかしそうすれば王の権威は名ばかりのものとなってします。もう少し時間をかけて彼らを説得するしかあるまい。」
チュモンはクムワ王に決断を早くして機会を逃さぬように言いました。
城下町には王妃の派閥が流した噂でもちきりでした。
古朝鮮の流民のムガンはチュモンと出会いました。マリはチュモンが王子だとムガンに知らせると、ムガンたちはご無礼をお許しくださいと言いました。そしてムガンはチュモンに我々も戦い古朝鮮の流民を救いたいと言いました。
「総監!大至急来てください。」
オイがチュモンに知らせました。チュモンが城門に行くと民が集まり王に合せてくれと騒いでいました。民の中にはヒョッポの知り合いもいました。
チュモンはクムワ王にタムル軍のもと兵士たちが王に会いたいと言っていると報告しました。王が城門まで来てみるとタムル軍のもと兵士たちはクムワ王にひれ伏しました。
「私はタムル軍のマノという者です。王様が古朝鮮の真番と臨屯を攻撃すると聞きこうして集まりました。我々が先方に立ちます。」
元兵士たちは一緒に戦い祖国の同胞たちを漢から救いたいと言いました。
「王様、我々にタムル軍の名誉を取り戻す機会を与えてほしいのです。どうか一緒に戦わせてください。」
「そなたたちを、忘れて過ごしてきた歳月を思うと後悔の念が押し寄せ合せる顔もない。タムル軍の名誉を守れなかった私を許してくれ。」
「いいえまだ遅くはありません。王様の指揮のもとでかつての栄光の道を歩ませてください。」
国巫のマウリョンはクムワ王に謁見しました。
クムワ王はサチュルトに何も望みませんでした。
「サチュルトには軍を要請せず扶余の中央軍のみでこたびに戦に踏み切る。今この瞬間から私の意に逆らうなら容赦なく処罰するゆえ覚悟せよ。」
クムワは戦争を決意しました。
「帯素(テソ)、王様は血迷ったとしか思えぬ。常軌を逸した者を君主にしておくわけにはいかぬ。この扶余はそなたが率いるのです。マガの叔父上に会わねばならぬ。」
王妃はテソ王子に言いました。
クムワ王はチュモンに兵を編成するよう指示しました。
ヨンタバルは勝利に確信が持てないので召西奴(ソソノ)を軍商として派遣できないと娘に言いました。ソソノはチュモンは絶対に勝つと信じていましたが父は許しませんでした。
夜の王宮に黒装束の刺客が忍び込みました。
チュモンは仕事を終え廊下を歩いていると、刺客が見張りを殺し王のもとへ走っていく様子を見ました。チュモンはクムワ王に逃げるように言いました。クムワ王は剣を取りチュモンと部屋の外に出ました。刺客たちがクムワ王を殺そうと襲ってきました。チュモンは一人で複数の刺客と戦いました。クムワ王も剣を抜いてチュモンと一緒に戦いました。王の護衛もひとり倒しました。チュモンたちは刺客を全員倒しました。
「正体を確認せよ。」
クムワ王はチュモンに命じました。そこにテソとヨンポとマリとヒョッポとオイが駆け寄ってきました。
「おい貴様、何をしていた。王の御所に刺客を入れるとは。」
テソ王子はチュモンを叱りました。
「下がっていろ。正体を確認せよ。」
チュモンが覆面をとるとそれは鉄器工場の職人でした。テソは顔を横に背けました。
「鉄器工場の、職人たちです。」
クムワ王はテソを睨みました。
テソ王子はクムワ王に尋問されました。その様子をヨンポ王子とチュモンも見守っていました。
「偽りを申すな。そのときは死を免れんぞ。」
「王様、私にも信じられないことです。鋼鉄剣を作ってくれた職人たちがお命を狙うなどとどうして想像できたでしょう。」
「彼らは、玄莬の鉄器工場から逃げ出した古朝鮮の流民ではなくヤンジョンがよこした漢の職人だそうだな。ヤンジョンに送ってもらったあの者たちを玄莬から逃げた流民たちだとこの私を侮った訳を教えよ。」
「王様。すべては扶余の富国強兵のためにしたこと。王様を争うことなどこの命に・・・・・。」
「ええい黙れ!あやつらはこの王を殺そうとしたのだ。それを何が富国強兵のためだ!」
「王様が求め続けてきた強い鋼鉄剣を一日も早く作りたかったのです。炒鋼法(チョガンホウ)を会得したら王様に申し上げるつもりだったのです。」
「恥を知れ!お前は鋼鉄剣の秘密欲しさにヤンジョンごときに膝を屈したのか。私の理想とする富国強兵とは強い自負と誇りをもって敵に立ち向かうことだ。大臣たちよどうだ?これで漢とヤンジョンの本心がわかったか!わざわざ娘を特使として派遣し、腹の中では扶余を滅ぼそうとたくらんでいるのが漢なのだ。それでも真番臨屯を攻めるという私の意志をまだ阻みたいのか。護衛総監。テソを取り調べよ。派遣された職人の件を含めヤンジョンとの関係を明らかにするのだ。取り調べが終わるまで、テソ王子を軟禁せよ。」
クムワ王は国を滅ぼそうとしたテソを許しませんでした。
「これで、真番臨屯への攻撃の支持の声が高まるはずです。戦に対する民心の不安が一気に漢への怒りと攻撃心となるでしょう。」
サヨンはヨンタバルに言いました。
「ヤンジョンが愚かな真似をしたおかげで窮地にあったクムワ王が息を吹き返したということか。」
「サチュルトが派兵することになったら軍商として行っていいですか?」
ソソノは父に聞きました。
「一応準備しておけ。」
「これを機に宮中の権力製図が描きかえられるでしょう。チュモン王子の立場がよくなりそうですね。」
サヨンはソソノに言いました。
「あのひとが志を遂げるにはまだまだ不十分。もっと大きな権力が必要よ。私がそれを必ず手に入れさせてみせる。」
ソソノはチュモンを支える決意をしました。
ムソンはモパルモになにやってんだそれと聞きました。
「あっと驚くような代物を開発中なんだ。この技術さえ完成させれば漢の鋼鉄剣よりもっと強い鋼鉄剣を完成させられる。だがこれをケルに売り渡すつもりはない。極秘だぞ。」
チュモンはテソを取り調べました。
「刺客と兄上の関係を明らかにせねばなりません。」
「関係などあるわけないだろ。ただ鍛冶職人として連れてきただけだ。」
テソは否認しました。
「以前、塩の問題で漢ともめたとき、漢の鉄官が玄菟(ヒョント)郡に来たとき、なぜ兄上はヤンジョンに会ったのですか?」
「漢との交易の品目を調整するつもりといったではないか。」
「こちらは、兄上がヤンジョンの娘との縁談を承諾したと・・・・・。」
「だまれ!チュモンお前はそんな根も葉もない噂で私を陥れるつもりか?」
「それでは事実ではないのか?」
「大体そんな縁組を組んだところで父上がお認めになるはずがない。」
「私は、兄上とヤンジョンの取引を確信しています。」
「そこまで言うからには証拠があるのだろう。それを私の目の前にもってこい。」
「王室の長男たる威厳を保ち、過ちを認めて王に許しを請うべきです。」
マリは見張りの兵にテソの部屋に誰も近づけるなと命じました。チュモンは帰ろうとしたらそこに王妃があらわれました。
「テソ王子に合せなさい。」
「それはできません。」
「そこをおどき。」
「お引き取りを。」
「誰に向かって。」
「王のご命令です。お戻りください。」
「おのれ!」
王妃はチュモンの頬を叩き睨みました。
「お通しできません。」
「チュモン、今に見ているがいい。お前とユファがこの私にしがみつき、泣きながら命乞いをする日が必ず来る。
王妃は無断でクムワ王の部屋に来ました。
「なんと無礼な、下がりなさい。」
「王様、なぜ私たちにこんな仕打ちをなさるのですか。この身が遠ざけられていることは我慢しましょう。ですがテソは王様の実の子じゃありませんか。あの子は王様に疎んじられ傷つけられそれでも王様の愛を渇望し苦悩し続けてきたのです。王様に認められたい一心で玄莬から連れてきた鍛冶職人を流民と偽った。そのほかは何も知らないのです。どうしても聞き入れていただけないなら私が力ずくで救い出します。」
「なんだと!テソの指図ではないことくらい私がわからないと?そなたとサチュルトのチェガたちゆえだ。そなたとサチュルトが手を結び王権を奪わんとしていることを知らないとでも?テソの今の苦境はそなたたちが招いたことだ。出ていきなさい。」
クムワ王は自分を殺そうとした王妃を信じませんでした。
「この屈辱は、命が果てても決して忘れはしない。」
王妃はクムワ王を憎みました。
ヤンジョンはテソとの企みが明るみになったことを悔しがりました。ヤンジョンはすぐ真番と臨屯に行き臨戦態勢をとらせ、援軍の準備をするように部下に命じました。
ユファ姫は何かを考えていました。ユファは侍女のムドクに王妃に会うと言いました。ムドクはユファの心配をしました。
「お話しがございます。テソ王子を救いたいのならお人払いを。」
ユファ姫は王妃に言いました。
「テソのこの窮地をあなたがどうやって救うというのです。」
「国王の暗殺はたとえ王子といえども死刑を免れぬ大罪です。今は軟禁状態ですがこのままではあるいはテソ王子は命を奪われるやも。」
「テソに指一本触れさせるものか!」
「落ち着いてください。私がテソ王子を開放して差し上げましょう。ただしその前にひとつ約束してください。真番臨屯との戦にチェガの協力を約束してほしいのです。約束してくださればテソ王子は自由の身となります。どうなさいますか?」
ユファ姫はチュモンにテソはどうしているかと話しました。
「チュモン。潔白であると王様にはそう報告し、そのかわり戦で先鋒を務めると約束させなさい。王妃さまは必ずサチュルトに兵を出させるでしょう。」
「王妃様は動くでしょうか。」
「必ず動く。」
チュモンはテソに交渉を持ちかけました。
「私は兄上が彼らに命じたとは思いません。」
「今度は何だ?私を懐柔するつもりか?いっそ暗殺未遂の咎で父上に進言するがいい。」
「兄上、これは兄上ひとりだけの問題ではありません。王妃様とサチュルトが結託して王権を奪う気なのはご存知のはず。王様はこの事件を機にきっと反対勢力の一掃を目指すでしょう。そうなれば兄上だけでなく王妃様のお立場も危うくなるのでは?私には兄上に機会を与えます。襲撃に関しては無関係と報告しますから兄上は私心を捨てて扶余を守るために協力してください。」
チュモン王子はクムワ王にテソは襲撃と鉄器職人を連れてきたこととは無関係と報告しました。
「確かなのだな。テソを通せ。」
「はい王様。」
テソ王子はクムワ王の前で膝を折りました。
「王様、私は許されない罪を犯しました。もしこの罪を償う機会をいただけるなら私が先鋒に立ち真番臨屯を攻めます。」
「よかろう。私はお前に機会を与えよう。」
「まことにありがたき幸せ。」
「聞くがよい!私はこたびの戦に先鋒大将に護衛総監のチュモンを任ずる!テソとヨンポはチュモンを補佐し必ず勝利を勝ち取るのだ。」
テソは涙を流し、ヨンポは目を丸くしました。
感想
王妃と外戚の勢力が王権を脅かす!なんと朝鮮歴史ドラマでよくあるパターンではないですか。窮地に陥っていたクムワ王も復活しました。しかしどうしてクムワ王の王権がここまで弱くなってしまったのでしょうか!?冒頭でクムワ王は数々の戦で扶余の領土を拡大してきたとありましたよね。そんな王がどうしてこうなってしまったのでしょうか。そのあたりの説明がなかったので扶余の政治の事情がわかりません。面白くなってきましたね。続きが楽しみです。