「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第76話 政治とは あらすじとネタバレ感想
76話 政治とは あらすじ
世宗は本を受け取りました。
「音韻書か・・なれない分野だから覚悟してかからねば。」
「これをすべて研究なさるのですか。」
「これの何十倍の書を研究せねばならん。」
世宗は首陽大君にしばらく黙っているように言いました。
「音を出さずに静かに歩け」
「まるで姑みたいだな。」
「おい、イ・スンジ!」
チェ・マルリは口の軽いイ・スンジを叱りました。
「"四声譜"に"切韻""中原音韻"と"洪武正韻"、本の中身が偏ってますね。すべて韻書だ。」
本を持ってきた学士がつぶやきました。
世宗はお忍びから戻ると家臣に韻律書を配布しました。
ユン・フェは書庫で酒を飲んで寝ていました。
「大提学(テジェハク)様」
内官はユン・フェを起こしました。ユン・フェは内官を抱きました。
「テジェハク!夜通し飲んだのか?」
世宗はユン・フェを起こしました。
「余が焦っているのがわからないのか。朝鮮独自の文字を作るのだ。」
「王様と私の寿命を足しても成し遂げられるかどうか・・・」
ポン世子妃は水刺間でのちの顕徳王后をいびっていました。
昭憲王后は世子妃が誕生祝をするというので嫌がっていました。
「ソサンとタンジに手を出すな。人の命を粗末にしてはならぬ。ほかの計画を考えよう。」
王后は尚宮に言いました。
「しかし今回ばかりは従えません。私がすべての責任を負います。」
尚宮はオム・ジャチに言いました。
尚宮はソサンとタンジに外出するように命じました。
「待令熟手の家が私たちの墓ですか?」
二人は尚宮に逆らいました。尚宮に見せた絵には世子妃が女官と裸でたわむれる姿が描かれていました。尚宮は逆に脅迫されてしまいました。
昭憲王后の誕生日は世宗と息子たちに祝われました。
「早く孫を抱かせてくれ。」
世宗は世子に言いました。世子妃は妻にかまってる暇がないと世宗に言いました。
「父上に対して失礼だぞ。」
世子はポン嬪宮を叱りました。
世宗は法典を民に配布する前に簡単な文字を開発しろと命じました。「吏読」という下の身分が使う文字よりも簡単な文字を開発するように命じました。
チェ・マルリたちは奴婢に法を教えることに反対しました。
「不満の多い民に法を教えたらさらに厄介です。」
「王様は民を過大評価されておられます。悪用する輩がでてくるでしょう。町には民の利己的な欲望がうずまいています。」
世子は翻訳に賛成しました。
「だからこそだ。民ひとりひとりに欲望を自制させ政治の主体となってもらいたい。その第一歩は民が己の権利を守れるようになることだ。」
世宗は学士を説得しました。
「父上、私が憎くありませんか。父上の政治に反対してばかりです。」
「納得いくまで反対しろ。政治とはそういうものだ。」
世宗は世子に教えました。
シン・ジャンの息子シン・スクチュは倭人に書を披露していました。
「素晴らしい。将軍もお喜びになられる。」
「私を日本に連れていけばこれ以上のものを将軍にささげられる。」
「日本に参ると申されるのか。シン・ジャンの後を継がない。」
「しつこい奴だ。連れていくのか?」
「そなたは不思議な人だ。」
「ソレハワタシモドウカンダ」
ユン・フェが現れました。
「なぜおじいさまがここに?」
「自国を捨て異国に逃げる孫婿の・・・」
シン・スクチュは逃げました。
シン・スクチュを追いかけたユン・フェは肝臓を押さえて倒れました。
「おじいさまー!無理なされるからです。」
「しー!この演技力なら役者になれるだろう。捕まえたぞ。」
ユン・フェは日本とと中国語、アラビア語などをすぐに覚えたシン・スクチュを集賢殿で働かせたがっていました。
「文字は既得権であり権力だからです。王様に賛成する者はいないでしょう。」
ファン・ヒは文字創製に両班は反対すると言いました。世宗は文字を民が読めるようになるためなら命も惜しくないといいました。
「領議政大監。そろそろ答えを聞かせてくれ。そなたにとって政治とは?なぜドゥンムンドンを出たのだ?」
世宗はファン・ヒに言いました。
師匠「志は学者の命だ。」
ファン・ヒ「志のために民の命を捨てると?ならば民はどこに希望を見出せばよいのですか。」
ファン・ヒはトゥンムンドンの焼き討ちを思い出していました。
ファン・ヒは世宗をトゥンムンドンに案内しました。
「私が志を立てたのはここ杜門洞です。私にとって政治とは、いいえ、政治とは本来本来弱者を保護するためのものです。民のための文字創製はその礎となります。文字を作るのは至難の業でしょう。誰の手も借りられない孤独な作業です。生前には成し遂げられないかもしれません。しかし私も朝鮮してみたいのです。未熟者ではありますが王様と同じ夢を持たせてください。」
逃げ回っていたシン・スクチュは世宗に謁見しました。
「そなたの心を動かしたものは何だ?」
「熱意でございます。」
世宗は軍事権と人事権以外を世子に渡す政務代行をするといいました。
「王様はいったい何をたくらんでいるのだ。」
チェ・マルリは世宗を疑いました。
「民の生死を決める仕事だ・・・・・。」
「その気持ちがきっと良き王に導いてくれます。自信をお持ちに。」
首陽大君は世子を励ましました。
嬪宮はひとりで仕事をしている世子に言いました。
「やり直せますか?」
「何があっても私の気持ちは変わらない。」
「努力いたします。いつまでも待ちます。じっと見守れというならそういたします。そうすればいつか私に心を開いてくださいますか。私は希望を持ってもよいのですか?」
「・・・・・・。」
嬪宮は涙を流しました。
嬪宮はソサンとタンジに髪飾りがたくさん入った箱を渡しました。
「私を許してくれ。世子妃として一人の男の妻としてできるならこの国の母として生きたい。」
「許さない。さんざんもて遊んでこれで身を引けと?いいわ。でていってやる。でも私たちが出て行ったとたんあなたと世子様は破滅よ。町はあなたたちの醜聞でいっぱいになる。もう後戻りできない。だから希望は捨てるわ。」
ソサンは報復するといいました。
嬪宮は世子の背中を見つめて涙を流しました。
「お話しがあります。義父上。私を廃妃にしてください。私は女官と不貞を働きました。」
嬪宮は世宗に言いました。
感想
ハングル文字創製と嬪宮の不貞(性衝動を解消するための女遊びで本来は男色として描かれてますね)こんなスキャンダラスな醜態が記録に残っているとは。王室の恥なのになぜ歴史に残したのか(笑)王室のことを思うと書き残したくないのが人情というものでしょうに。でも朝鮮の歴史はなんでもありですから、意外と罠にはめるために政敵が嘘ついたのかもしれないし、女官を使って陥れたかもしれないし、史実はそうであっても真実は知りようがありませんね。文宗が夜の営みについてご無沙汰なのもアレ!?って思ってしまいますね。よほど文宗の好みじゃなかったのですね。