「薯童謠(ソドンヨ)」(全55話)第47話 愛か裏切りか のあらすじとネタバレ感想
47話 愛か裏切りか あらすじ
「私は飲めないけど百済の男は素穀酒(ソゴクチュ)が一番だそうね。」
「それが何か?」
「兄上はキルを初めて認めた時に素穀酒を飲ませた。私もそのまねを。」
「それなら喜んでお受けいたします。」
チャンは酒を飲もうとしました。
「まだ早い。前のように偽りがあるなら、お前を完全には信じられない。私は真心が欲しいと言ったわ。それにはどんな偽りも禁物でしょう?あの事実のほかは本当に嘘はひとつもないのね?ただのひとつも?」
「はい。」
「最後に聞く。本当にないの?」
「はい、ありません。」
「そう。分かったわ。信じよう。もう飲んでいいわ。」
(私がお前に注ぐ最初で最後の杯ね。なぜよりによってお前なの。)
「誠心誠意尽くします。」
チャンは酒を飲みほしました。
「そうか。わかった。陛下のところに行くわ。これを兄上に届けなさい。チン・ガギョンから兄上への献上品よ。」
チャンが箱を受け取ろうとしたら箱が落ちました。
「割れ物ですか?」
「割れ物ではないわ。私の代わりに行ってきて。」
「はい。」
(殺されるかしら?殺されるわね。チャン・・・・・・・。)
ウヨン公主は心配になってチャンを追おうとしましたがチャンは箱を持って行ってしまいました。
箱の中にはウヨン公主が手紙を届けた者が四男であるということが書かれてありました。
チャンはプヨソンの部屋に行きました。部屋にはプヨソンとサテッキルがいました。
「チン・ガギョン商団からの手紙です。」
「開けてみろ。」
サテッキルは箱を開けました。
「間違いました!私が、間違えました。」
ウヨン公主は慌ててプヨソンの部屋に入ってきました。
「これは私への献上品でした。兄上へは大きな箱だったのに間違えました。ではこれで失礼します。」
ウヨン公主とチャンは退室しました。サテッキルが大きな箱を開けると中身は女性用の装飾品でした。
「変わったのは品物ではなくウヨン公主の心のようです。」
サテッキルはプヨソンに言いました。
「何ですか?公主様。先ほどお酒を賜りました。私を信じた証だと注いでくださったお酒です。」
「お前たちのことを兄上にすべて教え委ねようとした。怖かった。陛下の病で不安になり命乞いをしようとしたの。でも・・・でも・・・でもお前が死ぬところは見たくない。お前は死なせられない。技術上納の件で私を責めた時から策もなく泰然としていた隋の使臣事件のときから私もわからない。今分かっているのはお前を殺せないことだけ。不愉快で仕方がないけれどお前に心を奪われ始めていたの。」
ウヨン公主はチャンに愛の告白をして部屋に帰りました。執務室に戻ったウヨン公主は机に伏しました。そしてチャンの夜明珠に触れました。
「四男を生かしてどうする気なの。どうする気なの・・・・・・。」
ウヨン公主は自分がしたためた手紙を燃やしました。
「達率が参りました。」
侍女はサテッキルの来訪を姫に告げました。
「最初の箱で合っていたようです。女性用の装身具しか入っていませんでした。」
「そう?チン・ガギョンが間違えたのね。」
「もしや夜明珠だったのでは?」
「なんのこと?」
「四男のことを教えろと衛士佐平様に頼まれたはず。」
「四男は死んだわ。私が確かめなかったと思う?」
「彼らを信じると?自分たちの関係を隠しウヨン公主に接近したのです。ご存知でしょう?なのに彼らを信じるのですか?どうなのです。」
サテッキルは薄ら笑いを浮かべました。
「だましたのは事実よ。でも調べたら納得のいく状況だった。お前の心理作戦は私には通用しない。それよりもお前のことが知りたい。チャンとチン・ガギョンは恋のために私をだました。それを知りながらなぜ兄上に告げなかった?それになぜ二人を理解せずにモンナス博士とチャンを裏切ったの?どこまで知っている?今も兄上に隠していることは?お前もチン・ガギョンに心を寄せていたの?」
サテッキルの表情が固まりました。
「はっ・・・そうなのね。」
夜になりました。
「一体私はなぜ、なぜこんなことを・・・・・・。」
ウヨン公主はチャンを思っていました。
チャンは月を見るソンファ公主を見つめていました。
「サドゥグァン様とクク氏、ペク氏の土地に水を張ってください。牛を使った稲作ができれば勢力も拡大し時代まで味方につけられます。」
チャンはサドゥグァンに政策の説明をしました。チャンはウヨン公主にも説明をしました。ウヨン公主はチャンと二人きりになれる時間が幸せそうでした。
「この地にこんな物が?鉱山が?」
ソンファ公主とヨン・ギョンフは新しい鉱物を見つけました。その様子をチャンと一緒に来たウヨン公主は見ていました。チャンはワング将軍が育成する兵士をウヨン公主に見せました。
「武術兵と武器兵を500人ずつ育てています。」
ワング将軍はウヨン公主に言いました。
(決めるのよ。決めなくては・・・・・・。)
偽って兵を見せるチャンにウヨン公主は迷いました。
モジン博士のところにプヨゲが発作を起こしたのでモンナス博士とコモ技術士を連れてくるように使者が来ました。
「大変なことが起きました。ソングム亭でお話を。あとで行きますので。お願いです。」
モジンはモンナス博士に頼まれたところとは別の場所に行くように言いました。
プヨソンはプヨゲの危篤に駆けつけました。コモ技術士が麝香を使ってプヨゲの意識を取り戻そうとしましたら、意識を取り戻しました。
「プヨソン、王妃とウヨン、そしてウチを・・・頼む・・・・・・。」
プヨゲ(惠王)が崩御しました。
王妃は幼い息子を抱いて「どうすればいいのです。ウチを置いていかないでください陛下」と泣きました。
「これでよかったのかしら・・・」
モジンはモンナス博士に嘘を言ったことが不安になりました。
「ウヨン博士はどうした。」
フクチピョンはサテッキルに聞きました。
「チャンと奴斯只(ノサジ)へ。サドゥグァン様の領土ではないかと。」
「ノサジの領地で大規模な実験をするそうです。明日には戻るかと。」
「モンナス博士はどこに行った?」
「コモ技術士が連絡していないのでは?」
「モンナス博士に連絡しなかったのか?直接伝えたのか?」
フクチピョンは使いの者を呼びました。
「いいえ、しました。伝言するという方に頼み私はコモ技術士だけお連れしました。」
プヨソンが部屋から出てきました。
「あとのことは王妃に従え。」
「はい。」
「モンナス博士がおりません。」
「逃げたのか?」
「よくわかりません。」
フクチピョンは言いました。
「チャンとウヨン公主は今帰途にいます。」
サテッキルはプヨソンに答えました。
「モンナス博士とチャンを内密に捕らえろ。聞きたいことがある。」
プヨソンはフクチピョンに命じました。
「陛下が、お亡くなりに・・・・・・。」
モジンは慌てました。兵士たちはモンナスの部屋を捜索しました。モンナス博士はモジンが伝えた場所で待っていました。
モジンはギン・ガギョンに連絡してチャンを宮殿に入れないように頼むとポムノとウンジンとメクトスに頼みました。
「止まりなさい。私は別宮でもう一泊して行く。お前は宮殿に行きノサジの役場に泊まると達率に言いなさい。」
ウヨン公主は輿を止め部下に連絡を命じました。
「大事な話があるの。」
ウヨン公主はチャンに言いました。
「逝去を知って逃げたというのか。モンナス博士が行方不明だ。感付いたならウヨン公主様とチャンにも連絡するはず。」
フクチピョンがいくら王宮の中を探してもモンナス博士はいませんでした。
「早く兵士を。」
サテッキルはフクチピョンに言いました。
「口出しするな。」
フクチピョンとサテッキルは火花を散らしました。
モジンはモンナス博士のところに行きました。
「遅かったな。」
「準備することが。」
「どんな大変なことが起きたんだ?」
「とりあえずついてきてください。」
モジンは渡し場にモンナス博士を案内しました。
「船ではないか。」
「はい。」
「事情は?」
「実は向こう岸に住む人に会ってもらいたいのです。手助けが必要な人です。私には無理なのです。すぐ戻れます。船に乗ってください。」
「ほかの意図は?」
「博士、私が何か企み嘘をついたことがありましたか?助けが必要なのです。早く船へ。」
モンナス博士とモジンは船に乗り川の向こう岸に逃げました。
「王様が逝去なさった?」
ソンファ公主は驚きました。
「博士は母が安全なところにモンナス博士をお連れしました。」
ウンジンはソンファ公主に言いました。ソンファ公主はヨン・ギョンフにチャンを助けるように頼みました。
サテッキルもまた陛下が亡くなったと父のキム・サフムに教えました。サテッキルは父と部下にチン・ガギョン商団を見張るように命じました。
「チン商団はチャンを逃がそうとするはずだ。」
「食事の用意をして。今夜だけ泊まっていくわ。」
ウヨン公主は従者に命じました。
フクチピョンの手下はウヨンの部下を囲みました。その様子をヨン・ギョンフ大将と手下は茂みに隠れて見ていました。
「何をの真似だ。」
「衛士部の奈卒だ。お前は公主様の護衛では?なぜ一人で帰ってきたのだ。」
「そちらこそなぜ見張っていた?」
「陛下が逝去なさった。だから公主様のお迎えに。どちらだ?公主様をお連れせよとの命令だ。」
「公主様は私が迎えに行くから帰ってくれ。」
「何を言う。すぐに馬でお連れせねば。」
「ノサジの役場だ。」
ヨン・ギョンフ大将は子分に馬の用意を命じました。
「役場の行政を見るからもう一泊すると。」
「役場に行くと達率様にお伝えしろ。」
プヨソンの手下とウヨン公主の護衛は一緒に姫を迎えに行きました。
「なぜ役場へ行ったと行ったんだ?クサン様。」
サテッキルの側近クサンもまたその様子を見ていました。
翌日の早朝。
「一晩中そこに?私に大事なお話があるのでは?」
チャンはウヨン公主に言いました。ウヨン公主は黙って部屋を出ました。
フクチピョンはウヨン公主とチャンの居所を知り馬で役場に向かいました。サテッキルはウヨン公主の護衛が嘘をついたことを見破りました。
「しまった!役場じゃない。」
ウヨンとチャンは机を挟んで座っていました。
「公主様。私が嘘をついたのに許してくださいましたね。公主様が求めた私の真心を差し上げます。陛下の治世のため誠意を尽くすつもりです。ですが、私に心を奪われたというお言葉はお受けできません。それだけはどうしようもありません。私はチン・ガyゴンを、心から・・・心から・・・・・・。」
「私を・・・慕わなくてよい。問題なのは私にはお前を殺せないこと。残された手立ては・・・私たちの結婚。」
チャンは驚きました。
「公主様。」
「私は・・・お前が・・・お前が・・・・・・。」
扉が突然開きサテッキルが入ってきました。
「陛下が亡くなりました。」
「それは本当なの?」
「公主様をお迎えに参りました。公主様をお連れしろ。」
ウヨン公主は馬車に乗って宮殿に向かいました。
サテッキルはチャンに剣を突き付けました。
「話が残っている。」
チャンは兵士に捕まりました。
「恩卒は後ろに来ている?今すぐ止めなさい。」
「止めるなと言われました。」
「とめなさい。早く馬車をとめなさい。」
馬車は止まりませんでした。
「俺が聞くまで黙っていろ。四男はどこだ。どこだ。」
サテッキルの部下はチャンを剣の柄で殴りました。
「亡くなった。」
チャンはまた兵士に殴られました。
「俺に嘘は通用しない。お前たちは玉璽のためなら死ねる。ウヨン公主と組むはずがない。」
「天の峠学舎の時ならな。だが俺たちはお前に裏切られ阿佐太子や威徳王、武康太子を失った。お前と衛士佐平を倒せるなら悪鬼とだって手を組むさ。」
「四男はどこだ?」
サテッキルは棒でチャンの脚を叩きました。
「お前たちが殺した。」
「何だと?」
「まだ先なのか?」
モンナス博士はモジンに聞きました。
「もう少し先です。」
「向こう岸を言いながら延々と南下した。何事だ?お前の用事ではないな?」
モンナス博士は帰ろうとしました。
「博士」
モジンはモンナスの腕を掴みました。
「陛下が・・・ご逝去を・・・・・・。」
「何だと。」
「衛士部が博士を探しています。」
「それを知り私を逃がそうとしたのか?」
「なりません。」
モジンはモンナス博士に抱き着きました。
「することが。」
「チャンのことならチン・ガギョン商団に連絡してあります。チャンも無事に逃げられます。だからどうか私と一緒に逃げてください。博士お願いです。」
「チャンがただ心配なのではない。」
「ただ心配なのではないとはなんのことですか。ヨンガモの息子だからですか?」
「実は・・・」
「実は、何なのですか。」
「・・・・・・。」
「あんまりです。疎ましいならいっそ殺してください。」
「モジナ・・・。」
「博士。どうか。一生のお願いです。一度だけ頼みを聞いてください。」
モジンは涙を流してモンナス博士に頼みました。
「心までは求めません。ただ生きていたほしいのです。」
モジンはモンナス博士に抱き着きました。
「・・・・・・。」
モンナス博士はモジンの肩を抱きました。
モンナス博士とモジンは洞窟で夜を過ごしました。
「夜が明けたら小舟が来ます。上台浦(サンデポ)で乗り換え新羅に行きましょう。忘れてください。太学舎も忠誠心もチャンも。そして・・・・・・。(ヨンガモもです。)」
モンナス博士はモジンの肩に手をまわしてモジンの涙をぬぐい、自分の胸にモジンを引き寄せました。モジンは悦びました。
感想
恋。恋、そしてまた恋。今回はみんな恋してましたね。ウンジンはもうチャンをあきらめちゃったみたい!?なんとか自分を説得して乗り越えたようですね。そしてウヨン姫がチャンのことが大好きになってしまい、「結婚しよう」とかなり積極的ですね。そしてモジンもモンナスに愛の告白をして、愛の逃避行ですよ!韓国の女性は積極的ですね。自分から積極的に行かないと高貴でいい男は捕まえられないという心理の現れなのでしょう。上昇志向といいますか、女性の富と権力への欲深さといいますか。またまた面白くなってきましたね。続きが楽しみです。