「薯童謠(ソドンヨ)」(全66話)第59話 反撃開始 のあらすじとネタバレ感想
第59話 反撃開始 あらすじ
善徳寺に立てこもったチャン(武康太子)達。
「殿下、急いでください。」
ヨン・ギョンフ大将はチャンに逃げるように言いました。
「官軍が向かってきてるんですよ。」
トウィルも言いました。
「急ぐのです。」
ユリムは言いました。
「殿下、我々を置いてゆくことに罪悪感を抱かないでください。殿下の苦しむ姿など求めてはいません。必ず生き残って殿下は王位に就くと約束してください。」
ヨン・ギョンフ大将はチャンに言いました。
「それが王というものです。」
トウィルも言いました。
「太子様、行きましょう。」
ユリムはチャンを連れて逃げるつもりでした。
「・・・・・・頼んだぞ。」
チャンはヨン・ギョンフ大将に後のことを託しました。
「はい殿下。」
チャンたちのいる部屋にユリムの仲間のヨンガクが入ってきました。
「チュソン島へ行ったヨンガクだな。」
「はい。」
ヨンガクがチャンに答えるとユリムはヨンガクの前に立ちヨンガクを制しました。
「行ってきたのか?」
「はい。」
「博士は島で元気にしているか?」
「・・・はい。」
「本当か。」
「はい。」
ヨンガクの声が聞き取れないほど小さくなっていきました。
「本当なのか。」
「・・・・・・。」
ヨンガクは左にいるヨン・ギョンフ大将と右にいるユリムを交互に見ました。
「キルが博士を刺したと言っていた。正直に言え。」
「実は、その・・・・・・。」
「何事もないですよ。早く行きましょう。」
トウィルはチャンを急かしました。
「実は何だ。実は何だ!」
「実は・・・実は亡くなられました。」
ヨンガクはユリムを一瞥してから申し訳なさそうな表情で答えました。ヨン・ギョンフ大将は驚きました。
「博士は最後まで太子様の心配をしていました。」
事を知っていたユリムはヨンガクに代わってチャンに言いました。
「はい。矢が当たり、海に落ちても仲間を先に行かせ任務を遂行せよとおっしゃっていました。」
ヨンガクはユリムに勇気をもらい付け加えました。
モンナス博士の死を聴いたチャンはしばらく荒い息遣いをして言葉も出ませんでした。チャンはサテッキルの言葉を思い出しました。
ヨン・ギョンフ大将は寺で数十人の兵士たちを取りまとめて言いました。
「我々を包囲する官軍の数がどれほどなのかはわからない。力を合わせて戦えば勝てるかもしれん。あるいは一網打尽にされるかもしれない。だがこのまま奴らに殺されるわけにはいかない。各自、百夫長の指揮に従って動け。そして生き残れ。それができないなら誇り高く死のう。」
「それはダメだ。」
チャンが兵士たちの前に姿を現しました。
「今から私自らが指揮する。」
「殿下。」
ヨン・ギョンフ大将はチャンを心配しました。チャンはそれを無視しました。
「民を置き去りにする人間に王になる資格などない。だから私が指揮する!全員が一つの群れとなって包囲網を破る。それが我々の生き残る道だ。私を信じろ。敵は我々と同じように寺を丸く包囲するはずだ。そして我々の場合と同じく列も勝手には崩せない。だから力ずくで突破する。そうすれば敵は崩れる。私は決して死ぬわけにはいかないのだ。太子だからではなく進まねばならぬ道があるからだ。阿佐太子殿下と威徳王が私に託した遺志を継がねばならぬ。だから突破しよう。力を合わせて包囲網を破ろう!」
チャンが演説を終えると兵士たちの士気は上がりました。
「太鼓を鳴らせ。はぐれた仲間に聞こえるよう。太鼓を鳴らせー!」
兵士は両手の拳を天に突き出してチャンを称えました。
太鼓が鳴ると武康太子の兵士たちは一塊となり善徳寺から駆け出しました。山に隠れていた太子の兵士も降りてきました。
「あれは何の音だ。」
太鼓の音を聞いたプヨソンは動揺しました。
「船が南池を渡っています。」
元花郎のクソンがサテッキルに報告しました。
「船だと?チャンだ。チャンだ。」
サテッキルは言いました。
「何だと。早く捕まえるのだ!」
プヨソンは命令しました。
「兵の半分を連れていけ。ここは私が防御する。」
サテッキルは恩率に命令しました。
「はい。」
「何としても捕らえろ!」
プヨソンはチャンへの憎しみを全開にしました。
「はい。」
チャンの兵士と官軍は再び衝突しました。防護服もない武康太子の軍は必死で戦いました。
「博士、力を貸してください。この道を開いてください。最後まで隠し事をし続けた弟子ですがどうかわたしに力をください。博士の死を悼む間もなく助けを求めるこの弟子にどうか力を。」
チャンは戦いながらモンナス博士に祈りました。
「佐平様!反乱軍の勢いが強く包囲網が崩れます。このままでは後退も難しいです。」
戦のさ中、恩率はサテッキルに駈け寄りました。
「応援の部隊はまだか?ここを突破されてはならん。死守しろ。」
「はい。了解しました。」
しばらくしてまた恩率が戻ってきました。
「佐平様!退路がありません。」
「後方にも敵がいたのか。」
「はい。これでは包囲されます。」
「クソッ。」
「退却しましょう。退却しましょう。」
サテッキルたち官軍は逃げました。
「退却しろー!」
チャンとサテッキルは刃を交えました。
「退却しろー。」
「太子様を守れー。」
ワング将軍が兵を率いて来ました。
「太子様、逃げるのです。」
チャンたちも善徳寺から逃げました。
山の崖。
「殿下。」
安全を確認したワング将軍はチャンに頭を下げました。
「全員無事で何よりです。」
「官軍がそこまで来ています。早くお逃げください。」
「第二砦で会いましょう。」
元山島。
モジンは愛するモンナス博士を探しに来ていました。島には兵士の遺体があちこちにありました。
「まさか、まさか・・・・・・。」
モジンは崖の下の浜辺に行きました。
海岸にモンナス博士の草鞋が落ちていました。
「博士!博士!博士ーーーっ。」
モジンはモンナス博士の草鞋を胸に抱いて泣きました。
「こんなことになるなら、私はお伝えしたでしょう。手遅れなんかじゃない、私の名を呼んで。死んでも私だけを想ってほしい。どこにでもついていくわ。私にも尽くしてほしい。もう一瞬たりとも離れていたくないと。気持をすべて伝えたのに・・・すべて・・・。」
「モジン技術士!」
ユリムの仲間が駆け寄りました。
「博士ーーー。」
モジンは大声で泣きました。
元山島の洞窟。
モンナス博士は薬草を口に含んだまま仰向けで倒れていました。
モジンはモンナス博士の草鞋(草鞋ですが、先は黒く先のとがった靴)を海に流しました。
チャンがワング将軍と第二砦に行くとソンファ公主、ポムノやウンジン、コモ技術士が小屋の中にいました。
「博士の葬儀はしません。こんな形で行うわけにはいきません。天の峠学舎の頃から数多くの葬儀をろくに準備もせずに行いました。博士にはそうしたくない。私が王位についたら博士には立派な葬儀を行います。」
チャンは皆に言いました。
チャンは皆に言いました。
「私も同感です。」
モジンの声がしました。
モジンの声がしました。
「お母さん!」
モジン技術士が砦に来ました。
「モジン様」
メクトスは喜びの声をあげました。
「私も太子様と同感です。殿下は堂々と王座に就かれた後で博士に立派な葬儀をしてください。」
「モジン様の博士を私が奪ってしまいました。」
「博士の遺言は国策案を実現させろということです。」
モジンはチャンにモンナス博士たちが作った文書を渡しました。
「私はチュソン島で博士の遺志を継ぎます。太子様は必ず王位に就いて博士の遺言を守ってください。」
モジンはチャンに頭を下げると小屋から出ていきました。
第二砦での作戦会議。
「兵士、武器、食糧を整えなおさなくては。」
ユリムはチャンに言いました。
「死者は出なかったものの、負傷者が多数出ました。」
ワング将軍が言いました。
「けが人は私と学舎の仲間が治療します。」
コモ技術者が言いました。
「矢はありますが、ほかの武器は充填が必要です。」
ヨン・ギョンフ大将は言いました。
「竹やりなど簡単な武器を作ってみます。学舎(※字幕ではどちらの学舎かはわからず)にいた頃作ってましたから。」
メクトスは言いました。
「サビ城以外の地域にはまだ商人を残しています。顔を知られていない者に食糧を調達させます。」
ソンファ公主が言いました。
「では当面そのように・・・・・・。」
ワング将軍が作戦をまとめようとすると、チャンは反対しました。
「いけません。守りの態勢ではいけません。大勢が動くとすぐに察知されます。」
「ならば?」
「生け捕りは免れたもののプヨソンは動揺しているはずです。攻撃こそが最善の策です。」
サビ城ではプヨソンが彼の妹であるウヨン公主と義母の皇太后と幼い弟を椅子に縛り付けて拷問を加えさせていました。股を棒で裂かれるウヨン公主の悲鳴が王宮に響きました。
「やめろ。」
プヨソンは手をあげ兵に命じました。
「陛下、どうか今回だけはお許しください。」
皇太后は口から血を流して言いました。
「どこだ。どこにいる。奴らはどこだ。」
「陛下。私は本当に知りません。」
ウヨン公主は苦しみながら言いました。
「知らない?仲間だったというのに。お前は私を騙していたのだ。生き残れると思うな。痛めつけろ!」
「キャアーーーーッ」
ウヨン公主は悲鳴を上げました。フクチピョンと重臣たちは姫から目を背けました。
「言うんだ。言え!」
「私と母は身を隠そうとしただけです。本当に知りません。」
ウヨン公主は本当にチャンの行方を知りませんでした。
「陛下、陛下、こんなことをしてはなりません。」
幼いウチはプヨソンに抗議をしました。
「何だと。いけないだと?小僧!」
プヨソンは椅子から立ち上がりウチの前まで行きました。
プヨソンは椅子から立ち上がりウチの前まで行きました。
「姉上は陛下の妹でございます。こんなことをしたら・・・・・。」
「何なのだ。言ってみろ!」
「民が王様を・・・・・・。」
「えいやっ!」
プヨソンはウチの右腕を斬りました。ウヨン公主と皇太后は悲鳴を上げました。
「何ということを!」
「言わないともう片方を斬るぞ。」
皇太后は気を失いました。
「言え!言え!言え!言え!言えーーっ!」
プヨソンは乱心して剣を振る舞いました。フクチピョンはプヨソンから顔を背けて重臣たちも同じようにしました。サテッキルも苦い表情を浮かべて下を向きました。
第二砦。
「役場ですと?」
ワング将軍はチャンに言いました。
「百済の二十二の役場を取り戻します。」
「二十二か所の役場を?」
「兵が足りません。」
「まずは各地に張り紙をしてください。日時と場所を記します。民にすべてを知らせるのです。私は武康太子チャンだ。威徳王が認めた後継者はこの私だ。阿佐太子殿下と威徳王、モンナス博士は皆奴らに殺された。私は国と民を取り戻す。手始めとして五日後に二十二の役場をすべて取り戻す。」
百済の民は張り紙を見つけ噂しました。
夜の王宮。ウヨン公主だけがまだ拷問されていました。
「しぶとい奴め。このままでは済まさぬ。だまされんぞ。」
プヨソンは何も知らないウヨンをまだ拷問していました。
「陛下、陛下。」
「何事だ。」
「チャンが・・・・・。今外に。国中の役場を一気に取り戻すと張り紙をしました。」
ヘドジュがプヨソンに知らせました。
「何だと!」
夜の王の部屋。
「またしても張り紙か。いつだ。」
「五日後だそうです。」
ヘドジュは法王に答えました。
「そんなに兵力があるのか?」
「我々を揺さぶる気です。」
サテッキルは王に答えました。
「百人ずつ送っても二千人以上必要だ。今回の犠牲もあっただろうにまだこれほどの実力が?」
「どうか冷静に。これは計略です。」
「公表までしたから民も同調するはずだ。どれだけ増えるだろうか!」
「陛下、落ち着くのです。」
「一体どうやって。どうやって兵士を集めたのだ。」
「陛下、向こうにそこまでの兵力はないはずです。ただの計略です。」
サテッキルはプヨソンをなだめようとしましたが、プヨソンは混乱していました。フクチピョンは目を閉じていました。
翌日の便殿(ピョンジョン)。王と重臣たちは集まり会議を開いていました。
「陛下、各地が心配です。」
「一か所でも奪われたら状況は急変してしまいます。どうか衛士部の全兵力を役場へ派遣してください。」
「はい陛下。そのようにしてください。」
「陛下、私兵の多い貴族は問題なくてもほかは地方の官軍と貴族の私兵の人数では足りません。衛士部の兵を送ってください。」
「そうか。それだ。間違いない。」
「???」
重臣たちはプヨソンの発言にいぶかりました。
「それだ。狙いは宮殿だ。兵を地方におびき寄せ宮殿を攻撃する気だ。衛士部と親衛隊には奴らの仲間がいる。そいつらに私を殺される気だ。衛士佐平は奴らの味方を全員炙り出せ。」
プヨソンが出ていくと重臣たちは冷静ではないプヨソンに首を横に振りました。
第二砦。
「向こうには残っていません。」
ヨン・ギョンフとユリムは揃って椅子に腰かけ官軍にいる味方を引き上げたことをチャンに報告しました。
「戻っていない者はヘドジュの私兵に五十人。ほかの貴族の私兵に百人です。」
ヨン・ギョンフ大将は言いました。
「彼らは重要な時に使うので待機させてください。」
「はい。」
「まずは一か所ずつ攻撃すべきだと思いますが。」
ワング将軍は言いました。
「だから私は大将の根拠地に砦を作ったのです。衛士部に疑念を抱くプヨソンが無茶な行動に出るはずです。」
宮殿の衛士部。
衛士部の兵士はならばされて順番に棒で尻を叩く刑罰を受けていました。尻が血だらけになり兵士は気を失いました。
「これで兵士の信頼を失ったな。お前は知っていたのか?チン・ガギョン商団へ行ったがもぬけの殻だった。私は忠臣どころか人間筏。犬だって主人のために怪しい人間を見抜くのに。」
フクチピョンはサテッキルに自分の後悔を伝えていました。
「見抜けるはずありませんよ。自分を責めている場合ではありません。」
苦境に陥ったサテッキルとフクチピョンは和解したように見えました。
夜。
王の部屋。
気持が落ち着かないプヨソンは剣を持って部屋を行ったり来たりしていました。
「間違いない。宮殿だ。だが親衛隊も衛士部も信用できん。どうすれば・・・・・・。」
サテッキルの部屋。サテッキルは椅子に座りじっとして考えていました。伸びた髭をそる余裕もありませんでした。
「陛下を逃がしたものの、チャンは我々の信頼関係を見事に壊した。チャンの一言ですべて揺らぐほどに。」
翌日。貴族たちは部屋に集まり話し合いました。
「衛士部は助けてくれるのか?」
「あんな拷問をしていては衛士部は使い物にならん。」
「このままやられろというのですか?」
「私兵を使うしかないだろう。」
「我々は私兵が足りないのです。」
「便殿会議の招集があります。」
貴族たちは連絡を受けて便殿に向かいました。
便殿。
「聞け。全員私兵を千人ずつ出せ。衛士部は信用できん。宮殿を守れ。もはや私を守れるのはお前たちの私兵だけだ。今すぐ宮殿に集めろ。」
プヨソンは貴族に私兵を供するように命じました。
「陛下。役場を守る私兵も足りない状況なのに宮殿にまで・・・・・。」
ヘドジュはプヨソンに抗議しました。
「なんだと。義父上もチャンとチン・ガギョンの仲間なのか?三日後の明け方までに全員集めろ。逆らったら命はないと思え!」
サドゥガンは表情を変えませんでした。フクチピョンはため息をつきました。
「陛下、ヘドジュ様の私兵が着きました。ペクチャンソン様の私兵が着きました。サドゥガン様の私兵が着きました。」
フクチピョンは王に報告しました。私兵が王宮に配置されました。
夜。王の部屋。プヨソンはフクチピョンとサテッキルを呼びました。
「今日だな。」
「はい。」
「兵の配置は済んだか?」
「ヘドジュ様の私兵は北門に、サドゥガン様の私兵は南門、ペクチャンソン様の私兵は東門、クク氏の私兵は西門に配置しました。ほかの私兵も随所に配置しました。」
サテッキルは王に言いました。
「チャンが現れたとの知らせは?」
「まだです。」
「ご安心ください。」
「ああ。」
貴族会議。
「ひどどすぎます。ただでさえ兵士が足りないのに。」
「まったくです。そのうえ差し出せとは。」
「残りの私兵は?」
「千人ほどです。」
「まだいいほうだ。私は五百人だけだ。」
「私には残っていません。これではあんまりです。足りなければまた要求するでしょう。ヘドジュ上佐平くらいなら影響はないでしょうけど我々は違います。短期間で衛士部と親衛隊が崩れ陛下はウチ様にまで傷を負わせました。殿下はひどすぎます。我々はどうすればよいのでしょう。」
貴族は不満を抱きました。
「(これが武康太子の狙いだ。本当の闘いが始まった。私もそろそろ態度を決めなくては。)」
貴族の話を聞きながらサドゥガンは心の中で思いました。
翌日の法王の部屋にフクチピョンとサテッキルが報告に来ました。
「一日経ちました。どうやら嘘かと思います。」
フクチピョンはプヨソンに言いました。
「すべての地域から連絡が来たか?」
「道武(トム)からがまだです。」
サテッキルは王に言いました。
「最も遠いので・・・・・。」
フクチピョンがサテッキルを擁護しました。
「陛下、大変でございます。」
内官が急を知らせに来ました。
「庭へお越しください。」
プヨソンの部屋の前庭。
プヨソンが部屋を出て庭を見ると木箱が置かれていました。
「何だ。この箱は何だ。」
プヨソンはいらだったように箱の横に侍る太学舎の技術士に尋ねました。
「開けてみろ。」
フクチピョンは命令しました。
技術士が箱を開けると箱の中から口をふさがれた貴族が出てきました。
「道武の役場長だ。説明しろ。」
フクチピョンは言いました。
「この三日間、南からの品物が太学舎に届かず来たと思ったら・・・・・・。」
「その紐をほどけ。」
技術士は拘束された役場長の口紐を解きました。
「どういうことなのだ。」
「私兵をサビ城に連れていく日の夜、役場が襲われました。」
フクチピョンは口を大きく開けて驚き、プヨソンは顔をしかめました。
「上台浦の交易路も断たれました。」
「何だと!
道武の役場。
「道武の豪族ヨン・ジュングォンを知ってるか?数年前隋から武器を輸入したと偽の嘘の告発をされた者だ。誰のせいかわかるな?」
ヨン・ギョンフ大将は捕まえた貴族に尋ねました。
「私は叔父のヘドジュに世話になっただけだ。」
「私がヨン・ジュングォンの息子ヨン・ギョンフだ。」
「はっ!」
「ヨン・ジュングォン様の息子だって?」
「そうだ。」
「武康太子様が王位に就かれたら真実が明らかになる。」
ヨン・ギョンフは集まった民に言いました。
「私もついていく。武器をくれ。」
民たちは言いました。
「民は生業に就いてくれ。」
「いいえ。私も戦います!各地にそういう者が大勢います。」
「連れて行ってくれ!武器をくれ!武器をくれ!武器をくれ!」
道武の民は武康太子の味方になりました。
王の部屋。
「伝えろと言われたことが。五日後に再びすべての役場を・・・・・・。」
「何だと!よくも!よくも!よくも!許さん・・・・・・。」
第二砦。
「太子様の狙い通りです。宮殿は私兵であふれ貴族たちの不満は増し役場の官軍までが太子様の入場を待っています。」
ワング将軍はチャンに言いました。
「どうしますか?」
ソンファ公主はチャンに言いました。
「道武を拠点にしゆっくり北上してとどめを刺しましょう。」
ワング将軍は言いました。
「もちろん北上はしますがゆっくりではない。今回は本当に二十二か所すべてを取り戻す。自ら首を絞めるように差し向けます。」
チャンは皆に言いました。
「え?」
「ですが兵力の問題が。全部を攻撃できる数ではありません。」
「わかっています。だがある場所を攻撃すれば二十二か所を無血で奪えます。」
「ある場所というのは?」
「まさか宮殿を?」
「まさか、役場の制圧より難しい話ですよ。」
「実は・・・・・・。」
チャンは皆に話しました。
王の部屋。
「道武の攻撃を。」
サテッキルはプヨソンに言いました。
「何だと。道武?」
「チャンの言葉は虚勢にすぎません。地方から北上し宮殿を攻撃するつもりでしょう。」
「そうです陛下。衛士佐平の言う通りです。」
フクチピョンはサテッキルを擁護しました。
「私が道武を攻撃いたします。予告より早く攻めてくる可能性も。今すぐ集結して北に向かいます。」
貴族会議。
「本当に予告通りでしょうか?」
貴族は疑念を持っていました。
「道武から北上するつもりでしょう。すると私の領土面中(ミョンジュン、広州)です。私兵を返してくれないと土地を守れません。」
クク氏は次は自分が狙われるといいました。
「その通りです。我々の領土を守るのです。私兵を取り戻さねば。」
ペク・チャンヒョンはヘドジュに言いました。
「そうです。武康太子の正当性を民は皆認めています。私兵がなくては一瞬で我々の私兵を奪われます。」
「道武もそうでした。官軍も百人足らずで指揮官のほうかは民でした。貴族の私兵が必要なのです。ここを守っている場合ではありません。」
「私兵を返すよう陛下に上奏を。このままでは不安です。」
「宮殿は上佐平様の私兵で十分守れます。陛下に進言してください。」
王の部屋。
「それが計略だったら?そう思わせる罠だったら?」
プヨソンはサテッキルを見上げました。
「陛下、北上を阻止するほうが大事でございます。民が武康太子の存在を知ったのです。今動かなくてはなりません。」
「衛士部も親衛隊も信用ならん。貴族の私兵まで失ったら私はどうなる。」
「陛下、上佐平と中佐平がお見えです。」
「通せ。」
ヘドジュとサドゥガンが来ました。
「ちょうどいいところへ来た。」
「何かご用命でもありますか?」
「衛士佐平が反乱軍を討伐しに道武へ行きます。貴族は私兵をすべて面中に集結させるように。」
「え?」
「陛下、各地域に私兵がいなくなってしまいます。誰が守るのですか?」
サドゥガンはプヨソンに言いました。
「反乱軍を衛士佐平が討伐すれば守る必要はなくなります。だから従いなさい。」
「陛下、それはできません。すでに集めた私兵をお使いください。」
「ならばサビ城や私の安全はどうなる!!!」
プヨソンは激怒しました。
「・・・・・・。」
皆は言葉を失いました。
衛士部の部屋にキム・サフムが来ました。
「民心は陛下への信頼を失いつつある。サビ城の市場でも皆その話ばかりだ。陛下に不満を抱いていた民はチャンが太子と知り興奮している。」
サフムは息子に言いました。
「そうです。チン・ガギョン商団が動いたのかチャンがやむなく討伐隊長になった理由やモンナス博士の死去まで話題にしています。」
クソンもサテッキルに言いました。
「どうすればいい。ただの謀反ではないぞ。正当性はチャンになる。」
部屋にサドゥガンが入ってきました。
「何の御用でしょうか?」
皆は立ち上がりサドゥガンを迎えました。
「陛下を説得してくれ。陛下と貴族の溝が深まるのは陛下にとってよくないとわかるだろ?サビ城は上佐平の私兵に守らせて君はすでに集めたサビ城の私兵と共に北へ行け。地域の私兵はそのままにしてくれ。それがもっとも賢明な選択だ。」
キム・サフムはうなずきました。
王の部屋。
プヨソンはチャンとの善徳寺でのことを思い出していました。
「私が威徳王の四男、チャンだ。」
サテッキルが部屋に入ってきました。
「貴族たちに命令はしたのか?」
「まだです。」
「なぜだ。」
「貴族たちの反発が大きいのです。陛下、サビ城は上佐平様の私兵に守らせてください。私は貴族連合の兵を使います。」
「いかん。威徳王の側近チルリョも結局我々に寝返った。貴族というのは最終的に自分の家紋と土地を優先する。チャンと私、どちらにつこうか悩んでいるはずだ。義父上も同じだ。そいういう連中なのだ。私兵をそばに置かねばチャンと内通するに違いない。」
サテッキルが貴族と交渉している部屋に恩率が入ってきました。
「どうした。」
「ウチ様が、ウチ様が先ほど牢獄でお亡くなりになりました。」
「なんだと!」
「私は武康太子だ。王の悪事は暴かれた。正当性が私にあることも明らかだ。武器を捨てて投降しろ。じきに会いに行く。」
貴族たちに矢文が届けられました。
武康太子のうわさは全国に広まりました。官軍は投降するか悩み、民は義勇兵となり道武に集まりました。
道武の役場。
チャンとヨン・ギョンフ大将はいました。
「準備はいいですか。」
「できました。」
「衛士部を経験した兵たちが裏道を熟知しているはずです。」
「はい。」
「大将の腕次第でどこの役場まで掌握できるか決まるのです。」
「もちろんです。」
感想
いよいよ最後の砦まで来ましたね。プヨソンが倒されるまであとちょっと。ウヨン姫が拷問されているのにチャンは冷たい人ですね(笑)ウチ王子まで亡くなってしまい、王位継承権のある者が死に、状況はチャンに有利です。このときプヨソンには息子がいたのでしょうか。いたはずだと思うのがプヨソンの年齢から考えると自然ですね。そしてヨン・ギョンフ大将はこのドラマではかなり大活躍してワング将軍よりも目立っています。ユリムはあまり目立っていませんね、武康太子の側近として説明書きがあったのに。ユリム役を演じている俳優さんはどこかで見た俳優さんだなと思ったら!チン・テヒョンというお名前で1981年生まれで「インス大妃」で燕山君を演じていたあの人でした!見たことあるなと思ったのですが、思い出せませんでした。あまりの真面目な役柄に(笑)「神々の晩餐」でもダメ兄貴として登場していましたね。