薯童謠(ソドンヨ)第65話サテッキルの最期
あらすじ
貴族たちは集まっていました。
「一体どういうおつもりですか。」
サドゥガンはウヨン公主に詰め寄りました。
ヘドジュとヘモヨン王后も部屋に入ってきました。
「結婚しないとは事実ですか。」
ヘドジュはウヨン公主に尋ねました。
「説明しなさい。」
ヘモヨンは怒っていました。
「こんな結果は受け入れられません。ウヨン公主様がなさらなくても貴族だけで別の手を使ってでも・・・・・・。」
サドゥガンは引き下がりませんでした。
「そうはさせません。」
ウヨン公主は言いました。
「どういうことですか。」
「新羅のチョンミョン公主とお前たちが結託した計略の証拠を私が握っている。」
「ウヨンや。」
ヘモヨンは悲鳴を上げました。
「陛下を廃位に追い込むために裏で新羅に根回しをしていたのだと陛下に告げたらどうなるかお分かりのはずです。」
貴族たちはうろたえました。
「まだ明かしてませんが、もしも別の手を使う気なら陛下に政事巌の証拠を渡します。」
「ウヨンや。」
母ヘモヨンは困惑しました。
母ヘモヨンは困惑しました。
「特にこの件を主導し大逆罪人のサテッキルと通じていた上佐平の家門はどうなあるでしょうね。皆よく考えて。相談もせず申し訳ありません。ですがお二人(ヘモヨンとヘドジュ)にも従っていただきます。お忘れなく。」
「一体、一体、理由は何なの?」
ヘモヨンが言うとウヨン公主は部屋を出ていきました。
チャンの部屋。モンナス博士とワング将軍とヨン・ギョンフ衛士佐平はチャンに続いて部屋に入りました。
「陛下。どういうことですか。」
モンナス博士はチャンに尋ねました。チャンはモンナス博士に青色の巻物を渡しました。モンナス博士が巻物を開けると何も書いてありませんでした。
「求婚書と引き換えにした問責案です。」
チャンは言いました。
「ウヨン公主はあの時改心したのです。」
ウヨン公主はひとりで庭に佇み昨夜のことを思い出していました。
夜、ウヨン公主がひとり泣いているとチャンが来ました。
「陛下。抱きしめてください。そしたらすべてあきらめます。貯水池工事も私には理解できない仕事でしたが陛下が正しい気がして、いいえ、陛下だから正しいはずだと・・・・・・。それに陛下とソンファ公主、いつでも殺せましたができませんでした。陛下も私の気持ちを知っているでしょう。いいえ、知っているから取引を提案したのでしょう?私が改心するとわかっていた。陛下は私の本心を見ぬいていた。だから、陛下は真心を込めて一度だけ私を抱いてください。そうしたらすべてあきらめます。」
チャンは一歩一歩ウヨン公主に近寄り、ウヨンの腕に手をやりました。
「・・・・・・できない。」
「陛下。」
「ソンファ公主への義理でも自分を守るためでもない。公主の私への気持ちが真心だと知っているからどんな内容であれ取引で抱きしめたくない。」
チャンはウヨン公主のもとを去りました。
ウヨン公主が我に返り振り返るとそこにはチャンがいました。
「あの時。私を抱かなくて正解でした。もしも・・・私が抱きしめられていたら、私はもっと欲を出していたことでしょう。陛下への信頼も消えたことでしょう。あれでよかったのです。陛下はあれでよかった。陛下はソンファ公主や民に対しても、私に対しても一貫した方だと信念を貫く方だと確信しました。陛下はひどいお方ですが・・・私の・・・真心を大事にしてくださいました。感謝しています。」
ウヨン公主はチャンに頭を下げました。
「すまない。ほんとうにすまない。ありがとう。ありがとう。」
チャンは首から五色夜明珠を外しました。
「これは私にとって大事なものです。公主が危険を顧みずこれを持ち出し私にくれた瞬間、私はすべてを得た気持ちになれた。」
チャンはウヨン公主の手を握ると五色夜明珠を渡しました。
「あげます。」
「いいえいりません。くださるなら・・・陛下・・・来世でください。今の世にはソンファ公主がいます。だから来世で私にください。それもダメならその次の世で。それもダメならそのまた次の世でください。」
チャンはウヨン公主の額に口づけをしました。
ウヨン公主は去っていきました。
「陛下は、ほんとうにひどい方です。私には、ずっと冷たかったのに。最後に感謝の気持ちを抱かせるなんて。でも陛下はやはり私の心がわかっていません。陛下の夜明珠には私の心がこもっているのです。傍においてほしいのです。だから私は受け取れません。」
新羅の宿。
「様子が変です。見張りがついているようです。」
外の様子を見てきたクサンはサテッキルに報告しました。
「なんだと。」
「護衛なのか監視なのかわかりません。どうしますか。」
「平静を装って出かけよう。」
サテッキルとクサンは山道を行くと、五人の刺客があらわれました。
「ウヨン公主の刺客です。」
クサンはサテッキルに言いました。クサンは剣を抜き刺客と戦いました。サテッキルは武器を持っていなかったので素手で戦いました。
そこに新たな刺客が現れました。
「サドゥガン様の使いです。ついてきてください。」
クサンはサテッキルを連れて逃げました。
「今のはウヨン公主の兵では?どういうことだ。」
サテッキルはサドゥガンの私兵に尋ねました。
「事情は後で話します。お前たち。」
「うあっ!」
私兵が合図をするとクサンは腹を刺されました。
「クサーン!」
サテッキルは私兵を長い足で蹴り倒しました。
「クサーン!」
サテッキルとクサンは離れ離れになりました。
サテッキルとクサンは離れ離れになりました。
新羅のチョンミョン(天明)公主の屋敷。
チョンミョン公主は手紙を受け取りました。
「百済のサドゥガン様はなぜ手紙をよこされたのですか。」
部下が公主に言いました。
「百済のウヨン公主が手のひらを返したそうだ。」
「結局婚姻同盟が結ばれたのですね。」
「仕方ないわ。この件には目をつむりソンファの新羅への影響力を抑える方法に変えるわ。」
「ええ。ですがサドゥガンはその程度のことで公主様に手紙をよこされたのですか。」
「キム・ドハム(金道含)の件よ。」
「キム・ドハム?」
「キム・ドハムが捕まると自分の身が危険だから殺してほしいと。」
「同感です。キム・ドハムが王様に捕まると我々の立場も悪くなります。」
侍従があらわれました。
「どうしたのだ。」
「キム・ドハム公からの手紙です。」
侍従はチョンミョン公主に手紙を渡しました。
「ちょうど探す手間が省けた。」
「居場所は?」
「密談に使った宿よ。消しなさい。」
サテッキルは新羅のどこかの町にたどり着きました。
「善花姫と百済の王が結婚するそうだ。」
宿屋の食堂では民が噂をしていました。
「本当か?」
「そりゃめでたい。」
「はっはっは。」
サテッキルは宿の扉を開けようとしました。
「父上。」
「刺客だー!」
キム・サフム(金思欽)は部屋から飛び出てきました。
サテッキルはひらりと父に続いて部屋から飛び出してきた刺客の剣をかわして敵の剣を奪い仰向けに倒れた刺客の腹に突き立てました。そしてもう一人の刺客を転ばせると父を抱いて逃げました。
サテッキルとキム・サフムの後を三人の刺客が追いました。二人が山に逃げると、キム・サフムは疲れ果てて転んでしまいました。
「父上!」
サテッキルはキム・サフムを抱き起しました。
「あっ・・・。」
キム・サフムは声をあげました。キム・サフムの背中に刺客の手刀が刺さりました。
「父上。父上。」
「あっ・・・・ああ・・・あっ・・・・・・・。」
サテッキルは父を背負い少し走ると刺客に追いつかれました。サテッキルは父を地面に降ろすと刺客と戦いました。サテッキルは数秒ほどで全員を倒しました。
崖の上。
サテッキルは父の手当てをしましたがキム・サフムは苦しみ立ち上がれませんでした。
「ドハム・・・・・・。」
キム・サフムは意識を失いました。
「父上。あんまりだ。なぜこんな試練を与える。私が何をしたというのですか。何をしたというのです。教えてください。教えてください。私はどこから何を間違ってしまったのか。教えてください。お願いだから教えてください!」
サテッキルは断崖から叫びました。そして地面に正座すると泣きました。
新羅の町。
行列が太鼓の演奏をしながら町を練り歩いていました。ポムノと馬に乗ったモンナス博士もその中にいました。
新羅の宮殿にモンナス博士は到着しました。真平王と王妃、チョンミョン王女が使者を宮殿の扉の前で出迎えました。
「陛下。奉命使者モンナス。百済王の命令で札妃礼を行いにまいりました。」
「そうか。待っていたぞ。」
貢物が献上されました。
「百済の王様が王妃様に贈られた衣装でございます。お着替えになり教命(王妃の称号を与えるという王命)をお受けください。」
「わかった。善花公主に伝えろ。」
「はい。」
真平王はボミョンに命じました。
新羅のソンファ公主の部屋。
「公主様ー!公主様ー!」
チョギが慌ててソンファ公主の部屋に入ってきました。
「着いたのね。」
ソンファ公主は嬉しそうに立ち上がりました。
「はい。今衣装の入った箱が届きます。」
ボミョンが大きな衣装箱を持って部屋に入ってきました。
「百済王から贈られた衣装です。」
ソンファ公主は嬉しそうに微笑みました。
衣装を整えたソンファ公主は真平王とモンナス博士のところに行きました。
ソンファ公主は白い絹に薄水色のふちどりの花模様の衣を着ていました。
「百済の王の教命です。」
モンナス博士はソンファ公主に言い文書を広げました。
「私、百済王は国の基(もとい)としてよき伴侶を迎えたいと考える。新羅の公主ソンファはその心根がすばらしく王妃にふさわしい。この寵恩を受けよ。」
モンナス博士が王命を読み終えると、ソンファ公主はチャンの王命に向かって何度も拝礼しました。先ほどまで無表情だったチョンミョン公主も微笑んでいました。
「私の三番目の娘、ソンファ公主の結婚を許す。ポリャン法師は奉命大使として百済へ行け。そしてこの結婚を通じ新羅と百済の溝を埋め和親に努めよ。」
「はい。」
真平王はポリャン法師に命じました。
豪華な行列は百済に向かいました。
モンナス博士はポリャン法師とソンファ公主と侍女とソチュンを連れて百済の王宮に帰りました。
宮殿では皆が勢ぞろいしてモンナス博士たちを出迎えました。
「私はポリャン法師とともに陛下のところへ行く。後は頼んだぞ。」
モンナス博士はモジンに頼みました。
「式まで新郎と新婦は会えません。この者たちがお世話します。」
モジンはボミョンに言いました。
ボミョンとチョギは「はい。」と腰を曲げてモジンにおじぎをしました。
夜の百済宮。
宮殿の庭では太鼓が演奏され宴が開かれていました。
ソンファ公主は部屋で待っていて外にでられませんでした。
「見ちゃだめなの?」
ソンファ公主はボミョンに言いました。
「公主様は七日後に結婚なさるのです。」
「すごく楽しいですよー。うふふ。」
チョギがはしゃいで部屋に入ってきました。ソンファ公主はうらやましそうにしました。
銅鑼がたたかれると新羅の花郎たちが剣の舞を踊り始めました。
チャンは関心しながら芸を鑑賞していました。
踊る花郎たちの中に美しく化粧をした元花郎のサテッキルがいました。
サテッキルは演奏に合わせて花郎の剣の舞を披露しました。
サテッキルは舞の中にチャンへの憎しみを込めていました。
チャンはサテッキルに気付かずに微笑んでいました。
するとサテッキルが突進してきてチャンの首元に剣を突きつけました。
「陛下。」
「陛下。」
「二人で解決する。」
チャンは椅子から立ち上がり場所を宮殿の中に移動しました。
チャンはサテッキルと明かりのない部屋に立てこもりました。部屋には蝋燭もなく、月明かりだけがぼんやりと差し込んでいました。
「何者です?」
ヨン・ギョンフ衛士佐平はワング親衛隊長に言いました。
「わからん。」
「新羅王が送った刺客なのか?」
「違うようだが。」
「乗り込みます。」
「今行くと陛下が危険だ。」
「ではどうすれば。」
「衛士部はまず皆を避難させろ。」
宮殿の部屋。
「殺しに来たのか?それとも死にに来たのか?」
チャンはサテッキルに言いました。
部屋の外には兵士が配置されました。
「どういうことですか。」
モンナス博士はワング将軍に尋ねました。
「わかりません。陛下が二人で解決するとおっしゃった。」
「・・・・・・サテッキルだ。」
宮殿の部屋。
「私を殺すためか?死ぬためか?俺が死ぬときはお前の手にかかるだろうし、お前が死ぬときは俺が手にかける。」
「はじめて気が合ったな。」
「殺すためか死ぬためかどっちだ。」
「両方だ。もう俺には仕える国も胸に秘める恋も家族もいない。道連れがほしいのだ。一緒に行こう。一緒に。」
「うりゃぁ。(※ほんとうにそのように発音していました)」
チャンはサテッキルを蹴飛ばしました。二人の間に距離ができました。サテッキルは剣を振り回しました。チャンは剣をことごとくかわしてサテッキルの剣を振り払いました。サテッキルとチャンは殴り合いになり、サテッキルは再び剣を取り戻しチャンの首につきつけました。
「お前がいなければ俺は新羅の忠臣だった。新羅もソンファ公主も俺のものだった。お前がいなければプヨソンなどに仕えはしなかった。お前が俺の座を奪った瞬間、俺に残されたのは裏切りと敗北の道だけだった。悪事だけだった!それが逃れられない運命になってしまった。だから一緒に行く。俺を奈落の底に落としたお前を連れて。」
「避けられるのに進んでしまうのが運命なんだ。逃れられないだと逃げることはできた。お前が進もうとした道がはじめから間違っていただけだ。お前は大切なものを守るために悪に立ち向かったことがあったか?命がけで恋をしたことがあったか?出世が目的で悪事を重ねてきたくせに勝手な言い訳をするな。」
「人は皆出世を望む。」
「お前みたいな、やり方で?」
「教えてくれよ。俺が一体なにをしたというのだ。これほどまでに、これほどまでに何も残らず、すべてに見放されるほどの罪とは何だ!」
「何も愛さなかった罪だ。」
百済のソンファ公主の控室。
「なんですって。刺客?」
「花郎の剣舞団の一人が突然陛下に剣を・・・・・。」
ポムノはソンファ公主に教えました。
「それで陛下は?」
「二人で解決すると・・・・・・。」
ソンファ公主は部屋を飛び出しました。
ソンファ公主とポムノと侍女はチャンのいる部屋の前に着きました。
「どういうことなのですか。」
モンナス博士もワング将軍もヨン・ギョンフ衛士佐平も顔をそむけました。
サテッキルはチャンの首に剣を突きつけていました。
「お前は、新羅も、公主様も、学舎の仲間もモノづくりも、人生さえも愛せなかった。恋も国もただの道具として利用して尊敬しない君主にも仕えた。俺が公主様に紅や歌を作る一方でお前は何をしていた。新羅の王と公主の取引をしていた。愛に胸を躍らせるかわりに計算をしていたんだ。逃れられなかっただと?それは違う。いつでも抜け出せたのにお前はその運命を歩んだ。悪の運命だと知りながらあえて選んで運命を歩み続けたんだ。」
サテッキルは涙を流しました。
「だから最後の選択をしろ。殺すか、死ぬかだ。」
サテッキルは悲しげにチャンを見つめました。チャンはサテッキルを真心を込めて見つめました。サテッキルは剣を捨てて涙を床にこぼしました。サテッキルはチャンに背を向けました。
「キルや。キルや。」
「あの世では、会いたくないものだ。あの世には俺の過ちをすべて知り尽くし、俺を苦しめるような奴はいないことを願うよ。いっそ・・・一人で行く。」
「キルや。キルや。」
サテッキルは部屋を出ていきました。ソンファ公主はサテッキルを見て驚きました。
弓兵が兵の上からサテッキルを狙いました。
「やめろ!射るな!」
チャンは走りました。サテッキルの元部下の恩率はかつての主人ではなくソンファ公主をかばいました。弓がサテッキルの腹や胸に命中しました。チャンが部屋を出るとサテッキルは崩れ落ちました。
「キル。」
モンナス博士はサテッキルを呼びました。
「ありがとう。生きていてくれて・・・・・・ありがとう。」
モンナス博士は倒れたサテッキルを抱きました。
「キルや。キルや。」
「博士まで殺していたら、一生・・・・・・。」
サテッキルはソンファ公主を見つめました。
「公主様。こんな卑しい花郎の姿を見せて・・・・・・申し訳ありません。ですが・・・・・・どうか信じてください。私は・・・・・・堂々たる花郎として・・・・・・公主様の前に立つことが・・・・・・私の愛し方なのだと思っておりました。公主様に対するときめきは隠して・・・陛下との約束を遂行することが・・・私の愛し方なのだと。それが・・・私の公主様への過ちであり・・・・・・致命的な罪だとも知らずに・・・・・・だけど・・・ありました。私にも・・・・・・公主様へのときめきと・・・恋心。確かに・・・ありました。もう・・・記憶もおぼろげですが・・・・・・。」
ソンファ公主は涙を流しました。サテッキルの目に映るソンファ公主の姿がぼやけていきました。
サテッキルはソンファ公主との恋の日々、天の峠学舎の日々を思い出していました。
「(私にもありました。誰も認めてはくれませんが、私にも、とある女性へのときめきがありました。私のいないこの世でどうぞお幸せに。私のことなど忘れて、どうぞお幸せに。)」
サテッキルは目を閉じました。
「キルや。キルや。」
モンナス博士はサテッキルを揺すりました。
百済の寺。
サテッキルはモンナス博士とポムノとポリャン法師に看取られて火葬されました。
「雲が山を越え雨を生み、山が雲を抱き太陽を生む。キルや。あの世では光に包まれて生きろ。」
武王と善花公主の婚礼。
女官たちはソンファ公主の美しさに喜びました。赤い絹を着たソンファ公主は扇に顔を隠されてチャンのもとに向かいました。小豆色に黄金の刺繍の衣を来たチャンはソンファ公主とともに歩みました。
「皆が見ています。前を見てください。」
モジンは見つめあう二人に言いました。
ウヨン公主も美しく礼装してチャンとソンファ公主が来るのを待っていました。
貴族や役人たちは勢ぞろいして待っていました。
「胥東婦西(ソドンプソ 新郎は東に新婦は西に立つこと)してください。」
コモ技術士が言うと、チャンとソンファ公主は拝殿の前に並びました。
「胥婦従者沃之(ソブジョンジャオクチ、手を洗い手ぬぐいでこと)をしてください。」
二人は水で手を清めました。ウヨン公主は式場を後にしました。
「従者各斟酒(シジャガクチムジュ従者たちが酒を王と王妃に継ぐこと)をしてください。」
酒がチャンとソンファ公主の瓢箪の杯に注がれました。
「擥盃相互胥上婦下(コベサンホソンサンブハ。盃をかわすこと)をしてください。」
チャンとソンファ公主は侍女に盃を交換してもらいましました。
「各擥飲進餐(カッコウムジンチャン、新郎新婦が酒を飲むこと)をしてください。」
チャンとソンファ公主は盃を口にしました。その子指には木の指輪がはめられていました。
「百済王室の最年長者ヘモヨン様と新羅の新婦の父の代理ポリャン法師にお辞儀をしてください。」
チャンとソンファ公主は二人に拝礼をしました。
ペクチャンヒョンは仲間を見つめてほほえんでうなずき合いました。
ヘモヨンも二人を認めていました。
「百済の国王陛下、新羅のソンファ公主様が夫婦の縁で結ばれたことを世に知らしめます。」
二人は貴族や臣下たちに礼をしました。
「万々歳。万々歳。万々歳。万々歳。万々歳・・・・・・。」
皆はチャンとソンファ公主の婚礼を祝いました。
感想
ウヨン姫はかわいそうでしたね(´;ω;`)。チャンはそんなに愛情に熱くて優しい人かというと、ドラマを見る限りではそのように見えません。大好きな人にだけとても優しい人なんですね。チャンが見せた優しさはモンナス博士とソンファ姫以外はあっさりしていますよね。ウヨン姫にキッスのサービスをしたチャンは一体何のつもりでしたのでしょうね(苦笑)それがご褒美だったらウヨンちゃんかわいそう!いいえ、ウヨン姫が好きな視聴者へのただのファンサービスでしょうかw百済の将来のためにはウヨン姫と結婚したほうがよかったのにね。その後の歴史を考慮するとチャンは国よりも女性を選んだと解釈できるでしょう。そこは正当化できることではないと、ドラマの演出では解釈できます。ウヨンちゃんはチャンと結婚しないほうが絶対幸せになれたと思います。武王の妻となる人はその後は不幸になりますから・・・・・・。
サテッキルの逃避行。彼にもまた同情してしまいました。サテッキルは心を重要視しない理性的な悪党でしたが、彼にも人間らしい心や善悪の判断能力はあって、自分の欲望のために悪の道をとことん進んでしまいました。サテッキルをこんな悪党にしてしまった作者も結構意地悪ではないかと思います。しかし歴史でのサテッキルとキム・サフムがこのような悪党だったかというと、そんな証拠はどこにもありません。こんな悪党だったらサテク妃がチャンの側室になるはずがないのです。サテク(沙宅)氏は百済の八大氏族のひとつですから、このドラマのようにこてんぱんにやられることはあり得ません。サテッキルの最終回には花郎の化粧がありましたね。どうせなら歴史通りに女装させて女らしくすればもっと見応えやリアリティがあったのにと思います(善徳女王のアルチョン郎の化粧は酷かったですね)。
そしてヘモヨンやペクチャンヒョンがにこにこしてチャンを認める場面です。これは違和感がありました。武王が貴族に不利な制度改革をしたのかどうかは知りませんけど、ドラマで民の味方をするチャンに貴族がほほえむわけがないですよwそしてプヨソンにも愛されるコモ技術士はモンナス博士について新羅に逃亡する必要性はドラマでの位置づけを考えるとなかったはずです。コモ技術士はどう見ても現役の貴族ですよね。
さてと、リアリティのツッコミをしてもきりがありません。次は最終回ですね。もう何の障害もないように見えますが、ソドンヨの最終回はどのように締めくくるのか楽しみです。
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