王と妃 100話 イ・シエの乱
あらすじ
思政殿。
「まだ私の言葉が理解できんのかー!イ・シエによると彼が殺したカン・ヒョムンは謀反を企図した。ハン・ミョンフェとシン・スクチュも共謀者だと書いてある。これでも理解できんならもう一度読んでみよー!」
世祖は政丞らを怒鳴りつけ部屋を出ていきました。
「領相(ヨンサン、領議政)大監。どういうことですか。上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)と高霊君(コリョングン、シン・スクチュ)が謀反を企てたですと?」
「私に聞かないでくれ。イ・シエがそう上疏したのだ。」
「どれ。読んでみましょう。」
「ほほう。殿下へ言う前にどうして議政府に相談しなかったのですか。領相(ヨンサン、領議政)は軽率でしたな。」
「殿下に報告する前に他言できる内容ではなかろう。我々まで関与を疑われてしまう。」
「あいーーふーうう。とても信じられぬ。」
「事実ですか。私にも見せてください。」
「難儀ですな。一体どうすればよいのだ。まいったな。」
領議政ファン・スシンはぼやきました。
世祖の部屋。
「殿下。ハン・ミョンフェとシン・スクチュを投獄してください。イ・シエが嘘を言っているとは思えません。」
亀城君は世祖に言いました。
「イ・シエの主張通り本当にハン・ミョンフェとシン・スクチュが関わっていたらたいへん深刻な事態でございます。城内外の兵はみなハン・ミョンフェの手下ですから。」
「ホン・ユンソンを呼べ。ホン・ユンソンを呼ぶのだ!」
世祖は内官に怒鳴りました。
咸吉道で乱を起こしたイ・シエの上疏により朝廷の内外はあわただしくなりました。彼の上疏(じょうそ)通りなら、謀反をたくらんだのはイ・シエではなくハン・ミョンフェとシン・スクチュということになりました。
「ご報告します。イ・シエの反乱軍が会寧以北を占領しました。南へ向かっています。」
兵士は咸吉道へ向かっている途中のシン・ミョンに報告しました。
「反乱軍の規模はどうだ。」
「私兵や平民を合わせてかなりの人数でございます。」
「では咸興(ハムン)へ行き敵を迎え討とう。」
「行くぞー!」
夜。咸吉道のどこかの役所。
「ネイノーン!都節制使(トチョルチェサ、地方の軍営を指揮する官職)カン・ヒョムンがハン・ミョンフェとシン・スクチュの謀反を企てていたのを知っていたのだろう。なぜ黙っていた。またイ・シエ将軍が挙兵なさったのを知り逃亡を図ったのだろう。お前もカンの一味だな。兄上。こいつらをどうしますか。」
「北青府使(プクチョンブサ)ファン・ギゴンを斬首刑に処し、洪原縣監(ホンウォンヒョンガム)ウ・チャンシンを投獄せよ。」
イ・シエは弟に命じました。
「ファン・ギフォンを斬首しウ・チャンシンと投獄せよ。」
弟は部下に命令すると、罪人たちが連行され処罰されました。
「兄上。この勢いで咸興を占領しましょう。」
「せぐことはない。もっと兵を集めてからでもよかろう。」
「シン・ミョンの官軍が咸興に来ました。」
「シン・ミョン?シン・スクチュの息子か。」
「今頃都城は大騒ぎになっているだろうな。シン・スクチュが逆徒ならその息子も逆賊だからな。」
思政殿。
「一体どういうことだ。上党君とカン・ヒョムンが謀反を?一体どういうことだ。」
ク・チグァンは領議政に言いました。
「ちょうどよいところに来なさった。ク大監。」
領議政は言いました。
「上党君が謀反をたくらむ理由がない。」
「そうでしょうね。」
「どういう意味だ。」
「都節制使(トチョルチェサ、地方の軍営を指揮する官職)のカンは上党君の息がかかった者ではありませんか。」
「シン大監とも近いはず。」
「乱を起こしたのはイ・シエではないか。」
「まずはイ・シエの上疏をご覧ください。」
(政丞の誰と誰が話し合ってるのか人物名を紹介する字幕がないのでわかりませんでした。)
世祖の部屋。
ホン・ユンソンは世祖に呼ばれてきました。
「私はこの件に関係ありません。どうか信じてくださいませ。」
「信じているからこそ呼び出したのだ。ユンソン。このような事態に備え都聰管にそなたを任命したのだ。謀反が起きた都城を守り王を守るのが都聰管(トチョングァン)の務めであろう。」
「私は死など怖くありません。殿下のご命令とあらば火の中にでも飛び込みます。」
「ハン・ミョンフェを捕らえろ。どうした。返事はないのか。」
「私が王命に逆らうはずがありましょうか殿下。」
「ならばシン・スクチュはどうだ。」
「上党君もシン・スクチュも捕らえてまいります。私は殿下のためなら命も差し出す覚悟でございます。」
ソン内官は粋嬪ハン氏の家に行き上党君が謀反の罪に問われていることを報告しました。
ハン・ミョンフェの家にも内官の報告が入りました。ハン・ミョンフェはヒャンイに門を閉じ家を守るように命じ輿に乗り家に帰りました。
シン・スクチュは息子から登庁して世祖に釈明をすべきだと言いました。
ハン・ミョンフェは寝床に入り、嫁に仮病を使い熱がでるものを持ってくるように命じました。
僧侶で官僚のキム・スオンは王妃に事を報告しました。
領議政と綾城君(ヌンソングン)ク・チグァンは世祖に謁見しました。ク・チグァンはこれはイ・シエが上党君を陥れたので冷静にお考えくださいと言いました。世祖は領議政の意見を求めました。領議政ファン・スシンは、元老大臣の処罰は慎重にすべきだがイ・シエの上疏が本当なら・・・と言いかけると世祖は「まさにそこなのだ。もし本当に二人がカンと共謀していたら朝廷をゆるがす一大事ではないか」と大声で言いました。世祖はハン・ミョンフェとシン・スクチュのことはもうすこし調べるが捕まえて真相を調べよと王命を下しました。
ハン・ミョンフェとシン・スクチュを投獄せよとの王命が下された。ハン・ミョンフェとシン・スクチュは首陽大君の即位に貢献し政権を支えた中心人物でした。まさに青天の霹靂でありました。
「逆賊シン・スクチュは表に出て王命を受けよ!」
シン・スクチュと息子は縛られました。ホン・ユンソンがそこにいました。
ホン・ユンソンが行くとハン・ミョンフェの家の門は閉ざされていました。
「礼を尽くして上党君をお連れせよ。」
ホン・ユンソンは部下に命じました。
「誰かおらぬかー。門をあけよー。・・・・・・誰も出ません。」
「少し待て。」
門が開き若い息子が出てきました。息子は父が病床に伏していると言いました。
「天然痘だそうでございます。入られますか。それとも父を連れてまいりましょうか。」
「病人は捕まえられぬ。上党君のことは改めて殿下に伺う。ひとまず息子と娘婿を捕らえよ。」
ハン・ミョンフェの息子たちは捕まりました。
「何をするの。娘婿に何の罪があるの?大逆罪だなんてとんでもないわ。」
ハン・ミョンフェの妻は叫びました。
シン・スクチュとその息子シン・チャン、シン・ジョン、シン・ジュン、シン・ブが義禁府の牢獄に投獄されました。ハン・ミョンフェの息子のユン・バンも投獄されました。
ホン・ユンソンは世祖にハン・ミョンフェが天然痘にかかったと言いました。
「昨日までは元気だったでしょう。」
亀城君はホン・ユンソンに言いました。
世祖は病人を牢獄に入れれば避難されるのでシン・ミョンを捕まえろと言いました。
「殿下。シン・ミョンは忠臣でございます。」
亀城君は友をかばいました。世祖はシン・ミョンを罷免し亀城君を都統使に命じました。ハン・ミョンフェは投獄を免れたものの三十人の兵士に屋敷を包囲されました。
「もしイ・シエが謀反に関与していなければなだめて都城に連れてまいれ。謀反に関与したものは一人残らず捕らえよ。」
世祖は軍に命令しました。
亀城君は都統使に任命されました。だが、王命には不審な点がありました。
「殿下の通告には腑に落ちぬ点があります。イ・シエは乱を起こしたものの、謀反に加担しておらぬのなら懐柔して連れてこいとは。もしや殿下は上党君と高霊君(コリョングン、シン・スクチュ)を殺すおつもりでは?」
従兄弟は粋嬪はハン氏に言いました。
「その通りです。ですが殿下は上党君を殺せぬはずです。殺せませんとも。殺すおつもりなら病であろうと捕らえたはず。殿下は情にもろいお方です。上党君を救う妙案があります。明朝私が殿下に謁見してきます。むしろよかったのです。上党君が危機を乗り越えれば上党君も決意を固めるはずです。今の世子が王になれば上党君は命がないことを思い知ったはずです。殿下は世子に譲位する前に功臣を皆殺すはずです。でも上党君は自分は殺されぬだろうと甘く見ていたのです。だからこそ私と手を組みつつ殿下の出方を見ていたのです。上党君と私は運命をともにしています。わが子が王位につかねば上党君の命もあやうくなります。これで上党君は確実に私の味方をします。」
粋嬪ハン氏は二人の息子を連れて王妃の部屋に行きました。王妃は粋嬪の出入りを禁じてから夜も眠れなかったわとハン氏に謝りました。粋嬪ハン氏は涙を流して演技をしました。王妃は乽山君を傍に呼び妻とは仲良くしているか尋ねました。乽山君は学問がまだなので営みを自制していますと言いました。王妃は懿敬世子の部屋を粋嬪ハン氏に与えました。
「ここは私の部屋よ。ここを大妃殿にするわ。」
思政殿では世祖は重臣を招いて酒宴を開いていました。しかし皆黙っており雰囲気は緊張していました。
「そなたの忠告をきいて譲位いればこんなつらい思いをせずに済んだ。」
世祖はチョン・インジに言いました。孝寧大君も招かれていました。
「殿下、どうかご自身をお責めにならないでください。」
臨灜大君は言いました。
「私が至らぬばかりに功臣たちに謀反を企てられたのだ。」
「私を辞任させてください。」
領議政は言いました。
「私を殺してください。私も同罪でございます殿下。弟と一緒に殺してください殿下。」
ホン・ダルソンは言いました。
「あれ兄上どうして一緒に死ぬのですか。」
ホン・ユンソンは言いました。
「極刑に処されて当然でしょう。」
「ハン・ミョンフェは殺されて当然でしょう。彼と粋嬪が手を組んでいることは公然の事実です。」
「皆やめよ!殿下のお気持ちをよく考えてください。元老同士が罵り合ってはいけません。」
孝寧大君は叱りました。
「さ・・・さあ、お酒を飲みましょう。殿下。先にお飲みください。」
「イ・シエの乱を鎮圧したら私は世子に譲位する。私は悪鬼だから近しい者が皆早く死ぬのだ。」
世祖は泣きました。
「殿下。ハン・ミョンフェの命をお助けください。」
世祖は泣いたふりをして重臣たちの態度を見極めていました。
ハン・ミョンフェは病気のふりをしながらヒャンイから情報を得ていました。
シン・スクチュを慕う武人はスクチュの首枷を緩めさせて水を与えました。
世祖が部屋に戻ると粋嬪ハン氏がいました。
「アガ。しかとみておけ。私は悪鬼なのだ。」
感想
もうわけわかりませんw無茶苦茶すぎる。筋も通ってないし、何がしたいのかわかりません。世祖は獣としての殺気と欲望はあってもまったく理性はないようです、このドラマでは。このドラマで描かれる王朝は腐りきってますね。もう登場人物が悪人ばかりで面白くないので、腐った世を描いたこのドラマ、見るのやめようかなw