「薯童謠(ソドンヨ)」(全66話)第58話 激闘のはじまり のあらすじとネタバレ感想
第58話 激闘のはじまり あらすじ
「佐平様はどこだ?」
サテッキルの側近で元花郎のクソンはモンナス博士に毒を盛られて血を吐いている兵士に尋ねました。
「知りません。なぜ、こんなことに・・・。」
「役人たちは?」
「我々の乗ってきた船に乗って逃げました。」
「捜せ!」
元山島の海岸にユリムと7人の兵士は着きました。
「村にいるはずだ。急げ。」
「はい。」
「佐平様ー!」
「佐平様ー!」
サッテッキルの部下クソンと兵士はサテッキルを捜し回りました。
サテッキルは崖の上でクソンの声を聞きました。
「私を捜している・・・ここだ・・・助かったんだ。クサンか?クサンが来たのか?誰だ。衛士部の兵では?」
「奴です。ここです。」
「斬れ!」
ユリムは部下に命じましたらクサンがサテッキルを助けに来ました。
ユリムの兵士とクサンの兵士は戦闘になりました。
衛士部の恩率が援軍に来ました。
「あそこだ。佐平様を救えー!」
「応援が来ました。恩率様、ここです。佐平様を助けるので援護を!」
「わかった!」
サテッキルに脚から丸太が取り除かれ、衛士部の兵士たちは海岸に逃げました。
「佐平様を頼む。トクペポで会おう。」
恩率はクソンに言いました。
「船へ。」
ユリムは部下に命じました。
「阻止するのた。さもなくば決行は失敗する。先に湾へ着かねば。」
船の上。クサンはサテッキルを介抱していました。
「逃げたモンナス博士が戻ってきた。博士は死んだ。」
モジンのいる隠れ家。モジンにユリムの仲間がモンナスの死を報告していました。
「ええ!?博士が亡くなったと?」
「全員船に乗ったのですが、博士は矢で・・・。」
「そんなはずはありません。場所はどこです?この目で確かめます。」
「海に・・・落ちました。」
「ええ?ならば海に落ちた博士を見捨てたのですか?」
「遺体を引き上げる余裕がなくて・・・・・・。」
「遺体ですって?海に落ちただけでは?生きています。私が迎えに行きます。」
「モジン技術士。矢で射られ海に落ちたら助かりません。しかもあれから何日も経ちました。」
「いいえ。博士は太学舎の首長です。緊急時の医術に長けています。間違いなく生きています。」
モジンは部屋を飛び出しました。
「どうしますか?」
「私がモジン技術士についていく。殿下に知らせろ。殿下の様子も聞いてこい。」
船の上。
「何だと?蓮灯祭(ヨンドゥンジェ)に出かけた?」
サテッキルはクソンに言いました。
「はい。」
「チャンが衛士部を率いているのか?」
「佐平様も恩率様もこちらに来たのでそのようです。」
「だめだ。奴らは謀反を企んでいる。」
「ええっ!?」
「トクペ浦(ポリョン付近の湾)に着いたら我が私兵と阿錯の官軍に連絡する。蓮灯祭のときに事を起こす気だ。」
善徳寺。
「十夫長(シップジャン)十人は自分の班を二つに分け外郭を守れ。お前たちはついてこい。自分の班を二つに分けて裏山を囲むように護衛しろ。陛下がいらしたから民たちも集まるだろう。だが陛下は民心を落ち着かせようとしておられる。民があらわれたら剣を突き付けず游灯祭の池に案内しろ。いいな?民の恨みは買うな。一班の班長、二班、三班、位置につけ。」
チャンは衛士部の兵士に命令していました。
寺の法王の部屋。
「太鼓が鳴ったら千拝を始めてください。お疲れになるでしょうから、放生游灯祭の間はお休みになっていてください。」
法師がプヨソンに言いました。
「わかった。」
「今夜は王族の方以外は外にお泊りください。」
「承知しています。」
フクチピョンは法師に答えました。
「では私は放生游灯祭のほうに行ってまいります。」
法師は部屋を出ました。
ウヨン公主の腰巾着にはチャンの五色夜明珠が入っていました。
「私も行きます。」
「そうしろ。」
ウヨン公主も部屋を出ました。かわりにチャンが部屋に入ってきました。
「衛士部のうち百人は外郭に、残り三百人は山中に配置しました。」
「わかった。期間中しっかり警護しろ。」
フクチピョンが言うとチャンは部屋を出ました。
「衛士佐平はまだ来てないのか?」
「恩率が三日目に出発しますので明日着くかと。」
「そうか。」
「陛下。そう言われると私は悲しくなります。」
「どうしてだ。」
「親衛隊長の私がいるのに衛士佐平のことばかり申されるので・・・・・。」
「あっはっは。そうではない。衛士佐平が言うように達率が何か企んでいるのか心配なのだ。」
「心配ご無用でございます。千拝に備えしばらくお休みください。」
「そうか。わかった。あっはっはっはっは。」
夜になりました。寺に貴族が集まっていました。
「まだ衛士佐平は来ないのか?」
サドゥガンは貴族のひとりに訊きました。
「衛士佐平の屋敷に泊まれないなら我々は宿に泊まるのですか?」
「チン・ガギョンが阿錯の商団に泊まれといってくれています。」
「私にもだ。」
「そうですか?私には連絡がありません。」
「そんなはずはございません。護衛武士にお伝えしました。」
ソンファ公主が貴族の前に現れにこやかに答えました。
「そうなのか。」
「ええ。皆さまどうぞ私の商団へお越しくださいませ。」
「衛士佐平もいないし一日だけ世話になる。」
貴族たちは嬉しそうにしました。
「一日だけですか?めったにない機会ですので十分におもてなしいたします。」
「そうか。」
「はい。あとでご案内いたします。」
「そうしよう。」
「はい。」
「どうぞ。」
ソンファ公主は皇太后を連れて歩いていてきたウヨン公主と目を合わせうなずき合いました。ウヨン公主は石につまずきチャンの五色夜明珠を落としてしまいました。
「ウヨンや。大丈夫?」
母はウヨンに言いました。
「ええ。すみません。」
同じころ、衛士部の陣営。
サテッキルは衛士部の軍と合流しました。
「ええ!?陛下が危険なのですか?」
部下はサテッキルに言いました。
「そうだ。」
「どうすればよいのですか?」
「できるだけ早く馬を用意しろ。」
「阿錯の役場と私の屋敷(元チルリョの家)に行き兵を動かせ。」
「わかりました。」
そこにユリムと兵士が現れてサテッキルたちに襲い掛かりました。
「一人も逃してはならん。かかれー!」
ユリムは部下たちに命じました。兵士たちは戦闘になりました。クソンは剣を抜いてユリムと戦いました。サテッキルは弱った体を押して逃げました。
チン・ガギョン商団。
太鼓が叩かれ宴の演奏が行われていました。一方寺にいるプヨソンは部屋で休憩していました。チャンはこれまでのことを思い出していました。
「盛大な宴だな。」
サドゥガンがソンファ公主に言いました。
「ええ。またとない機会なので。」
ソンファ公主は答えました。
歓迎の太鼓の演奏が終わるとソンファ公主は貴族たちを宴席に案内しました。
「皆さまのお食事を用意いたしました。どうぞこちらへ。」
「(私兵の)みなさんはあちらです。どうぞ。今日はみなさんここにお泊りになられます。」
ソンファ公主の次女たちは主人に着いていこうとする貴族の私兵を引き離しました。
「ええ。何かあったら私がお知らせします。」
「どうぞ。お酒もご用意いたしました。」
「こちらへ。」
善徳寺。
フクチピョンはプヨソンの部屋の前で見張りをしていました。
チャンとトウィルは隠れてその様子を窺っていました。
「千拝の太鼓が鳴るまであとどれくらいある?」
「二刻ほどです。」
「私は最後の点検をしてくる。お前は陛下の様子を見てこい。」
「承知しました。」
チャンは潜んでいるヨン・ギョンフ大将と会いました。
「ワング将軍は?」
「貴族が来たと連絡がありチン大人のところへ行きました。」
「はい。」
「連絡がないのでユリムも成功したかと思います。」
馬が阿錯の役所の前に止まりました。
「何だ。止まれ。」
門番はサテッキルを静止しました。
「役場長はどこだ?」
「何だと?」
「私は衛士佐平だ。役場長を呼べ。」
「衛士佐平なら善徳寺へ行ったはずだ。嘘をつくなお前。」
「陛下が危ない。さっさと役場長を呼べ。いないなら官軍でもいい!」
「おかしな奴だなぁ。陛下なら衛士部の兵が守っている。危ないはずがない。」
門番はサテッキルを突き飛ばしました。
「貴様!命が惜しくないのか!今すぐ官軍を呼んで来い!」
門番の顔から血の気が引きました。
善徳寺の池には蓮の燈明が浮かんでいました。三つうかんだ灯籠の中のひとつが青白く光っていました。
「あれは何だ。」
プヨソンは法師に尋ねました。
「今日浮かべた灯籠です。中からめでたい青い光がございます。」
「もってこい。」
「はい陛下。大事に運んできなさい。」
法師は僧侶に命じました。
「陛下が蓮灯祭においでになったので、仏さまが答えてくださいました。陛下が平和な治世を行われる兆しです。」
法師がおだてるとフクチピョンは喜びプヨソンは満足しました。
「そうか。」
「この池には龍が住むという民の伝承がございます。龍が応じたと聞けば民も陛下をあがめるでしょう。」
「ふっふっふ。そうか。」
法師はプヨソンに青白い灯籠を献上しました。プヨソンが灯籠の中から光っている物を取り出すと、五色夜明珠がでてきました。
「!・・・・・・。」
プヨソンはフクチピョンを見ました。フクチピョンは「はっ」と王から目を離しました。プヨソンが首飾りの裏を見ると「四」という文字が書かれていました。
「これは・・・・・・!」
皇太后と王子の寝所。
「ないわ。なくなった。」
ウヨン公主は腹をさすり五色夜明珠がなくなったことに気が付きました。
「何がだ。」
息子を寝かしつけた母が娘に訊きました。ウヨン公主は寺で躓いた場所を思い出して部屋を出ようとしました。
「ウヨン。」
「大后(テフ)媽媽。今すぐお逃げください。」
「逃げろ?」
「裏口から出れば馬車と護衛の用意がしてあります。」
「ウヨンア。」
「今は何も聞かずにウチを連れ外へお逃げください。」
「謀反なの?」
「早く行ってください。逃げないと危険です。」
「お前は?」
「すぐあとから行きます。だから早く行ってください。」
ウヨン公主は部屋を飛びさしました。
「ウチ、起きなさい、早く。」
大后は幼い息子を起こしました。
ウヨン公主は首飾りを探しに行きましたがありませんでした。
プヨソンの部屋。
「なぜだ。寝所にあった夜明珠が、なぜ?なぜ灯籠の中に?」
フクチピョンは気が付きました。
「ウヨン公主・・・・・・。陛下。ウヨン公主です。」
「ただちに捕まえろ。」
「はい。」
「あいつらめ。」
プヨソンはサテッキルの言っていたことを思い出しました。
「よくも・・・・・・!」
フクチピョンが戻ってきました。
「私を殺してください。ウヨン公主も王后様も消えました。」
「謀反だ・・・。」
「陛下、千拝を告げる太鼓がもうすぐ鳴ります。どうぞ外へ。」
法師が部屋に入りプヨソンに言いました。
「こうしろ。」
プヨソンは何かを命じました。
「準備は終わった。」
チャンはトウィルに言いました。
「先ほど妙なことが。游灯祭の中に青く光る灯籠がありました。私も見ましたが確かに青い光でした。」
「それで?」
「法師が吉兆だと陛下に灯籠を渡しました。」
「何だと?今陛下は池にいるのか?」
「灯籠を拾い上げまた部屋に戻りました。」
「確かか。」
「灯籠がどうなったかは知りませんが確かに陛下は部屋に戻りました。本当です。」
「一刻後に太鼓が鳴る。確かめよう。」
チャンとトウィルはプヨソンの部屋に向かいました。
「お堂に入ります。」
法衣を着た王ががお堂に入るのを見るとチャンとトウィルは殴られて気を失いました。その様子をヨン・ギョンフ大将が見ていました。
チャンとトウィルはフクチピョンに小屋の中に連行されました。そこにいたのは武人の姿に着替えたプヨソンでした。
「謀反か。謀反なのか?」
プヨソンはチャンに訊きチャンの五色夜明珠を見せました。
「四男は生きているのか?生きているのか?誰だ。答えろ!」
「私だ。」
「何だと。」
「私が四男だ。」
「貴様!」
プヨソンが暴れようとするとプヨソンとフクチピョンの首に背後から剣が突き付けられました。
「こいつら・・・。」
チャンとトウィルは立ち上がりました。トウィルも剣を振り払いました。チャンはプヨソンの手から首飾りを奪うと自分の首にかけました。
「私が威徳王の四男、武康太子だ。」
フクチピョンは悔しそうにしました。
「まさかお前が・・・・・。」
プヨソンは愕然としました。
「そうとも知らず自分から私の父と兄を殺したと話してしまったな。私を信頼していたから裏切られた気分でしょう。」
「貴様をただじゃおかん!」
フクチピョンは抵抗しようとしましたが無駄でした。
チャンの首に再びプヨソンの手下の剣が突き付けられました。
「首を斬れ。」
プヨソンは兵士に命じました。
「それも悪くない。」
チャンは言いました。
「ヤクサン。私の首が飛んだらそいつの首も斬れ!」
「はい太子様。」
それを聞いたフクチピョンは力を失いました。
「そうすれば私は君主にはなれずとも、父上と兄上の敵は討てる。悪い話ではない。むしろ生け捕りにするよりここで殺したいくらいだ。わかったか。これがお前たちの王だ。阿佐太子と威徳王を殺したんだ。剣を捨てろ。剣を捨てるんだ。早く捨てるんだ!」
チャンは自分の首に剣を突き付けている兵士に言いました。兵士は剣を下ろしました。
「お前らー!」
「貴様ー!」
「捕らえろ!」
チャンが命じるとプヨソンとフクチピョンが縛られました。
「おのれー!貴様ー!」
サテッキルは馬を駆り急いでいました。
チン・ガギョン商団。貴族たちはソンファ公主のもてなしで酒と食事をたしなんでいました。そこに貴族の一人が来て私の私兵がいないとソンファ公主に言いました。
「護衛が一人もいません。どういうことですか。チン大人。」
「大丈夫です。ご安心ください。」
「どうなってる。」
「今すぐ護衛を返せ。」
「返事をしろ。」
ソチュンと私兵が部屋に入ってきました。
「外にいた民たちは商団の私兵です。」
ソンファ公主は貴族に説明しました。
「一体、何を考えて・・・。」
「今善徳寺で王位奪還の最中です。どうか落ち着いてください。」
「誰だ。誰がそんな不敬な行為に出ているのだ。」
サドゥガンがソンファ公主に言いました。
「武康太子です。」
部屋の外からワング将軍の大きな声がしました。
「ワング将軍。」
「威徳王が認めた後継者は武康太子様です。阿佐太子様が譲位直前に暗殺されたため、威徳王は今の王を殺し武康太子に譲位しようと考えていました。でせうがそれが果たせぬまま威徳王は殺されたのです。法王はそれを隠蔽しようと民を見殺しにしました。」
「ならば例のうわさは事実だったのか?」
「はい。すべて今の王がしたことです。」
「だが法王は四男の仕業だと言った。阿佐太子を殺したのも四男だと。どう説明する。」
「プヨド様が亡くなる前にチャンドゥという者を尋問したことを覚えてらっしゃいますか。」
「ああ。私たちも皆あの場にいた。」
「チャンドゥは四男の姿はないと言った。」
「それが嘘だと証明するため威徳王は四男に呼びかけた。」
「そうだ。だがプヨド様が亡くなったので・・・。」
「四男はあの場にいたのです。貴族の皆さまもよくご存じの方です。」
「我々が知っているだと?」
「武康太子様は、達率のチャンなのです。」
「あっ・・・・。」
ユリムはソンファ公主を呼びました。
ソンファ公主はユリムの傷を見て息を飲みました。
「ユリム公・・・・・・。」
「申し訳ありません。サテッキルを逃がしました。一大事です。」
ワング将軍が部屋から出てきてユリムを見ました。
「失敗したのね。」
「キルが包囲網を破り善徳寺の外郭に衛士部の兵士三百人を。」
「何ですって。大変だわ。太子様はご存知?」
「いいえ、殿下はまだ知りません。」
チャンとトウィルと兵士はプヨソンとフクチピョンを連行していました。
「とりあえず臨時幕舎に閉じ込めましょう。」
「善徳寺の状況は?」
「すぐに片付きます。」
そこにサテッキルと兵士が現れました。
「武官!」
「やれ!」
チャンの兵士とサテッキルの兵士は殺しあいました。外郭の兵士たちがチャンに攻めてきました。
「陛下を救出するのだー!助けるのだー!」
サテッキルは声を張り上げました。
「陛下、逃げるのです。」
フクチピョンとプヨソンは逃げました。
チャンはトウィルと兵士を連れて逃げました。
「達率チャンを捕まえるのだー!」
チャンを追いかけるサテッキルと兵士は竹藪の中で戦になりました。
「突っ込めー!」
サテッキルは兵に命じました。隠れていたチャンの兵士あらわれました。
「太子様を救出しろー!」
ヨン・ギョンフ大将が助けにきました。
「敵をまいて再集結します。第二砦だ。」
「チャン!チャン!聞こえるか!お前に教えてやる。モンナス博士は死んだ。」
霧の中でサテッキルは叫びました。
「モジン様は無事だろうと。」
大将はチャンに言いました。
「逃げるモンナス博士に弓を打ち船から落としたが、博士は再び島に戻ってきた。お前のために俺を殺しに来たのだろう。それで俺がどうしたかわかるか?剣で博士を刺した!血が噴き出ても何度も刺した!見せたかったよ。あの悲惨な姿を見せてやりたかった!」
「あんなのは嘘です。心を強くもって。」
「瀕死の博士にソンファの正体も教えてやった。お前も知ってるだろ。俺が教えてやった!衝撃を受けていたよ。俺の正体も教えた。なぜ俺が皆を裏切ったのか全部話した。恋の実態を知って自ら崖に身を投げたんだ。だから刺したのは俺だが殺したのはお前だ。お前のせいだ。お前が殺したんだ!」
「行ってはなりません。」
「汚らわしい口で博士の名を呼ぶな!」
チャンは飛び出しました。
「矢を放て!」
「姿を見せろ!出てこい!」
チャンの代わりに兵士たちが弓で殺されました。ヨン・ギョンフ大将はチャンを守り連れて行きました。
戦は朝になるまで続きました。
「退却しろー!」
「寺に入るなー。」
「善徳寺以外は逃げ場がない!」
「仕方ない。善徳寺へ!」
チャンたち武康太子の軍は善徳寺に逃げました。
サテッキルはプヨソンの軍営に着きました。
「陛下、かのような異変を防げず面目ございません。
サテッキルはプヨソンに謝りました。
「お前を信じるべきだった。」
「ですがもうご心配なく。反乱軍は善徳寺に包囲しました。」
フクチピョンは立場がありませんでした。
「すぐに攻撃しろ!ただちに皆殺しだ!」
「まだ兵が多く応援を待たねばなりません。援軍が着き次第総攻撃をかけます。」
「陛下、逃げるのを捕まえました。」
ウヨン公主が連れてこられました。
「とんでもない女だ。死ねー!」
威徳王はウヨン公主に乱暴しました。ウヨン公主は悲鳴を上げました。
「お前が夜明珠を持ち出したな。いつ知った。チャンが四男だといつ知ったのだ!」
ウヨン公主は頭から血を流しました。サテッキルは驚きました。
「チャンを慕っているだと?謀反のためだろ。私をだましていたのだな。この場で死んでみせろーー!」
プヨソンがウヨン公主を殺そうとするとフクチピョンが止めました。
「陛下、陛下。」
「お前も仲間だったのだろう。だからチャンに好意的だったのだ!」
プヨソンはフクチピョンを激しく蹴りました。
「誤解です陛下ーー。」
「チャンが、チャンが・・・チャンが?」
サテッキルは驚きました。
貴族たちは縛られていました。
「静かになりましたが・・・」
「中佐平様!」
私兵が戻ってきました。
「反乱軍は負けたのか?」
「はい。」
「善徳寺に逃げ込み包囲されました。」
「我々も陛下に疑われそうです。」
「まったくです。」
「チン・ガギョンと宴を開いていたのですから。」
「反乱軍側につくこともできなくなる。どうしましょう。」
「我々には選択権がない。行方を見守るだけだ。」
「どれだけ残っている?」
ヨン・ギョンフ大将は部下たちに兵の数を報告させました。
「死者二十人、山に隠れた者が二十人。残りはここへ。」
「すると六十人か。」
トウィルがつぶやきました。
「衛士部の仲間の生き残りは何人だ?」
「親衛隊は全員、衛士部は四十人。残りは山に隠れたかと。」
チャンはサテッキルが博士を殺したという言葉を思い出していました。
「そんなはずはない。俺をだまそうとしてるんだ。」
ヨン・ギョンフ大将とトウィルはチャンの部屋に入ってきて状況を報告しました。
「だがまだ戦える。官軍も数が足りないから攻撃をしないのだろう。援軍が来る前に突破しなければ。」
「はい。そのつもりです。ですが太子さまがいるとうまく動けません。」
「護衛要員を出すと戦力が減ります。」
「殿下、民のためにも生き延びてください。今すぐトウィルと逃げるのです。」
「船が来ました。」
「ワング将軍が船を。」
ユリムが来ました。
「我々も生き残ります。生き残って第二砦に行きます。たとえ全員が死んでも殿下は生き残ってください。」
「そうです殿下。今なら池のあたりが手薄です。援軍が来ればそこも封じられるでしょう。」
「そうなのか。」
「ええ。皆さまどうぞ私の商団へお越しくださいませ。」
「衛士佐平もいないし一日だけ世話になる。」
貴族たちは嬉しそうにしました。
「一日だけですか?めったにない機会ですので十分におもてなしいたします。」
「そうか。」
「はい。あとでご案内いたします。」
「そうしよう。」
「はい。」
「どうぞ。」
ソンファ公主は皇太后を連れて歩いていてきたウヨン公主と目を合わせうなずき合いました。ウヨン公主は石につまずきチャンの五色夜明珠を落としてしまいました。
「ウヨンや。大丈夫?」
母はウヨンに言いました。
「ええ。すみません。」
同じころ、衛士部の陣営。
サテッキルは衛士部の軍と合流しました。
「ええ!?陛下が危険なのですか?」
部下はサテッキルに言いました。
「そうだ。」
「どうすればよいのですか?」
「できるだけ早く馬を用意しろ。」
「阿錯の役場と私の屋敷(元チルリョの家)に行き兵を動かせ。」
「わかりました。」
そこにユリムと兵士が現れてサテッキルたちに襲い掛かりました。
「一人も逃してはならん。かかれー!」
ユリムは部下たちに命じました。兵士たちは戦闘になりました。クソンは剣を抜いてユリムと戦いました。サテッキルは弱った体を押して逃げました。
チン・ガギョン商団。
太鼓が叩かれ宴の演奏が行われていました。一方寺にいるプヨソンは部屋で休憩していました。チャンはこれまでのことを思い出していました。
「盛大な宴だな。」
サドゥガンがソンファ公主に言いました。
「ええ。またとない機会なので。」
ソンファ公主は答えました。
歓迎の太鼓の演奏が終わるとソンファ公主は貴族たちを宴席に案内しました。
「皆さまのお食事を用意いたしました。どうぞこちらへ。」
「(私兵の)みなさんはあちらです。どうぞ。今日はみなさんここにお泊りになられます。」
ソンファ公主の次女たちは主人に着いていこうとする貴族の私兵を引き離しました。
「ええ。何かあったら私がお知らせします。」
「どうぞ。お酒もご用意いたしました。」
「こちらへ。」
善徳寺。
フクチピョンはプヨソンの部屋の前で見張りをしていました。
チャンとトウィルは隠れてその様子を窺っていました。
「千拝の太鼓が鳴るまであとどれくらいある?」
「二刻ほどです。」
「私は最後の点検をしてくる。お前は陛下の様子を見てこい。」
「承知しました。」
チャンは潜んでいるヨン・ギョンフ大将と会いました。
「ワング将軍は?」
「貴族が来たと連絡がありチン大人のところへ行きました。」
「はい。」
「連絡がないのでユリムも成功したかと思います。」
馬が阿錯の役所の前に止まりました。
「何だ。止まれ。」
門番はサテッキルを静止しました。
「役場長はどこだ?」
「何だと?」
「私は衛士佐平だ。役場長を呼べ。」
「衛士佐平なら善徳寺へ行ったはずだ。嘘をつくなお前。」
「陛下が危ない。さっさと役場長を呼べ。いないなら官軍でもいい!」
「おかしな奴だなぁ。陛下なら衛士部の兵が守っている。危ないはずがない。」
門番はサテッキルを突き飛ばしました。
「貴様!命が惜しくないのか!今すぐ官軍を呼んで来い!」
門番の顔から血の気が引きました。
善徳寺の池には蓮の燈明が浮かんでいました。三つうかんだ灯籠の中のひとつが青白く光っていました。
「あれは何だ。」
プヨソンは法師に尋ねました。
「今日浮かべた灯籠です。中からめでたい青い光がございます。」
「もってこい。」
「はい陛下。大事に運んできなさい。」
法師は僧侶に命じました。
「陛下が蓮灯祭においでになったので、仏さまが答えてくださいました。陛下が平和な治世を行われる兆しです。」
法師がおだてるとフクチピョンは喜びプヨソンは満足しました。
「そうか。」
「この池には龍が住むという民の伝承がございます。龍が応じたと聞けば民も陛下をあがめるでしょう。」
「ふっふっふ。そうか。」
法師はプヨソンに青白い灯籠を献上しました。プヨソンが灯籠の中から光っている物を取り出すと、五色夜明珠がでてきました。
「!・・・・・・。」
プヨソンはフクチピョンを見ました。フクチピョンは「はっ」と王から目を離しました。プヨソンが首飾りの裏を見ると「四」という文字が書かれていました。
「これは・・・・・・!」
皇太后と王子の寝所。
「ないわ。なくなった。」
ウヨン公主は腹をさすり五色夜明珠がなくなったことに気が付きました。
「何がだ。」
息子を寝かしつけた母が娘に訊きました。ウヨン公主は寺で躓いた場所を思い出して部屋を出ようとしました。
「ウヨン。」
「大后(テフ)媽媽。今すぐお逃げください。」
「逃げろ?」
「裏口から出れば馬車と護衛の用意がしてあります。」
「ウヨンア。」
「今は何も聞かずにウチを連れ外へお逃げください。」
「謀反なの?」
「早く行ってください。逃げないと危険です。」
「お前は?」
「すぐあとから行きます。だから早く行ってください。」
ウヨン公主は部屋を飛びさしました。
「ウチ、起きなさい、早く。」
大后は幼い息子を起こしました。
ウヨン公主は首飾りを探しに行きましたがありませんでした。
プヨソンの部屋。
「なぜだ。寝所にあった夜明珠が、なぜ?なぜ灯籠の中に?」
フクチピョンは気が付きました。
「ウヨン公主・・・・・・。陛下。ウヨン公主です。」
「ただちに捕まえろ。」
「はい。」
「あいつらめ。」
プヨソンはサテッキルの言っていたことを思い出しました。
「よくも・・・・・・!」
フクチピョンが戻ってきました。
「私を殺してください。ウヨン公主も王后様も消えました。」
「謀反だ・・・。」
「陛下、千拝を告げる太鼓がもうすぐ鳴ります。どうぞ外へ。」
法師が部屋に入りプヨソンに言いました。
「こうしろ。」
プヨソンは何かを命じました。
「準備は終わった。」
チャンはトウィルに言いました。
「先ほど妙なことが。游灯祭の中に青く光る灯籠がありました。私も見ましたが確かに青い光でした。」
「それで?」
「法師が吉兆だと陛下に灯籠を渡しました。」
「何だと?今陛下は池にいるのか?」
「灯籠を拾い上げまた部屋に戻りました。」
「確かか。」
「灯籠がどうなったかは知りませんが確かに陛下は部屋に戻りました。本当です。」
「一刻後に太鼓が鳴る。確かめよう。」
チャンとトウィルはプヨソンの部屋に向かいました。
「お堂に入ります。」
法衣を着た王ががお堂に入るのを見るとチャンとトウィルは殴られて気を失いました。その様子をヨン・ギョンフ大将が見ていました。
チャンとトウィルはフクチピョンに小屋の中に連行されました。そこにいたのは武人の姿に着替えたプヨソンでした。
「謀反か。謀反なのか?」
プヨソンはチャンに訊きチャンの五色夜明珠を見せました。
「四男は生きているのか?生きているのか?誰だ。答えろ!」
「私だ。」
「何だと。」
「私が四男だ。」
「貴様!」
プヨソンが暴れようとするとプヨソンとフクチピョンの首に背後から剣が突き付けられました。
「こいつら・・・。」
チャンとトウィルは立ち上がりました。トウィルも剣を振り払いました。チャンはプヨソンの手から首飾りを奪うと自分の首にかけました。
「私が威徳王の四男、武康太子だ。」
フクチピョンは悔しそうにしました。
「まさかお前が・・・・・。」
プヨソンは愕然としました。
「そうとも知らず自分から私の父と兄を殺したと話してしまったな。私を信頼していたから裏切られた気分でしょう。」
「貴様をただじゃおかん!」
フクチピョンは抵抗しようとしましたが無駄でした。
チャンの首に再びプヨソンの手下の剣が突き付けられました。
「首を斬れ。」
プヨソンは兵士に命じました。
「それも悪くない。」
チャンは言いました。
「ヤクサン。私の首が飛んだらそいつの首も斬れ!」
「はい太子様。」
それを聞いたフクチピョンは力を失いました。
「そうすれば私は君主にはなれずとも、父上と兄上の敵は討てる。悪い話ではない。むしろ生け捕りにするよりここで殺したいくらいだ。わかったか。これがお前たちの王だ。阿佐太子と威徳王を殺したんだ。剣を捨てろ。剣を捨てるんだ。早く捨てるんだ!」
チャンは自分の首に剣を突き付けている兵士に言いました。兵士は剣を下ろしました。
「お前らー!」
「貴様ー!」
「捕らえろ!」
チャンが命じるとプヨソンとフクチピョンが縛られました。
「おのれー!貴様ー!」
サテッキルは馬を駆り急いでいました。
チン・ガギョン商団。貴族たちはソンファ公主のもてなしで酒と食事をたしなんでいました。そこに貴族の一人が来て私の私兵がいないとソンファ公主に言いました。
「護衛が一人もいません。どういうことですか。チン大人。」
「大丈夫です。ご安心ください。」
「どうなってる。」
「今すぐ護衛を返せ。」
「返事をしろ。」
ソチュンと私兵が部屋に入ってきました。
「外にいた民たちは商団の私兵です。」
ソンファ公主は貴族に説明しました。
「一体、何を考えて・・・。」
「今善徳寺で王位奪還の最中です。どうか落ち着いてください。」
「誰だ。誰がそんな不敬な行為に出ているのだ。」
サドゥガンがソンファ公主に言いました。
「武康太子です。」
部屋の外からワング将軍の大きな声がしました。
「ワング将軍。」
「威徳王が認めた後継者は武康太子様です。阿佐太子様が譲位直前に暗殺されたため、威徳王は今の王を殺し武康太子に譲位しようと考えていました。でせうがそれが果たせぬまま威徳王は殺されたのです。法王はそれを隠蔽しようと民を見殺しにしました。」
「ならば例のうわさは事実だったのか?」
「はい。すべて今の王がしたことです。」
「だが法王は四男の仕業だと言った。阿佐太子を殺したのも四男だと。どう説明する。」
「プヨド様が亡くなる前にチャンドゥという者を尋問したことを覚えてらっしゃいますか。」
「ああ。私たちも皆あの場にいた。」
「チャンドゥは四男の姿はないと言った。」
「それが嘘だと証明するため威徳王は四男に呼びかけた。」
「そうだ。だがプヨド様が亡くなったので・・・。」
「四男はあの場にいたのです。貴族の皆さまもよくご存じの方です。」
「我々が知っているだと?」
「武康太子様は、達率のチャンなのです。」
「あっ・・・・。」
ユリムはソンファ公主を呼びました。
ソンファ公主はユリムの傷を見て息を飲みました。
「ユリム公・・・・・・。」
「申し訳ありません。サテッキルを逃がしました。一大事です。」
ワング将軍が部屋から出てきてユリムを見ました。
「失敗したのね。」
「キルが包囲網を破り善徳寺の外郭に衛士部の兵士三百人を。」
「何ですって。大変だわ。太子様はご存知?」
「いいえ、殿下はまだ知りません。」
チャンとトウィルと兵士はプヨソンとフクチピョンを連行していました。
「とりあえず臨時幕舎に閉じ込めましょう。」
「善徳寺の状況は?」
「すぐに片付きます。」
そこにサテッキルと兵士が現れました。
「武官!」
「やれ!」
チャンの兵士とサテッキルの兵士は殺しあいました。外郭の兵士たちがチャンに攻めてきました。
「陛下を救出するのだー!助けるのだー!」
サテッキルは声を張り上げました。
「陛下、逃げるのです。」
フクチピョンとプヨソンは逃げました。
チャンはトウィルと兵士を連れて逃げました。
「達率チャンを捕まえるのだー!」
チャンを追いかけるサテッキルと兵士は竹藪の中で戦になりました。
「突っ込めー!」
サテッキルは兵に命じました。隠れていたチャンの兵士あらわれました。
「太子様を救出しろー!」
ヨン・ギョンフ大将が助けにきました。
「敵をまいて再集結します。第二砦だ。」
「チャン!チャン!聞こえるか!お前に教えてやる。モンナス博士は死んだ。」
霧の中でサテッキルは叫びました。
「モジン様は無事だろうと。」
大将はチャンに言いました。
「逃げるモンナス博士に弓を打ち船から落としたが、博士は再び島に戻ってきた。お前のために俺を殺しに来たのだろう。それで俺がどうしたかわかるか?剣で博士を刺した!血が噴き出ても何度も刺した!見せたかったよ。あの悲惨な姿を見せてやりたかった!」
「あんなのは嘘です。心を強くもって。」
「瀕死の博士にソンファの正体も教えてやった。お前も知ってるだろ。俺が教えてやった!衝撃を受けていたよ。俺の正体も教えた。なぜ俺が皆を裏切ったのか全部話した。恋の実態を知って自ら崖に身を投げたんだ。だから刺したのは俺だが殺したのはお前だ。お前のせいだ。お前が殺したんだ!」
「行ってはなりません。」
「汚らわしい口で博士の名を呼ぶな!」
チャンは飛び出しました。
「矢を放て!」
「姿を見せろ!出てこい!」
チャンの代わりに兵士たちが弓で殺されました。ヨン・ギョンフ大将はチャンを守り連れて行きました。
戦は朝になるまで続きました。
「退却しろー!」
「寺に入るなー。」
「善徳寺以外は逃げ場がない!」
「仕方ない。善徳寺へ!」
チャンたち武康太子の軍は善徳寺に逃げました。
サテッキルはプヨソンの軍営に着きました。
「陛下、かのような異変を防げず面目ございません。
サテッキルはプヨソンに謝りました。
「お前を信じるべきだった。」
「ですがもうご心配なく。反乱軍は善徳寺に包囲しました。」
フクチピョンは立場がありませんでした。
「すぐに攻撃しろ!ただちに皆殺しだ!」
「まだ兵が多く応援を待たねばなりません。援軍が着き次第総攻撃をかけます。」
「陛下、逃げるのを捕まえました。」
ウヨン公主が連れてこられました。
「とんでもない女だ。死ねー!」
威徳王はウヨン公主に乱暴しました。ウヨン公主は悲鳴を上げました。
「お前が夜明珠を持ち出したな。いつ知った。チャンが四男だといつ知ったのだ!」
ウヨン公主は頭から血を流しました。サテッキルは驚きました。
「チャンを慕っているだと?謀反のためだろ。私をだましていたのだな。この場で死んでみせろーー!」
プヨソンがウヨン公主を殺そうとするとフクチピョンが止めました。
「陛下、陛下。」
「お前も仲間だったのだろう。だからチャンに好意的だったのだ!」
プヨソンはフクチピョンを激しく蹴りました。
「誤解です陛下ーー。」
「チャンが、チャンが・・・チャンが?」
サテッキルは驚きました。
貴族たちは縛られていました。
「静かになりましたが・・・」
「中佐平様!」
私兵が戻ってきました。
「反乱軍は負けたのか?」
「はい。」
「善徳寺に逃げ込み包囲されました。」
「我々も陛下に疑われそうです。」
「まったくです。」
「チン・ガギョンと宴を開いていたのですから。」
「反乱軍側につくこともできなくなる。どうしましょう。」
「我々には選択権がない。行方を見守るだけだ。」
「どれだけ残っている?」
ヨン・ギョンフ大将は部下たちに兵の数を報告させました。
「死者二十人、山に隠れた者が二十人。残りはここへ。」
「すると六十人か。」
トウィルがつぶやきました。
「衛士部の仲間の生き残りは何人だ?」
「親衛隊は全員、衛士部は四十人。残りは山に隠れたかと。」
チャンはサテッキルが博士を殺したという言葉を思い出していました。
「そんなはずはない。俺をだまそうとしてるんだ。」
ヨン・ギョンフ大将とトウィルはチャンの部屋に入ってきて状況を報告しました。
「だがまだ戦える。官軍も数が足りないから攻撃をしないのだろう。援軍が来る前に突破しなければ。」
「はい。そのつもりです。ですが太子さまがいるとうまく動けません。」
「護衛要員を出すと戦力が減ります。」
「殿下、民のためにも生き延びてください。今すぐトウィルと逃げるのです。」
「船が来ました。」
「ワング将軍が船を。」
ユリムが来ました。
「我々も生き残ります。生き残って第二砦に行きます。たとえ全員が死んでも殿下は生き残ってください。」
「そうです殿下。今なら池のあたりが手薄です。援軍が来ればそこも封じられるでしょう。」
感想
ちょっと調べてみたら、なんと55話じゃなくて66話もありました!もう終わりかと思い張り切って解説したのにー。プヨソンが復活しちゃいましたよ!どうしよう。サテッキルまで元気になって、モンナス博士は崖の中腹で干からびているんじゃないでしょうか???チャンはまずいことになってしまいましたね。それよりも危険なのがウヨン姫と王后様と王子様ですね。特に王子様はすぐに殺すことが権力の簒奪者の常とう手段ですから、早く助けないと危険です!どうなるのでしょうか。続きが楽しみです。55話のところを66話もあるってことは、広告をたくさん見せられているのか?それともノーカットなのか気になります。