「王と妃」 第96話 権力の座 とあらすじネタバレ感想
96話 権力の座 あらすじネタバレ感想
ハン・ミョンフェは楼閣で宴を開きホン・ユンソンらに食事と酒をふるまいました。ホン・ダルソンは次の領議政の座はやっと自分に回ってくると喜んでいました。
「飲みなさい。茶を飲むだけで何を恐縮している。今日は上書が来ぬ。宮中が誰もいないように静かだな。」
世祖はキム・ジルに菓子と茶を振る舞い弱体化した自分の権勢を知りました。
粋嬪ハン氏はハン・ミョンフェの家を尋ねました。ハン氏は昔と比べると見違えたようねと派手な暮らしを褒めました。ヒャンイに促され「この御恩は一生忘れません」とハン・ミョンフェの妻は無理に愛想をつきました。
ハン・ミョンフェの娘ソンイはハン氏に挨拶しました。ソンイは13歳でした。謙虚はハン・ミョンフェの妻は強欲すぎる夫やハン氏のことをよく思っていませんでした。粋嬪ハン氏はハン・ミョンフェを味方に得るために娘を乽山君の嫁にもらうといいました。「見ていなさい。そなたを高貴な女性にしてあげるわ。」
「私は功臣に科田の返却を言ったが一年経っても返納されぬ。君主の沽券に関わる。」
「申し訳ございません殿下。」
「功臣が率先して返納すべきではないか?功臣には俸禄に功臣田と科田まで与えてきた。今に民ばかりか私の土地までなくなってしまう!」
「チチチ、チョーナー。・・・・殿下。それでは私が、まず、い・・・いただいた功臣田と科田を返却いたします。」
「右参賛のそなたもまだ科田を返していなかったのか。」
「まっ・・・申し訳ござません殿下。」
「そなたを責めてはおらぬ。土地を返すべき輩はほかにもおる。」
世祖はキム・ジルを怒鳴りつけていました。
「懸命な判断でした。殿下のお心をよく読まれましたな。」
亀城君はキム・ジルを褒めました。
「キム・ジルは後悔しているだろうな。キム・ジルは思わず土地を返すと言ったが内心では悔しい思いをしているだろうな。」
世祖は体を掻きながら亀城君に言いました。
粋嬪ハン氏はハン・ミョンフェに恩を返してもらうと従兄に言いました。
「殿下は反撃なさるでしょう。私に押し切られて上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)を領議政にしましたが今頃どうやって上党君を領議政から辞そうか考えておられるはず。」
ハン氏が言うと、ハン・チヒョンはキム・ジルに世祖が土地を返納するよう求めたことを報告しました。
「ハン・ミョンフェ、オン・ダルソン、ホン・ユンソン。三人が所有する田畑だけでも都城の民を皆食べさせられるという噂です。その田畑を返納しろと殿下がおっしゃるのは・・・ははっ。ははははは。」
「殿下は上党君を痛めつけてももう手遅れです。宮直のハン・ミョンフェではもうないのですから。」
チョン内官は世祖を裏切りハン・ミョンフェの家で酒を飲んだ内官たちに刑罰を与えていました。
世祖の権威は失墜していました。
海陽大君は妃のハン・ミョンフェの娘を亡くした後、ハン・ベンニュンの娘との間に息子をもうけました。それが斉安(チェアン)大君でありました。
「世子の将来を老獪の功臣に託すのですか?」
王妃は世祖に言いました。痛いところを突かれた世祖は怒りました。
「母上、父上に任せましょう。」
海陽大君は言いました。
「功臣たちは信用できないわ。ハン・ミョンフェのことは、十五年間見てきてよく分かっている。殿下は何度も病床に就かれいつ亡くなるかわからないわ。亀城君を中心とした新人を起用すべきよ。それから王位を守るには王族しか信じてはならぬ。よく覚えておきなさい世子チョハ。」
「はい。母上。」
この話を粋嬪の手下の尚宮は盗み聞いていました。
「口では仏さまと唱えながら哀れな粋嬪に思いやりもかけぬとは。王妃は人情のかけらもない。慈悲深い仏さまをあがめているなら私のしたことを褒めるべきだろう。」
世祖はチョン内官に言いました。
ユ・ジャグァンは臨灜大君に挨拶をしました。
「ユ・ジャファンの庶弟か。」
臨灜大君は咳払いをして部屋に入りました。
「この程度の恥辱は我慢するのだ。」
シン・ミョンはユ・ジャグァンを慰めました。
「人間扱いされぬことには慣れている。」
亀城君とシン・ミョンとユ・ジャグァンは会って友情を交わしていました。
亀城君とシン・ミョンはユ・ジャグァンの土地を返す策を褒めました。
ホン・ユンソンは土地を世祖に渡さないとハン・ミョンフェに言いました。
「馬鹿なやつめ。事態は深刻だ。次は命を差し出せと言われかねん。」
ハン・ミョンフェはユンソンを叱りました。
粋嬪の家にイム尚宮が来ました。尚宮は王妃の言動を逐一粋嬪ハン氏に報告しました。
意地悪な桂陽君夫人は王妃は意地悪だと悪口を言いました。
「なぜ協力してくれるの?イム尚宮。」
「私は水刺間の内人でした。私は乽山君様と月山君様が宮殿を出られるのを見て泣きました。皆は媽媽が戻られるのを心待ちにしております。」
富と権力に対する嗅覚の鋭いイム尚宮はハン氏に忠誠を誓いました。
「今回は不意打ちを食らった。」
ハン・ミョンフェはシン・スクチュに言いました。
「殿下の寿命はあとどれくらいだ?軽々しくこんな話をするのは不謹慎か?」
「王位は世子が継ぐのが道理だ。よからぬことを考えぬよう念のためいっておく。粋嬪とは距離を置け。」
ハン・ミョンフェは世祖の部屋に行きました。世祖は亀城君とシン・ミョンと功臣田の返納リストを確認していました。
「あとは承政院で処理しなさい。」
世祖はシン・ミョンに言いました。ハン・ミョンフェは人払いを願いました。世祖は亀城君を部屋の外に出しました。
「尚膳も下がらせるか?」
「い、いいえ、殿下。」
「簡単にすませてくれ。すぐにかゆくなる。」
「それほど悪いのですか。」
「わたしに構わず話せ。ああ、かゆい。御医を呼んだほうがよさそうだ。領相(ヨンサン、領議政)、やはり私は天罰を受けているようだ。国の財政を安定させなければならぬ。さもなくば世子が統治するのは容易ではない。国にざいありょくがなければろくな政治はできぬ。先日ある者を司憲府の掌令に起用しようとしたら、俸禄の代わりに与える田畑がなかった。分け与える田畑がなければ人を登用できぬ。中国でも天子より裕福な諸侯が多いと聞いておる。一文無しの天子か。はっはっは。このままでは我々もそうなる。ははーい。かゆかゆかゆ。亀城君はいるか。近くにおるのだぞ。」
世子は体を掻きむしりました。
ハン・ミョンフェは何も言えませんでした。
「お帰りですか領相(ヨンサン、領議政)大監。」
「入りなさい。殿下は体がかゆいらしい。」
ハン・ミョンフェは世祖に何も言えませんでした。
「収穫なしですか。」
粋嬪ハン氏はハン・ミョンフェに言いました。ハン氏は義父になる予定のハン・ミョンフェに挨拶をしました。そこに海陽大君が来て月山君とパク夫人を弓の大会の準備に連れて生きいました。
月山君の妻パク氏は後日燕山君の叔母になる人物です。仁粋大妃に恨みを抱いた燕山君によって乱暴されることになるこのパク氏は悲運の女性でした。
「捨てられた王族の運命は情けで救えるものではありません。」
粋嬪ハン氏は言葉の裏にメッセージを込めてハン・ミョンフェに言いました。
「媽媽、良家の娘は没落した王族と結婚したがりません。」
粋嬪ハン氏は王妃に言いました。
「没落した王族?乽山君は殿下の孫よ。器が大きいと思っていたけどそんなひねくれた考えだとは。」
「クモは子供に我が身を食べさせて育てるとか。私の願いがわかりますか?懿敬世子が残した子供を育て上げ結婚させることです。それが私の望みであり務めなのです。」
「そんなに難しいことではないわ。」
「媽媽は私の気持ちをお分かりになさらぬのですか。私は我が身を子に与えるクモの心情で生きてまいりました。」
粋嬪ハン氏は泣きながら言いました。
感想
うーん、つまらないw悪人ばかりで面白くないです。世祖の味方の亀城君だって汚い世祖の行動を容認してきたのですから、世祖の忠僕であっても悪人には違いありません。そして家来に与える土地がもうないとはどういうことでしょうか。土地は官僚しか持てないなら農業やってる国民はどうやって生きていたのでしょうね。なんだか嫌な世の中ですね。燕山君はアン・ジェモが演じているらしいので、彼の登場まで楽しみにしたいと思います。ハン・ミョンフェ役の俳優さんは「大王世宗」でハ・リュンを演じていたそうですね。ハ・リュンといえば太宗とともにチョン・モンジュを蹴落とした策士です。役柄は同じですね。