王と妃 40話 端宗(タンジョン)の結婚
あらすじ
端宗は首陽大君のすすめで妃を迎えることを決めました。王室の長老、譲寧大君は端宗が譲位しないと将来多くの上奏が届き端宗が成人すれば首陽大君が殺されるだろうと首陽大君に言いました。首陽大君は至らぬところは多いですが命をかけて守りますと心の中で誓いました。
首陽大君は会盟儀(フェメンイ)という端宗に忠誠を誓わせる儀式と婚礼を行い(後の史実とは逆行することを行い)ました。もう一度挙兵しようという首陽大君の家臣は不満が高まっています。彼らは首陽大君が王位につかない限り、いつ逆臣と言われるか不確かな地位にありました。ハン・ミョンフェは首陽大君をすぐにでも玉座に就けたがっていました。今なら血を見ずに王位に就けるが時期を逃すと多くの血が流れることになると。
永豊君たちは民が首陽大君が安平大君を殺したことから目を背けさせるためにフェメンイと婚礼を行うのだと大君たちと酒を飲みながら話し合いました。そこにちょうど首陽大君の来訪があり、一同は肝を冷やしました。慌てて靴も履かずに首陽大君を迎える臨瀛大君と永豊君。錦城大君は首陽大君に酒を注ぎました。首陽大君「あふれた酒は兄弟の情があふれているようだ。」首陽大君は錦城大君に和解の杯を交わそうといいました。そしてこれからは端宗殿下に忠誠を誓おうと首陽大君はいいました。もちろんですと即答する臨瀛大君。首陽大君は錦城大君に約束を破ったら自分を殺せと言いました。錦城大君も兄の約束は信じますが安平大君のことは忘れませんといいました。はらはらしながら二人のやりとりをきいている臨瀛大君。永豊君は身分も親も違うので話に参加することはできませんでした。
首陽大君が帰りました。怖くて足の震えが止まらないと臨瀛大君は錦城大君と永豊君に言いました。錦城大君が言う通り、後で我々を必ず殺すだろうと永豊君はいいました。錦城大君は兄上は必ず謀反を起こします、そのときには今日の約束を必ず私(ネ)が守りますといいました。
端宗は会盟儀という儀式を行いました。官僚たちがひとりひとり指を切って血を杯に垂らしました。その血を端宗は飲み干しました。
正直な端宗は今後は首陽叔父上と王族たちに報いたいといいました。
王族一同「すぶにまんがかうみだ(よくききとれませんがこのようにきこえました)」
癸酉靖難で活躍していない一等功臣たちが楽しそうに宴を開いています。実際の功臣達はハン・ミョンフェの提案で(恨まれたり嫉妬されぬように)格下に位置づけられていたのでした。しかも高官に出世した官僚は癸酉靖難を計画して指揮したハン・ミョンフェの名前すら知りません。ハン・ミョンフェにご苦労だったという高官。
端宗の婚礼を巡っても権力争いが起きていました。左議政を味方につけた領議政首陽大君は喜びました。首陽大君夫人と桃源君夫人が端宗に会い婚礼をすすめました。固辞する端宗を説得したのは夫人たちでした。端宗は伯母上に相手を選ぶようにお願いしました。浮かない顔の桃源君夫人は姉の桂陽君夫人に会いに行きました。桃源君夫人は妊娠していたのでした。この子を名ばかりの王族にしたくないと桃源君夫人ハン氏はいいました。
感想
首陽大君の派閥が彼を王位につけたがっていることを知らずに無邪気な端宗は首陽大君を慕っています。安平大君を慕っていた錦城大君たち、そして首陽大君を王位につけたい譲寧大君。王族の中には端宗の味方となれる親族はいないのでした。皆それぞれ強いと思う兄弟を支持していたからです。端宗は臣下の血を飲み干し(これ、絶対に当時は不治の病のウイルスも入ってますよねwおえっ)、主従の絆を結ぶ儀式をしました。
癸酉靖難、イ・ジンオクの乱を経てますます端宗の首陽大君への信頼は高まっていたのでありました。
なんともかわいそうな端宗ですね。汚いおやじどもに囲まれて。ハン・ミョンフェもかなり卑怯な人間ですね。自らが矢面に立たぬようにわざと功臣録の下のほうに名前を載せるとは!ここには大義はあっても正義はありません、ひえーっ。しかしこの悪どさこそが権力を狙う者たちの本音であり、それを脚本の段階から「大風水」や「大王世宗」のようにはなっから否定してしまっては人の本質を突いたドラマになりません。