王と妃37話 広がる波紋
あらすじ
恵嬪は端宗の孝行心を確かめるために剃髪をするとうそをいって部屋にこもります。端宗は涙を流し恵嬪を引き留めます。恵嬪の息子永豊君も端宗を同様させるために演技をします。恵嬪は髪を切る演技をして端宗に止めさせます。端宗を抱きしめる恵嬪は端宗の心を得ました。政治を操ろうとする内官オム・ジャチは浄業院の話を恵嬪に漏らしたことを首陽大君に黙っており、首陽大君はなぜ話が漏れたのか訝ります。オム・ジャチはこうなったのは端宗に妃がいないせいだと首陽大君に言いました。
恵嬪を介抱するけなげな端宗。一方で端宗の心を得て利用する恵嬪。
ハン・ミョンフェが逆徒の家族まで捕らえて奴隷にしたことについて首陽大君は腹を立てました。オム・ジャチは首陽大君を信じてはいけない、警戒するように端宗に言いました。政治に敏感で勘のよいオム・ジャチの考えは正しいものでした。首陽大君は端宗のところにお願いに行きました。首陽大君は端宗に中殿(妃)を迎えるように進言しました。端宗は安平大君を殺したことに加え恵嬪への親不孝をしたところなので、妃を迎えることはできないといいました。
世宗の息子のクムソン大君とイミョン大君、永豊君らは酒を飲み首陽大君がひやりとしただろうと笑っていました。イミョン大君は必ず安平大君の恨みを晴らすといいました。
癸酉靖難の功臣たちは首陽大君の屋敷を訪れ「安平大君を殺したことを殿下が親不孝とおっしゃるのなら、このままでは逆賊です。私たちを殺してください。逆賊扱いされることは誠に心外です。」と座り込みをしました。
安平大君を殺したことを不幸といったことについて、淑嬪は失言だった、首陽大君は形無しだと端宗を諫めました。端宗は怒り、「叔父を殺したのなら不孝者でしょう。」ときっぱりと言いました。
ひっくり返って寝そべるハン・ミョンフェは逆賊だと見なされてはいけないと考えていました。挙兵をしたのは殿下の王位を守るためだったとクォン・ラムは言いますが、ハン・ミョンフェは首陽大君が王位につかねばさらに多くの血が流れるといいました。
首陽大君の屋敷に居座る功臣たちに大君の妻と後のインス大妃は料理をふるまいます。
ハン・ミョンフェは譲寧大君の屋敷に赴き大君が端宗に譲位をせまるように頼みました。その気になった譲寧大君は首陽大君に宮殿に行って話をつけに行こうといいました。端宗が発言を取り消さなければそのときは譲位をせまれと譲寧大君は首陽大君に言いました。功臣たちはハン・ミョンフェの家に集まり、もう一度挙兵しようといいました。「真昼間から謀反の話とは、命が惜しくないようだな。」とハン・ミョンフェは扉を閉めました。
端宗は都承旨を呼び、命令を下しました。端宗は婚礼を蒸し返した者は厳罰に処するように宣旨を下しました。そして、今後は便殿で国事を取り仕切るといいました。いつもより凛々しい端宗の姿にオム・ジャチは深々と頭を下げました。
官僚A「殿下のお言葉をどう思われますか。」
官僚B「親政をなさるつもりだろう。」
官僚A「だからこそ心配なのです。」
癸酉靖難の直後、端宗は親政を行おうとしました。首陽大君が端宗に王妃を迎えるよう勧めるや安平大君を殺したことを端宗が親不孝と言ったのは挙兵を主導した勢力にとって予想外の出来事でした。
端宗の親政の知らせはすぐに首陽大君の耳に入りました。首陽大君は王妃がいないことは国の母がいないことは民にとって不孝なことであり一日も早く王妃を迎えてくださいと言いました。
端宗「今は喪中だ。その話は蒸し返すな。君主が不孝者になれば民に示しがつかぬ。私をこれ以上親不孝者にする気か。」
吏曹判書「国を支えるのは忠と孝であります。首陽大君は忠心から婚礼を進め、殿下は孝心からそれを拒んだのでしょう。殿下と大君の言い分はそれぞれ正しい、そう思いませんか大監」
官僚たちはどちら意見を支持すべきか論じていました。
首陽大君は白い喪服に着替え文宗お霊廟の前で殿下の許しを乞うために霊廟に籠りました。
「兄上、今日私は殿下の凛々しいお姿を拝見しました。誠に堂々としておられ君主にふさわしいお姿でした。」
首陽大君は端宗に席藁待罪(ソッコテジェ)を行いました。端宗の主張が通ったことを意味していました。キム・ジョンソの腹心のイ・ジンオクは人事でハムギルドに左遷されました。キム・ジョンソの死を知らないふりをするイ・ジンオクは彼を栄転だとだまそうとした役人をキム・ジョンソの側女とともに挙兵して殺しました。
感想
きょうの見どころはなんといっても13歳の端宗の凛々しさです。前話までは泣きじゃくる子供でしたが、家臣や親族たちが乱れていることにより、そのことが端宗を強くしたのでありました。
ハン・ミョンフェの汚さと、クォン・ラムの忠誠心の対立、実利を優先する首陽大君とまじめで正しい端宗との対立が芽生えてきましたね。