大王世宗(テワンセジョン) 38話 世子の本音
あらすじ
譲寧「私の女が病気なのです。」太宗「不届き者め。」
譲寧「医者お呼びに。お腹に私の子がいるのです。王家の血筋を引く子が・・・」
太宗「ネガチグン(私が貴様に、という意味ではないでしょうか!?)」
譲寧の私生活でのダメ男ぶりに倒れそうになる太宗。
シム・オンとユン・フェが貼り紙をして敵の弱点を利用したという世子派の重臣。
心痛のあまり倒れる病気のオリ。
世子とオリが愛し合う二人の様子にブチ切れる嬪宮。
元敬王后は嬪宮に帰れと言いました。
「あの人は世子や未来の王である前に私の夫なのです。」
譲寧「誰もいないと思え。そなたと私だけだと。そう思え。」
オリ「できません。」
譲寧「やってみろ。」
オリ「(はい)」目を閉じるオリ。
世子妃「あの女のことは怒ってはいません。子供まで生んだ私があの人の心の中にいないこと、それが悔しいのです。」
元敬王后「アガ・・・(子供を呼ぶときの言い方らしいです)。夫を失ったからといって子供の未来をつぶすつもりか」
へんなところで頼もしい元敬王后。
王宮にスキャンダラスな貼り紙が張られたことについて、経筵(キョンニョン、意味は知りませんが聴聞会みたいなものでしょうか)を受けてくださいと譲寧大君は太宗に言いました。オリを守るために太宗と戦う譲寧大君。譲寧は嬪宮(ピングン)と離婚したいと言いました。妻は2人もいらないと。
太宗「私も、そろそろ限界だ。これ以上は、許せない。出来が悪くてもお前への期待は捨てなかった。父の言葉にそむいてばかりだったが、それでも・・・」
譲寧「それが執着というものです。たとえ期待だったとしてもそれは私だからではなく長子だからです。父上は私ではなく自分に腹を立てている。長子相続性が崩れそうだから。」
太宗「尚膳、こいつを追い出せ。今すぐ王宮から放り出してもう二度と中に入れてはならん。何をしている。早くしろ。」
譲寧「医官はオリよりも、父上に必要だな。父上は想像以上に孤独だ。計算高い者たちを忠臣とはいえまい。そばでお守りしろ。父上は意外と気が小さい。そなた(尚膳)だけは知っているはずだ。」
愛するオリのために正妻を捨てて宮廷を出て行った譲寧大君。自ら世子という身分を捨てた譲寧大君は忠寧大君と孝寧大君に軽やかに笑いました。
太宗と弓をする定宗。上王は聴聞会を開くように太宗に言いました。うそをついてでも忠寧に正当性を主張しろというユン・フェや敬寧ら。上王は聴聞会で臣下に正当性のある孝寧を世子を選ばせる魂胆なのでした。
上王を代表とする重臣が揃う聴聞会で、領議政は2年前に忠寧が朝鮮の正当性を否定し、今もその考えに変わりがないかと質問しました。
忠寧大君「政敵を武力で抑え込み粛清するのはもってのほか。今もそれが国を維持する方法だというなら私は正当性を認められません。絶対に認めません。」
正直な答えに驚くユン・フェは忠寧を責めたてます。慌てふためくユン・フェに礼曹判書のメン・サソンはいいました。
メン・サソン「素直に従うようでは王材とは言えませんよ。」
メン・サソンは帝王学を学ぶ忠寧のところに行きました。「申訳ない。しばし失礼しますよ。三国志演義ですか。王材として勉強中だと伺ったのにこんなものをお読みとは。もっと難しい本をお読みなのかと思いました。はっはっは。」
忠寧「割と面白いですよ。」
メン・サソン「はっはっは。なぜあんなことを?少し我慢すればこの国の王になれましたのに。側近たちにせめて理由くらいは説明すべきでしょう。」
忠寧「台無しにした分際では何も言えません。」
メン・サソン「後悔を?前言撤回なさるならこのおいぼれが・・・」
忠寧「結構です。何度聴かれても答えは同じです。反対勢力を粛清しない道を見つける。そのために王を志したといっても過言ではありません。だから嘘をつきたくなかった。」
立ち聞きする孝寧。
メン・サソン「劉備を真似ようと努力なさるのも悪くありません彼は政治を遊びのように楽しんでいた。全か無か、そのような遊びではありません。妥協点を探すことに面白さがあるのです。」
上王「天の助けだ。」
孝寧「漁夫の利で王座を得るのですか。」
上王「それがどうした。大切なのは今後だ。これからどう国を治めるのか、それが肝心だ。」
ひとりで都を離れて釣りをする譲寧大君に孝寧大君が会いに来ました。
譲寧大君「お前は違う。賢者ではない。賢者にしては傷が少ない。安全な道ばかり歩いてきたからな。賢者とはもっとたくましいものだ。理想のために突き進む者。それでこそ賢者だ。諦めろ。お前に譲るために父上を苦しめたのではない。貼り紙は父上を断念させるために私が貼ったのだ。父上には言うなよ。父上にはあのままでいてほしい。気弱になったら・・・そうなれば、さらに老ける。」
孝寧大君は譲寧の弓を太宗に届けました。「いつか返すように預かりましたが、兄上のことは弓から放たれた弓だと思ってお忘れください。」
それから父上に一生友はもたないと伝えろ。しかし今も父上が感じているその寂しさを私も共に耐えると。
譲寧が家に戻ると、オリがいませんでした。オリは手紙を残して出ていきました。捨てきれない未練をかかえたままいつまでも道をさまよいます。ですが未練だけでは生きていけません。あなたを絶望の淵へ追い詰めてしまった自分を許す気もありません。ですがあなたが流した場所、悲しむあなたのそばで無謀にも生きたいと願った場所であなたとお別れします。あなたの人生がつらくないように、悲しいだけではないように祈っています。
オリは譲寧と馬で来た思い出のある川の中に消えていきました。
太宗「世間はお前を賢者ではないという。それでも努力するか?お前が否定するこの国のために献身できるか?」
譲寧大君「努力します。妥協点を探そうと努めればきっと歩み寄れます。お互いの意見を尊重していけば最悪ではなく最善の結果を得られるはずです。努力します。一人ではなく臣下たちとともに力を尽くします。」
太宗「うむ」
川で釣りをする譲寧大君のところに太宗が来ました。「譲寧それがお前の称号だ。息子に称号を与えるたびに平和を願って寧という字を使った。弟に王の座を与えたお前に譲寧という称号はぴったりだ。」
譲寧「ふつつか者の私には身に余る名前です。」
太宗「ジェや。お前を捨てたのではない。」
譲寧「それはわかっています。」
譲寧に背を向け泣く太宗。譲寧も涙を流します。
太宗「戊戌六月三日 余は世子イ・ジェを廃し第三子イ・ドを新しい世子にすると宣言する。」
感想
たった1話の中にストーリーがたくさん盛り込まれていましたね。身分のない女を愛する譲寧は愛のために身分を捨てた形になりました。それまでさんざん北伐だけをがんばっていたことまで捨てちゃって、いったいどーなってるの?と思いませんか。ちょっと話が破たんしてますけどw無理やり納得させられちゃいました。きれいな話にするにはこうするしかないと。そのオリもいきなり入水自殺しちゃってえええ!って感じですよね。愛し合ってるのになんで沈んじゃうの!?意味がわかりません。そんなことしちゃったら譲寧が苦しんでしまうじゃないですか。譲寧の幸せを望むならちょっと考えられないことですね。だって愛する人を失う苦しみって想像を絶っして後生引きずるくらい苦しいものじゃないですか。やっぱり譲寧のオリへの愛は軽い愛だったのかしら!?そして貼り紙をしたのはなんと譲寧だったのですね。私もうまく騙されてしまいました。ユン・フェと敬寧はずるいことをしてでも忠寧を玉座に就けたっかったのですから。ということは、そういうことなんですよね。譲寧は嬪宮のところに歴史どおりに戻ってくると。視聴している奥様方はオリが死んでくれて喜んだのではないでしょうか(笑)なぜなら不倫女と夫が結ばれて家庭をつくることについては絶対反対ですものね。そして孝寧大君を譲寧大君が素晴らしく賢い言葉で説得します。お、譲寧て実は賢かったんだ!?なんて思いませんか?結局作者の都合のよいようになってしまって、登場人物の性格や思考に一貫性がありませんね。そんなこんなでめでたく主人公の忠寧大君は世子になれたのでした♪