王と妃 60話「粛正再び? 」
あらすじ
端宗は「父上と安平叔父上に不孝をしたのに今度は錦城大君と恵嬪をか!絶対にできぬ!私には殺せぬ!」と声を荒げました。
それを聞いたハン・ミョンフェは宮殿から下がりました。
ミョンフェはこのことを首陽大君に伝えました。
首陽大君「私以上に哀れな者もおらぬだろうな。私は君主にも劣らぬ権力を手にした。王の下で百官を統べる議政府の長であり千軍万馬を率いる都統使(トトンサ)でもある。だが強い権力を握っていながら何一つ遂げておらぬ。哀れと思わぬか。実に情けなくふがいなさに恥じ入るばかりだ。」
ミョンフェ「夜が明ければ、大君様の世ではありませぬか。」
首陽大君「されど何も変わらぬ。私がキム・ジョンソを始末したのは彼が権力を握りながら何もしなかったからだ。使わぬ剣は錆びるように権力も握っているだけでは何の意味もない。キムは保身に走るばかりで何もしなかった。はー。私は夜、寝床につきながら頭の中で改革の様々な構図を描く。いかに間違った制度をただし悪徳役人を追放するかいかに民を幸せにしこの国を強くするかいろいろ考えを巡らせているのだ。だが朝目覚めると頭に浮かぶことはただ一つ。いかに今の座を守り抜くかということだ。私も(王位に就かねば)金宗瑞と変わらぬではないか。」首陽大君は酒をあおりました。
クォン・ラムのところに大司憲のチェ・ハンが相談しにきました。チェ・ハンは首陽大君の本心を知りたいといいました。クォン・ラムは「大君さまも全員は殺さぬはずです。これは歴史の必然です。私もずいぶん思い悩みました。ですがいくら考えても選択の余地はありません。首陽大君がいらっしゃらないと混乱が起きるばかりです。大司憲大監、歴史の流れからすると首陽大君に従うべきです。」と言いました。
ハン・ミョンフェは首陽大君の秘書イムに「大君さまが決意なさった」ことを桃源君夫人に伝えるように命じました。報告を受け取ったハン氏は「私の望みがかなうわ」と長男の赤ん坊を抱いて喜びました。
大司憲のチェ・ハンは端宗に面会を申請しました。チョン内官は大司憲に賓庁で面会すると約束を伝え一睡もしていない端宗を気遣うように頼みました。
首陽大君が登頂しました。左議政は体調がすぐれぬと欠席していました。
王妃は首陽大君が望むなら私であっても差し出すべきですと端宗にいいました。「首陽大君の望みは大臣らの動きを封じるためです。彼は難癖をつけています。それは心優しい殿下が錦城大君と恵嬪を殺せないことを知っているからです。王位を守りたいのなら錦城大君を殺すべきです」と言いました。
端宗「錦城大君だけですむだろうか。そうはいかぬ。次は臨灜大君や余蘊大君などきりがないのだ。首陽大君の狙いは私が王位を譲るまで人を殺し続けるだろう。君主の座などもうたくさんだ。死んでしまいたい。もう決心したのだ。王位を譲ってでも錦城大君と恵嬪を守る。」
端宗は大司憲と面会しました。チェ・ハンは「申し訳ありません殿下」と何もいいませんでした。チェ・ハンは端宗にハン・ミョンフェを首陽大君と思い話すよう促されました。
チェ・ハン「殿下、私が思いますに、刑罰は国家の力であり綱紀は君主の力であります。万が一刑罰を正しく行わず綱紀が乱れれば君主の力は弱まり君主を侮辱するものが現れます。国を治める者はそれを警戒しなければなりません。錦城大君は謀反を企てました。恵嬪とその息子まで計画に加わっています。また和義君(ファイグン)も加担しました。オム・ジャチは内官の身で国政に関与し役人に宮中の物を盗み暴力を振るったりしました。錦城大君とともに謀反を企てました。」
端宗「恵嬪は浄業院に送り錦城大君は謹慎させオム・ジャチは降格させた。何故蒸し返すのだ!」
チェ・ハン「殿下、それだけでは不十分です。殿下は寛容をお示しになられましたが錦城大君と恵嬪は再び謀反を企てたのです。二人とも極刑に処し後患の根をたつべきです。」
端宗「極刑に処せだと?二人とも殺せというのか!」
チェ・ハン「申し訳ありません殿下。」
端宗「錦城大君と恵嬪は私の身内だ。それを殺せというのはただの獣になれというのと同じだ。身内を殺してどうして王の座にいられよう。」
端宗「宮殿の門を閉めよ!誰にも会いたくない!」
ハン・ミョンフェ「ご苦労だったな大司憲。」
チェ・ハン「殿下はお怒りだった。」
ハン・ミョンフェ「そう簡単にはいかぬだろう、大司憲、はっはっはっは。」
宮殿の門が閉まりました。ハン・ミョンフェは首陽大君に報告しました。「大君がお望みならば門を開けさせましょうか?大君」
端宗「誰であれ身内を殺せという者には会わぬ!」端宗は傷ついて部屋にこもってしまいました。
ホン・ユンソン「その気になれば地獄の門でも開けられます」とハン夫人たちに侍りました。桂陽君夫人は高笑いました。桃源君夫人は「もっと圧力をかけなさい」とホン・ユンソンに命令しました。
シン・スクチュはチョン・インジを訪問していました。シン・スクチュは首陽大君に従うか逆らうかしか道はありませんといいました。チョン・インジは王統を変え逆臣にはなりたくないといいました。スクチュは将来を考えるためには首陽大君に従うしかない、生き残って夢を実現するしかないとチョン・インジを説得しました。
チョン・チャンソンはすぐにでも宮殿の門を開けさせて錦城大君と恵嬪を死刑にするべきですといいました。左議政のチョン・インジがいないとそれは無理だと重臣たちはいいました。チョン・チャンソンは首陽大君にいいところを見せたくてはりきっていました。
王妃は父から「皇帝のコミョンを受けた使臣が戻る前に殿下に譲位を迫ることはないだろう。」と言われました。「宮殿の内外を見回しても殿下の力になれる人がおりません。殿下のお顔を見るのが哀れでなりません。どうすればよいのでしょう。」と嘆きました。オム・ジャチは「殿下を救えるのは孝寧大君だけです。」と府院君(プウォングン)をそそのかしました。府院君はもうよいとオム・ジャチを相手にしないふりをしました。
錦城大君はもうよい、覚悟はできていると永豊君にいいました。「皆殺すがよい。一体何人殺すのかあの世から見よう。首陽大君兄上、兄弟たちを皆殺さぬ限り王にはなれんぞ」とつぶやきました。
チョン・インジは先頭に立ち錦城大君を殺すように上奏しに行きました。
ソン・サンムン、キム・ジルたちはなんとしても首陽大君の陰謀をとめようと話し合いました。
府院君ソン氏は孝寧大君に頼みに行きましたが「私には力がないのです。この嵐をとめる力はないのです」といいました。
臨灜大君は譲寧大君のところにいきましたが「これは嵐ではなく追い風だ。私は首陽大君が王位に就くべきだと信じている」と一蹴しました。
錦城大君は殿下の前で自決してやろう、首陽大君も見たいはずだと馬に乗り宮殿に向かいました。
チョン・インジたちは夜になっても宮殿の前で上奏していました。
錦城大君「おのれ!貴様ら!私に死んでほしいのか。私を殺したければまずは道を開けよ!殿下の午前で自決して身の潔白を証明する!殿下ー殿下ー!」
感想
もう端宗のまわりは傍観者か首陽大君の逆臣だらけで王手になりました!このドラマの首陽大君はほんとうに悪いやつですねw王位が手に入るまで端宗の味方をどんどん殺していきついに端宗の味方の重臣と王族はいなくなりました。残っているのはソン・サンムンのような身分の低い官僚たちだけです。譲寧大君も世子の資格を太宗にはく奪されたことがとても悔しかったのですね!