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チョン・ドジョン鄭道伝44話 チョン・ドジョンの夢 のあらすじネタバレ感想

「チョン・ドジョン鄭道伝」(全50話)44話のあらすじネタバレ感想

 あらすじ

鄭道伝(チョン・ドジョン)は李芳遠(イ・バンウォン)にこのように言いました。
鄭道伝「身分、学閥、縁故に頼らず科挙で選ばれた官吏が揃った朝廷。地方の豪族と軍閥が持つ権力を奪い取る強力な朝廷。その頂点に立つのは宰相のなかの宰相、総裁が国を治めます。王は賢明で経綸(国家を治める策)のある総裁を選びその者に国を預けるのです。
李芳遠は今は堯舜の時代ではないと言いました。
鄭道伝「政治家がぬかるみにはまっていても手は天を指示さねばなりません。劣悪な現実の中にいても理想を求めて動くそれが政治家の役目だと思います。」
李芳遠「朝鮮は王の国です。治める者もまた王であるべきだ。高麗以前の王朝と同じ王に・・・」
鄭道伝「王は宰相に国を預けるものです。その考え方が高麗までの王朝と明らかに異なる点です。」
李芳遠「三峯大監、思い通りにさせない。父上が容認してもこの李芳遠が黙ってはいませんから。」
鄭道伝「靖安君大監、宮殿にいない王子は政治に関与してはなりません。宮殿と朝廷で起きていることに関して大監は黙っておとなしく見ていてください。」
李芳遠「もしできないといったら?王子である私を死刑に?答えてください三峯大監。」
鄭道伝「気になるならやってみてください。私の答えを耳ではなく目で見ることになりますよ。それでは。」

ナム・ウンはチョン・ドジョンに逆賊にされる懸念を心配しました。チョン・ジン(鄭道伝の長男)は「朝鮮経国典」が製本できたことを見せました。

李成桂(イ・ソンゲ)のもとに李芳遠とイ・バングァが「朝鮮経国典」は反逆の論理を説き伏せるものだと上奏しました。怒りで器をバンウォンに投げつけようと思ったイ・ソンゲは三峯の登庁した知らせを聞いて思いとどまりました。李芳遠は父ソンゲの権勢にに挑戦しました。

チョン・ドジョンはイ・ジランを東北面に配置して辺境の女真族を安定させ、王族や豪族の私兵を廃し官兵とすることを上奏しました。李成桂は私兵の廃止は別の機会に話し合おうといいました。
李成桂「三峯よ。お前は宰相が、国を治めるべきだといったな。その理由は?」
鄭道伝「王は世襲制だからです。お世継ぎは聖君と賢君だけではありません。これからは無能で愚かな暗君や暴君が現れることも考えられます。よって王が治める国はいつ危険な状況になるかわかりません。」
李成桂「宰相が国を治めれば何が変わる?」
鄭道伝「宰相は世襲制ではありませんのでいつでも代えられます。生き残るために必死で努力します。」
李成桂「李仁任は宰相だった。」
鄭道伝「血縁を重視した高麗と能力を重視した朝鮮は違います。儒学と政治に重きを置く士大夫の中で科挙に及第した官吏をその中から選抜された賢者が宰相となります。そのような賢者が王をあがめて官吏を統率して万民を治めます。それが朝鮮の統治理念として根付いたとき、この国は恒久的な平和を維持できる国になるでしょう。」
李成桂「咸州の幕舎に余に会いに来たときからそう思っていたのか。」
鄭道伝「その通りです。」
李成桂「私を操り人形にしようと思っていたのか。余は気づかなかった。そうとも知らず、必死にもがいていたのか。」
鄭道伝「それは誤解です殿下。」
李成桂「下がりなさい。」

李芳遠と李芳果たち第一婦人の王子たちは神徳王后に鄭道伝は王政を否定していると言いに来ました。幼い李芳碩は「三峯大監は王制を否定しましたか?三峯大監は君主は天命の代行者だと言いました。国と朝廷は王に頼る存在であり、王は王の子孫と臣下、民たちが敬う存在だと。殿下ひとりではすべてに目が届きません。右腕に任せるべきです。」
李芳遠「あれが王ですか。三峯は王は資産を持つべきではないと主張を。」
李芳碩「この国の土地と民は王のものです。個人的に富を築く必要が?」
李芳遠「王室の行事に関する費用まで宰相の決済をもらうように。このままでは俸禄をもらう官吏と同じです。」
李芳碩「それは贅沢と腐敗を防ぐためです。君主が手本を見せれば官吏と民たちは従います。」
李芳遠「なぜ高麗が滅びたかその理由を?王の権力が弱かったからです。君主とは名ばかりで都堂の執政大臣が国政を独占していました。」
李芳碩「王に徳望がなかったからです。徳望がないから民心は離れ奸悪な臣下が隙を突いたのです。しかし朝鮮ではその心配はありません。三峯大監を信じているからです。」
李芳遠「三峯大監は宜安君様を世子にした一等功臣ですが殿下は洗脳されているだけでは?」
神徳王后「これは世子になれなかった腹いせですか。私と世子に対してその発言は失礼ではありませんか。」
李芳遠「世子さまとの討論に夢中になり興奮してしまいました。その広いお心でお許しいただけないでしょうか。」
神徳王后「もう顔も見たくありません。下がりなさい!」

ハ・リュンは神徳王后と李芳碩と三峯の中を引き裂くように李芳遠に助言しました。

三峯鄭道伝は「陣図(ジンド)」という兵法書を執筆していました。ナム・ウンは墨をするのを手伝いました。李成桂は鄭道伝を呼びつけました。

李成桂「三峯。王より偉い人がいらっしゃった。純粋な田舎者を王にするとそそのかし、血まみれの玉座に就かせた。今更国を臣下が治める?」
鄭道伝「そのことについては寝所でお話ししました。」
李成桂「その案には同意できない。筋が通らないではないか。」
鄭道伝「王のための国なら筋が通りませんが、民のための国を夢見るなら真理になります。」
李成桂「朝鮮経国典は燃やしなさい。」
鄭道伝「できません。」
李成桂「私は王だ。王命に背いたらどうなるか。」
鄭道伝「真の宰相は王の間違った命令に従いません。」
李成桂「焼きなさい。」
鄭道伝「お断りします。」
李成桂「いいだろう。お前が望むなら玉座を退こう。お前の好きなようにするがよい。協力してやる。ただし、私に国璽を持ってきた時の約束を忘れないでくれ。民の暮らしを豊かにし、圃隱先生に恥ずかしくない国を作ると言ったな。」
鄭道伝「その約束に命を賭けると言いました。」
李成桂「その約束を守れなかったときは覚悟しろ。お前を斬る。」

李芳遠とミン夫人はすでに王になったつもりで策を練っていました。

鄭道伝のもとに私兵は差し出されませんでした。李芳遠が動いたのでした。明の皇帝は李成桂に王子を人質として差し出すように要求しました。明は朝鮮が李成桂の親しい女真族と結託することを許しませんでした。鄭道伝はしばらくは北方政策を中止しよう、明には靖安君李芳遠を行かせましょうと言いました。李芳遠は王子の代表となりつつあることを鄭道伝は警戒しました。

ハ・リュンは李芳遠とミン夫人と策をめぐらせていました。ハ・リュンは李芳遠が明に行っている間に私兵を廃止するつもりでしょうと言いバンウォンに策を授けました。

李芳遠は李成桂に明へ行くと申し出ました。「世子様の前途を阻む愚かな息子ですから。父上にひとつだけお願いがあります。私が帰ってこれなくても私兵の廃止は防いでください。わが一族は私兵を基盤に成長してきました。私兵がいなくなったら一族の礎を失います。私兵まで三峯に奪われたらこの国はイ氏の国かチョン氏の国かわからなくなります。父上、三峯を信じてはなりません。王を否定する悪党です。私は世子になれませんでした。ですが父上の息子です。悪党の横暴を黙ってみていられません。」李芳遠は父に泣き落としの作戦に出ました。李成桂は「お前はなんと愚かな息子なのだ。この愚か者め!おとなしくしていればよいものを、バンウォン、私の息子よぉー。」と泣いてバンウォンを愛しく思い抱きしめました。

李成桂はハ・リュンの知恵を授かった李芳遠に騙されました。

李成桂はイ・ジランと酒を飲んでバンウォンとの別れに涙を流していました。そこにハ・リュンが現れました。ハ・リュンは毋岳(現在のソウル)が遷都にふさわしいと言いました。

無学大師は毋岳を吉祥の地であるとチョ・ジュン言いました。チョ・ジュンは狭すぎると思いました。チョ・ジュンたちは再び連座をして毋岳は都にふさわしくないと言いました。李成桂は官僚たちの諫言を気にしませんでした。ハ・リュンは李成桂に取り入ることに成功しました。李成桂の心は鄭道伝から離れつつありました。

感想

さすがハ・リュンイ・イニム(李仁任)の親戚だけあって王に取り入り王を騙す方法と政敵を罠にはめて殺す方法に長けているようですね。鄭道伝はだんだん李芳遠とハ・リュンに追い詰められていくのでしょう。李芳遠は独裁者タイプで、悪党ですね。あの時代はあまり情報がなかったので独裁政権がどれほど脆いものか、独裁者の死後に国を乱す結果となるかまだわかっていないというか、自分の目先の栄華への欲望しかありませんから李芳遠の政権も腐敗した側近政治、密室政治であったといえましょう。独裁国家の崩壊後は必ずといっていいほど国が乱れ治安が悪くなり血で血を洗う世継ぎ争いになりますから目先の栄華では独裁が最短でいい思いをできていても、次世代以降の国の将来を考えると安定した国家となりませんからね。王権中心主義の弊害は鄭道伝が言ったように愚かな王の代になりますと国民が血の涙を見ることになりますから、どんな政治形態でも最高権力者にすべての執政権を与えるといっぱい国民が死んじゃうわけですね。そしてその結果理想の国が完成を見ることもなく、国力が弱ってしまい、貧しくなってしまう。どんな大帝国もたいていの独裁国の末路はこんな感じでしょう。権力が腐敗すると、腐敗の打倒を大義名分として新しい権力者が出てきますから、延々と弱肉強食の歴史は繰り返されるのですね!王朝を長続きさせるためには、執政者の必死の努力が必要である、これは鄭道伝が物語の中で言った通りですね。まさに鄭道伝が言ってた「王は宰相に政治を預ける」ことで、日本の天皇は政治責任を問われることなく頂点に君臨し続けることができたのですから、まさにその通りだと思います。しかし庶民にとってそれらの時代がよかったかかどうかなんてどれほど関係があったのでしょうか。庶民は生きるのに必死でいつ飢えるか疫病で死ぬかわからない短命の運命にありましたから人間らしく人生を謳歌できた人は少数派だったことでしょう。

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