「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第59話 身分制度の崩壊 あらすじとネタバレ感想
身分制度の崩壊 あらすじ
ヨンシルは昇格したのに下級役人にいじめられていました。そこにチェ・ヘサンがあらわれ「帰りたいやつは帰れ、その前に一仕事ある。おい!」と言いました。兵たちが現れて拷問道具を持ってきました。ヘサンは上官に逆らった罪がわかっていないようだなと下級役人を脅しました。役人と部下たちは仕事を再開しました。奴婢から正五品となったヨンシルは元気がありませんでした。ヘサンはヨンシルを励ましました。「お前は命がけで官服(=世宗)を守りたいはずだ。違うか?」
ヨンシルは明の側室ダヨンとの会話を思い出していました。ダヨンは朝鮮王に認められたヨンシルをうれしく思っていると告白しました。
(あのダヨンでしたか!)
ダヨンはヨンシルにどんなに立派になったか見せてほしいのと話しました。その話を部屋の外でヘサンは立ち聞きしていました。「弱気になるな。絶対に、官服を脱ぐな。王様のおっしゃるとおり才能を発揮すればよい。天文儀器を作ればよいのだ。必ず俺がお前を守る!」
(´;ω;`)ヨンシルとヘサンはおともだち・・・
集賢殿の学士たちは世宗に「国の根幹にかかわる問題です」と反発していました。「君主にとって民は天だ。民が生きるためには食料が必要だ。そのために我々は必死になって働く。それでも反対するのか。天文儀器の重要性がわからぬのか。」
チェ・マルリは天文儀器をあきらめてでも反対する、高麗の時代でどれほど奴婢が国を苦しめたかと世宗に訴えました。「お前は身分制度ごときで国の重要政策を放棄したのだぞ!」世宗はマルリに言いました。
イ・ス「私には王様の説得などできません。王様は私にとって王である前に・・・」
ユン・フェ「こちらへ。ぐずぐずせずに早くこちらへ!」
ユン・フェはイ・スを書庫に連れて行きました。書庫で二人は酒をラッパ飲みしていました。
ユン・フェ「飲まずにはいられない。王様を説得しに行くべきだろう。しかしいくら飲んでも酔えないな。」
イ・ス「珍しく意見が一致しましたね。」
ユン・フェ「私にとっても王様は息子同然です。どのみち王様には勝ち目はないのです。私からは何も言えません。」
イ・ス「わが弟子はどれほど孤独であろうか。」
ユン・フェ「進退両難。この先が心配です。気の毒な王様をどうお守りすればよいのだ。」
重臣たちは世宗の前で座り込み(連座)をしていました。世宗は彼らが連座をやめるまで断食をするといいました。重臣たちはきょろきょろとして戸惑いました。
世宗は一切なにも食べずに水もとりませんでした。昭憲王后はヨンシルの中に未来を見ていると世宗を理解しました。
官奴は家畜と同じだと考えてよいのです。シン・ジャンは文宗(ヒャン)に教えを説いていました。
マルセン敬寧大君とチェ・マルリらを酒の席に招きました。
誰知明鏡裏
形影自相憐
鏡に映るわが姿と現実の私が憐れみあっているなど誰も知らぬことだと張九齢の詩を敬寧君はこれが私の返歌ですと詠みました。
マルセン「私を王を圧迫する輩と思ってください。しかし今こそ王室の力が必要なのです。私は朝廷に機能してほしいのです。奴婢一人のせいで国政が麻痺すれば誰が民や国を守れるというのですか。そなたたちの力も貸してほしい。敵と手を結ぶのも政治だ。敵である私と共存する道を探してもらえぬか。」
マルセンは連座に加わるように成均館に求めたのでした。
マルセンは敬寧君に万が一のことについて話しました。
誰知明鏡裏
形影自相憐
鏡の中と現実は違うのです。反省を促す文に見えますが、欲求を満たせない者(王になれない者)の深い悔恨にも見えます。とマルセンはいいました。
世宗は書物を借りに書庫に来ました。世宗は目の前がぼんやりしているのでここにある書物を探してくれとキム・ムンにいいました。世宗は重臣たちにも断食をさせて飢えた民のことを知らしめてはどうかといいました。「贅沢三昧の重臣に断食など奴婢に官職を与えるより難しいでしょう」キム・ムンはそう返しました。世宗は世間はヨンシルに冷たすぎる、生まれながらの運命より今をどう生きるかが大切だ、運命というなら余も王になる運命ではなかったとキム・ムンに言いました。
キム・ムンは母に会いました。母は卑しい巫女をして生活していました。キム・ムンもまた卑しい生まれでした。「もしも、私がすべてを捨ててここで母上と暮らすといったらどうします?」「余計なことは考えるな、兵判大監についていくのだ、わかったな?」母はマルセンに従うように息子にいいました。
ついに世宗は栄養不足で床に伏してしまいました。
ジョンソ公主は父と祖母の誕生日に会いに行くことができなくなると泣きました。文宗はその話をきいてお前のせいでおばあさまの誕生日を祝えない、もうこれからは二度と星を見ないとヨンシルを責めました。「なぜだ。お前が官服を着ることで父上や母上が苦しむのだ。なぜだ答えろ。」「殿下のお気持ちは、よくわかりました。だからもうおやめください。」文宗は泣きながらヨンシルに官服を脱ぐように命令しました。
ヨンシルは官服を脱いで「王様にこの服をお返しします。そのかわり、王様を苦しめないでほしい」と宮殿に参殿しました。ヨンシルが座り込みをはじめたので重臣たちは連座をしなくなりました。世宗はヨンシルに帰らせろと命じました。「愚か者め、負けるなと、屈してはならぬとあれほど言ったのに」冷たい雨が降ってきました。
ヨンシルは「奴婢には官服を着る資格がありません」と世宗にいいました。「官服を脱ぐだけで済むと思っているのか」と世宗はヨンシルにいいました。
ジョンソ王女は父と約束の場所で雨に濡れて待っていました。
世宗はヨンシルに傘をさしてやりました。「余の体よりこの者の体のほうが大事なのだ。お前が生み出すさまざまな技術が未来の朝鮮を支え続ける。余は絶対にお前を捨てない。お前を捨てれば余は貴重な人材を失う。それでは未来の子孫に申訳ない。余とともに耐えてくれ。なんとしてでも我々は勝たねばならぬ。頼む。余の頼みを聞いてくれ。」ファン・ヒとキム・ムンはその様子を陰で見ていました。
チェ・マルリはチョ・マルセンと手を結ぶしかないのかと苛立ちました。マルセンはこうなったら明に知らせるしかないと思いました。ファン・ヒのところにキム・ムンが来ました。「兵判をとらえればこの問題を解決する糸口になりますか?」「そなたに何か、チョ・マルセンを捕らえる名案でも?」
感想
ヨンシルの身分の問題だけで丸2話も続きましたね。高麗から続く貴族の家柄でないと役人になれないらしいですね。それって「鄭道伝と李成桂」が否定した腐り切った高麗と何が違うのでしょうか(笑)貴族たちがドラマでいってる民って両班のことだけなのでしょうね。くれぐれも「大多数のテレビの視聴者と同じ身分の人」と思わないほうがいいみたい!やっぱり大義名分はねつ造してでも権力がほしいというのが支配者となる人間の本性なのですねー。人間の男性はラクして金持ちになってお金でたらふく食べてたくさんの女性と性行為をしたいと考えるのが本性ですものね。