「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第57話 真の役人 あらすじとネタバレ感想
真の役人 あらすじ
チョン・インジの問にファン・ヒは沈黙しました。
世宗は「これはひどい」と内官からの報告を受けショックを受けました。
政敵ばかりではなくイ・チョンまでもひどいといいました。
チェ・マルリは重臣たちの拒否権の行使に反対しました。「真相は別のところにあるはずです。」
ファン・ヒは「話すつもりはない」といいました。感情的ではないかというマルセンにチェ・マルリは「感情的なのはあなたさまのほうです。政敵の弱点を突いて朝廷入りを邪魔する。その者こそ政治に私情を持ち込んでいます。」といいました。「しかし大監も例外ではありません、なぜ真相を隠すのですか参賛大監さま。あきらめることなどできません。朝廷、いえこの国には大監が必要なのです。」
ファン・ヒ「何をするつもりだ」
チェ・マルリは中年の女性を署経に呼びました。パク・ポの妻でした。「大監(ファン様)、なぜ私ごときのために身を亡ぼすのですか。すべて明らかにするべきだったのです。皆さんはいまむごい暴力から女を救った役人の行為を倫理に反すると責めているのです。」
世宗の内官オム・ジャチたちはチェ・マルリに頼まれてパク・ポの妻を探すことを手伝いました。王は署経にかかわってはいけないのにと世宗はため息をつきました。世宗はオム・ジャチの労が報われることを願っていました。
パク・ポの妻は夫から暴力を振るわれていました。僧侶に施しをしただけで、門の外を眺めただけで責められて妻は殴られたのでした。そして奴婢に妻を強姦させていたのでした。獣以下の扱いをされていたパク・ポの妻は逃げだしファン・ヒに穴を掘ってもらいかくまわれていたのでした。そしていつしかファン・ヒとパク・ポの妻は妻の求めにより通じてしまったのです。亡き上王はこのことは表ざたにしない、だから安心してくらせと言ったのでした。
上王とファン・ヒはパク・ポの妻を世間の醜聞と偏見から守ろうとしたのでした。
ユ・ジョンヒョンは悔しそうな表情をしました。
ファン・ヒはパク・ポの妻にいつでも訪ねてきてくださいと言いました。女性は「どうか、お元気で」と別れを告げました。
ファン・ヒに辞職と意見を求める権利が与えられました。「先ほど私は女性を見送りました。語れば自身が傷つくしかないというのに証言してくれた女性です。その女性にきかれました、後悔はないのかと。その問いに対し私は答えられませんでした。しかし本当は深く後悔しています。私は男らしくありませんでした。武術にたけるほど力があったらこぶしを振るっていたかもしれません。そして一度は心に思った女性をもっと早く救えていたかもしれません。遅すぎたことにただ後悔しています。だから時間が戻ったとしても同じことをするでしょう。しかし反省はしています。一人の女性を暴力から救うこと、その女性と通じることは別問題です。振り返って思うところがあります。私もまた彼女を軽んじていたかもしれません。どうせほかの男に踏みにじられた女だから一晩くらい相手にしても構わないだろう、そう思っていたのでしょう。役人としてもともすると民に対して同じ考えでいたのかもしれません。政治とは民の苦しみから目を背けないことだそう口では何度も言っていました。
偉そうに騒いでいたのです。しかしすべては自己満足で根本的な問題は解決できませんでした。民を抑える必要に迫られると彼らを救うどころか厳しく取り締まりました。かつて一人の女性を軽んじたように民を軽んじたのです。私に許されている命があとどれほどかわかりません。しかし許していただけるならやり直したい。今度こそ私は民に仕える真の役人として生きていきたいのです。」
(長っ)
ホ・ジョは「拒否権の行使は取り下げるべきです。道徳性を問うなら辞職すべきは我らです。相手の弱みにつけ込んで政敵を追放することも不道徳でしょう。役人としてあるまじき行為だと思います。兵判。」
マルセン(兵判)「ファン・ヒは危険人物だ。わからぬのですか。」
ホ・ジョ「それは朝廷で争えばいい問題です。戦わずに策略だけ立てるから王様や若い役人に年寄り扱いされるのです。危険だろうと不道徳な過去があろうとファン・ヒは朝廷に必要です。」
ホ・ジョはファン・ヒが考えた人事の考案を出しました。
マルセン「よほど気に入ったようだな。」
ホ・ジョ「その反対です。まったくの穴だらけで不十分極まりない。しかしファン・ヒのせいではない。人材が足りないからです。署経を受けているのはファン・ヒだけでない我ら全員が受けているのです。政敵であっても優秀ならば認める道義を我らはもっているはずです。みなさんはどう思いますか。」
署経では他人の妻と通じた行為は許せないが過去のたった一度の過ちが足かせとなってはいけない、よってファン・ヒに対する署経で重臣たちの拒否権は行使しないと結論づけられました。ファン・ヒを慕う学士たちは喜びました。
世宗はファン・ヒに亡き父は夢を認めてくださった、不可能な夢をともに歩んでくれる一人を待っているとファン・ヒに言いました。
ヨンシルは明の高貴な女性に正直にあなた(かつて思いを寄せたあなたさま)を利用していると告白しました。女性は欽天監への鍵をヨンシルに渡しました。ファン・オムはヨンシルは皇帝に呼ばれたので高官の衣服を着ているとヨンシルをかばいました。皇帝の側室は一度だけ許すが次は死あるのみだぞといいました。
欽天監(明の天文館)にヨンシルは潜入しました。ヘ・スは「何が目的だ?」とヨンシルに言いました。ヨンシルは呼ばれただけだといいました。ヨ・ジンはへ・スはカンの鋭い男だ、明の技術を知ろうとするな、命はないぞと忠告をしました。皇帝の側室は今夜中に明から出るようにチェ・ヘサンにヨンシルから預かった伝言を言いました。
感想
ファン・ヒの破廉恥な過去が明らかとなりました。もう過去のたった一度の出来事のせいか、軽い気持ちだったというようでファン・ヒも動揺していない様子で終わってしまいましたね。逆徒の妻だったら、やっぱりその後の身分は奴婢なんでしょうかね。ホ・ジョは王様に自分の正しさが認められたことがうれしくて今回はうまくマルセンたちを言いくるめましたね。政敵とはいえ一枚岩ではないようです。ヨンシルはなぜか明の側室と恋仲だったというトンデモ設定でストーリーを受け入れるには無理な話でしたね。そして一番気になるのが「マルセンは真実をしっていた」のでは?と状況的にはマルセンが真実を知っていて利用したのではないかと考えてしまいますがみなさんはどう思われましたか?