「王と妃」 第58話のあらすじとネタバレ感想
功臣ホン・ユンソンの処遇を あらすじ
宮殿でホン・ユンソンがオム・ジャチを殴ったことについて前代未聞で許しがたいことだと王妃はチョン内侍府長に言いました。
私的な感情で内官を暴行したことに都承旨シン・スクチュは怒りました。「オムを殺してから罰を受けます」とホン・ユンソンは開き直りました。
王妃は端宗に首陽大君を呼ぶようにいいました。端宗は都承旨に首陽大君に知らせて議政府で解決するように命じました。チョン内官は都承旨に首陽大君と殿下の仲に亀裂が入らないように頼みました。
端宗は王妃に波風を立てないように注意しました。
都承旨は左右大臣が譲寧大君に招かれていることを知りました。
ホン・ユンソンは宮殿内で暴れてオム・ジャチを探し回っていました。そこに都承旨が表れて「誰がそなたに内官を取り締まれと言った!」と叱りました。ホン・ユンソンはさらに宮殿を探し回りました。チョン内官はオム・ジャチを介抱して隠れるようにいいました。オム・ジャチは文宗大王に合わせる顔がないと泣きました。
首陽大君は都承旨のシン・スクチュが「手に負えない」と相談に来ました。「なんと情けない。法に従えば済むことではないか。蟄居を命じられたオム・ジャチが宮殿にあらわれたのは死罪に当たるのではないか?そんな問題すら処理できないのか」とホン・ユンソンを罰するのではなくオム・ジャチを死刑にしたがっていました。
(せこいことに死刑にしろとは直接言葉で命じませんでした)
「宮殿に入ったことはホン・ユンソンの過ちだ。ホン・ユンソンを罰すればオム・ジャチと恵嬪を罰することになる。だからホン・ユンソンを責められんのだ。ホン・ユンソンは余計な事をしてくれた。」と首陽大君はいいました。首陽婦人は主人を辱めたホン・ユンソンをよく思いませんでしたが桃源君夫人ハン氏は忠誠心からでたものですわと夫人をまるめこみました。
ホン・ユンソンはクォン・ラムとハン・ミョンフェの前で愚痴っていました。「愚か者め」ミョンフェはいいました。ラムは渋い顔をしていました。
チョン・インジは譲寧大君に黙っていないで何か話すように促しました。譲寧大君は「何度考えてもだめそうだ。」といいました。
譲寧大君「イ氏が王になって63年が過ぎた。そのくらいになったら平穏になってもよいものの、現状はそうではない。孝寧大君も私も世宗大王のために玉座を放棄した。私とて玉座に欲はあった。より強い国を築くために父上の意向に従った。世間は私と孝寧大君をどう思おうとこの身を犠牲にして玉座を譲った。今度は殿下がご自分を犠牲にして去られる番だ。」
孝寧大君はそれは違うと何度も口を挟もうとしましたが譲寧大君がこれを封じました。譲寧大君は左相(チャサン、左議政)と右相(ウサン、右議政)や王族に意見を求めましたが皆黙っていました。しかし誰も「間違っている」とは言いませんでした。部屋の外で演説を聞いていた都承旨は来なかったことにして帰りました。
恵嬪は首陽大君を呪う祈祷をしていました。
錦城大君は永豊君から譲寧大君が会合を行っているとききました。
王妃の父は娘に耐えてください「首陽大君に名分を与えてはいけません」といいました。
シン・スクチュはソン・サンムンと酒を飲んでいました。シン・スクチュは首陽大君は王位を狙っているようには見えない、しばらく様子を見ましょうと嘘をいいました。ソン・サンムンは約束だからなと言って出ていきました。
「スクチュはかわってしまったようだな。」「スクチュはもう信用できない。」「近頃スクチュの屋敷にハン・ミョンフェが出入りを。」パク・ペニョンとイ・ゲ、キム・ジルは話し合っていました。
シン・スクチュとハン・ミョンフェは酒を飲んでいました。スクチュは息子に挨拶させました。「息子はまだまだ未熟者で」とスクチュは談笑しました。ハン・ミョンフェは娘をスクチュの息子と結婚させたがっていました。
右議政のハン・ファク(ハン夫人の父)は譲寧大君が端宗に譲位をせまっていると首陽大君に話しました。首陽大君はいつも叔父上がいっている口癖ではありませんかはっはっはっは、気にする必要はありませんと笑ってごまかしました。ハン夫人はミョンフェに笑って済ませたと首陽大君の行動を報告させました。
(ハン夫人は首陽大君を監視しているようです)
首陽大君は桃源君ハン氏に出された茶に手を付けませんでした。
永豊君はホン・ユンソンを罰する力が殿下にありませんと恵嬪に報告しました。二人は泣いて悔しがりました。
「約束してくれ、どんなことがあろうとも世子を守ってくれ。」首陽大君は文宗の言葉を思い出していました。そしてハン氏の見ていないところでハン氏の茶に手を付けました。
ハン・ミョンフェの妻ミン氏はヒャンイから娘がスクチュに嫁ぐ報告を受けました。嬉しそうではないミン夫人。そこに絹と米がハン氏から届きました。「そしりなら私が受けます。心配する必要はありません」とヒャンイは汚れを買ってでました。
首陽大君はスクチュとミョンフェの婚姻の話を喜びました。
端宗はシン・スクチュの意見をききました。ホン・ユンソンの処罰は首陽大君の許可を受けているのでとスクチュが言ったら端宗はユンソンを罷免する命令を下しました。ホン・ユンソンは「オム・ジャチのやつめ!」とジャチを捕らえに行こうとしましたが、それをハン・ミョンフェは止めました。「心配するな。大君様が守ってくださる。この愚か者めが。」ユンソンはミョンフェの言葉の意味が分かりませんでした。首陽大君は端宗を賢明な判断です、死罪にしてもいいくらいですといいました(私が王ならユンソンを無罪にします)。と言いました。
王妃ソン氏は首陽大君夫人の相手をしていました。首陽大君夫人は仏教の水陸斎をすすめました。仏教は禁じられているのでは、と遠慮するソン氏を首陽大君夫人は説得しました。
首陽大君は端宗に王妃の奏聞使を送る決定を承諾し、端宗はホン・ユンソンの身分を1日で回復しました。
ホン・ユンソンは「このご恩にどう報いればよいかわかりません大君さま」と首陽大君にひれ伏しました。楽にしろという首陽大君に、このままが楽でございますとホン・ユンソンはいいました。首陽大君はこれからも力になってくれと新たな命令をユンソンに下しました。首陽大君は司憲府のお前が先頭に立ち綱紀粛正をしろと命じました。功臣、重臣、王族、いかなる者も不正を働いてはいけない、私の家族であっても許してはならぬ、そなたがその役目を引き受けてくれないか?と命じました。ホン・ユンソンはありがたがりました。「私のためでなく、国のためにするのだ、わかったな」「いぇーってーぐんまーに。」
「国のためにとおっしゃった。国のためだと・・・・・・」欲望の解放を大君に許可され感激したホン・ユンソンは「国のために大君に尽くす覚悟でございます」と大きな声で首陽大君の屋敷の前でもう一度ひれ伏しました。
感想
ああ、いよいよ血の嵐が吹き荒れそうです!粛清という名の謀反が。首陽大君にとってミョンフェという策士が必要なのと同じくらいホン・ユンソンという実行部隊が必要なのでした!
シン・スクチュは友人のソン・サンムンにとっては裏切り者(まさに鄭道伝と鄭夢周の関係)ですね。スクチュは将来領議政になるので世祖の忠臣といってもよいでしょう。それにしても首陽大君はせこいですね。端宗にたった一日でユンソンの罷免を取り消させたのですから。しかも王族の決め事と取引するなど王妃とスクチュを同列に扱うなどあり得ないことです。端宗はまだ子供とはいえ、ほんとうに身分の違いに考えが及ばないくらい頭が悪かったのでしょうか。しかしそんな首陽大君をも監視するハン氏(インス大妃)は首陽のさらに上を行っています。シン・スクチュは日本に来ていたらしいですね。『海東諸国紀』に日本は大なりと記していたそうですよ。