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「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第52話 元敬王后の逝去 あらすじとネタバレ感想

「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第52話 元敬王后の逝去 あらすじとネタバレ感想

元敬王后の死 あらすじ

世宗はマラリアにかかった元敬王后を背負って仁王寺に行きました。太宗はいくら大妃のためとはいえ、国法を破るのか、不届き者めといいました。

仁王寺(現在もソウルに実在)、元敬王后は気が付きました。

上王派の重臣たちは世宗派の側近たちを罵りました。

夜の仁王寺の庭には民衆が大妃様のために祈願したいと提灯をもって集まりました。顔中に発疹ができ疫病にかかった幼い子供も大妃さまのために祈りたいといいました。もう寺には来ませんから一度だけ大妃様のためにお祈りをお許しくださいと民たちは泣いて訴えました。

(感動的なBGMが流れる)

孝寧大君は世宗に一礼しました。寺には蓮の提灯が灯され仏塔のまわりを民がぐるぐると回り祈りをささげました。「国是を守るために余民に禁止したのは何だったのか・・・・」

寺にイ・スが上奏をもってきました。「2日です、その後は王宮にお戻りしてください殿下。国王が寺に入り看病するなど国是破りになります。そのうえ王様の不在が長引けば政治は滞り朝廷は再び大騒ぎになります。」

世宗「非難なら真正面から受け止めるつもりだ。全国の寺に命じてすぐに仏事を行わせよ。大妃様の回復を祈願する。わからなくてよい。余が出した命令をただ実行すればいいのだ。王命に背いた臣下がどう処分されるか、そなたはよくわかっておろう。」
世宗は反対するイ・スの説得を押し切り部屋を出てきましたました。

つらくて寺の柱にもたれかかる世宗。
イ・ス「殿下・・・」
世宗「師匠。せめて師匠だけでも私の気持ちを理解してくれませんか。奇跡を願うことしか私にはできないのです。母上は私のせいで叔父上たちを失いました。世間に関心を持つなと兄弟の仲を案じた母上に言われても私は背きました。その結果、譲寧兄上を追い出して王位に就きました。義父上を守ることもできず、母上と同じ苦しみを妻に与えてしまった。これ以上は嫌です。孝寧兄上を罪人にはできません。」
イ・ス「殿下・・・」
世宗「何本もの杭を、数えきれない杭を母上の胸に打ちました。母上を逝かせることはできません。母に時間をあげたいのです。この未熟な息子を思い切り叱れる時間を。そして天が許してくれるなら一度だけでいい。私が母を喜ばせたい。笑わせたいのです。ただの一度でよいのです。母に笑ってもらいたいのです。」
それを傍で聞いていたオム・ジャチは涙を流しました。昭憲王后も草陰で聞いていました。

イ・スは「親への孝行は儒教の美徳のひとつです。王様はそれを実践されているのです。」と上王派にいいました。「イボゲ!仏事だと?従えるはずもなかろう。崇儒抑仏が国是なのだぞ」とユ・ジョンヒョンは怒りました。チョ・マルセン(いつのまにか紺色の官服になっていました)は「言い争っても時間がありません、殿下は親孝行をするために責務を放棄しました。今すぐ都全域に警戒令を発し明国、日本、女真からの使臣を監視せよ。それから中軍将(チェ・ユンドク)とイ参判(イ・チョン)、すぐに北三道に向かい女真族の動きを徹底的に抑えるのだ。国内の混乱は敵に隙を与えます」といいました。

上王太宗チョ・マルセン、お前は何を企んでいるのだ。チェ・ユンドクとイ・チョンは王様に使える武人だ。その彼らを北方に?一方で自分の側近には警戒例を理由に都を掌握させるのか?ではそなたを疑っても仕方あるまい。正直にたくらみを申せ。」
マルセン「もちろん国王の交代です。今の臣下たちは現王を賢者と認めたから王位へと願ったのです。しかしその賢者が勝手をしています。再び国王の交代を考えるのは当然です。」
太宗「そなたは謀反の罪に問われたいのか?」
マルセン「私は絶対の忠心で上王殿下にお仕えしています。それを謀反とは。試験は終わったのです殿下。外交と民生の権限もすべて王様から奪い上王様がお持ちください。上王殿下は禅意を強く望まれていました。継承者として資格があるのか試すためでしょう。国是と国法を破る者に王の資質はありません。感情に流され政務を放棄し国政を麻痺させる者にこの国を治める資格はありません」
太宗「(怒りで唇が震える)」
マルセン「殿下がもう一度統治なさってください。」
太宗はマルセンに背を向けました。

マルセンの側近(集賢殿のスパイ)「上王様は手ごわい相手です。本気で上王様の再統治を望んでいるのですか?」
マルセン「違うと思っているのか?」
マルセンの側近「国王をしのぐ権力が狙いでは?」
マルセン「そうだ。」
マルセンの側近「ならば王様を手なずけるほうが簡単では?それだけの権力をなぜ私が望むのか理由はわかるか?この国を早く安定させたいのだ。国土は狭くとも明国に負けない品格ある国にしたい。同じ思いの王には頭も下げよう。覚えて桶。この国は王のものだけではない。」

世宗は御医に自分の余命についてあとどれくらいか尋ねました。御医は大妃様よりも上王様のご病気のほうが深刻だといえます、政務で御倒れになろうものなら・・・(世に旅立つとでもいうのか?という上王に)恐れ多いことです殿下。孝嬪は立ち聞きして愕然としていました。太宗は孝嬪に大妃には教えないようにといいました。大妃は太宗に悪態をつくことで生きる気力を出していたからでした。

世宗は仏事で母が治るなら廃仏の法律を廃止してもいい、だから反対派を抑えてくれと謹慎を命じられている(もしくは牢屋に捕らえられている)罪人の孝寧大君の側近を呼び出し頼みました。世宗は余が閉じさせたのは人の心だったと反省しました。孝寧大君の側近は「我が国の抑仏政策」には意味があるのですと反対しました。

元敬王后は王宮に戻らなければいけない、このような寺を死に場所にしてはいけないと世宗にいいました。元敬王后は仏事は行わないように世宗にいいました。子を政敵と見た母に天が罰を与えたのですと元敬王后はいいました。「自分で決めたのなら、私情に惑わされず、自由の許されない人生を受け入れなさい。勝手に病気になる権利さえ、母の看病をする権利さえ王様にはありません。王宮にお戻りください。これは母としてではなく生涯を父上の同士として生きた者からの最後の忠言です。」

夜遅くまでヨンシルは明の天文図と朝鮮の天文図を見比べていました。チェ・ヘサンはいい加減に帰ろうといいました。そこに世宗が戻ってきました。「天の怒りではない。余が戦いを挑んだことで天が怒り、余ではなく母上に苦痛を与えているとは思いたくない。」ヨンシルたちにはしばらく理解できませんでした。病気の元敬王后は王宮に戻りました。太宗はにこやかに妻を迎えました。世宗は仏事をやめました。

世宗「これで満足か?余の持つ権限を奪うように上王様に諫言したときいている。」
マルセン「・・・・・・。」
世宗「余は仏事を取り下げ政務に戻った。つまり、そなたの勝ちということだ。そなたはかなりの勝負師とはきいていたが、この結果には満足か?」
マルセン「政治は勝負ではありません殿下。愚かな民を強化することにあると思います。さまざまな要求を整理し、調和させることもです。」
世宗「今日は政治についてひとつ教わった。ヒョンパン大監、あとは調和のとれた国を作るだけだ。違いますか?通せ」
待機していた議政府参賛ピョン・ゲリャンが入室しました。

世宗「横暴は阻止するが伝統は絶やすな。儒学が国是であるにもかかわらず依然として仏に帰依する民がいる。その現実を考えて余が出した結論である。議政府参賛、寺への規制は続けていく。仏を信じる民を惑わし権力を狙う者はそなたが徹底して捕らえよ。兵曹判書は寺へ行く民を乱暴に扱う役人がいれば取り締まれ。だが国是はあくまで儒学である。議政府と六曹の長を説得して仏教よりも儒教に関心をもつように民を導く方法を探れ。これでどうかな?そなたのいう調和とはこういう意味であろう?」
マルセンは反論しませんでした。

儒教を中心とする国造りを任せられたホ・ジョたちは、戸惑いました。
マルセン「仏教の広がりを止められないときはわれらが無能といわれます。これからの政治が楽しくなりそうだ。」
暇を持て余してい世宗を攻撃していたマルセンたちに大きな任務が与えられました。

元敬王后を昭憲王后が世話をしていました。もう来てはなりませんと弱り切った大妃はいいました。「おままま・・・。」大妃は王妃の手を握りました。「私の娘よ、そなたが不憫でならぬ。ただ正直に生きればよい。決して我慢をせずに思うようにいきなさい。そなたの夫は妻の両親にまで非常な行動をとったのだ。憎みたければ好きなだけ憎めばよい。いつか憎むのに疲れた時が来たならそのときは考えてほしい。そなたは一人の男の妻ではない。どれほど嫌がってもこれだけはどうしようもない。国母としての運命を背負っているのだ。だから考えてほしい、もしかしたら、この世で国母が最も憐れむべき民は国王かもしれぬ。この国の王かもしれないと。」昭憲王后は元敬王后の胸で泣きました。「おままま・・・・。」(感動的なBGM)立ち聞きしていた世宗も涙を流しました。

太宗「病気の体に風はよくない。」
元敬王后「あなた、本気で私を心配しているのですか?」
イ・スは裁可前の法律を持ってきました。
イ・ス「王妃様のお言葉が政策に役立ちましたので、民に交付する前に大妃様にぜひ裁可をとっていただきたいのです。」
太宗はイ・スにうなずくとイ・スは下がりました。
太宗と元敬王后は世宗の法律を読みました。「国是は守りながらも、民の心から自由は奪わない、そういう意味ですね。」
太宗「すべてに満足できなくても息子のためだと思って気持ちよく裁可をしてやるのだ。」
元敬王后「私たちの子、我が息子は立派に育ったのですね。あなたよりももっと立派な国王になります。(もう、無理はなさらぬように。ここまでくるのにあなたもあなた自身もずいぶん苦しかったことでしょう。)」元敬王后は涙を流して息を引き取りました。

太宗「(そなたはいつも私にとっても、国にとっても十分すぎる人だった。私にとっては賢い妻でありこの国にとっては心の広い母だった。そして生涯をともにした私の同士だった。)」

感想

なんと世宗はお寺にいってしまいましたー。いつもならマルセンたちが座り込みをするはずなのですが、なぜか今回は太宗までもいつも優しいですw世宗の政敵から殺気が消え失せて、いったいどうしたのでしょう。この変わりよう。善意だけで政敵から殺気が抜けるなどということはどこの国にもありえないことです!

今までの殺し合いが今回で大妃の死でいったん丸くおさまった!という形になりました。

あんなに殺しあっていた人たちが、仲良くなっています(笑)

仏教は信じる者にとっては救いであっても、利用する者にとっては信者はよいカモ、金づるであり、腐敗の根源であるのは今の時代も変わりあしませんね!

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