「王と妃」 第49話のあらすじとネタバレ感想
あらすじ 恵嬪と錦城大君
オム・ジャチは恵嬪に端宗から首陽大君暗殺の密命を受けるようにすすめました。端宗を守るにはそれしかないとオム・ジャチはいいました。首陽大君の功臣であるオム・ジャチを恵嬪は叱りました。オム・ジャチは安平大君が端宗を殺そうとしたので首陽大君に従ったのですと言い訳をしました。オム・ジャチは首陽大君の増長ぶりは安平大君に劣りません、功臣達の横暴さも目に余ります、自分の腹心ばかりを徴用して王位に欲があるといいました。恵嬪は首陽大君は王位に欲はない、首陽大君に罪を着せる名目がないといいました。オム・ジャチは首陽大君が端宗を守るのではなく王位に就く野望があることを暴くのですと恵嬪を唆しました。恵嬪は自分が下手に動けば殿下のお命が危ないと誘いを断りました。オム・ジャチは大王世宗と文宗殿下がお空から見ておられますと泣き落としにかかりました。オム・ジャチは文宗の霊廟に必ず首陽大君を殺し御恩に報いてみますと誓いました。
恵嬪はオム・ジャチの忠臣ぶりに涙を流していました。恵嬪は永豊君に命令を耳打ちしました。部屋の外では女官が耳をそばだてていました。女官は内官にきいたことを伝えました。
ミョンフェの家では功臣たちが酒を飲んで騒いでいました。酔ったクォン・ラムはホン・ユンソンに忠臣ならことあるごとに挙兵を口にしたりはせぬと本音を言いました。ホン・ユンソンの口に火がつき我々は首陽大君の命の恩人だと尊大にふるまいました。「イノミ」と立ち上がるクォン・ラム。ユンソンはキム・ジョンソは自分の子分だけを引き立てて我々は何度も科挙に落とされてきたと不満をぶちまけました。クォン・ラムは首陽大君は王位などねらっていない、功臣なのに大君を貶めるのかイノミと怒りました。兵曹参判はイノミと料理の乗った机をひっくり返しました。ハン・ミョンフェは舟をこいだ振りをして喧嘩にかかわらないようにしていました。
クォン・ラムとハン・ミョンフェだけがひっくり返った机で散らかった部屋に座っていました。ミョンフェはせっかく就けた地位が危ういので彼らは冷静ではいられないといいました。ミョンフェは首陽大君が凋落すれば先に火がつくのは功臣たちだといいました。首陽大君がおられる間は端宗殿下は政治などできないだろうとミョンフェはいいました。誰かが首陽大君を粛正しない限り大君は引かないだろう、それくらいわかるだろう?とハン・ミョンフェはいいました。「大君が甥を殺すわけには・・・」というラムに対し、ミョンフェは譲位させればよいのだといいました。
永豊君は首陽大君が婚礼が終わったら辞職するといっていたことを錦城大君に教えました。端宗の婚礼が終わったのに大君は領議政の座に居座り続けているのでした。
酒に酔った勢いでクォン・ラムは首陽大君に本心を確かめにいきました。大君は私を疑わないでくれといいました。ラムは「もしも天命だったらどうしますか?」と聞きました。「何を言うのだ」という大君に「お望みなら手伝います、端宗殿下を守れというなら守ります」と忠誠心を見せました。「私は孝寧大君がうらやましい」首陽大君はそういってクォン・ラムに帰るようにいいました。
ラムは首陽大君の秘書のイムにききました。「大君さまにまたやれといわれたらどうする?」「何百回でも何千回でもやります」とイムはいいました。クォン・ラムははっはっはっはと笑って去りました。
首陽大君の希望どおり恵嬪を宮殿から追い出すためにチョン・チャンソンたちが動き始めました。恵嬪はたとえ死んでも首陽の言いなりにはならないといいました。官僚たちは規則通り宮殿から出ていくべきだと口をそろえました。
出遅れた、チャンソンに後れをとったとホン・ユンソンはハン・ミョンフェのところに行きました。ミョンフェはチャンソンが厄介なことに首を突っ込んだなと言いました。
シン・スクチュは吏曹判書のチョン・チャンソンが端宗に恵嬪だけが宮殿に残っているので拝謁したいといいました。端宗は恵嬪は祖母なので出ていく必要はない、下がらせよといいました。チャンソンの行為は宮中のしきたりに反するものでした。チャンソンは部屋の外から端宗に向かって大きな声で言いました。端宗はそれをきいて首陽大君を呼ぶようにいいました。とうとうチョン・チャンソンは座り込みをして端宗に叫び続けました。
首陽大君は女命婦に任せるように指示しました。端宗を首陽大君は助けませんでした。
困った端宗に王妃は私に任せてください、ご心配しないでくださいといいました。王妃は都承旨のシン・スクチュにチョン・チャンソンを下がらせよと命じました。王室のことにはかかわってはならない、手続きを無視してチャンソンを連れてきたのは内官のせいでもありますといいました。
(銅鑼がどびゃーんと鳴りました)
チャンソンは内官のチョンの兵によって追い出されました。チャンソンは大君に言いつけてやると怒って執務室を出ていきました。余計な問題を起こしたチャンソン。チャンソンは不満を首陽大君にぶちまけました。これは女命婦の問題だという首陽大君に、必ず恵嬪を追い出して見せますとチャンソンは意気込みました。
ホン淑嬪は恵嬪を追い出すのは親不孝だと端宗に助言しました。もうすぐホン淑嬪もしきたりに従い宮殿をでなければならないので自分の身が心配なのでした。オム・ジャチは恵嬪に好機を逃してはならないといいました。恵嬪はオム・ジャチを私の策士だと褒めました。
賢い王妃は恵嬪を守れば首陽大君の気勢がそがれるといいました。王妃の父は首陽大君に逆らうと窮地に立たされるのではないかと心配しました。王妃は譲歩しても無事ではいられません、譲歩するほど大君の欲望の炎は燃え上がりますと首陽大君の心を見抜いていました。王妃は父と母の長寿を願いました。
桃源君夫人ハン氏は首陽大君が崖に追い詰められるほど好都合だといいました。そのほうが首陽大君の本性が現れ大業がなされるからでした。
感想
恵嬪も錦城大君もオム・ジャチも悪人ですが、首陽大君の本性と比べたらまだ文宗への忠誠心を誓っているだけまだマシといえましょう。なんといっても首陽大君の本性は謀反心そのものですから。
そして首陽派のチョン・チャンソンとホン・ユンソンも実態は敵同士であることがわかりました。道徳心を大事にして禁欲的だったクォン・ラムもとうとう正気を失って欲望に目覚めてしまいました(笑)
欲望に目覚めた人間の本性は悪ということでしょう。みんなが正気を失えばどんな悪いことだってできてしまう、それが人間の本性であり、権力の簒奪者の動力源なのです。
人間に欲望がある限り平和になることはありません。現に戦争がなくても町が消えるほどの自殺者や犯罪や不正による被害者がいるのです。平和な世の中とはいえ人々の中にいる限り、気が休まる日はない、それが人間の本質なのであります。