大王世宗(テワンセジョン)66話 チョ・マルセンの反乱
あらすじ
世宗は女真族の帰化と屯田の廃止と民への土地の分配、両班への租税の監視の強化を強行する決意をしました。重臣たちは「アニニダー」と反対し、申聞鼓(シムンゴ)は鳴りやみませんでした。
挙兵を決意したチョ・マルセンに黒装束の兵はマルセンを捕らえました。
オム・ジャチおじさんは立派になりましたねとオ・マクチ(北三道の民)は言いました。オ・マクチは覚悟を決めましたと涙を流しました。
タミはマクチを行かせた弟分を殴っていました。マクチが殺されてしまうといいました。
チェ・ヘサンとヨンシルたちは放火犯を捕まえました。ヘサン「チャン・ウォンマンは?」イ・スは両班のチャン・ウォンマンとキム・ドリョンを放火の罪で捕まえました。「放火の主犯はほかにもいる!チョ・マルセンが主犯だ。私ではない、違うのだー。」
マルセンの前に世宗とユンフェたちが集まりました。
チョ・マルセン「やはり、王になる器ではないようだ。」
敬寧君「そなたの操り人形はもうごめんだ。」
世宗「同副大監(ユン・フェ)、人払いをせよ。」
ユン・フェ「しかし・・・・・・(といって頭を下げて下がる)」
オ・マクチは縛られていました。「捕らえるなら私を!」タミはマクチをかばいました。マクチは倉庫に放火したことを自白したのでありました。「許してくれ。一日でも人間らしく生きたいんだ。」
世宗「怖いか?今すぐ軍令を出せ。都へ集結する予定の兵を戻すのだ。この件をなかったことにすれば助けてやそう。」
マルセン「敬寧君のためですか?王族だから、お助けになると?」
世宗はこぶしを握り締めました。
世宗「そなたはまことに見上げた男だ。この期に及んでまだ余に皮肉を言うとは。放火だけでも民心は荒れている。余計な混乱は避けたい。そなたの選択次第だ。おとなしく軍部の混乱を鎮めるか、それとも死を選ぶか。」
キム・ジョンソ「チョ・マルセンを今すぐ捕らえて処刑すべきです。」
ファン・ヒ「まあ、落ち着け。」
キム・ジョンソ「あの者のためにどれだけ尊い命が消えたことか。」
チェ・マルリ「放火犯でなくてもチョ・マルセンは死ぬべきです。商団の二重帳簿です。チョ・マルセンへの上納はキム・ドリョンが管理を。」
チョン・インジ「チョ・マルセンが官職を売って得た賄賂の目録になります。土地から銀貨まで様々です。」
シン・ジャン「主に北方で活動する商団に対し利権を保証する目的で得た上納の目録です。」
キム・ムン「彼らからの賄賂が最も多い。理由を説明しろ。」
キム・ドリョン「朝鮮に渡ってきた女真族を捕まえて奴隷として売ることを黙認してくれた。」
チャン・ウォンマン「人身売買は儲かりますから元手は必要ない。」
キム・ドリョン「ネイノン、黙っていろ!」
賄賂の総額は780貫となり、大明律の定める死刑基準は80貫で死刑を10回請求できるとチョン・インジらは言いました。
キム・ジョンソ「迷う理由はありません。」
メン・サソン「チョ・マルセんを捕らえろ!」
世宗のもとに知らせが届きました。
ファン・ヒ、メン・サソンたちはマルセンが捕まらないことを危惧していました。
イ・ス「厳戒令を出せばやつらの思うツボだ。」
ファン・ヒ「それこそまさに内乱だ。」
世宗「なぜ金が必要だった。そなたは理解できぬ。何を企んでいたのだ。金で官職を買った者たちは圧制者となり余の民たちを飢えさせる。安保安保安保、そなたは安保という手札で余を脅してきた。安保を命より大事にしていた者が北方から兵を撤収させる?国のことはお構いなしか。自分が権力を握るためなら国が滅んでも構わぬのか!」
マルセン「この国は、私の国でもあります。安保・・・兵を撤収しても北方は問題ございません。明に反乱の兆しが見えます。永楽帝の次男で皇帝の叔父朱高煕が首謀者です。イ・マンジュ(女真族の棟梁)が朱高煕に付きました。マンジュの兵は朝鮮ではなく明に向かうでしょう。」
イ・マンジュたちは皇帝に捕まり朱高煕の陰謀は見抜かれ陰謀は制されました。朱高煕は拷問されました。
世宗「そなたの忠誠心を得られなかったのは残念だ。そなたに残された道は何だ?」
マルセン「部下の前で処刑してください。」
世宗「余に忠誠を誓い命乞いをしてはどうだ。」
マルセン「お断りします。殿下が目指す朝鮮と私の目指す朝鮮は違います。部下たちの前で私を殺してください。私を見せしめにすれば部下たちも反旗を翻しません。これが、私が殿下でなくこの朝鮮に捧げることのできる唯一の忠誠です。」
世宗「だったら望み通りにしてやろう。」
臣下たちはマルセンを賜死にすべきだと世宗に言いました。世宗は流刑にすると命を下しました。
敬寧君は「もし私のためなら賢明とはいえません。」と言いました。
世宗「兄上は最後に謀反心を捨てました。その理由がわかりますか?少なくとも我々には相手のことを思いやれるだけの信頼関係はあったということです。しかし、チョ・マルセンの場合は私は彼を牽制しようとしてばかりで説得する気持ちも思いやる気持ちもありませんでした。王が慈悲を与えれば臣下は信頼を返す。以前、私が父上に申し上げたことです。今度は私がその言葉を実践する時です。」
キム・ジョンソ「政事復ー(チョンサボく、正しい政事よ、戻れ)、政事復ー、この地の政治は死にかけている。法と秩序を無視し確かな証拠のある罪人を権道で守るという王様を止めるのです。それが朝鮮の政治を生かす唯一の道です。」
キム・ジョンソは白い絹の服を着て屋根の上に上がり、チョンセーボーと叫び続けました。
北三道の民たちは解放されました。タミは上書を内官に渡しました。「今後は何が不満なんだ?」
チェ・マルリ集賢殿の学士たちは「暴君に本など贅沢です!」と本を燃やしました。チェ・マルリは辞職上疏をメン・サソンに渡しました。
敬寧君の母は涙を流してこの御恩を返させてくださいと世宗にひれ伏しました。世宗は「母上」と呼び義母を労わりました。昭憲王后も義母の改心と世宗の寛容に感動していました。
チェ・マルリは出仕を断り家で畑を耕していました。
ピョン・ゲリャン「側近を失っても政敵を守る者。それを世間は聖君と言う。」
キム・ジョンソは牢に入れられていました。
世宗「酒でもどうだ?」
キム・ジョンソ「公務中ですので。王の過ちを指摘するほど大事な公務はありません殿下。」
世宗「ではこれはどうだ?北三道の民がくれた上疏だ。これなら読むか?」
キム・ジョンソは上疏という名の北三道の民が喜んでいる絵を見ました。そこには世宗と民と内官、そしてキム・ジョンソたちが笑顔で描かれていました。
世宗「彼らはこうして皆が笑いあえるような世の中を望んでいる。北三道はいつ戦禍に見舞われるかわからない。民の笑顔と楽しい暮らしを守って才能、それを少しでも備えた者は、余は捨てられない。少し時間を与えてもよいではないか。それでも反省せず朝鮮の真の臣下にはなれぬと判断したら、その時はチョ・マルセンを捨てる。」
チョ・マルセンは牛車にひかれていました。
チェ・マルリ「上機嫌のようだな。そなたに名誉の意味が分かるならこの場で自害しろ。できぬか?勇気がないなら私がやってやる。」
チョ・マルセン「翼を失っても鳥は鳥だ。生きていればいつか機会がやってくる。集賢殿が揺らいだらそれこそ私が翼を治して戻る早道となる。そのときはお前だけでなく王様をとことん踏みつけてやる。はっはっはっはっははーっはっははは。ふはははははは。」
世宗は黒焦げになった本を撫でていました。チェ・マルリは書き直した本を世宗に渡しました。「暗記した本が燃えてしまったのです。断っておきますが、王様に反対して勝つ自信があるから戻ったのです。」
世宗「よく戻った。では何から始めようか。」
世宗と集賢殿の学士たちは両班と民が満足する税制について論じあいました。
感想
あと3週間ほどでテワンセジョンも終わりですね。ちょっと寂しいですね。しかし話が無茶苦茶ですね。キム・ジョンソが屋根の上に上がってチョンサボクを唱えた事件は本当にあったのかな、ほかのドラマでも同じことをやっていましたね。そしてマルセンですね、敬寧君を殺したくないからマルセンを処刑しなかった、これが本音なのかもしれません。もしこのことが史実だったなら、チョ・マルセンの力の強さがうかがい知れますね。