「大王世宗(テワンセジョン)」(全86話) 第65話 泣き虫タミのあらすじとネタバレ感想
65話 泣き虫タミ あらすじ
タミは世宗の本と惨状を絵にした手紙を渡しました。
敬寧君はマルセンに会っていました。
敬寧君「放火の主犯はそなただろう。」
チョ・マルセン「いまさら言ってどうなりますか?」
敬寧君「官職を売買して得た裏金や商団からのわいろ、それらを守る権力欲しさに都に火を放ったのか?」
チョ・マルセン「それはよりよい朝鮮を作るためです。奴婢がのさばり蛮族の穢れた血が混ざる。それを極度に嫌う者たちがささげた愛国資金です。」
敬寧君「私欲ではないというのか?」
チョ・マルセン「言ったはずです。私が求めるのは調和です。個人の利益と公益の調和が大切なのです。忠臣の支持も金で買うことができます。王子様は金で我々を指示した者には愛国心のかけらもないと思うのですか。」
敬寧君「私は今よりも正当なやり方で王様と戦いたい。」
チョ・マルセン「王子様は正面から戦いに挑んでも王様にはなれませんよ。王様の資質不足で王子様を選んだのではないのです。純粋なふりをして私を諭すのはやめてください。私がかきあつめ王子様が汚いとおっしゃる金こそが玉座に就くための最大の武器なのです。王様に告変でもなさいますか。お好きになさいませ。ですが玉座を狙ったことも知られますよ。お忘れなく。我々は同じ船に乗っているのです。」
世宗はタミの持ってきた絵を一枚一枚見ていました。女真族が北三道の民を殺し、役人たちが民から物を奪い、孤児たちが飢え死にしたり凍死して母は凍える手で子供を埋葬するための土を掘り凍傷で手を失っている様子でした。世宗は涙を流しました。
北三道の民たちは蜂起して王宮に向かいました。「国王でてこーい。そのツラを見せろー!」
チョ・マルセンは放火の罪を北三道の民のせいにして彼らを皆殺しにする命令を下しました。
「やめよ」世宗は兵を止めました。世宗は民の前にひざまずきました。「余はなんと罪深き王か。民を天をあがめると口で言いながら、そなたたちの苦しみを察してやれなかった。いや、ともに苦しまなかった余を決して許すな。敵の刃からそなたたちを守れず家族の命を守ってやれなかった。その悲しみを分かち合わなかった余を、愚かな王を許すな。この不徳の王をそなたたちの手で罰してくれ。」世宗は民の前で涙を流しました。昭憲王后もその様子を見ていました。
プンゲ「大君ママだ。俺たちが慕っていた譲寧大君様だ。俺を・・・覚えてらっしゃいますか。俺が地面に絵を描くたびにおじさんが・・・」
世宗「将来、立派な絵描きになるぞ。」
プンゲ「そうです。俺があの時のプゲです。絵をほめてもらったプンゲです!」
世宗「オ・マクチ、いまだにわんぱくでタミを困らせているのか。」
マクチ「姉貴は、どこですか?」
タミ「皆頭が高いぞ。王様の御前で無礼だぞ」
民たちは地面にひれ伏しました。
(´・ω・`)
マクチ「我々を、まもってくださいますか。」
世宗「余を、もう一度信じてくれぬか。」
民たちはおいおいと泣きました。
ホ・ジョ「逆とに謝罪などありえないことです。今からでも鎮圧のご命令を。身分の秩序を正し女真族の帰化を全面撤回なさるべきです。なりません。チューナー」
世宗「余が王位につき8年、そろそろ見直しが必要だと思っている。その見直しの中心には民への愛する心がなければならないと考えている。身分を理由に登用しないことも帰化を望みに命がけで来た者を追い出すこともその原則に反することだ。」
キム・ジョンソは世宗の命令で北三道の民を連れて孝寧大君の寺に保護を頼みに行きました。そこに都城の民を装ったチョ・マルセンの手下たちが来て北三道の民に暴力を振るい始めました。イ・スは騒動を鎮圧するために来ました。キム・ジョンソはタミをかばってやりました。マルセンの策略で都城の民の敵となった北三道の民たちは恨まれる存在となりました。
キム・ジョンソ「逆の立場(女真族の立場)になった感想は?仲間の中に放火犯がいたら?お前たちも彼らにとっては敵だ。悔しくないか?わずかな放火犯のせいで全員が敵とされるのは不条理だろ?今後は敵と敵の民を区別したほうがいい。」
キム・ジョンソは民の肩を叩きました。
マクチは都城の暴徒のふりをしている民を装った人間の中に放火犯がいるのを見つけました。
世宗は屯田を廃止し土地のない貧しい北三道の民に分け与えると言いました。重臣たち、チェ・ヘサンまでこのことに反対しました。世宗は軍備に別の資金源を与えると言いました。
ユン・フェ「土地の肥沃度と豊産性により等級をつけて取り立てる税額を決めます。租税の決定には敬差官を派遣して不正を監視します。私田を持つ地主には田制詳定所に個人の私有地を申告させます。」
ホ・ジョ「士大夫が反対します。」
世宗「士大夫を説得させるのはお前たちの義務だ。この国の両班は士大夫たちの国でもあるのだぞ。」
ファン・ヒはユン・フェに政治的に悪用されないように手を打とうと言いました。
申聞鼓(シムンゴ)が税制に不満を抱く両班たちによって延々と鳴らされつづけました。
世宗は敬寧君と孝寧大君を呼び土地を返すように言いました。世宗は王室が模範となり申聞鼓(シムンゴ)に込められた利己心を諫めるのが目的だと言いました。
チョ・マルセン「王様は朝鮮を台無しにしておられる。朝鮮の民すべてを敵に回し女真族を養う。これは五千年間単一民族を誇った純粋な朝鮮の血統に蛮族の血を混ぜることだ。決して朝鮮のためにはならぬ。そなたは賢い。今こそ何がこの国のためになるか結論を出すべきだ。」
チョ・マルセンはチェ・マルリを誘惑しました。
チョ・マルセン「王子様は運のよい方ですな。何の手を打たなくても王様は民を敵に回された。あとは王様に背を向けた民心を己の下に集め、玉座への道を歩むだけです。」
チョ・マルセンは敬寧君を唆しました。
チョ・マルセン「北三道(プクサンド)と下三道(ハサムド)に知らせを送れ。"ついに時がきた。いざ立ち上がれ。新たな国王を立て新時代を開こう"と。」
感想
いよいよチョ・マルセンが敬寧君を利用して謀反を実行しました!世宗もさっさとマルセンを倒しておけばよかったものを、彼も役に立っているといって重用していましたね。そして移民問題!意地悪い貴族の人間たちは利権が奪われることを恐れています。貴族にとって利権とはすなわち民たちが虐げられることそのものであり、少しでも民を保護すればそれは貴族を脅かす脅威として映るようでした。悪党だらけの世の中で、世宗はよくやってますね、太宗や世祖みたいに悪党になったほうが簡単(で苦しさは同等)なのに。しかしマルセンもバカですね。朝鮮がほんとうに純潔の単一民族だと思っているならアホでしょう。昔は民族ごとにわかれていたから複数の国があったわけで、高句麗や渤海なんて北方の文化ですから、百済とは文化が違います。李成桂も北方の民族ですし。かくいう私たちも南と北以外のほとんどは大陸からの渡来系ですし。