オクニョ31話のあらすじと感想
あらすじ
朝鮮の国王の明宗はお忍びでオクニョに会いました。オクニョは近くの酒場の個室に明宗を案内しどうして会えなかったか尋ねました。明宗は遠い所に出かけていたと答えました。オクニョは都城(トソン)はたいへんだったと言うと、明宗はチョン・ナンジョンが薬剤を買い占めたことは知っていると言いました。
「これでも私は主上殿下の密使だ。チョン・ナンジョンの奴といえども今回ばかりは罪を逃れることはできぬ。見ていろ。ところでしばらく会わないうちにやつれたな。目を見たらわかる。話してみよ。」
「・・・・・・。私の母が誰に殺されたのかわかりました。私の母は宮中の女官でした。身重の身で何者かに斬られ、典獄署(チョノクソ)の前で倒れて私を産んで亡くなりました。」
「誰がそなたの母を殺したのだ?言ってみよ。ん?」
「ユン・ウォニョン大監が放った刺客です。」
「何だって!?」
明宗は驚きました。
ユン・ウォニョンは義禁府に行きナンジョンに会わせろと兵士を蹴りました。キム・テジョンはユン・ウォニョンに帰るよう厳しく言いました。
オクニョは酒場の前で明宗に別れの挨拶をしました。
明宗はオクニョにユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンにむやみに挑んではいけないと言いました。
オクニョは帰りました。
明宗は嬉しそうにオクニョを見送りました。
オクニョは養父のチ・チョンドクの家に帰りました。チ・チョンドクは温かくオクニョを迎えました。
王宮の門前。
明宗は供をしていたハン・ジェソに平市署(ピョンシソ)に寄りたいと言いました。
チ・チョンドクの家。
「実はお前に黙っていたことがあるんだ。私が母の形見といって指輪を渡したことがある。お前の母の形見はあれだけじゃない。それは高貴な女人(にょにん)が使う簪だった。真ん中には見たこともない青い宝石があってその周りには真珠や琥珀や高価な宝石が散りばめられていた。隠していてすまない。お前の母さんは誰かに斬られただろう?だからその簪がお前に災いをもたらしそうで怖かった。お前が大きくなるまで当分は俺が預かっておこうと・・・だが問題が起きた。」
チ・チョンドクはユ・ジョンフェがチョン・ナンジョンに簪を献上してそのせいで内禁衛(ネグミ)に連行されたことを話しました。
明宗は平市署(ピョンシソ)で遅くまで仕事をしているユン・テウォンに会いました。
「お前のおかげで疫病の騒ぎは収まった。チョン・ナンジョンが捕らわれたことは知っているか?内禁衛(ネグミ)が調査しているゆえじきに真相がわあるだろう。お前の手柄を表立って誉められぬ。お前が話したと知ればユン・ウォニョン大監もだまっていないからな。」
「私も褒美は望んでいません。どうぞお構いなく。お話があるのではありませんか?」
「お前こそ私に聞きたいことがあるのだろう?オクニョのことだ。あの娘とはどんな仲だ?」
「オクニョが典獄署の茶母(タモ)だった頃、私は典獄署に投獄されました。オクニョはまだ子どもで、私はゴロツキでした。その時の縁が今も続いています。殿下はオクニョとどうやって知り合ったかお尋ねしても?」
「私は身分を隠して典獄署(チョノクソ)を視察した。その時会った娘が聡明で世間に明るく王宮にいては分からぬ民の実情を知るため会っていたのだ。」
「オクニョは塩の官軍への納入の件で官婢になったのは御存じですか?」
「聞いている。もうそのようなことは二度とない。私はオクニョに会い世の中の実情を聞くためにもオクニョに私が王だという正体は知られてはならぬ。わかったな?」
「はい殿下。」
テウォンが答えると、明宗は立ち上がり帰ろうとしました。テウォンは明宗を見送ろうとしました。
「いや。ここでよい。またそなたを訪ねたい。構わぬか?」
「はい殿下。」
内禁衛(ネグミ)。
キム・テジョンはチョン・ナンジョンを尋問していました。チョン・ナンジョンは熱病んい備えて薬剤を大量に買っただけだと答えました。キム・テジョンはなぜ疫病が流行した時に薬を放出しなかったのか怒鳴りました。
「何をいつ売るかが商売だ。お前に言われる筋合いはない!」
チョン・ナンジョンはキム・テジョンに言いました。
ハン・ジェソはミン・ドンジュとトンチャンを拷問していました。ミン・ドンジュもトンチャンも答えませんでした。ハン・ジェソは部下に拷問を加えさせました。ハン・ジェソはキム・テジョンに呼ばれて部屋から出て行きました。ミン・ドンジュはトンチャンに弱気にならないように励ましました。
文定大妃(ムンジョンテビ)はユン・ウォニョンに明宗に真相を教えた者を突き止めるように命じました。二人はチョン・ナンジョンが自白することを恐れていました。
キム・テジョンとハン・ジェソは明宗にチョン・ナンジョンが口を割らないと報告しました。明宗は必ず自白させ、部屋にイ・ジョンミョンを連れてくるように命じました。
テウォンはコン・ジェミョン商団に行きました。コン・ジェミョンはテウォンを誤解して機嫌を悪くしていました。テウォンはチョン・ナンジョンが内禁衛(ネグミ)に捕まったと言いました。
「思う存分やってください。チョン・ナンジョンの商団を配下に納めるのです。」
テウォンはコン・ジェミョンに言いました。
「なぜ俺に教えてくれなかった。」
「俺を信じないからでしょう。俺は兄貴を信じてるのに兄貴は俺を信じないんですか?」
テウォンとコン・ジェミョンは仲直りしました。
オクニョはハン尚宮に会い母が遺した物は指輪だけでないと高価な簪のことを話しました。ハン尚宮はオクニョの話を聞いて驚くと部屋から出て行きました。ハン尚宮は部屋に戻ると同じ物を持ってきて見せました。オクニョは養父ならわかると言いました。ハン尚宮は今日中に簪を返すように言うとオクニョにそれを渡しました。
簪を受け取ったオクニョは典獄署に行きチ・チョンドクに会い簪を見せました。
「おじさん。これよ。」
「これだ!まさしくこれだ!オクニョや。また危ないことをしてるんじゃないだろうな?」
オクニョはハン尚宮に会うと簪を返しました。ハン尚宮は深刻そうな表情を浮かべると簪をもとにあった場所に戻しに行きました。
チョンドンはマンスともうじきチョン・ナンジョンは終わりだと話していました。チョンドンが酒場に来ると、ヨジュはトンチャンの部下に荒らされたと言いチョンドンとマンスに身を隠すように言いました。
トンチャンとマンスは走って逃げました。トンチャンはヤン・ドングを呼び出すと袋一杯の賄賂を渡しました。トンチャンはヤン・ドングに頼みごとを耳打ちしました。
チョンドンとマンスはヤン・ドングに縛られ典獄署に連行されました。ヤン・ドングはユ・ジョンフェに二人を頼むと言いました。ヤン・ドングは七番の牢に二人を入れるようにチ・チョンドクに命じました。チ・チョンドクは七番というと両班や裕福な者が入る牢だと戸惑いました。
「おい。典獄署に逃げ込むなんて何をしたんだ?おいチョンドン。典獄署で快適に過ごしたければ逆らうな。」
チ・チョンドクはチョンドンとマンスに言いました。
チョン・ナンジョンとミン・ドンジュとトンチャンが典獄署に連行されました。
チ・チョンドクはその様子を見ると慌ててチョン・デシクに報告しました。
チョン・デシクは部屋を飛び出しました。
「旦那様。どういうことですか?」
チョン・デシクはハン・ジェソに言いました。
「すぐにこやつらを牢に入れろ。これは王命だ。チョン・ナンジョンを特別扱いするな。これは王命だ。」
ハン・ジェソはチョン・デシクに言いました。
部屋に戻ったチョン・デシクと部下たちは困惑しました。チョン・デシクはチョン・ナンジョンたちを牢に入れるように命じました。
「お入りください。」
チ・チョンドクはチョン・ナンジョンとミン・ドンジュを牢の相部屋に案内しました。
「ネイノン!この方を誰だと思っておる!覚えておれ。すぐに典獄署注簿(チュブ)を呼べ!」
ミン・ドンジュは騒ぎました。
「やめよ。」
チョン・ナンジョンはミン・ドンジュに命じました。
「奥様。」
「うるさいわね。」
牢の中にいるオバサンは怒りました。
「このお方を誰だと思って・・・・!」
ミン・ドンジュは怒りました。
「やめよ。座りなさい。」
「はい奥様。」
「まったく。牢に入れられたくせに何が奥様だ。」
オバサンは毒づきました。
チョンドンは牢の中で春画を読んでました。そこにトンチャンが同じ牢屋に投獄されました。トンチャンはチョンドンとマンスを何度も蹴りました。
「すみませんでした!」
チョンドンは謝りました。
チョン・デシクは考えていました。
「主上の上には大妃様がいる。チョン・ナンジョンはすぐ放免になる。これは私に下さった機会だ。チョン・ナンジョン様を味方につけるのだ。」
ユ・ジョンフェはユ・ジョンフェの向かいに座りながら考えていました。
「私が参奉(チャンボン)に降格になったのはチョン・ナンジョンのせいだ。主上殿下(チュサンチョナ)がチョン・ナンジョンを排除なさるつもりなら、これは私がチョン・ナンジョンに復讐する最後の機会だ。」
ユ・ジョンフェは牢の前で咳払いしました。
「奥様。ユ参奉(チャンボン)です。」
ミン・ドンジュはチョン・ナンジョンを呼びました。
「そなたに頼みがある。大監に手紙を届けて欲しい。」
チョン・ナンジョンはユ・ジョンフェに言いました。
「困りました。」
「困るとは?」
「奥様を見張れとの主上殿下(チュサンチョナ)のご命令だ。奥様を私がお助けする理由はないと思いますが。奥様のせいで私は内禁衛(ネグミ)に連行され酷い目に遭いましたが忘れましたか?あの時は無視して今更頼み事をしようというのですか?はははは。私が典獄署にいる限り奥様に特別扱いはしませんからね。覚悟してください。」
「貴様命が惜しくないのか!」
チョン・ナンジョンは怒りました。
「私を殺す?やってみてください。」
「何をしている。奥様。こやつのいう事は私も知りません。奥様を独房にお連れせよ!」
チョン・デシクがチ・チョンドクを連れて現れました。
「どうぞこちらへお入りください。どうも。必要な物がありましたら私にお申し付けください。このチョン・デシクが奥様にお仕えしますので。」
チョン・デシクは二階の静かな牢にチョン・ナンジョンとミン・ドンジュを案内しました。
「礼を言う。紙と筆を頼む。」
チョン・ナンジョンは言いました。
チョン・デシクはチ・チョンドクを遣いに走らせユグムにごちそうを作るように命じました。
「私は何か間違えたか?」
ユ・ジョンフェはチョン・デシクがチョン・ナンジョンをもてなす様子を見てつぶやきました。
ユン・ウォニョンの家ではチョングムがスングムに皆を集めるように命じました。
チョングムは「柱の代わりとなり私がこの家をお守りするわ。奥様がいなくても手を抜いたり怠けたりする者がいたらすぐ追い出すからね!」と使用人に命じました。
「何よ偉そうに」
中年の使用人はこっそりつぶやきました。
「やっぱり身の程知らずだわ。」
スングムは隣のおばさんに言いました。
「大監様。少しでも大監の気力が戻られるように作ったせんじ薬です。奥様が不在の寂しさを私がいつでも御慰めします。」
チョングムは庭にいたユン・ウォニョンに煎じ薬と菓子を持参しました。
「はっはっはっは。私の事を分かっておらぬな。情はなくとも義理はある。このようなときに色目を使うとは。薬などいらぬ。気力ならみなぎっておるわ。わかったか?片付けよ。」
ユン・ウォニョンは歩き出しました。
「私の運はいつ開けるのよ・・・。」
チョングムは泣きました。
「あ〜。」
ユン・ウォニョンは戻ってくると薬を飲み干しました。
「ステキ・・・・・。」
チョングムはユン・ウォニョンに惚れました。
明宗はイ・ジョンミョンとカン・ソノを部屋に呼び今後の対応について話し合っていました。イ・ジョンミョンは政治の駆け引きが重要であるとこの機会を生かすように助言しました。カン・ソノは小尹(ソユン)に劣らぬ勢力を伸ばすように提案しました。
オクニョは昭格署(ソギョクソ)で働きながら母が遺した手がかりについて考えていました。するとカン・ソノが尋ねて来てイ・ジョンミョンが会いたがっていると言いました。
オクニョとソン・ジホンはイ・ジョンミョンの家に行きました。
「久しぶりだな従事官。兵判大監がお待ちだ。」
カン・ソノはソン・ジホンに言いました。
カン・ソノはソン・ジホンをイ・ジョンミョンに引き合わせました。オクニョは庭で待っていました。
ソン・ジホンはユン・ウォニョンに左遷されたとイ・ジョンミョンに話しました。イ・ジョンミョンはソン・ジホンに官職に就くように提案しました。
文定大妃(ムンジョンテビ)とユン・ウォニョンとチョン・サンホは明宗に会うとナンジョンを放免するように求めました。
明宗はイ・ジョンミョンが助言した通りに吏曹正郎(イジョチョンナン)アン・ドヒョンを罷免し望みの者を就任させると取引を持ちかけました。大妃とウォニョンは従えないと言いました。明宗は大妃と叔父が勝手に決めて来た吏曹正郎(イジョチョンナン)を譲れたチョン・ナンジョンを放免すると約束しました。
部屋に戻った大妃。ユン・ウォニョンとチョン・サンホにこれはイ・ジョンミョンの入れ知恵に違いないと言いました。
文定大妃(ムンジョンテビ)は明宗の取引に応じました。
典獄署(チョノクソ)。
「奥様。お出ましください。」
チョン・デシクは牢の鍵を開けました。
「出るとはどこへ行くというのだ。」
「そうでなく奥様は出所できるのです。奥様を放免せよとの主上殿下(チュサンチョナ)のご命令です。お喜び申し上げます。」
チョン・デシクが言うとチョン・ナンジョンは喜びました。
「お前の配慮は決して忘れぬ。」
チョン・デシクは門の外までチョン・ナンジョンを見送りました。チョン・ナンジョンはチョン・デシクの配慮を忘れないと言うと出所しました。
「お前から受けた屈辱は忘れぬからな。」
チョン・ナンジョンはユ・ジョンフェの頬を叩いて帰りました。
チョン・ナンジョンは家に帰りました。ユン・ウォニョンとユン・シネとチョン・マッケたちはチョン・ナンジョンの帰りを喜びました。
明宗はハン・ジェソに内禁衛(ネグミ)の長官に手紙を渡すように命じました。明宗はハン尚宮に都承旨(トスンジ)を呼ぶように命じました。明宗はハン・ジェソにオクニョと会うと言うと、その話を聞いていたハン尚宮は不思議に思いました。
ハン尚宮はハン・ジェソになぜ王様がオクニョに会うのか尋ねました。ハン・ジェソは答えに渋りました。
「決して口外してはならぬ。主上殿下(チュサンチョナ)はオクニョから世情を聞いているのだ。」
ハン・ジェソは明宗とオクニョの関係について教えました。
平市署(ピョンシソ)。
テウォンは部下のファン・ミョンゴルとチョン・セホからチョン・ナンジョンが放免になったと報告を受けました。驚いたテウォンはハン・ジェソに王と会いたいと言いました。ハン・ジェソは表立ってテウォンと会えないのでお忍びの最中に会うように言いました。
夜の素素樓(ソソル)。
イ・ソジョンはテウォンの悔しい気持ちを察していました。
夜の街。
ハン・ジェソはテウォンを明宗に引き合わせました。
テウォンはチョン・ナンジョンを放免したことについて尋ねました。
明宗はチョン・ナンジョンの放免で得た物は大きいと政治的な決断について話しました。テウォンは理解できませんでした。そこにオクニョが部屋に入ってきました。
感想
オクニョもだいぶん話が進んできましたね。あと20話ほどで最終回です。ここに来てソン・ジホンの影が薄くなってきました。鶏頭のはずのチョン・デシクの世渡りと、それ以下のユ・ジョンフェの対比、皆に信頼されているチ・チョンドクとユグム、典獄署(チョノクソ)の人間関係は不安定なように見えて安定していますね。チョンドクは賄賂をたくさん渡したのにトンチャンと相部屋になってしまい・・・。オクニョの母は宮中の女官で大妃がたいへん高価な形見の簪に見覚えがあるということは!?まさか!ここまで来てオクニョの正体が分からないという人はいないと思います。大妃もユン・ウォニョンもこの簪のことについて知ってるみたいですから・・・。
特に感動ということもないこのドラマ、楽しいというほどじゃないけどオクニョは特に失敗することもなくて、正解ばかりで快適ですね。
実際の人生はそうじゃないけど。
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