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客主-객주ケクチュ5話の詳しいあらすじ


韓国ドラマ客主-ケクチュ-商売の神5話のあらすじと感想

韓国ドラマ客主-ケクチュ-商売の神

目次


あらすじ

換銭客主(ファンジョンケクチュ)のキム・ハクチュンは怒って弟のキム・ボヒョンに詰め寄りました。
「弟よ!シン・ソクチュと取引したな!」
「大行首(テヘンス)の入札額はいくらだ。」
開城府留守(ユス)のキム・ボヒョンが茶をすすりながら言うとキム・ハクチュンは入札票を机の上に叩きつけました。入札票には三万両と書かれていました。
「三万両か。安いな。」
「シン・ソクチュの奴とどんな取引をした。」
「奴とはなんだ。六牟塵(ユギジョン)大行首(テヘンス)ですぞ。まあお座りください。」
「私が苦労して手に入れた千家客主(チョンガケクチュ)をシン・ソクチュに渡してたまるか!」
「兄上に千家客主(チョンガケクチュ)を手に入れる資格が?悔しいのはわかるが大行首(テヘンス)はすべて知っている。おとなしく譲りましょう。」
「三年かかった。禁門(クンムン)と柵門で私がどれだけ苦労したか。お前がどんな裏取引をしたか知らんが断る。シン・ソクチュには絶対渡さん!」
「チョン・オス!あなたがチョン・オスに何をしたかシン・ソクチュは知っている。あなたを死罪にすることは簡単だ。千家客主(チョンガケクチュ)にこだわるな!」
「何だと?千家客主(チョンガケクチュ)ごときだと?貴様!」
キム・ハクチュンは弟の頬を叩きました。
「貴様庶子のくせにどうなってもよいのだな?」
キム・ボヒョンは怒りました。
「ボヒョン!貴様!貴様!」
キム・ハクチュンは怒りました。
「兄上が庶子という事実は変わらぬ。亡き父上に免じて今回だけは許してやる。シン・ソクチュに千家客主(チョンガケクチュ)を渡すのだ。」
キム・ボヒョンは兄に茶を浴びせました。
「貴様!」
キム・ハクチュンは弟を殴ろうとしましたが罰せられるのが怖くて我慢しました。

入札場。
「千家客主(チョンガケクチュ)の新しい主は辛家大客主(シンガテケクチュ)の大行首(テヘンス)シン・ソクチュ様です。大行首(テヘンス)様おめでとうございます。」
キム・ボヒョンは渋々店の権利を譲りました。
「礼を言う。朝鮮一の黒蟲(フクチュン)客主を譲ってくれるとは。感謝する。礼を言います。」
シン・ソクチュは言いました

夜になりました。
シン・ソクチュは行首メン・グボムに扁額の下書きの書を渡しました。メン・グボムはなぜ三万両で落札できるとわかったのか主人に尋ねました。シン・ソクチュはそれが分かったら商売などせず占い師になっていると言いました。
「私にわかるのは、利益を追い求める人間はより大きな利益の前では人を陥れる。それだけだ。」
「より大きな利益の前では寝返る。つまり千家客主(チョンガケクチュ)の没落はキム客主の仕業ですか?」
「今それを知る必要はあるか?」
「いえ。気になりまして。」
「世の中は酒と女と賭け事が身を亡ぼすと言うが、それは違う。見てはならぬものを見る、聞いてはならぬことを聞く、言ってならぬことを言う。その慢心が己を亡ぼすのだ。」
シン・ソクチュはメン・グボムに釘をさしました。

ヒヤリとしたメン・グボムは思わず庭に出ました。
「見てはならぬものを見る、聞いてはならぬことを聞く、言ってならぬことを言う。その慢心が己を亡ぼすか・・・・・・。またあの子だ。おいおい。何をしている!」
メン・グボムは庭をうろついているキル・ソゲに言いました。
「戸締りをしていました。」
「夜が明けたら開城(ケソン)で一番の彫刻師を捜せ。開城出身だからお前を連れて来たんだ。できるな?」
「はい行首様。」
ソゲはしおらしく頭を下げました。
「こいつめ。」
メン・グボムはキル・ソゲの頭を叩いて行きました。
「父さん。千家客主(チョンガケクチュ)はもうなくなった。今日からここは、辛家大客主(シンガテケクチュ)だ。俺も、千家客主(チョンガケクチュ)を忘れるよ。ソレも。ボンサムも。ぜんぶ。」

日中。
「パングム、兄貴!たいへんだ!おや。もう動けるようになったのか?」
ソン・マンチが外出先からチョ・ソンジュンの家の戻ってきました。
「姉さんとソゲ兄さんはいないの?」
ボンサムはマンチに言いました。
「気楽な奴だな。お前の帰る家はないぞ。もう売られちまったよ。」
マンチは言いました。
「子どもになんてこと言うんだ。」
チョ・ソンジュンはマンチを叱りました。
「事実だろ。千家客主(チョンガケクチュ)は人に渡り身内は誰もいなかった。」
「姉さんがいるはずです。」
「もういない。開城(ケソン)から追い出された!嘘をついて何になる。兄貴。俺たちも松坡に帰らないと。」
マンチは言いました。

街道。
「俺も連れて行ってください。弱音も吐かないし荷物も持ちます。姉さんを捜したい。なぜ俺を置きざりにしたのか。」
ボンサムはチョ・ソンジュンたちを追いかけました。
「医員の家に帰りなさい。子ども一人で生きられる世の中じゃない。あの男から鍼でも習い医員になりなさい。」
チョ・ソンジュンはボンサムに言いました。
「医員にはなりません!」
「好きにしろ!帰りなさい。殴られたいのか!」
チョ・ソンジュンは拳を振り上げて脅かしました。
「おいおい。あの医員が善人か悪人か知らぬが虐待はされないだろう。帰れ!」
ソン・マンチは冷たく言いました。
「行くぞ。」
チョ・ソンジュンは出発しました。
「事故にでも遭って死んじまえ!」
ボンサムは怒りました。

「連れて行くの?」
パングムはソンジュンに言いました。
「商人の道を行けば家族を思い出してつらくなるだけだ。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「同感だ。兄貴が金はたっぷり渡したんだ。きっと大事にされるさ。だけど兄貴、金を渡しすぎだぞ。」
ソン・マンチは言いました。

ボンサムは石を握り投げつけようとしましたが、我慢して耐えました。

チョン・ボンサムは医院で煎じ薬を煮だすなどして下働きをしていました。

夜の妓房。
「きゃ〜っ。」
妓生は悲鳴を上げて逃げました。
「チョンヒャン!チョンヒャン!」
使用人の男は気を失ったチョンヒャンを背負って走りました。
「イノミ!イノミ!」
誰もいない部屋でキム・ハクチュンが血しぶきを浴びて暴れていました。
「母親が側室だからといって私をみくびるのか。お前は獣以下だネイノーン!シン・ソクチュ貴様!私が苦労して手に入れた千家客主(チョンガケクチュ)を横取りしやがって!すべてを捨てて商人になったのにシン・ソクチュお前が現れたせいで!」
チョン・ソレはキム・ハクチュンが暴れている様子を見て真相を知りました。
「客主様。客主様はシン・ソクチュに勝てません!」
チョン・ソレは思わず言ってしまいました。
「貴様。今何と言った。」
「客主様は大行首(テヘンス)に勝てないと言いました。
「や〜!二度と言うな。」
キム・ハクチュンの刀がチョン・ソレの腕をかすりました。
「私のお父さんは世の中は甘くないと言ってました!欲望のままに生きていたら何もできないと。」
「その口を封じてやる!や〜!」
キム・ハクチュンはソレを斬ろうとしてすべってそのまま寝てしまいました。

朝。
チョン・ソレはキム・ハクチュンの看病をしていました。
「昨夜私は何と言った?」
「まずは薬をお召し上がり下さい。」
「私の父は誰も一人では世の中で輝けないと言ってました。足りない点を補う人と力を貸す人がいてこそ人は輝けると。」
「父はどんな男だ?偉そうな口を訊く奴が娘を売るのか?」
「亡くなりました。」
「商人か?」
「両班の庶子でした。」
「そうか。お前は私を輝かせられるか?私に足りぬところを埋められるか?」
「私にその力があるかどうかは客主様がご判断ください。」

チョン・ソレはキム・ハクチュンの馬に乗せられて換銭客主(ファンジョンケクチュ)に行きました。
「離れに住まわせる。」
「この娘を側室にするのですか?」
執事の男はキム・ハクチュンに尋ねました。
「玉になるか石になるかわからぬから五年待ってやる。」
「期待は裏切りません。」
ソレは言いました。

夜。
ボンサムは洗濯物などを取り込み自分の袋に詰めました。
「俺は使用人か。金を貰ったくせにこき使って粥ばかり。俺は姉さんを捜す!元気でな!」

ボンサムは開京を出て童蒙庁(トンモンチョン)という行商人の育成機関に行きました。役所の前には人だかりができていました。
「ここは童蒙庁(トンモンチョン)ですか?ここで学べば商人になれますか?」
「そうだ。一緒にならぼう。」
おじさん(チェ・ドリ)はボンサムの手を握りました。
「お前いくつだ。」
「わかりません。二十歳くらいだと私は思います。」
おじさん(チェ・ドリ)は役人に答えました。
「嘘つけ。どう見ても私と同年輩だろ。大人がなぜ来た。ここは髷のない子どもだけが志願できる。」
「これは偽の髷です。童蒙庁(トンモンチョン)に来れば行商を学べると聞きまして。俺もそろばんや計算を学び商団に入ろうと思いまして遠くからやって来たんです。」
おじさん(チェ・ドリ)は食い下がりました。
「意欲は買うがその脚では無理だ。」
「商売は口でやるもんですよ。入門量の二両です。それからこれは。」
おじさん(チェ・ドリ)は賄賂の分を入れました。
「お前は?」
「俺はチョン・ボンサムです。」
「お前は幼すぎる。小さな体で荷が背負えるか。」
「俺は荷を担いで清国の柵門まで行きました。」
「柵門?だめだ。二年後に来い。」
「学ばせてくださいよ!行商人になって姉さんを捜すんです。」
「俺の歳を分けてあげます。入門させてください!ついでにこれ(賄賂)も・・・。」
おじさん(チェ・ドリ)はボンサムの分も賄賂を渡しました。
「行け。」
役人はおじさん(チェ・ドリ)とボンサムの入門を許しました。

おじさん(チェ・ドリ)はボンサムの世話をしながら水遊びをしました。
「早く洗濯をせぬか!童蒙庁(トンモンチョン)チョン・ボンサム!」
号牌(ホペ)を拾った役人はボンサムを呼びました。
「ここにおります〜。」
おじさん(チェ・ドリ)がかわりに堪えました。
「手に負えんわい!」
役人は号牌を川に投げました。

大きくなったボンサムは号牌(ホペ)を拾いました。
チョン・ボンサムは川の中で門下生と水浴びを楽しんでいました。

「お待ちしておりました。」
「待たせたな。」
チョ・ソンジュンはどこかの家にやって来ました。
「先生はどこかな?」
ソン・マンチは人々の中から先生を捜しました。
「それじゃ、遠慮なく。」
先生と呼ばれた薄汚い男(ボンサムを入門させてくれたチェ・ドリ)は手を上げました。
「先生がなぜ子どもと一緒に?」
チョ・ソンジュンは言いました。
大きくなったチョン・ボンサムは人差し指を立てて黙っているように仲間に合図しました。
「誤解なさっているようですが、俺は学生です。」
おじさん(チェ・ドリ)が言うと子どもたちは笑いました。
「髭を生やした学生がいるなんて驚きだ!」
ソン・マンチは笑いました。
「私は松坡馬房(ソンパマバン)の客主チョ・ソンジュンだ。」
ソンジュンが名乗るとボンサムの顔色が曇りました。
「俺は行首のソン・マンチだ。」
マンチも名乗りました。
「はははは。あの顔を見てるとツキが逃げそうだ。シケてるよな。」
チョン・ボンサムは笑うと子どもたちも笑いました。
「生意気な貴様!」
ソン・マンチは怒りました。
チョ・ソンジュンはマンチの肩に手を置きなだめました。
「ひとつ訊く。商いで一番大事と考えるものは何だ。」
チョ・ソンジュンは皆に問いました。
「俺が答えます。商売でも賭け事でも一番大事なのは運です!運が七割で商才が三割だ。商売はとにかく運がなければ始まらネェんだよ!」
おじさん(チェ・ドリ)は答えました。
チョン・ボンサムは笑いました。
「お〜。」
皆は手を叩きました。
「そうだな。そうだな。確かに運は大事だ。ないと困る。だが、商いを左右するのは商才だ。カネのある所を嗅ぎつける商才が七割、運が三割。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「へへっ。聞いたか。ずいぶん口がお上手になったぞ。」
チョン・ボンサムはおじさん(チェ・ドリ)と一緒にソンジュンをバカにしました。
「何だと?お前!何者だ!」
ソン・マンチは腹を立てました。
「いいえ。俺は何も言ってません。」
チョン・ボンサムは言い返しました。
「貴様!」
マンチはキレました。
「マンチや。では課題を出す。松坡馬房(ソンパマバン)で働きたいと思う者は二十両を受け取れ。夕刻までに一番利益を上げた者を私の馬房(マバン)で雇おう。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「聞いたか。二十両だってさ。」
チョン・ボンサムはおじさん(チェ・ドリ)に言いました。
「そりゃすごいな。」
おじさん(チェ・ドリ)は答えました。
「さあさあ。課題に挑戦したい者は手を上げろ!」
ソン・マンチが言うと皆は手を上げました。
ボンサムは手を上げながら飛び跳ねました。
「おいお前!名を名乗れ!」
マンチはボンサムを指さし言いました。
「俺?」
おじさん(チェ・ドリ)は自分のことかと思いました。
「違う!隣の奴だ!」
「俺?ぼぉ〜ん(鳳凰)さむ(三羽)、ぼぉ〜んさむ。」
ボンサムはふざけながら言いました。
「そうか。こいつめ!では今手を挙げた奴は並べ。」
マンチが言うとボンサムは先頭に並びました。
「お前脚が悪いのになぜ並ぶ。」
マンチはおじさん(チェ・ドリ)に言いました。
「行首様も古臭い考えは捨てるべきです。商売は口でやるものです。脚は関係ありません。」
おじさん(チェ・ドリ)は言いました。
「おい。おっさん。」
「俺はおっさんじゃないですよ。チェ・ドリです。童蒙庁(トンモンチョン)には珍しく自分の姓を持つとても高貴な家の人間なんです。」
チェ・ドリは言いました。
「カネを持ち逃げしたり酒を飲んだりしたら殺す。」
ソン・マンチはドリを睨みました。
「そんなことしませんよ〜。」
チェ・ドリは二十両を受け取りました。
「あははははは。」
チョン・ボンサムは右手をひらひらと差し出しました。
チョ・ソンジュンはマンチに頷きました。
「ほらよ。」
マンチは渋々金をボンサムに渡しました。
「や〜いくら稼いで来たらいいですか?」
ボンサムはチョ・ソンジュンに尋ねました。
「はっは。三十両でどうだ?」
ソンジュンはボンサムに言いました。
「ちょうど三十両ですか?それとも三十両以上ですか?」
ボンサムは言いました。
「正確に三十両稼いで来い。そうしたら私と行首がそちに頭を下げてやる。」
「兄貴。こんな奴らに何考えてるんですか!」
マンチはさらに不機嫌になりました。
「わかりました。元手は二十両だから、合わせて五十両持ってきます。その間に座布団でも用意してください。お二人の土下座を地面に座ったまま受けられません。あははははは。行こう!」
ボンサムはチェ・ドリと腕を組んで行きました。
「糞っタレ!許せん!」
マンチはボンサムが気に入りませんでした。
「マンチや。」
「二人に四十両の大金を預けたんです。このまま逃げないように俺が直接監視してやる!」
ソン・マンチはボンサムの後をつけました。

「両班様のお通りだ〜。皆の者〜頭が高い〜。」
チョン・ボンサムは両班の服に着替えて扇をあおぎ、チェ・ドリを侍らせ通りを歩いていました。
「うひゃひゃひゃひゃひゃ。」
ボンサムとドリは楽しそうに通りを闊歩していました。
「あの身なりは何なんだ。」
マンチは不思議にないました。
「若様(トリョンニ)。行きましょう。」
チェ・ドリは鶏を眺めているボンサムに言いました。
「おまえさん。せっかちだな。これが見えないのか。私は今鳳凰様を見物しているんだよ。あっはっは。」
チョン・ボンサムはしゃがみ込んで鶏を見ながらチェ・ドリに言いました。
「鳳凰じゃありませんよ。ただの鶏ですよ〜。こけ〜っこっこっこっこ。こけ〜こっこっこっこ。」
「こいつめ。鶏だと?」
チョン・ボンサムはドリを扇子で小突きました。
「若様(トリョンニ)。」
ドリは頬を押さえました。
「お前よく見てみろ。こいつが鶏に見えるか?鳳凰様だ。お前の目は節穴か。お前ごときに鳳凰がわかるはずもない。ふーん。聞くがよい。鳳凰は四海の外を飛び崑崙山を越え泉で身を清め雲間で眠りに就く。」
ボンサムは立ち上がって扇をあおぎました。
「若様よくご存じで。」
鶏屋の男はボンサムに言いました。
「売り物のことは主人に聞けという。どちらが正しいか主人に尋ねてみよう。ひとつ聞くがこれは鳳凰だろう?」
ボンサムは店主に言いました。
「本当の鳳凰だったら?」
「実は私の父上が還暦になり是非ともこの鳳凰を贈ろうと考えておる。無理を言って悪いが私に売ってくれないか?私は父上に孝行したことがないのだ。山中の小さな山小屋に籠って、孔子曰く、孔子いわくと学問ばかりしてきた。一度私にも親孝行をさせてくれ。」
「わかりました。そういうことなら協力しましょう。例え朱雀であろうともお売りいたしますよ〜。」
店主はボンサムから金を受け取りました。
「恩に着る〜この恩は一生忘れぬぞ〜。」

役所。
「これが鳳凰?鶏ではないか!」
役人の男は鶏を投げました。
「お役人様。鳳凰様に無礼ですぞ。」
ボンサムは役人の男に言いました。
「ネイノン!何のつもりだ!ありふれた鶏を持って来おって!鳳凰だと?こいつめ!すぐにそやつを捕らえろ!虚言を申す輩は棒叩きにしてくれるわ!」
役人は怒りました。
「あ。そんな。」
ボンサムは転げてみせました。
「お役人様誤解です。若様には何の罪もございません。幼い頃山へ遊びに行き岩に頭を・・・・それで少し言動がおかしいのです。鳳凰と信じ父上様に鳳凰を贈るつもりなのです。その前に高貴な鶏なのでお役人様に献上すべきだと言いお持ちしたのです。どうか善処くださいませ〜。」
チェ・ドリは土下座しました。
「そうか。それでその鳳凰・・・鶏をいくらで買った?」
役人は言いました。
「百両で買いました。」
「何だと?百両?」

「アイゴ!アイゴ!百両だって?二十両しか受け取ってません。」
鶏屋の男は尻を棒で叩かれました。
「罪人め。嘘を申すな。貴様は鳳凰と言ってないのか?」
「それは言いました。」
「ならば普通は一羽いくらなのか?」
「オスは少し値が張ります。三両です。」
「とんでもない奴だ。それを百両で売ったのか?孝行息子の純真な心を弄びおって。もっと罰を与えよ!」
役人が命じると店主は尻を棒で叩きました。
「確かに百両で売りました。百両お返ししますから、今回だけはお許しください!」
店主は泣きました。

夜。
「客主様。行首様と一緒に頭を下げてください。元金二十両に利益が三十両。全部合わせて五十両です!」
チョン・ボンサムはチェ・ドリとともに飛び跳ねました。
「この者らをただちに筵で巻け。」
一部始終を知っているチョ・ソンジュンは命じました。
「なんだって?どうして?」
「童蒙庁(トンモンチョン)は盗賊や詐欺師を育成する場所ではない。早く筵を巻け!」
「捕らえろ!」
ボンサムとチェ・ドリは棒で叩かれました。
「行商人が守るべき四つの掟を行ってみよ。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「はっは。」
ボンサムは地面に四つん這いになりました。
「勿妄言(ムルマンオン)、勿悖行(ムルペヘン)、勿淫乱(ムルウムナン)、勿盗賊(ムルトジョク)です!」
チェ・ドリは答えました。
「勿妄言(ムルマンオン)。商いで言葉を弄し人を騙して利益を得てはならぬ。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「勿悖行(ムルペヘン)。商いで高圧的な態度で客を威圧し、利益を得てはならぬ!」
ソン・マンチは言いました。
「勿淫乱(ムルウムナン)。行商人は商いの道中に偶然出会った民家の女人(にょにん)に手を出してはならぬ。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「勿盗賊(ムルトジョク)。商いで盗みを働いてはならぬ!」
ソン・マンチは指を差して怒りました。
「貴様は自分が犯した罪がわかるか?」
チョ・ソンジュンは言いました。
「まったくありがたい話だぜ。主人が話せばもう一人が引き継ぐ。二人はどうしてそんなに息が合うのかな?ははははは。」
チョン・ボンサムは笑いました。
「兄貴!言いましたでしょ。奴はマムシのような男です。殺しましょう。何をしている。早く筵で巻いて殺せ!」
ソン・マンチはチョ・ソンジュンに言いました。
「それであんたたちは息を合わせて牛革を密売したのか?掟に反するのでは?」
ボンサムが言うとマンチとソンジュンの顔に緊張が走りました。
「なんだと?」
「十年たてば世の中も変わるが松坡馬房(ソンパマバン)の主だって?随分出世したな!あはははは。柵門で牛革を密売したことはすっかり忘れているようだな。」
「お前!何者だ。」
「俺?チョン・ボンサム。」
「誰だと?」
「忘れたか!千家客主(チョンガケクチュ)チョン・オスの息子、俺はチョン・ボン、サム!」
ボンサムは立ち上がりました。
「お前が千家客主(チョンガケクチュ)の息子チョン・ボンサムだというのか?」
ソン・マンチは震えました。
「二十両を元手に日没までに三十両稼いで来い。そう言ったのはあんただ。俺は鶏売りを罠にはめ役人に嘘をついたがお前たちに俺を責める資格があるのか?牛革の密売人よ。答えてみろ!」
チョン・ボンサムは堂々と言いました。
「松坡馬房(ソンパマバン)の主人が牛革の密売人だと?」
話を聞いていた童蒙庁(トンモンチョン)の役人は驚きました。
「牛皮の密売をしたのは事実だ。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「え?あっは。何か事情があったのでしょう。」
役人は言いました。
「ここは私の罪を問う場ではない。望みならば別に席を設けよう。今はチョン・ボンサム、お前の罪を問う。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「ははははは。呆れたぜ。自分は無罪で俺は有罪かよ。どうぞお好きに。偽善者め。」
ボンサムは笑いました。
「こいつ!助けてやった恩を仇で返すのか!あの時お前のために三百両も使ったんだぞ!牛一頭の値段だ!」
ソン・マンチはボンサムの襟を掴みました。
「おー三百両か。おったまげたぜ。柵門で牛革を売ってしっかり稼いだもんな。それで気前がよかったんだろー!!ははははは!」
ボンサムはソン・マンチを挑発しました。
「こいつ!」
ソン・マンチは拳を固めボンサムを殴ろうとしました。
「ソン行首。」
チョ・ソンジュンはマンチを制しました。
「ぼう。ぼう。」
ボンサムはマンチをさらに挑発しました。
「こいつ!」
マンチはボンサムを殴ろうとしました。
「ソン行首!鶏売りから奪った金を返せ。」
「おう。そうだな。それが先だ。」
ボンサムは言いました。
マンチが手を離すとボンサムの懐から百両が落ちました。
「カネだ!」
男たちは目の色を変えました。
「これは俺のだ。」
ボンサムはカネを拾い始めました。
「アイゴ。自分を見失ってやがる。おい貴様。お前どうかしてるぞ。」
マンチはボンサムの襟を掴みました。
「そうか?カネが嫌いな奴がこの世の中にいるか?いるなら俺の目の前に出て来い!」
「お前が汚いカネを儲けて妓生でも囲う気か。え?」
「わかった。わかった。ちょっと手を離して。降参だ。やー!」
ボンサムはマンチに頭突きを食らわせました。
ソン・マンチはブチ切れて木の棒でボンサムを叩き始めました。
「童蒙庁(トンモンチョン)をなめやがって!」
別の男もボンサムを叩きはじめました。
「カネは渡さない。このカネで俺の女を救うんだ。両班の家で使用人になっているなら、免賤(ミョンチョン、身分を開放)させてやる!俺の姉さんを救うカネなんだ!チョン・ソレの命と引き換えになるカネなんだ。わかったか!筵で俺を巻き殺すだと?ろくでもねぇ童蒙庁(トンモンチョン)だ!辞めてやる!」
ボンサムは立ち上がると木の棒を奪いました。
「そうだ。ここで暮らすのはもう御免だ!」
チェ・ドリはボンサムの前に立ちました。
「逃がすものか!」
ソン・マンチと三人の男はボンサムを叩きました。

江景(カンギョン)のキム・ハクチュンの屋敷。
成長したチョン・ソレは千家客主(チョンガケクチュ)の扁額に拝礼していました。
「お父さん。ご挨拶します。でもお父さんはもういませんよね。親不孝な娘が用意した供え物など召し上がりたくもありませんよね。敵の家に備えた供物など食べにくる人じゃないもの。どんな時も男らしくまっすぐだった。本当にすばらしい父親なの。こんな餅は酒を召し上がるためにこの家に来るわけない。お父さん。すみません。すみません。十年たっても、やっとキム・ハクチュンの側室になっただけで、何もできずにいます。弟にも会えません。お父さん。ボンサムは、ボンサムはどこにいますか?」

感想

客主5話の感想です。案の定といいますか、チョン・ボンサムはグレることでまっすぐな心を隠すようになっていました。川で水浴びするチャン・ヒョクのセクシーな場面は女性へのサービスですね。チャン・ヒョクは本当にいい男です。ああいった全身で表現できる魅力は他の男にはなかなかありません。

それはそうと、大人になったチョン・ソレを演じているのは「イ・サン」や「チャングムの誓い」でおしとやかな王族となった女性を演じているパク・ウネさんという女優さんです。韓ドラ好きの皆さんならわかると思います。幼いソレと目や顔の形がよく似てまったく違和感がなかったですね。チョン・ソレはなぜかキム・ハクチュンというオヤジの女となってしまいました。常識で考えればハクチュンの子を宿すはずなんだけど・・・なんというトンデモ展開なのしょうね。日本では理解できない禁じられた展開です。

チョン・ボンサムを可愛がってくれたチェ・ドリを演じているのはイ・ダリョンというオジサンです。イ・ダリョンは1967年の生まれですから2015年の時点で48歳なんじゃないかと思います。ドラマを明るくしてくれるムードメーカーという位置付けなのでしょう。ソン・マンチを演じているパク・サンミョンは1968年生まれですからイ・ダリョンより一歳年下です。ソン・マンチはほんとうに嫌な男を演じてますね、見た目も役者さんが本来持っている雰囲気も吐き気がします。ああいう人が好きな人もいるのでしょうね。チョ・ソンジュンもなんだかソフトバンクの孫正義さんの考え方を連想してしまいます。韓国語にするとソン・ジョンウィかしら?韓国語の勉強は進んでないのでわかりませんね。でも密売で儲けてという考え方は朝鮮の思考パターンそのもののようですね。

辛家大客主(シンガテケクチュ)のシン・ソクチュは3万両で千家客主(チョンガケクチュ)を手に入れ十年が経ちました。他の韓国ドラマでは「客主」という表現はなかなか見られないので、このドラマはとても興味深いです。

続きを楽しみにしたいと思います。

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薯童謠(ソドンヨ)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ ソドンヨ 1話~66話 あらすじと感想 長文注意。薯童謠はよかったので感想もあらすじもしっかり書いてます!薯童謠とは新羅に伝わる童謡で物語がすすむにつれて意味がわかってきます。百済は三韓のうちのひとつを引き継ぎ前の国の王を倒す際にとある約束をしました。百済の技術師モンナス博士は仲間を連れて新羅に亡命します。そして新羅でしばらく過ごした後に・・・詳しくはソドンヨ各話あらすじをご覧ください。 薯童謠(ソドンヨ) 1話 薯童謠(ソドンヨ) 2話 薯童謠(ソドンヨ) 3話 薯童謠(ソドンヨ) 4話と5話  新羅へ亡命 薯童謠(ソドンヨ) 6話 薯童謠(ソドンヨ) 7話 薯童謠(ソドンヨ) 8話 薯童謠(ソドンヨ) 9話 薯童謠(ソドンヨ) 10話 11話 薯童謠(ソドンヨ) 12話 薯童謠(ソドンヨ) 13話 薯童謠(ソドンヨ) 14話 薯童謠(ソドンヨ) 15話 薯童謠(ソドンヨ) 16話 薯童謠(ソドンヨ) 17話 薯童謠(ソドンヨ) 18話 薯童謠(ソドンヨ) 19話 薯童謠(ソドンヨ) 20話 薯童謠(ソドンヨ) 21話  木羅須百済に帰国 薯童謠(ソドンヨ) 22話 薯童謠(ソドンヨ) 23話 薯童謠(ソドンヨ) 24話 薯童謠(ソドンヨ) 25話 薯童謠(ソドンヨ) 26話 薯童謠(ソドンヨ) 27話 薯童謠(ソドンヨ) 28話 薯童謠(ソドンヨ) 29話 薯童謠(ソドンヨ) 30話 薯童謠(ソドンヨ) 31話 薯童謠(ソドンヨ) 32話 薯童謠(ソドンヨ) 33話 薯童謠(ソドンヨ) 34話 薯童謠(ソドンヨ) 35話 薯童謠(ソドンヨ) 36話 薯童謠(ソドンヨ) 37話 薯童謠(ソドンヨ) 38話 薯童謠(ソドンヨ) 39話 薯童謠(ソドンヨ) 40話  武康太子の誕生 薯童謠(ソドンヨ) 41話 薯童謠(ソドンヨ) 42話 薯童謠(ソドンヨ) 43話  威徳王逝去 薯童謠(ソドンヨ) 44話  惠王即位 薯童謠(ソドンヨ) 45話 薯童謠(ソドンヨ) 46話 薯童謠(ソドンヨ) 47話 薯童謠(ソドンヨ) 48話  法王即位 薯童謠(ソドンヨ) 49話 薯童謠(ソドンヨ) 50話

朱蒙(チュモン)全話1から最終回81話までのあらすじと感想

朱蒙(チュモン)のあらすじ一覧 朱蒙(チュモン)の1話から最終回81話までのあらすじを解説し感想も述べています。途中でちょっと面倒になったこともありましたが、何とか最後まで視聴することができました。朱蒙(チュモン)は感情移入するようなドラマではないと侮っていたのですが、最後らへんになると思わず登場人物の結末に涙してしまいました。 チュモンの全話あらすじ詳細とネタバレ感想 チュモン 1話 あらすじネタバレ感想 チュモン 2話 あらすじネタバレ感想 チュモン 3話 あらすじネタバレ感想 チュモン 4話 チュモン 5話 あらすじネタバレ感想 チュモン 6話 チュモン 7話 あらすじネタバレ感想 チュモン 8話 チュモン 9話 あらすじネタバレ感想 チュモン 10話 あらすじネタバレ感想 チュモン 11話 あらすじネタバレ感想 チュモン 12話 あらすじネタバレ感想 チュモン 13話 あらすじネタバレ感想 チュモン 14話 あらすじネタバレ感想 チュモン 15話 あらすじネタバレ感想 チュモン 16話 あらすじネタバレ感想 チュモン 17話 あらすじネタバレ感想 チュモン 18話 あらすじネタバレ感想 チュモン 19話 あらすじネタバレ感想 チュモン 20話 あらすじネタバレ感想 チュモン 21話 あらすじネタバレ感想 チュモン 22話 あらすじネタバレ感想 チュモン 23話 あらすじネタバレ感想 チュモン 24話 あらすじネタバレ感想 チュモン 25話 あらすじネタバレ感想 チュモン 26話 あらすじネタバレ感想 チュモン 27話 あらすじネタバレ感想 チュモン 28話 あらすじネタバレ感想 チュモン 29話 あらすじネタバレ感想 チュモン 30話 あらすじネタバレ感想 チュモン 31話 あらすじネタバレ感想 チュモン 32話 あらすじネタバレ感想 チュモン 33話 チュモン 34話 あらすじネタバレ感想 チュモン 35話 チュモン 36話 チュモン 37話 あらすじネタバレ感想 チュモン 38話 あらすじネタバレ感想 チュモン 39話 あらすじネタバレ感想 チュモン 40話 あらすじネタバレ感想 チュモン 41話 あらすじネタバレ感想 チュモン 42話 あらすじネタバレ感想 チュモ

薯童謠(ソドンヨ)最終回第66話恋の成就のあらすじとネタバレ感想

薯童謠(ソドンヨ)最終回 あらすじ 夜の百済王宮。 女性たちが華やかに舞い、貴族の男とメクトスたちは庭で酒と食事を楽しんでいました。 「こんなに楽しい日は生まれて初めてだ。ははは。」 メクトスは有頂天でした。 「親父、俺も結婚したいよ。」 ポムノはメクトスに言いました。 「何だと。」 「チョギとだよ。陛下がうらやましいよ。」 「父親を片付けてから結婚しろ。」 「あー!ちくしょう。」 「ところで陛下は男女の営みをご存知だろうか。事前に教育するのを忘れてたよ。」 メクトスは卑猥な想像をしていました。 「そんなの心配いりませんよ。(未経験の)俺でも知っています。」 トゥイルはメクトスに言いました。 「そうか?」 「今頃うまくやってますよ。」 「はっはっはっはっはっは。」 男たちは笑いました。 「紙に穴をあけてのぞきたいところだけど、陛下にそれはできないな。」 メクトスは笑いました。 寝所の控室。 「結髪(キョルバル)の用意はできた?」 モジンはウンジンとウスに言いました。三人は桃色に白地の縁取りの刺繍の絹を着て初夜の営みの準備をしていました。 「はい。」 「香油は?」 「用意しました。」 ウンジンはモジンに言いました。 「櫛は?」 「置きました。」 ウスが答えました。 「浄化水は?」 「用意しましたー。」 チョギは明るく言いました。 「分かったわ。」 三人は王の寝所を出ました。 「準備が整いました。」 寝所の前で控えていたボミョンが外に出てきたモジンに言いました。 「はい。では五歩下がるように。」 モジンは侍従と侍女たちに命じました。 ウンジンとチョギとウスは口に手を当てて照れ笑いして顔を見合わせました。 「陛下。初夜の儀式を始める時間です。今から申し上げる順序でなさいませ。」 モジンは寝所の中に向かって話しかけました。 「まず、生涯を共にすると誓う意味の結髪をしてください。」 ベッドの上には白地の縁に金の刺繍が施された衣に着替えたチャンと白い絹に薄桃色の縁取りの絹を着たソンファ公主が腰かけていました。二人の髪が少し切られて絹の敷物の上に赤い紐で結ばれ置かれていました。 チャンは置