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客主-객주ケクチュ12話の詳しいあらすじ


韓国ドラマ客主-ケクチュ-商売の神12話のあらすじと感想

韓国ドラマ客主-ケクチュ-商売の神

目次


あらすじ

キル・ソゲは江景(カンギョン)の酒場で妙案が浮かばないか知恵を絞っていました。そこに行商人の一行が現れ聞慶(ムンギョン)のチョン・ボンサムから松坡馬房(ソンパマバン)の客主宛ての手紙を女将に預けようとしていました。キル・ソゲはその書簡は自分が預かると言い手紙を受け取りました。キル・ソゲはボンサムからチョ・ソンジュンに宛てた手紙を盗み読みました。
「客主様。なぜキム・ハクチュンが客主様を江景(カンギョン)へ呼び寄せたのか謎が解けるまで動かないでください。誰の言葉も信じてはなりません。俺が江景(カンギョン)に着くまで待っていてください。軽率に動いたら馬房(マバン)はほんとうに潰れます。チョン・ボンサム。」
「昔よりも賢くなったな。やはりチョン・オスの息子だけある。到着前に決着をつけないと。」
ケトンを名乗ったキル・ソゲはボンサムからの手紙を食べて飲み込みました。
ケトンよ、そこにいたのか。」
ワンバルがソゲに声を掛けました。

宿屋。
「四日後にキム・ハクチュンの還暦の宴がある。」
チョ・ソンジュンはキル・ソゲとワンバルと飯を囲みながら言いました。
「襲いましょう。安東金氏の一族で弟は国の高官ですよ?大勢の客が来るから門は開けっ放しでしょう。」
キル・ソゲは二人に言いました。
「見張りが屋敷の周りを取り囲んでいる。」
チョ・ソンジュンは言いました。
「客のふりをするんです。そっと近寄ってキム・ハクチュンに馬房(マバン)の権利書と交換するんです。」
ソゲは言いました。
「できるわけがない。客主様と俺は門をくぐる前にこの間の奴らに捕まり殺されちまう。」
ワンバルは言いました。
「俺が行きます。初対面の俺が。」
「お前さん。塩辛商人がどうやって・・・。」
ワンバルはソゲに言いました。
「行商人では行きません。どうやって入るか考えます。」
「といかく慎重にならねばならぬ。ボンサムの到着を待とう。」
ソンジュンは言いました。
「ボンサムって誰なんです。機を逃せば勝てる戦にだって負けちゃいますよ。今しかありません!」

チョン・ボンサムとチェ・ドリは街で麻の売買禁止の張り紙を見つけました。
「これは六牟塵(ユギジョン)の横暴だ。勝手に禁止令を出して商いを邪魔してる。」
ボンサムは触書の前で言いました。
「よく言ってくれた!」
「俺たち行商人は死ねと言われてるのと同じだ!」
麻売りの行商人も同意しました。
「ソンドルが捕まったぞ!お前さん、ソンドルが捕まったぞ!」
「ソンドル?」

「なぜ俺を捕まえる。六牟塵(ユギジョン)がどうしたというのだ!」
ソンドルは趙家客主の手のかかった商人たちに連行されていました。
「ソンドル!ソンドル!」
ボンサムは血だらけのソンドルに追いつきました。
「ボンサム・・・久しぶりだな。」
「ソンドル。どうしたんだ。」
「やい!罪人に近寄るな!」
趙家客主の手下はボンサムに怒鳴りました。
「何をするんです!」
ボンサムが言うと商人たちはボンサムを棒で殴りました。
「連れていけ!」
趙家客主の手下が命じるとソンドルは連行されました。
「ボンサム!ボンサム!」
「ソンドルー!待っていろー!このチョン・ボンサムが助けてやる!」

義州。
チョン・ボンサムとチェ・ドリ、十人ほどの商人たちはソンドルを助けるために通りで話し合いました。商人の一人がシン・ソクチュの家に行こうと言いました。ある商人は実力行使しかないと言いました。
「だめだ。暴れたところで皆が怪我をするだけだ。」
ボンサムはみんなに言いました。
「死ぬときは皆一緒だ。」
商人の一人が言いました。
「購入代金を客主に預けた。朝布が買えなければ俺たちはこの冬を越せない。餓死するあ、凍死するだけだ。」
商人は言いました。
「一日待ってくれ。ソンドルと俺は服を取り替えるほどの仲だ。俺を信じて一日だけ待ってくれ。」
ボンサムは麻売りの商人たちを説得しました。
「ボンサム。ちょっと来て。ソンドルのことは奴の仲間に任せて俺たちは江景(カンギョン)へ行こうよ。」
「兄貴。ソンドルは苦労して義州からここに来た。なのに麻の売買禁止なんて。そんなの王様もご命令を出していない。客主様を待たせるのはすまないが、今はソンドルの命と俺たち行商人の命が大事だ。」
「禁止令を出したのはシン・ソクチュだと?六牟塵(ユギジョン)大行首(テヘンス)だ。」
「兄貴。六牟塵(ユギジョン)大行首(テヘンス)がどれほど怖いか知らぬが、兄貴が嫌なら行けよ。ケトンを連れて来い。」

義州の女性用品の店。
ケトンは美しい身なりに整えていました。
「まるでお餅みたいなお肌だわ。どうしてこんなに美しいお嬢んが薄汚い服を着て行商してるの?」
おばさんはケトンに言いました。
「人生いろいろあるんです・・・。」
ケトンは静かに言いました。
おばさんたちはケトンの着替えを手伝いました。
ケトンは両班の未婚の令嬢の桃色の服に着替えました。
「お母さま。とうとう見つけました。嫁ぎます。ついに運命の相手を見つけました。」
ケトンは微笑みました。

宿屋。
「ボンサム。」
チェ・ドリが部屋に戻って来ました。
「ケトンはどうした?」
「それがいないんだ。報恩(ポウン)を出たらしい。」
「ははははは。嘘言うな。ケトンを嫌うのは自由だが嘘はダメだ。俺が連れてくる。」
「お前が一文無しだからケトンが逃げたんだよ。」
「嘘つくな。怒るぞ?」
「嘘じゃないって。」

「なんですって?なんと言いましたか?」
ケトンはおばさんに言いました。
「ボンサムという人(チェ・ドリ)という人が着てこう言ったの。恩返ししてほしくば松坡馬房(ソンパマバン)へ来い。恩を施すとも見返りを求めずといって坊さんも言ってる。行商人同士で恩の貸し借りをするのはおかしい。」
「チョン・ボンサムという人じゃなくて中年の男が言ってたんじゃない?」
「いいえいいえ。チョン・ボンサムって人が言ってたの。」
「そんなはずないわ。約束したし。天にも誓ったの。そうよ。行かなくちゃ。あの人のもとへ。十年待ったのよ。すぐにあきらめないわ。松坡でも江景(カンギョン)でも行かなくちゃ。」
ケトンは気を失いました。

市場。
チョン・ボンサムは待ち合わせの場所に向かおうとしていました。
「命を助けたからって約束を守る筋合いあるか?」
チェ・ドリはボンサムに言いました。
「趙家客主(チョガケクチュ)にあるソンドルが逃亡を図って失敗したらしい。あんたも策を練ってくれ。」
行商人の男たちが来てボンサムに教えました。
「チョ家客主といえば客主のチョ・スンドゥクの娘が六牟塵(ユギジョン)の大行首(テヘンス)に嫁ぐらしい。その女人は絶世の美女らしい。一度見た男は虜になるらしい。」
ドリはボンサムに教えました。
「趙家客主の娘か・・・行こう!」
ボンサムはやる気を出しました。

ソンドルは密室で拷問されてぐったりしていました。

チョン・ボンサムとドリは趙家客主の屋敷の中をのぞき込みました。
「趙家客主の娘をさらったら隠す場所が必要だ。俺が辺りを調べるから兄貴はここで待っててくれ。」
ボンサムはドリに言いました。
「ボンサム。捕まったら殺されるぞ。」

ソリンの部屋。
ソリンは使用人のウォルとともに嫁入り支度をさせられていました。
「結婚なんてできません。」
ソリンは部屋に入って来たチョ・スンドゥクに言いました。
「六牟塵(ユギジョン)の大行首(テヘンス)は我々にとっては王様だ。お前は、商人の王妃になれるのだ。」
「そんなにお金が大事ですか?たかがお金なのに。」
ソリンは父に抗議しました。
「金は家族や自分の命より大切だ!ソリンだって張客主の家に嫁がなければ肉のうまさや絹の肌触りも知らなかったのだ。」
「お父さまがなんとおっしゃろうと私は結婚しません。 尼になりお父さまの罪を償って生きて行きます。ウォル(使用人の名前)や。行こう。」

趙家客主の前の通り。
趙家客主から女物の輿の行列が出てきました。
「なぜ輿が・・・。」
家を見張っていたチェ・ドリは不思議に思いました。

寺。
輿が寺に着くと追いかけて来たチョ・スンドゥクが娘の前に立ちはだかりました。チョ・スンドゥクはソリンの手を引き崖の上に行きました。
「約束を破ったら捕まったお前の兄も殺される。朝鮮で商売ができなくなる。シン・ソクチュに逆らったら生きていけぬ。一緒に死のう。」
チョ・スンドゥクはソリンに言いました。
「上着を。どうせ死ぬなら私も死にます。喪中の寡婦を抱こうとする不道徳な大行首(テヘンス)に嫁ぐ気はありません。ですが、死のうというなら従います。先に逝きますので後からどうぞ。怖いですか?私は怖くありません。意に添わぬ結婚をするくらいなら死にます。」
「分かった。分かった。共に手を繋いで死のう。だが待ってくれ。ちょっと席を外してくれ。」
チョ・スンドゥクはウォルに離れるように言いました。
その様子をチェ・ドリは木の影から見張っていました。
「お前の祖父はなぜ死んだ。なぜ死んだのだ。」
「飢え死にしたと聞きました。」
「祖母は?」
「やめてください。」
「私の母も父も飢え死にしたのだ。その時私は九つ。飢饉でひどい有様だった。収穫した穀物はすべて地主に奪われ種もみだけが残った。それだけには手をつけることができずに飢えて死んだのだ。私は種もみを三両で売って身分証を手に入れ報恩(ポウン)の客主(ケクチュ)で働いた。毎日怒鳴られ殴られ飯も当たらなかった。私は苦痛に耐えかね、何度もこの場所を尋ねた。死のうと思った。さあ。行こう。父さん。父さーん!母さん。不肖息子チョ・スンドゥクはお二人のもとへ参ります。娘に死ねと言われたら是非はありません。お父さーん。もうすぐ会えます。飢え死にした父さんの恨みを晴らせませんでした。お父さんとお母さんにろくに孝行できないままそちらに行きます。お父さーん!」
「行くわよ。行きます。お父さまのおっしゃる通り、大行首(テヘンス)と・・・結婚します。」
「そうか。そうか。」
チョ・スンドゥクはケロリと喜びました。
ソリンは泣きました。

夜。
「十五万両だ。メン行首。」
シン・ソクチュは手形に印を押して発行しました。
「直接いただきます。他人の手を通すなんて。当事者同士でやり取りしたほうが確かです。」
チョ・スンドゥクはシン・ソクチュから手形を受け取りました。
「十五万両だ。文句あるのか?値段を決めたのはあなただぞ?」
メン・グボムはチョ・スンドゥクを軽蔑しました。
「六牟塵(ユギジョン)の大行首(テヘンス)様なら上乗せがあると思ったのに。」
「そちの娘が子を産んだら娘であれ息子であれ別途用意しよう。」
シン・ソクチュは言いました。
「六牟塵(ユギジョン)大行首(テヘンス)様のお言葉とは思えません。娘であれ息子であれ別途用意しようだなんて。曖昧な約束など信じられません。」
「娘なら、忠清道の紬の独占権を与える。息子なら、私が息子を抱くことができたなら、礼はもっとはずむぞ。そちに忠清道の綿布に関するすべての権利を与える。」
シン・ソクチュが言うとメン・グボムは嫉妬心を覚えました。
「え?アイゴ!アイゴ大行首(テヘンス)!このチョ・スンドゥク!大行首(テヘンス)様の舅として改めてご挨拶します!へっへっへっへっへ!」

寺。
チョン・ボンサムとチェ・ドリは寺に忍び込むと寝ているソリンの部屋に入ってソリンを袋に入れてさらいました。
「ウォル?誰なの?きゃぁ!」
ボンサムがソリンを袋に入れて逃げようとするとウォルに見つかりました。
「あなた誰なの?」
「すまない。」
ボンサムはウォルの腹を殴って気絶させました。
「この女はどうする?」
チェ・ドリはつぶやきました。

ボンサムはソリンを担いで山小屋に逃げました。

寺の中にある部屋。
「ちょっと。ちょっと待って。」
ウォルはさるぐつわを自力で外すとうたたねしていたドリに言いました。
「大声出すなって。お坊さんに気づかれちまう!」
「さっきの人はもしかして、以前お嬢様を助けた人?」
「さあな。」
「間違いないわ。その人に二人で逃げてと伝えて。二度とお嬢様が戻らないように。」
「さっき殴ったのは腹なのに、頭でも打ったのか?」

山小屋。
「動かないでください。麻布の売買禁止に背いたため、俺の友は捕まった。明日には簀巻きにされ叩かれる。下手をすれば命を落とす。それを防ぐためにあなたをさらったのだ。余計なことは考えなくていい。あなたの父親が親友を解放すれば指一本触れることなく返してやる。すまないな。婚礼を控えているのに。」
チョン・ボンサムはソリンの背後からさるぐつわを外しました。
「詫びなど。私がすべきです。子の罪は子だけのものではなく親もまた罪人になります。親の罪も同じです。」
「はは。すばらしい娘さんだ。」
「お友達の救出に役立つなら私は喜んで・・・。」
ソリンは後ろを振り返りました。
「まさか、あなたは・・・。」
ボンサムとソリンは顔を見合わせました。

「行商人になると、言ってたはずなのに。朝鮮一の金持ちと結婚するとは思わなかった。」
ボンサムはソリンに言いました。
「王宮では、美しい鳥を飼うと飛べないように、目を潰すとか。何不自由なく暮らせることが、幸せなのでしょうか。私もまた籠の中の鳥と変わりません。浮草のようにあちこちへ売られるのだから。なぜです。私に会いに、来ませんでしたね。私に心惹かれ、追いかけて来たのだと思ったのに。」
ソリンはボンサムに言いました。
「会って、何か変わりますか?」
「私の手を取って、逃げようと言ってくれたらついて行きました。どこまでも。一緒に。」
「・・・・・・!・・・・・・。水を、汲んでくる。」
ボンサムは行こうとしました。ソリンはボンサムの腕に触れると腕輪(もしかしてソリンが願を掛けたあの腕輪?)を見ました。
「よく夢を見ました。平凡な娘に生まれ、子を産み仲良く暮らす家。目が覚めると夫の顔は覚えていません。でもあの時から、恩人の顔が鮮明に浮かぶのです。夢の中の夫は、あなたでした。」
ソリンは涙をこぼすと胸の紐をほどきました。
「なにをする。俺はあんたを抱くつもりは、まったくない。」
ボンサムは言いました。
ソリンは上着を脱いで裸になりました。
「やめてくれ!俺を、試しているのか?喉が渇いてるだろ。水を汲んでくる。」
ボンサムは大声を出して立ち上がりました。
「拒まれるなら、私は死を選びます!思いを伝え素肌までさらしたのに拒まれたらどうして生きていけましょうか。一生のうちに、女人(にょにん)は、ただの一度も・・・自由に生きられないのですか。女人(にょにん)は、一度も、殿方を好きになっては、いけないのですか?」
「・・・・・・。」
ボンサムはソリンのもとに近寄ると、ソリンの頬に触れました。ソリンは涙ぐんでいました。ボンサムはソリンの背中に腕を回して抱きました。

夜が明けました。

趙家客主の家。
「何てことだ。お前が知らぬとは何だ!アイゴ。苦労してきたのに。趙家客主はこれでおしまいだ。シン・ソクチュに殺されるかも。アイゴ。ソリンや。」
チョ・スンドゥクは一人で帰って来たウォルを咎めると困り果てました。

山小屋。
「俺はソンドルを救ったら江景(カンギョン)に行ってくる。それから戻ってくる。」
ボンサムはソリンの手を取りながら言いました。
「もういいのです。あなたと一緒に行こうとも、待っていてとは言わないでください。私には、守るべき人がいます。世間にどういわれようと父は父です。憎まれようとも、見捨てられません。私たちは、縁がないのです。」
ソリンはボンサムの手を離しました。
「嘘を言うな。本心じゃないのはわかってる。」
「私を忘れてください。私も忘れます。あなたと私は会ってはいけないのです。もう二度と。」
「・・・わかった。俺を忘れてくれ。会えなくても想いでまでは消せない。どれほど離れていても、あんたはずっと、俺の心の中にいる。俺は、ボンサムだ。チョン、ボンサム。」
ボンサムは立ち上がると小屋から出て行きました。
「チョン・・・ボンサム・・・。」
ソリンは夢にまで見た男との別れに嗚咽しました。

「・・・・・・。」
ボンサムは小屋を振り返ろうと立ち止まりましたがそのまま行きました。
「サバンニ(旦那様)。もう会えないと思います。優れた商人になってください。どうか、立派な商人に。」
ソリンは腹に手を当て涙を流しボンサムを見送りました。

「何だ貴様!」
「趙家客主が潰れてもいいのか?嫌ならじっとしてろ!」
ボンサムは趙家客主の門にいる使用人の頬を叩き屋敷に乗り込みました。
「何事だ。お前!死にたいのか!行商人ごときが両班の家に押し掛けるとは!」
チョ・スンドゥクとウンスが部屋から出てきました。
「俺は、チョン・ボンサムです。チョン・ボンサム。」
ボンサムはチョ・スンドゥクに頭を下げました。
「何だと?チョン・ボンサム。行商人が両班に名乗るとは、何と無礼な。待てよ。お前は義州の山道で・・・。もしやお前。」
「お嬢様がいないことを町中に触れ回りましょうか〜!」
ボンサムは大きな声をだしました。
「ちょっとお前。何を言う。黙って私について来い。何をしてる。早く来なさい。」
チョ・スンドゥクはボンサムの口を塞ぎました。

部屋。
「ソリンの結婚相手がだれか知ってるか?お前など近づくこともできぬ。」
チョ・スンドゥクはボンサムに言いました。
「ああ。俺も知ってる。六牟塵(ユギジョン)大行首(テヘンス)。シン・ソクチュだろ?」
「行商人のくせに大行首(テヘンス)様を呼び捨てにするとは!それはともかくソリンを返してくれ。あの時の礼は別にする。」
「なら俺の友ソンドルを返してくれ。」
「奴は禁止令に背いた密売人だ。」
「一体その禁止令はどこのどいつが出した!国は売買を禁じていないのに!六牟塵(ユギジョン)の奴らが勝手に出した禁止令でなぜ俺の友ソンドルが捕まるんだ!」
「わかった。ソリンを返してくれ。明日には漢陽(ハニャン)へ向かう身なのだ。」
「わかった。なら麻布二千五百疋くれ。友があんたの息子に払った麻布の代金も貰おう。」
「こいつめ!調子に乗りおって!友、麻布、金、どれか一つにしてくれ!ソリンを人質にとって友を取返し、麻布と金まで巻き上げるつもりか!」
「わからずやだな。麻布二千五百疋はあんたの息子が既に代金を受け取ってる。代わりに物を渡すのは当然のことだ。」
「ならば金は?」
「ソンドルが生き残るための元手だ。」
「何だと?」
「あんたがソンドルの身分証を取り上げただろ?ならだれがソンドルの身分証を作ってくれる?もう行商ができないなら田畑でも買って稼がなきゃならない。」
「はっはっははっはっは。イノン。お前の友が困ろうと私の知ったこっちゃない。」
「六牟塵(ユギジョン)大行首(テヘンス)が怖くないのか?」
ボンサムは立ち上がり帰ろ言うとしました。
「アイゴ。待ってくれ。取引の途中で席を立つなんて。」
「離せ。大行首(テヘンス)と交渉するほうが楽なら勝手にしてくれ。」
「分かった。分かったよ。だからソリンを返してくれ。麻布二千五百疋と金と友もやるからソリンを返してくれ。」
「ところで、腹が減った。」
「そうか。そうか。」

宿屋。
ケトンは夢にうなされていました。
「ちょっと〜大丈夫?」
隣で寝ていたおばさんはケトンを起こしました。

感想

客主12話の感想です。話は打って変わって恋のエピソードです。ケトンはボンサムに一目ぼれして結婚を申し込もうとしたら、ケトンを嫌がるドリが嘘をついてケトンを追い払いました。

チョン・ボンサムは一目ぼれしたソリンを誘拐して一夜を共に過ごし互いに思いを成就させて別れました。

意外とあっさりとした挙句に別れたボンサムとソリンの別れ。なんだか視聴者としては物足りません!ボンサムの恋慕の情も控え目というか、ほとんど表現されてなくて、恋が本格的に燃え上がる前に火花で結ばれて終わっちゃったといった感じでしょうか。ボンサムは現代の価値観では・・・法を犯しているといえますね。心が結ばれてるからストーリー上は問題ないけど。

ならばソリンが腹を押さえていた演出は後々の伏線でしょうか。だとすれば、なんだかおかしな展開になりそうですね。

キル・ソゲはかわいがっていたはずのボンサムをなぜか憎んでいます。それって男の嫉妬心というやつでしょうか。商人として優れているボンサムが憎い。稼げる男だから憎いという理由にならない動機でボンサムを一方的に憎んでいくのかもしれませんね。それって自分(ソゲ)が悪いのに。

チェ・ドリもソン・マンチと似たような立ち位置ですからドリのケトンに対する排除行動というのは現代的な価値観でいえば悪ですね・・・。

そのケトンというと、何やら未来が見えるようで、まるで高句麗の「朱蒙(チュモン)」に出てくる巫女様みたいです。

シン・ソクチュのエロジジイも汚い本性が明らかになってきましたね。

続きが愉しみです。

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