オクニョ~運命の女(ひと)
オクニョ1話~最終回(51話)まですべて視聴しました。ここではあらすじの完全ネタバレと視聴した感想を書いてます!各話の詳しいあらすじは次の通りです。このドラマは全51話と中編ドラマで長かったです。次々と場面がせわしなく切り替わって見るほうも忙しい。主人公のオクニョはその明るく行動的で賢い人柄でテウォンやソン・ジホンをはじめとした有能な人を次々と味方に引き込み悪党ユン・ウォニョン(尹元衡)とチョン・ナンジョンと戦います!
登場人物/キャスト
オクニョ/チン・セヨン
主人公。典獄署(チョノクソ)でのびのびと生まれ育つ。明るい性格で人より抜きんでて賢くて健康体。問題解決のため人脈を生かして行動する。母を大妃とユン・ウォニョン(尹元衡)の追っ手に殺され恨んでいる。
チン・セヨンは1993年生まれの女優。中央大学校演劇映画学科卒業。
ユン・テウォン/コ・ス
オクニョの彼氏。荒くれ者で街のゴロツキ。コン・ジェミョンと出会い商売人になり、父と出会い役人になる。オクニョと出会い、守る男になる。“持ってる人”と出会わなければやくざになっていた。父の側室チョン・ナンジョンに母を殺され恨んでいる。オクニョと共通の敵を持つ。
コ・スは1978年生まれの俳優。代表作は「黄金の帝国」。祥明大学校大学院映画学科卒業。
明宗(ミョンジョン)/ソ・ハジュン
朝鮮国王。ストレスのせいか病弱で母の文定大妃(ムンジョンテビ)と叔父のユン・ウォニョン(尹元衡)の言いなり。オクニョを守る時だけ母に反抗して自分の意思を貫く。事あるごとにオクニョを助ける。
ソ・ハジュンは1989年生まれの俳優。
ソン・ジホン/チェ・テジュン
捕盗庁(ポドチョン)の従事官。海州(ヘジュ)の判官を経て朝廷の吏曹正郎(チョンナン)に任命される。ユン・ウォニョン(尹元衡)に実の祖父を殺され、ユン・テウォンに養父を殺され恨んでいる。オクニョと共闘する。
チェ・テジュンは1991年生まれの俳優。中央大学校演劇学科卒業。「大風水」で悪役イ・バンウォンを演じる。
あらすじ概要
オクニョは典獄署(チョノクソ)という牢獄でカビという女性から生まれ、死んだ母のかわりにチ・チョンドクに育てられて典獄署(チョノクソ)の茶母(タモ)になりました。オクニョは典獄署(チョノクソ)の中で後の恋人テウォンや師イ・ジハム(李之菡)たちと知り合います。
オクニョはある日、地下牢に捕らえられているパク・テスと出会い、母を知るために探体人(チェタミン)になればよいと考えパク・テスから武術の指導を受けました。オクニョは文定大妃(ムンジョンテビ)に探体人(チェタミン)に命じられ、チュ・チョルギから厳しい訓練を受けてカン・ソノの配下として初任務で明の使臣オ・ジャンヒョンから密書を奪うことになりました。
オクニョはオ・ジャンヒョンが持っている密書がユン・ウォニョン(尹元衡)と文定大妃(ムンジョンテビ)が先の国王を暗殺した証拠であることを知らずに奪います。パク・テスもまたそのことを知らずにオ・ジャンヒョンを暗殺しました。ユン・ウォニョン(尹元衡)の命令を受けたカン・ソノは言われた通りにパク・テスを殺して密書を奪います。
オクニョはパク・テス殺しの罪をユン・ウォニョン(尹元衡)に着せられ投獄されました。このことを知った文定大妃(ムンジョンテビ)はオクニョを放免しました。
オクニョは再び典獄署(チョノクソ)の茶母(タモ)となり、囚人たちに生活費を稼がせますが、ユン・ウォニョン(尹元衡)とチョン・ナンジョンに陥れられて囚人となりカン・ソノの手下に殺されかけました。オクニョは海州(ヘジュ)で官奴婢として働くことを命じられました。
テウォンは力が欲しいと父に取り入り平市署(ピョンシソ)の注簿(チュブ)になり、てはじめとしてソン・ジホンの祖父の商団を潰して財産と利権をコン・ジェミョンのものとしました。
海州(ヘジュ)でオクニョはソン・ジホンとチャン・ソンプンと仲間になり商団を内密に大きくしてチョン・ナンジョンに対抗します。
オクニョは占いの実力を認められて昭格署の道流(トリュ)としてみやこに戻ってきました。
オクニョは道流(トリュ)として大妃の要望に応える中で、実は母が大妃とユン・ウォニョン(尹元衡)に殺されたことを知りました。
カン・ソノは大尹(テユン)のイ・ジョンミョンの配下になり、朝廷に吏曹正郎(イジョチョンナン)として復帰したソン・ジホンとともに勢力を固めます。
オクニョはいつしか明宗(ミョンジョン)と親しくなり、昭格署の廃止により大妃の力を抑えつけていきます。オクニョは再度典獄署(チョノクソ)の茶母(タモ)にもどりました。オクニョと明宗(ミョンジョン)が密会していることに目を付けたユン・ウォニョン(尹元衡)は国王が卑しい身分の女と会っていると脅しをかけつつありました。明宗はオクニョを守るため側室にすることを考えます。
オクニョは自分の正体を知ったため、明宗の誘いを断りました。
明宗(ミョンジョン)は病状が悪化していき倒れてしまいました。大妃は誰でもよいから側室に迎えて世継ぎが欲しいと焦りました。ミン尚宮(サングン)はユン・ウォニョン(尹元衡)に殺されイ・ミョンホンの身にも危険が迫っていました。
とうとうチョン・ナンジョンもオクニョの正体に気が付きました。
ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンはオクニョの正体が王女、翁主(オンジュ)であることを知ったうえでチュ・チョルギに暗殺を命じます。ユン・ウォニョンと小尹(ソユン)の大臣らは次の国王の後ろ盾となることで勢力を維持しようと画策するためオクニョと大尹(テユン)のカン・ソノとソン・ジホンを謀反を企てていた大逆罪人に仕立てる暴挙に出ました。カン・ソノとソン・ジホンは捕らえられイ・ジョンミョンはキ・チュンスに殺されてしまいました。テウォンはオクニョを連れて山中に逃げました。そんなさなか文宗(ムンジョン)大妃が崩御しユン・ウォニョンは後ろ盾をなくしてしまいました。大妃がいなくなった今、明宗は自由になったため王命を下して内禁衛(ネグミ)の従事官のハン・ジェソらに内禁衛(ネグミ)のキ・チュンスを捕縛して宮中の兵権を掌握しました。明宗はテウォンとオクニョに城外のことを任せる王命を下し、オクニョとテウォンは小尹(ソユン)の大臣たちを捕らえてユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンを捕らえるべく屋敷に乗り込みます。
ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンは間一髪チュ・チョルギの導きにより追っ手から逃れました。ユン・ウォニョンは宮中に挙兵するしかないと決断してチュ・チョルギに江原道の長官から挙兵の約束を取り付けました。チョン・ナンジョンは平安道の長官からも援軍を得られたら確実だと思いチュ・チョルギにオクニョとユン・テウォンの暗殺と挙兵を命じます。しかしチュ・チョルギはオクニョの暗殺に失敗して死にました。オクニョは戦いでチョヒを失うもチュ・チョルギを殺すことで挙兵を阻止しました。ユン・テウォンはミン・ドンジュとトンチャンを実母の毒殺にチョン・ナンジョンが関わったと証言させることで取引をしてユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの隠れ家の場所を知りました。テウォンはユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンを捕らえます。助けてくれと懇願するユン・ウォニョンにテウォンはアボジと呼びたかったと苦しい気持ちを吐き出します。
小尹(ソユン)のうち関係者のなまえを白状した二人は流刑になりました。ファン・ジマンは自害しました。明宗(ミョンジョン)は叔父のユン・ウォニョン(尹元衡)とチョン・ナンジョンを流刑地への護送するよう命じました。二人の賜死が決まった日、ソン・ジホンが流刑地に行くとユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンは毒を飲んで自害していました。
二人が自害したと知り、オクニョもソン・ジホンも、テウォンも虚しい気持ちになりました。
オクニョは明宗(ミョンジョン)からたくさんの贈り物をもらい、宮中に住むように言われました。オクニョはまだ都でやりたいことがあると兄に言いました。
1年後のある日。マンスはヨンジと結婚してチョンドンはマノクと結婚し、トンチャンもまたスンシムと結婚して商売をしながら生活していました。
捕盗庁(ポドチョン)ではソン・ジホンが捕盗大将(ポドテジャン)となり、殺人事件で被害者の遺族が無念を晴らすべく外知部(ウェジブ)の助けを得て再審を請求していました。外知部(ウェジブ)に現れたのはオクニョとテウォンでした。
感想
オクニョ!長かったですね!明るくて元気ですぐ行動して問題を解決する賢いオクニョ!まさに理想の女性です。そもそも元気がないと行動できませんし、落ち込まずに明るく振舞えないと何事も成し遂げられないし、困難も克服できないし。好きな男性に告白できないし。そういうことで、望みの物を手に入れるには健康体で行動派で悪人とも親しくなれるほどじゃないと社会で成功を掴めないですよ!と言われているような気がして、疲れ知らずのオクニョは人間としてあり得ないな~と思ってしまいました。これだけ健康体だったら殿方は手に入れなきゃ!と思ってしまうのではないですか。スーパーヒロイン!
ユン・テウォンは年齢的にオクニョより一回り以上年上の男性です。テウォンのような汚い世の中にこなれたゴロツキから見たオクニョは、やっぱり若くてピチピチしていて健康で賢くて、夜のお勤めも子育てにも励んてくれそうだから申し分ないということになるでしょうか。ドラマではオクニョとテウォンの内面的な成熟度の差はそれほどなかったように思います。テウォンはゴロツキの親分としての才能しか持ってなくて、お商売のほうもほとんど関わってないし、女将のファン・ギョハからは息子のように思われているようで妓楼を丸ごと譲り受けたり、何もしなくても父母から与えられるお坊ちゃまでもありますね。ひねくれてるくせに結構恵んでもらってるのですよ、テウォン様は。庶民ならば父母から事業や役職を貰ったりしませんからねぇ。
ソン・ジホンもまたお坊ちゃま君でしたが、テウォンにすべてを奪われて、自力で出世しました苦労人です。家と官職までは取られなかったようですから、それほど貧乏というわけじゃないみたい。テウォンのライバルになるかと思われたのですが、ソン・ジホンがオクニョに恋するエピソードは皆無です。さんざん期待させておいて、それはないんじゃないですか!
明宗(ミョンジョン)はお母さんに操縦されて、ストレスで体が弱り切ってしまった器だけの王様です。体も心も母に閉じ込められて不自由な王様。でもオクニョと出会い、守ってやらねばと思うと力が湧いてきたみたいで生きる気力を取り戻します。そして何となくオクニョに親しみを感じて、側室にしちゃってもいいかな?と思い始めます。オクニョは明宗の異母妹ですから、王族の風習としては明宗(ミョンジョン)とオクニョの結婚に関しては問題ありません。生物学的には病気の遺伝子が出やすくなるとかあるようですが、みんな短命だった時代においっては、遺伝子の障害が発現する確率よりも細菌やウイルスや寄生虫で病死する確率のほうが高かったのではないかと思います。朝鮮の歴史では異母兄妹が結婚して子をもうけるなど日常茶飯事でした。それでも韓国は現在のような世界有数の長寿国ですから・・・。
それで、結構長いこのドラマ。敵も固定でチョン・ナンジョンが一番矢面に立たされて、ユン・ウォニョン(尹元衡)と文定大妃(ムンジョンテビ)とその子分たちがドラマの中で横暴を振舞うというものでした。
やってやられてのパターンを繰り返し、オクニョは王女様となって偉くてうらやましい立場になってしまうのですね。
物語は割とあっさりと展開していくので、特に思い入れがないので感情的に涙するような場面がありません。
チョン・ナンジョンやミン・ドンジュがキーキー怒る場面や、文定大妃(ムンジョンテビ)が悪知恵を働かせている場面がクローズアップされており、ユン・ウォニョン(尹元衡)など男の悪党よりも女性の悪人のほうが詳しく描かれて女の敵は女というような構図になっていました。
わからないのはカン・ソノです。カン・ソノはユン・ウォニョン(尹元衡)の命令で尊敬する上司であるパク・テスを殺めてしまいました。そのカン・ソノがどうしてオクニョを大事に思って見守りを続けていたのでしょうか?カン・ソノがオクニョに気を配る必要などどこにもなかったはずです。そんなにオクニョが好きならパク・テスを殺さずどこかに隠してしまうこともできたのではないかと思います。カン・ソノがどうしてユン・ウォニョン(尹元衡)に反旗を翻したのか、そこがよくわかりませんでした。
カン・ソノがイ・ジョンミョンの手下になったのは14話からです。10話ではすでにオクニョから刀を突き付けられる関係になっていました。9話ではカン・ソノは手下にオクニョを殺させました。それがなぜオクニョの味方になるのか意味がわかりません!人生流されるままというならカン・ソノにオクニョを見守る資格があるのでしょうか?
チュ・チョルギはオクニョをかわいがってたくせに、出世のためにあっさりとオクニョを捨てることができました。
ミニエピソードとして、ドラマの中にはお嬢様のユン・シネと下女のチョングム、そして酒場のヨジュ、茶母(タモ)のユグム、妓生のイ・ソジョンの話が挿入されています。シネはソン・ジホンのことが好きになり積極的に父の悪行を謝りに行ったりするも、いつも恋は空振りに終わります。チョングムはユン・ウォニョン(尹元衡)の側室になり贅沢暮らしを享受したいと夢を見ていましたが、欲望は夢に終わってしまいます。イ・ソジョンもまたテウォンがいい男であることを証明する存在として、テウォンに恋する悪女として描かれていました。ソジョンはエピソードが不足したらオクニョの敵になってたかもしれませんね。そして醜女のヨジュはヤン・ドングに積極的に求愛して、ユグムもまた静かにチ・チョンドクに求婚しました。
このドラマに出てくる女性たちはみんな積極的に求愛(求婚)しています。
相手に振り向かれなくてもそんなことを気にしない積極性にはとっても関心しました(笑)
男の立場から見たらどうなのでしょうね。思ってもいなかった人から求愛されると、やはりちょっとは考えてしまうものなのでしょうか。
日本社会ではそのような恋愛物の話があると、たちまち周囲に噂が流れて悪口の標的になってしまいますから、隠さざるを得ないのですが。韓国はそういう話はオープンで、恥でもなく人間として当然の事として理解が進んでいるのかもしれませんね。
最終回
さて、オクニョの最終回はユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの死が描かれていました。ユン・ウォニョンは悪女であるチョン・ナンジョンが可愛くてかわいくて仕方がないような演出がなされていました。チョン・ナンジョンは妓生という被差別階級から貞敬夫人(チョンギョンプイン、外命婦の最高の地位)という両班の女性の中で最高権力者の地位に上り詰めたという自負と、その座を追われる恐怖心に自らを追い詰めて自害して果てるという結末を迎えてしまいました。
チョン・ナンジョンが最高権力者の妻という身分から罪人に転落してしまった事実を受け入れることがなく、オクニョが自分を殺しに来るという妄想に取りつかれて怯えきってしまい逃げるようにして死ぬという何とも哀れですが、ある意味人間らしい一面が堂々と描かれていて、決して他人ごとではないなという感想を持ちました。
それはどういうことかと言いますと、人には誰でも「弱み」があってそれは「劣等感」の裏返しとでもいいますか、チョン・ナンジョンの場合は卑しい身分の女性として不運にも李氏朝鮮時代に生まれてしまい、生き残るためにあらゆる努力を惜しまずドラマの中ではお金儲けと権力のために大妃を助けつつも自分も悪事を働くという、人間として誰でもチョン・ナンジョンのような立場になれば、そういう思考に陥るだろう運命みたいな風に描かれていました。チョン・ナンジョンもまた自分の運命には抗えずに幸せを掴むという選択肢を選ばずに主人とともに権勢を得るのが「その座にいる者の普通の考え」として当然のごとく振舞っていました。おそらくは権力の座というものはそういうものであり、常に他人を蹴落としてこそ維持できるものなのかもしれません。庶民にはそこまで理解する想像力がないのでわからないけど。特に誰も自分を守ってくれないような環境ではチョン・ナンジョンもまた孤独な戦いを繰り広げてきた一人といえましょう。
ユン・ウォニョンはそれに対し、割と単純な男として描かれていました。敵をやっつけるだけでいいのですから単純な生き方ですね。油断すれば王の叔父という地位は命が危ういあの時代、ユン・ウォニョンも大妃が崩御してからは後ろ盾がいなくなり自分を守り切れませんでした。その後のことも考えたら横暴を振るうことは怖いはずなのに、ユン・ウォニョンはそこまで考えが至らないのか、あるいは勇気がありすぎるのか、大胆な人物のようでした。
そんな二人が死んで、ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンを仇とするオクニョとソン・ジホンとユン・テウォンは悪党の死に爽快感もなく、暗い気持ちでいました。韓ドラでは主人公が敵に復讐するところで終わってるドラマが多いのですが、主人公の心境まで描かれているものは割と少数派だったりします。むしろ復讐はよくないと主人公が言いきったドラマは1本くらいしか知りません(題名忘れた)。自分を蹴落とした憎いアイツに復讐したい、やり返したいという気持ちは、悪と戦ってきた人間なら誰しもが持っているはずでしょう。あるいはその逆の立場(加害者)の人も定量いらっしゃることでしょう。このドラマでは復讐することが平和と幸福への道であると描けれている一方で、もとには戻れない不幸も描かれていました。悪党にやられてしまったことで、きれいさっぱりで幸せな自分には戻れない。もうもとの自分には戻れない虚しさや、むしろ敵のいない孤独を最終回では表現されていました。
オクニョも最終回から1年後に異母兄の明宗を失います。テウォンも父と母を亡くして孤独です。人は孤独じゃないと大人になれないというかもしれませんが、確かに孤独と精神的成長という関係はそういうものなのかもしれませんね。ラストではオクニョとテウォンが結婚するところまでは描かれていませんでした。視聴者の想像に任せるといった感じです。
ユン・ウォニョンの財産はその後どうなったのか、没収されたのかどうかもよくわかりません。ユン・シネは奴婢となるはずですが、テウォンが引き取りソン・ジホンと結婚するというハッピーエンドも視聴者の想像にお任せしますといったところでしょうか。ユン・ウォニョンの息子を出産したチョングムは奴婢という身分のまま乞食になってしまうバッドエンドでした。マンスは大妃殿の女官のヨンジと結婚し、チョンドンはマノクと結婚し、トンチャンはスンシムと結婚して幸せになりました。チョングムはお笑いキャラとして不幸な笑いを誘う演出が何ともかわいそう。
ソン・ジホンは捕盗大将(ポドテジャン)という要職に就いていましたが、明宗が崩御した後はどうなるでしょうね。カン・ソノは赤い官服を着てましたから、そこそこ偉くなったかもしれません。
チョン・ナンジョンが最高権力者の妻という身分から罪人に転落してしまった事実を受け入れることがなく、オクニョが自分を殺しに来るという妄想に取りつかれて怯えきってしまい逃げるようにして死ぬという何とも哀れですが、ある意味人間らしい一面が堂々と描かれていて、決して他人ごとではないなという感想を持ちました。
それはどういうことかと言いますと、人には誰でも「弱み」があってそれは「劣等感」の裏返しとでもいいますか、チョン・ナンジョンの場合は卑しい身分の女性として不運にも李氏朝鮮時代に生まれてしまい、生き残るためにあらゆる努力を惜しまずドラマの中ではお金儲けと権力のために大妃を助けつつも自分も悪事を働くという、人間として誰でもチョン・ナンジョンのような立場になれば、そういう思考に陥るだろう運命みたいな風に描かれていました。チョン・ナンジョンもまた自分の運命には抗えずに幸せを掴むという選択肢を選ばずに主人とともに権勢を得るのが「その座にいる者の普通の考え」として当然のごとく振舞っていました。おそらくは権力の座というものはそういうものであり、常に他人を蹴落としてこそ維持できるものなのかもしれません。庶民にはそこまで理解する想像力がないのでわからないけど。特に誰も自分を守ってくれないような環境ではチョン・ナンジョンもまた孤独な戦いを繰り広げてきた一人といえましょう。
ユン・ウォニョンはそれに対し、割と単純な男として描かれていました。敵をやっつけるだけでいいのですから単純な生き方ですね。油断すれば王の叔父という地位は命が危ういあの時代、ユン・ウォニョンも大妃が崩御してからは後ろ盾がいなくなり自分を守り切れませんでした。その後のことも考えたら横暴を振るうことは怖いはずなのに、ユン・ウォニョンはそこまで考えが至らないのか、あるいは勇気がありすぎるのか、大胆な人物のようでした。
そんな二人が死んで、ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンを仇とするオクニョとソン・ジホンとユン・テウォンは悪党の死に爽快感もなく、暗い気持ちでいました。韓ドラでは主人公が敵に復讐するところで終わってるドラマが多いのですが、主人公の心境まで描かれているものは割と少数派だったりします。むしろ復讐はよくないと主人公が言いきったドラマは1本くらいしか知りません(題名忘れた)。自分を蹴落とした憎いアイツに復讐したい、やり返したいという気持ちは、悪と戦ってきた人間なら誰しもが持っているはずでしょう。あるいはその逆の立場(加害者)の人も定量いらっしゃることでしょう。このドラマでは復讐することが平和と幸福への道であると描けれている一方で、もとには戻れない不幸も描かれていました。悪党にやられてしまったことで、きれいさっぱりで幸せな自分には戻れない。もうもとの自分には戻れない虚しさや、むしろ敵のいない孤独を最終回では表現されていました。
オクニョも最終回から1年後に異母兄の明宗を失います。テウォンも父と母を亡くして孤独です。人は孤独じゃないと大人になれないというかもしれませんが、確かに孤独と精神的成長という関係はそういうものなのかもしれませんね。ラストではオクニョとテウォンが結婚するところまでは描かれていませんでした。視聴者の想像に任せるといった感じです。
ユン・ウォニョンの財産はその後どうなったのか、没収されたのかどうかもよくわかりません。ユン・シネは奴婢となるはずですが、テウォンが引き取りソン・ジホンと結婚するというハッピーエンドも視聴者の想像にお任せしますといったところでしょうか。ユン・ウォニョンの息子を出産したチョングムは奴婢という身分のまま乞食になってしまうバッドエンドでした。マンスは大妃殿の女官のヨンジと結婚し、チョンドンはマノクと結婚し、トンチャンはスンシムと結婚して幸せになりました。チョングムはお笑いキャラとして不幸な笑いを誘う演出が何ともかわいそう。
ソン・ジホンは捕盗大将(ポドテジャン)という要職に就いていましたが、明宗が崩御した後はどうなるでしょうね。カン・ソノは赤い官服を着てましたから、そこそこ偉くなったかもしれません。
明るさの裏側にある真実
このオクニョというドラマは一貫して明るい演出がされていました。でもドラマの登場人物はさまざまな不幸を背負って生きていました。
オクニョは父母のいない孤独。なんでも自分で解決しなければいけない孤独。早くから孤独を知っていたからこそ人と交流を持つスキルが発達して人を操る能力(特に話術)に長けていきました。オクニョは生活がより豊かになってからは財産を典獄署(チョノクソ)に分けてあげられるようになり、ますます人々の信頼と称賛を受けるまでになりました。
テウォンは途中まで父母がいるも、嫡子ながらナンジョンのせいで両班の息子としてではなくゴロツキとして育ち、自分で稼がなくてはいけないという問題を抱えていました。コン・ジェミョンとの出会いがテウォンを商人へと変え、リーダー格という才能と積極性がオクニョとの出会いを通じて官職を得るだけでなく庶民のために尽くせる人物に成長しました。
ソン・ジホンは途中までは養父が実の父と思っていましたが、その養父を亡くし、しかも実の父母や祖父もとっくに死んで、その背後に敵としてユン・ウォニョンがいるという孤独な運命(設定)でした。ソン・ジホンも突然の孤独と早急に自立を迫られた人物であり、しかしオクニョの協力があったので明宗の目にかかり武人として出世することができいました。
明宗は王宮の中で父母のもとに生まれるも、母の文定大妃(ムンジョンテビ)が垂簾聴政を行い圧倒的すぎる権力を握っていたため子として父母に甘えたり依存することができない孤独を抱えていました。実の親がそこにいながら心行くまで甘えられない孤独は精神を蝕みます。早々に親に見切りを付けてしまうという脱出方法もありますが、すぐ近くに毒親がいると心情的にはそうもいかずにストレスをためてしまうことでしょう。金持ちで立派な親がいるからうらやましい、そう思うかもしれませんが、苦しみというものは条件では決まらないものです。親に甘えた結果、安心を得られない、そもそも甘えることすら叶わないという問題は、想像に絶するほどつらいことなんだと思います。子供がそこそこ精神的に強くなるには何度も試練を乗り越えないといけませんから、そこに安らぐところがないと、やっぱりストレスで体が病んでしまうのも頷けます。
自分と同じく他人も孤独なんだと思うと、不思議と人は本能でそれを嗅ぎ取って交流が生まれます。孤独から逃れる方法はないのです。
このドラマに出てくる登場人物は割と孤独な人が多いな~と思いました。
オクニョは父母のいない孤独。なんでも自分で解決しなければいけない孤独。早くから孤独を知っていたからこそ人と交流を持つスキルが発達して人を操る能力(特に話術)に長けていきました。オクニョは生活がより豊かになってからは財産を典獄署(チョノクソ)に分けてあげられるようになり、ますます人々の信頼と称賛を受けるまでになりました。
テウォンは途中まで父母がいるも、嫡子ながらナンジョンのせいで両班の息子としてではなくゴロツキとして育ち、自分で稼がなくてはいけないという問題を抱えていました。コン・ジェミョンとの出会いがテウォンを商人へと変え、リーダー格という才能と積極性がオクニョとの出会いを通じて官職を得るだけでなく庶民のために尽くせる人物に成長しました。
ソン・ジホンは途中までは養父が実の父と思っていましたが、その養父を亡くし、しかも実の父母や祖父もとっくに死んで、その背後に敵としてユン・ウォニョンがいるという孤独な運命(設定)でした。ソン・ジホンも突然の孤独と早急に自立を迫られた人物であり、しかしオクニョの協力があったので明宗の目にかかり武人として出世することができいました。
明宗は王宮の中で父母のもとに生まれるも、母の文定大妃(ムンジョンテビ)が垂簾聴政を行い圧倒的すぎる権力を握っていたため子として父母に甘えたり依存することができない孤独を抱えていました。実の親がそこにいながら心行くまで甘えられない孤独は精神を蝕みます。早々に親に見切りを付けてしまうという脱出方法もありますが、すぐ近くに毒親がいると心情的にはそうもいかずにストレスをためてしまうことでしょう。金持ちで立派な親がいるからうらやましい、そう思うかもしれませんが、苦しみというものは条件では決まらないものです。親に甘えた結果、安心を得られない、そもそも甘えることすら叶わないという問題は、想像に絶するほどつらいことなんだと思います。子供がそこそこ精神的に強くなるには何度も試練を乗り越えないといけませんから、そこに安らぐところがないと、やっぱりストレスで体が病んでしまうのも頷けます。
自分と同じく他人も孤独なんだと思うと、不思議と人は本能でそれを嗅ぎ取って交流が生まれます。孤独から逃れる方法はないのです。
このドラマに出てくる登場人物は割と孤独な人が多いな~と思いました。
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