仮面の王イ・ソン1話のあらすじと感想
あらすじ
朝鮮王朝時代。秘密結社の辺首会(ピョンスかい)は強大な影の勢力として暗躍していました。
赤いチムの花が咲く山の丘。女性たちはチム花を摘んでチム畑の手入れをしていました。
洞窟。
女性たちが花びらから薬を作っていました。
「チムの花。これがチムの花です。」
テモク(大木)はクムニョン大君(テグン、王の息子)に言いました。
「チムの花?」
クムニョン大君はテモクに聞き返しました。
「この世で最も強い毒を含ませることができます。」
「花に毒を含ませるだと?」
「この花で作った丸薬を一度口にすれば一生飲み続けなければいけません。飲むのをやめれば含ませておいた毒で死にます。月が満ちるたびにチムの丸薬を飲まねば胸を引き裂く痛みで死ぬでしょう。それでもピョンスに入りますか?入るか聞いているのです。」
辺首会(ピョンスかい)の領袖テモクはクムニョン大君(イ・ユン)に小さな盃を差し出しました。
「よかろう。約束しよう。狩りが済んでも猟犬を殺さぬと。」
クムニョン大君(イ・ユン, 李允)は盃を飲み干すと、胸を押さえて苦しみました。
「お前の名は何という。」
テモクの態度が急変しました。
「クムニョンテグン、イ・ユンだ。」
「名を名乗りました。では誓いの言葉をおっしゃってください。」
テモクが促すと、周囲いいた鬼の覆面をした黒い外套を被った元老たちが口を開きました。
元老1「我々の仲間よ。」
元老2「今から見聞きすることは何としても口外してはならぬ。」
元老3「約束できるか?」
「ああ。約束しよう。」
クムニョン大君は朦朧となりながら誓いました。
「私イ・ユンは辺首会(ピョンスフェ)の掟を必ず守ろう。約束を破れば死の苦しみを味わうだろう。あっ・・・。」
クムニョン大君の首に三つの刺し傷の印が付けられました。
「これは大君媽媽(テグンマーマー)のお命を狙っていた刀です。これからは媽媽(マーマー)をお助けし、我々は媽媽(マーマー)の盾(たて)と矛(ほこ)になりましょう。肝に銘じてください。いずれその代償を払わねばならぬことを。」
テモクは冷たい表情で言いました。
夜の王宮。
数名の黒装束の刺客が部屋にいた国王を斬りました。
洞窟。
「いかなる代償も甘んじよう。王になるのだ。この私がこの国の王になるのだ!」
クムニョン大君は大声で両手を広げて言いました。
10年後。
ある日の両班(兩班、ヤンバン、양반)の集会所。
テモクは茶と菓子で接待された両班たちの前に立っていました。
「テモク様。観象監(カンサンガム관상감)からもうすぐお生まれになる王子様の四柱です。」
奴婢のチャンはテモクに書簡を渡しました。両班たちはどよめきました。
王宮。
「庚金が壬水をに導き生時に龍神が位置しています。これは龍が水に出会う運命です。王子様が無事王位につかれましたら正しい政治を行う聖君(ソングン)となられましょう。ただし・・・。」
観象監(カンサンガム)の官僚はこれから生まれてくる王子の四柱を述べました。
「どうした。早く言わぬか。」
国王イ・ユン(冒頭のクムニョンテグン)は官僚に言いました。
「日柱が壬辰ゆえ英雄の気質が強く危機に見舞われましょう。龍が天に昇る時に昇れなければ強力な火炎が立ち上り水は枯れ果ててしま龍は地に埋もれてしまうでしょう。これはすなわち一瞬の悪運に打ち勝つことができねば短命となる運命です。」
官僚は答えました。
「短命だと!!!」
国王イ・ユンは机をこぶしでたたきました。
「お怒りをお沈めください殿下。重要なのは王子様がお生まれになる時刻でございます。もし亥の刻にお生まれになれば万民の水となり民を救う龍となられる運命。必ず聖君になられるでしょう。」
「王子が今宵の亥の刻に生まれれば聖君となるが、さもなければ短命の運命となるのか?王子が、亥の刻に生まれねばならぬと?」
産室。
昭儀(ソイ)は出産のため布団に寝かされ天井から吊るされた紐を握りしめて叫び声をあげていました。
「亥の刻まで我慢できますか?」
ソダムは側室の昭儀(ソイ)の世話をしていました。
亥の刻(夜)。
「亥の刻にございます殿下。」
先ほどの四柱の官僚は国王に言いました。
集会所。
「一瞬の悪運に勝てねば短命になると?実に寂しくあわれな運命ではないか。」
テモクは侍っている両班たちに言いました。
官僚の声「あともう少しで戌の刻でございます。」
産室。
「ん~!」
王の部屋。
「王子様でございます殿下。」
医女長が現れ国王イ・ユンに報告しました。
「おめでとうございます殿下。」
部屋にいた世話人(内官と女官)たちは国王を祝いました。
「亥の刻でございます殿下。ですが解釈によれば・・・。」
官僚は言いかけました。
「それ以上言う出ない。この子はこの国の王子(ワンジャ)。将来朝鮮の聖君となるのだ。皆の者。王子を礼法にのっとり迎え入れよ!」
国王イ・ユンは言いました。
集会所。
テモクと両班たちは王子が生まれた知らせを受け取りました。両班たちはどよめきました。
「テモク様。どうすればよいですか?」
チンミョンという両班の男が言いました。
「今上(クムサン)の世継ぎとなる王子の誕生だ。お祝い申し上げねば。王子を盾に水を得ねばならぬ。」
テモクは茶を手酌しました。
「お祝いですと?」
両班の男、ソンギは言いました。
昭儀(ソイ)の部屋。
「わが子よ。父が誓おう。決してお前を余のような王にはせぬと。傀儡ではないまことの王。この国朝鮮の真の君主にしてやろう。礼を言う。そなたが王室の柱を立ててくれたな。そうだ。柱だ。柱を意味する楹嬪(ヨンビン)だ。」
国王イ・ユンは王子を大切に抱くと、横たわっている昭儀(ソイ)に言いました。
「ありがとうございます殿下。」
楹嬪(ヨンビン)は王様に言いました。
「はっはっはっは。」
イ・ユンは微笑みました。
「殿下。王子様のご誕生を祝いサツキツツジが届きました。」
内官はイ・ユンに言いました。
王の部屋。
イ・ユンはサツキツツジの盆栽とテモクからの書簡を受け取りました。
「水を渡せだと?この国朝鮮の水を差し出せだと?ハッ!テモク。奴はこの朝鮮の水をわが物にするつもりか!辺首(ピョンス)といえこれはあまりに受け入れがたい!」
イ・ユンは書簡を届けに来た武官に言いました。
「要求を聞き入れねば王子様の身が危うくなります。」
禁軍別将(親衛隊長)イ・ボムは言いました。
「あやつ・・・私の息子を人質にするつもりか!あっ・・・。」
国王イ・ユンは苦しみだしました。
「殿下。」
イ・ボムは急いで丸薬を国王に飲ませました。
「内禁衛(ネグミ)に王子を守るよう伝えよ。」
イ・ユンはイ・ボムに命令を下しました。
「はい殿下。」
イ・ボムは王命に従いました。
集会所。
「返事は?」
テモクは白い米菓子を食べながら両班の部下に尋ねました。
「返事はありませんが今上(クムサン)は内禁衛(ネグミ)に王子を守るよう命令しました。」
奴婢のチャンは言いました。
両班たちはおおげさに国王を見下すような身振りを示しました。
「ソンギ。すぐに王子様に贈り物をして来い。」
テモクは命令を下しました。
日中の楹嬪(ヨンビン)の部屋。
「私のような不出来な中殿(チュンジョン)のせいで王様はお心を痛めておられた。だがそちが立派に務めを果たしてくれた。」
王妃は養生中の楹嬪(ヨンビン)に言いました。
「恐れ多いことでございます中殿(チュンジョン)媽媽(マーマー)。」
楹嬪(ヨンビン)は布団から起き上がった姿勢のまま頭を下げました。
「それで、聞いているか?邪気払いの儀式の際に主上殿下(チュサンチョナ)は手ずから王子の名前を虎の血で書いてくれるそうだ。私が抜かりなく準備するよう命じておいた。万一我々の王子に何かあってはたいへんだ。」
儀式の部屋。
生まれて間もない王子は国王の御筆で背中に「煊(ソン)」という文字を書かれていました。
「煊(ソン)。この名前の意味は、民を慈しむ思いとこの暗雲たる朝鮮に光を照らすよう願いを込めて書いた。この名の通り、朝鮮を明るく照らす聖君となるのだ。」
国王イ・ユンは言いました。
イ・ソンが湯で清められると泣き出して、「煊(ソン)」という文字が消えました。
「早く診てください。もしや重い病では?」
楹嬪(ヨンビン)は慌てて御医に言いました。
「これは天然痘やはしかではありません。楹嬪(ヨンビン)様。まことに申しにくいのですが、既に毒に侵されておいででです。」
御医は首を横に振りました。
「ど・・・毒だと?」
楹嬪(ヨンビン)の表情に緊張が走りました。
「申し訳ありませんチャーガー(側室への敬称と思われますが、漢字わからず)。」
御医は謝罪しました。
王室の一室。
「わが子はまことに毒に侵されたのか?どうした。答えぬか。毒薬についてはそちがこの朝鮮で一番詳しいであろう?」
楹嬪(ヨンビン)は王子を青い服の官僚に診せました。
国王のイ・ユンは官僚の診察を見守っていました。
「皮膚に広まる強い赤みは強力な毒に侵されたのでしょう。すぐに解毒水を飲ませねばなりません。」
学者のウ・ボ(禹歩)は言いました。
「ならばすぐに医員(イウォン)に知らせねば。」
楹嬪(ヨンビン)は言いました。
「医院(イウォン)にはありません。純度の高い解毒水が必要です。毒を使った者たちならきっと持っているでしょう。」
ウ・ボは答えました。
「解毒水を飲ませられなければどうなるのだ?」
国王イ・ユンは尋ねました。
「お命を落とされることでしょう。」
ウ・ボは答えました。
「なりません殿下。なりません殿下。王子をお助けください。王子をお助けください。」
楹嬪(ヨンビン)は泣き叫びました。
ある日のテモクのいる屋敷。
「ようこそおいでくださいました殿下。」
テモクは庭に出てきて国王を丁寧に迎えました。
「おのれ(カーミ)。よくも王子の命を盾に取り脅してくれたな!」
お忍び姿で現れた国王イ・ユンはテモクに言いました。
「脅すですと?」
テモクはしらばっくれました。すると数人の刺客が現れテモクに暴言を吐いた国王の首に刀が突き付けられました。
禁軍別将(親衛隊長)のイ・ボムもまた刀を抜いて応戦しようとしました。
「刀をおさめよ。」
イ・ユンはイ・ボムに命じました。刺客たちはすぐに姿を消しました。
「水を渡瀬だと?朝鮮の水をわが物にするつもりか?」
イ・ユンはテモクに言いました。
「その水で民を救うつもりです。」
テモクは言いました。
「余がそのように決定を下しても朝鮮の忠臣(チュンシン)たちは決して受け入れぬだろう。」
「今日、その忠臣(チュンシン)たちが揚水庁(ヤンスチョン)を設けようと言いますので殿下はただわかったとおっしゃってください。」
「たとえ揚水庁(ヤンスチョン)を設けたとしても水を独占することはできぬ。約束しよう。水の一部を分け与える特権を与えるゆえ王子に解毒水を・・・。」
「お忘れですか?殿下を王位に就けたのはだれか?王子様のことをお考えください。すぐにお命を落とされてもよいのですか?我々も王子様に手を出すつもりはありません。王子様は大切なお方。将来我々の辺首会(ピョンスかい)に入られ我らの柱となるのです。」
「王子を!」
イ・ユンは怒りました。
「解毒水です。」
テモクは小さな壺を掲げました。
イ・ユンはテモクの拳ごと解毒水の入った小瓶を握りしめました。
「揚水庁(ヤンスチョン)の全権をくださり王子様を辺首(ピョンス)に入会させてください。」
ある日の王宮の便殿(ピョンジョン)会議。
「私、司憲府持平(チピョン)のホ・ユゴン(許裕建)は殿下に申し上げます。洪水に備えて河川の整備が必要ですが現在大規模な工事を任せられる人材が不足しています。揚水庁(ヤンスチョン)を設置してすべての水の管理を辺首会(ピョンスフェ)に任せてはいかがでしょうか。」
青い服を着た官僚、司憲府のホ・ユゴンは言いました。
「よきに計らえといっているだろう!余は、揚水庁(ヤンスチョン)の設置を認める。」
国王イ・ユンは怒鳴りました。
「ありがたき幸せにございます。」
官僚たちは全員頭を下げました。
王子の部屋。
イ・ユンが部屋に入ると楹嬪(ヨンビン)が王子を抱いて泣きじゃくっていました。
「さあ。解毒水だ。早く飲ませよ。」
イ・ユンは小瓶を差し出しました。
「申し訳ありません殿下。」
控えていたウ・ボは謝りました。
イ・ユンは動かぬ王子に解毒水を与えました。
「王子。」
イ・ユンは王子を励ますように言いました。
「王子~。あ~。あ~。」
楹嬪(ヨンビン)は王子を抱いて泣きました。
しばらくして、王子が動きました。
「王子・・・。」
楹嬪(ヨンビン)は王子の変化に気づきました。
「殿下。王子様は自らの力で毒に打ち勝ちました。」
ウ・ボは土下座して喜びました。
「すごいぞ。実にすごいぞわが王子。」
イ・ユンは王子を抱いて喜びました。王子の背中には「ソン」という文字が戻っていました。
「特に毒に侵されていたところ(文字の部分)が反応して赤くなっていたのです。今後は毒に侵されるたびにその文字が出てくるでしょう。災い転じて福をなすです。これで王子様はいかなる毒にも耐えられる強い力を得られました。お祝い申し上げます殿下。」
ウ・ボは泣いて喜びました。
「そうか。そうか。そうか。天が聖君にならせるべくお守りくださったのだ。はっはっはっは。」
イ・ユンは悲しそうに喜びました。
辺首会(ピョンスかい)。
「我々辺首会(ピョンスフェ)は、揚水庁(ヤンスチョン)を手に入れた。これで朝鮮に数十か所の揚水庁(ヤンスチョン)が置かれ、お前たちが首長(スジャン)となるのだ。」
テモクは配下の両班に演説しました。
「わ~!」
話を聞いていた刺客のチョ・テホは両こぶしを上げてテモクを称えました。皆もテホに続いてテホを称えました。
「皆の者はこれから各地に行き水売り人と交渉しろ。揚水庁(ヤンスチョン)が所有する水。枯れることのない我々の水(資金源)となろう。」
「はい。テモクオルシ!(一同)」
夜の東宮殿。
「これより、王子殿を廃止する。余の許しなく人を入れるな。」
イ・ユンは楹嬪(ヨンビン)と禁軍別将(親衛隊長)のイ・ボムに言いました。
「どういうことですか?王子殿を廃止するとは?」
楹嬪(ヨンビン)はイ・ユンに尋ねました。
「王子の命を守るためだ。奴らは必ず王子を辺首会(ピョンスフェ)に入会させようとするだろう。王子がいくら聖君となりたくても入会してしまえば名ばかりの王となってしまう。入会式を避けるためには王子の顔を隠さねばならぬが王宮のいたるところに間者がいる。王子を守るための決断ゆえそなたも従ってほしい。この父が必ずお前を守る手立てを見つけてやる。親衛隊長(禁軍別将=クムグンビョルチャン)。今後王子の顔を知る者は世と楹嬪(ヨンビン)とお前だけでならぬ。もし他の者が王子の顔を見たら、殺せ。」
イ・ユンは言いました。
ある日の商団(サンダン)。
辺首会(ピョンスかい)の刺客、チョ・テホは力持ちの水の運び手の男を選別していました。
国王の声「揚水庁(ヤンスチョン)ははじめ治水のため貯水池を管理していたが、今や全国で水売りを雇い民に届けている。当初カネで水を買うことに反感を抱いたが安値で家の前に届けてくれるため都城(トソン)では受け入れられたらしい。」
イ・ボムの声「問題は揚水庁(ヤンスチョン)が日照り続きでも干上がらない井戸を買い占めたことです。今日照りが続けば・・・。」
夜の王子の部屋。
「民は揚水庁(ヤンスチョン)から水を買うしかなくなり今は捨て値同然の水の価格がうなぎのぼりに上がるだろう。テモーク!!!どうしてここまでするのだ!他の件はどうなっておる。世子を怪しむ声はないか?」
イ・ユンは怒るとイ・ボムに尋ねました。
「病のため世子様のお顔には傷があると噂を広めておきました。皆はそう思っています。」
イ・ボムは答えました。
「辺首会(ピョンスフェ)は?」
「世子様のお顔の傷は毒薬のせいだと思っています。」
部屋の中で赤ん坊のイ・ソン(李煊)が母の楹嬪(ヨンビン)に湯で体を洗ってもらっていました。イ・ユンは愛らしいイ・ソンの笑顔に微笑みかけました。すると障子を指で破って部屋の中を見ている男がいました。イ・ボムは男を庭まで追いかけました。
「世子様のお顔を見ておりません。お助けください!」
内官が命乞いをするもイ・ボムは斬り殺してしまいました。
王子の部屋。
「どうか辺首会(ピョンスフェ)の陰謀に打ち勝ち生きてくれ。奴らに抗う力をつけていつの日か仮面を外して真の君主となってくれ。」
イ・ユンは眠っているイ・ソンの顔に仮面を被せました。楹嬪(ヨンビン)は王子を見守っていました。
14年後の都城(トソン)。
「奇妙な仮面をつけたこの人は?せ~じゃ~。あはははは。世子様は本当に恐ろしい顔をしてそれは鬼のようなんだ。ほらお前さん。あの世子様のお顔を見るだけで殺される。」
芸人たちは囃子に乗って芸を披露していました。
「恐れ多くも私の顔をけなすとは。お前たちあの世の行きたいのか?」
世子を演じている芸人は言いました。
「わ~。お助けを~。」
芸人たちは散らばりました。太鼓が鳴らされました。
「顔を見てやる~。」
内官に扮した芸人が言いました。
鳴り物が鳴らされ芸人たちは踊りました。
王宮。
内人(ナイイン=女官)たちは世子の部屋に入ったらそれっきりだと噂していました。
「監獄行きならまだいいけど。殺されるんだって。」
「お前たち!」
内官のチョンスは内人(ナイイン)たちを叱りました。
「きゃあ。」
内人(ナイイン)たちは逃げていきました。
「そこまでにしておけ。幼い内人(ナイイン)を叱るより、もっと大事な用を頼んだはずだが。」
世子のイ・ソンは内官のチョンスに言いました。」
「あっ・・・。
内官のチョンスは袖の下から書物をこっそり見せました。
王宮の温室。
「薬房の記録にも主治医の記録にも、私の病の記録はない。病のために仮面をつけているのにその病の記録がないとは。お前もおかしいと思わぬか?うん?昭儀(ソイ)の主治医の医官ウ・シムは自分の手柄を独り占めしようと内医員(ネイウォン)ではない者に王子を診察させた。よってウ・シムを解任する。御医ではない者に私の診察を?」
イ・ソンは温室を歩きながら考えていました。
王宮の庭。
世子イ・ソンは父王イ・ユンと議論していました。
「東宮(トングン、世子のこと)。近々世子嬪を迎えようと思うが東宮はどう思う?」
「嬪宮(ピングン)は私の顔を見てよろしいのですか?それとも夫の顔も知らず一人寝をするのですか?」
「東宮!」
「そろそろ私に教えてください父上。私が仮面をつける本当の理由は何ですか?もう偽りは聞きたくありません。」
世子が仮面を外そうとすると、国王と世子の従者たちは皆地面に伏せました。イ・ボムは刀を抜いて世子を見た者と斬ろうとしました。
「・・・・・・。この仮面を取れば、また人が死ぬのですか?どうして私の顔を見た者を皆殺すのですか?」
「お前は病であると言っただろう。病が治れば仮面を外してやる。」
国王は世子に背を向けました。
温室。
「世子邸下(チョハ)。」
部屋の外で内官のチョンスが世子に呼びかけました。
イ・ソンは扉を開けると内官から書物を受け取り部屋に入りました。
「王子の病が重いため御医ウ・シムが成均館(ソンギュングァン)の司成(サソン)ウ・ボを入れる。成均館司成・・・?」
部屋。
「世子邸下(チョハ)。どうして私を呼ばれたのですか。私はもう侍講院(シガンウォン)で教えることはできません。」
師匠と呼ばれた赤い官服の男は言いました。
「師匠。どうしてそんなこと言うのですか?ただ師匠に会いたいだけです。師匠にはそういう師匠はいませんでした?」
世子は師匠に尋ねました。
「いないわけではありません。」
「成均館(ソンギュングァン)に変わった師匠はいませんでした?あ~その師匠は確か~。」
「ウ・ボ師匠(ススニム)です。」
「あ。ウ・ボ師匠!その時、成均館(ソンギュングァン)の司成(サソン)だったんですよね。」
「はい邸下(チョハ)。今は覚えている者は少ないですが成均館では西洋の学問をはじめ天文歴史地理に至るまであらゆる分野に明るく師匠に尋ねて答えを得られぬ者はいませんでした。」
「おほう。ならば医学(ウィハク)にも詳しかったのですか?」
「むろんです。内医院のどの医員よりも優れていました。」
「あっはっはっは。そうでしたか。」
王宮の門前。
中国の服を着たキム・ファグンは輿から降り立ち辺りを見回しました。キム・ファグンは父と顔を見合わせ微笑みあいました。
王妃の部屋。
キム・ファグンは大臣と父の後ろについて着て、大妃の部屋で茶と菓子を退屈そうにつまみながら王妃の話を聞いていました。
「この人は、いまだ主上殿下(チュサンチョナ)のお気持ちを察することができません。この件は少しお待ちください。」
王妃はキム・ファグンの父に言いました。
「しかし媽媽(マーマー)。世子嬪が他の家門に選ばれたら・・・。」
王妃の親戚と思われる大臣が言いました。
「それも殿下のご意思でしょう。」
王妃は優雅に言うと、キム・ファグンは動揺して匙を落としてしまいました。
「申し訳ありません媽媽(マーマー)。」
ファグンの父が謝りました。
「よいのだ。我々の話が退屈だったのだろう。ファグンというのか?世子嬪選びが始まればそなたも候補の一人になる。もしお前が世子嬪に選ばれたらどんな気分になる?」
王妃はキム・ファグンに尋ねました。
「世子嬪には関心ありません。」
キム・ファグンは答えました。
「こら。その口の利き方はなんだ。申し訳ありません媽媽(マーマー)。」
ファグンの父は後ろを振り返り娘を叱りました。
「よいのだ。正直で物おじしない振舞いは見込みがありそうだ。ハン尚宮(サングン)。この子に王宮を案内してやりなさい。」
王妃は言いました。
温室の前。
「東宮の温室な珍しい花でいっぱいなの?」
キム・ファグンは内人(ナイイン)のカンシムに尋ねました。
「はい。しかし東宮媽媽(マーマー)しか入れません。」
ファグンを案内しているカンシムは答えました。
「私が入ってみたいと言ったら?」
「お嬢様。そのようなこと思ってはなりません。」
「私は中宮殿に巾着を忘れてしまった。お前が取ってきてくれるか?」
「はい。」
カンシムは素直に従いました。
キム・ファグンは兵士の目をかいくぐり、温室の中に忍び込みました。そして花よりも世子の上衣を目にしました。
「お前はどう思う?私の考えでは間違いない。ウ・ボという者が真実を知っている。今は朝鮮の役人じゃないから聞きやすいだろう。」
世子はかまどの横に腰掛け一人問答していました。世子はよい案を思いついたので駆け出してキム・ファグンを目にして立ち止まりました。
「この花を鉢に植え替えてくれぬか?どうした。この花を鉢に。」
キム・ファグンは世子に命令しました。
「邸下(チョハ)。チョンスです。おいでですか。しばし中に入ります。」
部屋の外から内官のチョンスが世子に呼びかけました。
世子は急いでキム・ファグンの口を押さえて身を隠しました。キム・ファグンは世子の首筋に桐のような物で傷つけました。
「うっ・・・。」
「邸下(チョハ)?どこにおいでなのだろう。」
チョンスは部屋の外に出ていきました。
キム・ファグンは世子を押しのけ部屋の外に出ていきました。」
「何者だ。ここは世子邸下(チョハ)以外入れぬところだぞ。貴様。何者かと聞いておる。答えぬか。」
護衛の兵士はキム・ファグンに怒鳴りました。
「その子が私の温室に入ったのか?」
世子イ・ソンが裏手から現れました。
「邸下(チョハ)!」
兵士はひれ伏して刀を地面に置いて世子に従いました。
「どうしてここへ入った。許しを得ずにはいれば命はないとは思わなかったのか?」
世子はファグンの首に刀を突きつけました。
「一体どうしたのだ東宮。」
王妃が従者を引き連れて世子の前に現れました。
「この子を問いたださねばならぬのです。この子が温室に入り込んだ目的を探さねばなりませぬ。」
世子は王妃に言いました。
「東宮。この者は私が呼んだのです。不慣れゆえ道に迷ったのです。私に免じて許してやってください。」
王妃は言いました。
「中殿(チュンジョン)媽媽のお慈悲お前を許すとしよいう。また温室で見たことは決して口外してはならぬ。わかったな!」
世子はファグンに言いました。
「それくらいにしましょう。早くお連れしなさい。」
王妃は内人(ナイイン)にファグンを連れて行かせました。
ファグンが振り返ると世子の首から赤い血が出ていました。
男性の声で愛がどうのこうのという歌が流れる(恋愛の象徴BGM)。
夜のファグンの部屋。
キム・ファグンは世子との出会いを思い出して喜んでいました。キム・ファグンは世子を傷つけてしまったので自分の首筋にも傷(=自分なりの恋の証)をつけました。
「ファグンお嬢様。テモク様が呼びです。」
チャンが部屋の外から呼びかけました。
テモクの部屋。
テモクはキム・ファグンに王妃がどのような話を聞いていたか尋ねました。キム・ファグンは世子嬪について話していたと答えました。
「世子嬪(セジャビン)になりたいです。」
キム・ファグンは言いました。
「ファグン。この祖父が何と言った。この器が朝鮮ならこの水は民。水に浮く茶葉は王と言っただろう。我々はこの器を握っているべきで浮いている茶葉になってはならぬ。」
テモクは言いました。
「わかってます。茶葉は簡単に変えられてしまうからです。しかし、おじいさま。本当に世子嬪になってはいけませんか?」
ファグンは言いました。
「私の孫娘が仮面をつけた世子になぜ興味を持ったのだ?」
「傷があるのはただの噂でほかに理由があるかもしれません。おじい様は世子様のお顔を見ましたか?」
「もしや、世子の顔を見たのか?」
「え?いいえ。ただ気になって聞いてみただけです。」
「そうか。疲れたであろう。休みなさい。」
「ええ。」
ファグンは部屋から出ていきました。
「チャンよ。コンは今どこにいるのだ?」
夜の街。
黒い編み笠をかぶった男(イ・ボム)が民家に入りました。その民家の屋根にコンが立っていました。
「お前の名は何という。」
イ・ボムはイソンに尋ねました。
「イ・ソンと申します。」
「もう一度言う。お前の名は何という。」
「私はこの国の世子、イ・ソンです。」
両班の服を着たイソンはイ・ボムに言いました。
テモクの部屋。
「コンか?」
風が吹きました。
王の部屋。
「世子邸下(チョハ)の身代わりの準備ができました。」
イ・ボムは国王イ・ユンに報告しました。
「ご苦労だった。辺首会(ピョンスかい)がいつ動くかわからぬ。しっかり備えておけ。」
「はい。殿下。」
テモクの部屋。
「禁軍別将が一人の若い男を隠しているだと?その子が何者か調べてこい。」
テモクはコンに言いました。
「はい。オルシ。」
王室の書庫。
「あの方は金品は拒んでも貴重な西洋の書物を見ると夢中になってしまいます。私も珍しい書物を何冊かお渡ししたら、どんな質問にも答えてくださいました。」
世子は師匠の言葉を思い出しホンを探していました。
「まさにお前は朝鮮にひとつしかない書物だよな。」
イ・ソンは書物に話しかけて部屋から出ていこうとしました。すると机の上にサツキツツジの盆栽と書簡の入った竹筒がありました。イ・ソンは竹筒を開けようとしました。
「東宮お前はここで何をしいる!誰が無断で入ってよいと言った。出ていけ。明日の雨ごいの支度でもしていろ!」
父のイ・ユンはものすごい剣幕でイ・ソンを叱りました。
「・・・・はい。」
イ・ソンは小さくなって部屋から出ていきました。
翌日。
国王イ・ユンとイ・ソンは雨ごいのため王宮の外に出ていきました。民たちは道端にひれ伏しながら、馬上のイ・ソンを見て仮面をつけている理由について噂をしました。
儀式の場。
祭官は国王と世子に身を清め衣服を整えるよう促しました。
人のいない建物の中。
「チョンスや。チョンスや。もしお前が私の顔を見たらどうなる?」
イ・ソンはチョンスを壁に押し付け(壁ドン)真剣な面持ちで尋ねました。
「はっ・・・はい。こ・・・殺されます。」
「服を脱げ。」
「邸下(チョハ)。どうして。」
「おほう。早く服を脱がぬか。これを着ろ。」
「邸下(チョハ)。どうしてわたしが邸下(チョハ)の服を・・・。」
チョンスは床にひれ伏しました。
イ・ソンは仮面を脱いでチョンスの顔の前に差し出しました。
「みっ・・・見ていません。私は何も見ていません。」
チョンスは怯えました。
「クロッチ・・・お前が目を閉じて色。目を開ければ私を見ることになりそうすれば死ぬことになる。それでいいのだ。」
イ・ソンはチョンスの顔に仮面を被せました。
テモクの部屋。
「今上(クムサン)はイ・ソンという名の子を隠しているそうだ。辺首会(ピョンスかい)の入会に必要なのはその者の顔と名前。誰か世子の顔を知る者はおらぬか?」
テモクは部屋に集まった両班に言いました。
「今上・・・まさか今上は我々を欺くために世子に仮面を被せているのでは?」
両班の一人が言いました。
「なんと。王がいまだに我々に抗おうとしているとは。」
司憲府持平(チピョン)のホ・ユゴンは言いました。
「テモク様。向こうがことを進める前に早く世子の入会式を行ってください。」
両班の一人(ソンギ)が言いました。両班たちはざわめきました。
「世子を早く入会させる。司憲府のソンギは世子のいる宗廟を監視して逃亡しないように監視しろ。逃げたら生け捕りにするのだ。ユゴンは禁府(クンブ)の動きを探り、左相(チャサン、左議政)は王お計画を調べ上げ私に報告しろ。どんな手を使ってもよい。必ず世子を私の前に連れてくるのだ。」
「はい。テモクオルシ(一同)。」
内官に成りすましたイ・ソンは儀式の場所を抜け出しました。
「ウ・ボは西門の近くに住んでいるんだよな。」
イ・ソンは駆け出しました。
テモクの配下の兵士が世子の東宮殿を囲みました。
国王が部屋に入るとサツキツツジの盆栽がひとつ増えて書簡が届いていました。
「主上殿下(チュサンチョナ)に申し上げます。世子邸下(チョハ)の辺首会(ピョンスかい)への入会を早めます。」
テモクの手紙にはこう書かれていました。
「世子の入会式を早めるだと?まさか我々の計画に気づかれたのか?」
イ・ユンはイ・ボムに尋ねました。
「それはありません。まさか、計画は我々数名しか知らないはずです。気づかれるはずありません。」
イ・ボムは答えました。
「何か気づかれたのだろうか。我々も計画を早めねばなりません。」
国王が言うと、部屋に世子の服を着たチョンスがぶつぶつ言いながら部屋に入ってきました。
「私は見ていません。私は見ていません。」
「東宮。どうしたのだ。」
「私は見ていません。私は世子邸下(チョハ)のご尊顔を見ていません。」
「世子は、世子はどこにいるのだ。」
イ・ユンはチョンスの仮面を剥がしました。
「私は知りません。私は見ておりません。」
「答えぬか!」
「チョーナー!!!!」
「世子はどこへ行ったと聞いておる。」
「私は存じ上げません。私は何も見ていません。」
「世子はどこへ行ったというのだーーー!!!」
日中の街。
「はっ。」
イ・ソンは顔を隠そうとしました。
通りすがりの行商人が世子にぶつかりました。
花の咲く山。
ハン・ガウン(韓加恩)はツツジの花を摘んでいました。
「お嬢様!お嬢様ーー!!!」
貧しい女性がハン・ガウンを呼びました。
家。
「毒草を食べたわね。」
ハン・ガウンは女性の息子を診察し子供が食べた草のにおいをかぎました。
「行者ニンニクにも毒があるんですか?」
「これは行者ニンニクではなくバイケイソウ。野草をむやみに食べたらダメだといったでしょう。一緒に市場に行きましょう。私が薬草を買うからそれを食べたらよくなるわ。こういうときのために隠しておいたお金があるの。」
ハン・ガウンは巾着を見せました。
「感謝します。感謝しますお嬢様。」
町。
イ・ソンは戸惑いながらも市場の賑わい見物していました。
♪星と太陽は決して出会えない。同じとき同じ空間いつも一緒にいるのに昼と夜、火と水のように決して一緒にいられない。胸が痛み傷ついてもまたあなたを呼ぶわ。強く望めば心から願えばあなたに会えるのかな。今日も揺れる私の心。どうすればいいの。眠れぬ夜。苦しい心。悲しい夜。砕ける心。♪
妓生の女性はイ・ソンに見とれてしまいました。
イ・ソンとハン・ガウンはすれ違いました。
揚水庁(ヤンスチョン)。
チョ・テホは水売りを庭に集めて叱っていました。その中にイソン(異線)と彼の父がいました。
「ひどい日照りで民は水不足で困っている。だが水泥棒で俺のほうが困ってる。盗まれるな。盗まれたらお前たちの賃金から引いてやるからな。泥棒を捕らえろ。賃金の十倍やる。水代が高いと暴れる奴がいたら殺してしまえ!わかったな!」
「はい。ナウリ。(一同)」
「もう危険なことにかかわるな。」
イ・ソンの父は息子に言いました。
「わかった。」
「騒ぎは起こすな。」
「わかったってば。おやじも自分の心配してろ。」
イソンは去りました。
街。
イ・ソンは貧しい人々がたくさんいる様子を見て衝撃を受けました。幼い子供がイ・ソンを見ていました。
井戸には鍵がかけられていました。水はお金を払った人にしか分け与えられませんでした。
「その子は喉が渇いているんだ。飲ませてやれ。」
イ・ソンは子どもに水を飲ませました。男の子は甕を投げ捨てて逃げました。
「一文だ。」
水売りのイソンはイ・ソンに手を出しました。
「一文?金を出せというのか?」
「いっぱい三文。子どもだから一文。」
「あ・・・。一日の賃金はどれくらいだ?」
「10文です。」
別の男たちが答えました。
「あ・・・一日の稼ぎが10文なのに一杯3文はおかしい。」
「水代が高くて嫌ならよそへ行ってください。喉が渇いたら買うしかないでしょう。」
イソンは言いました。
「身分が低い民にも売るのか。水代が高すぎるんじゃないか。」
身分が低い男はイソンを指さして文句を言いました。
「あなた(ナンプン)金を払って帰ってください。」
イソンはイ・ソンに手を出し急かしました。
「見てたらいい気になりやがって!」
身分の低い男がイソンに襲い掛かりました。
イソンは男たちにけり倒されました。
イ・ソンは皆を止めようとしましたが、どうにもなりませんでした。
「ナンプンを倒して満足か?卑怯な奴らだ。揚水庁(ヤンスチョン)には怖くて文句言えないくせに!」
イソンは言いました。
「や~!や~!」
劇場した男は樽を投げ壊しました。
「だめです。だめです。」
イ・ソンは男の手から棒をもぎ取りました。
その場は混乱して人々は勝手に水を汲もうとしました。
「やめぬか。皆やめぬか。米のためならまだしも水のために・・・。」
イ・ソンは戸惑いました。
そこに馬に乗ったチョ・テホが現れイ・ソンに矢を番いました。イ・ソンに放った矢は胸に抱いていた書物に刺さりました。イ・ソンは逃げました。
薬局の前。
「早くこの薬草をあげて。」
ハン・ガウンは女性に薬草を渡しました。
「感謝します。感謝しますお嬢様。」
女性は息子のもとへ駆け出しました。
その時、イ・ソンが通りの向こうから走ってきて人々を押し倒していました。
ハン・ガウンはイ・ソンの腕を捕まえました。
赤いチムの花が咲く山の丘。女性たちはチム花を摘んでチム畑の手入れをしていました。
洞窟。
女性たちが花びらから薬を作っていました。
「チムの花。これがチムの花です。」
テモク(大木)はクムニョン大君(テグン、王の息子)に言いました。
「チムの花?」
クムニョン大君はテモクに聞き返しました。
「この世で最も強い毒を含ませることができます。」
「花に毒を含ませるだと?」
「この花で作った丸薬を一度口にすれば一生飲み続けなければいけません。飲むのをやめれば含ませておいた毒で死にます。月が満ちるたびにチムの丸薬を飲まねば胸を引き裂く痛みで死ぬでしょう。それでもピョンスに入りますか?入るか聞いているのです。」
辺首会(ピョンスかい)の領袖テモクはクムニョン大君(イ・ユン)に小さな盃を差し出しました。
「よかろう。約束しよう。狩りが済んでも猟犬を殺さぬと。」
クムニョン大君(イ・ユン, 李允)は盃を飲み干すと、胸を押さえて苦しみました。
「お前の名は何という。」
テモクの態度が急変しました。
「クムニョンテグン、イ・ユンだ。」
「名を名乗りました。では誓いの言葉をおっしゃってください。」
テモクが促すと、周囲いいた鬼の覆面をした黒い外套を被った元老たちが口を開きました。
元老1「我々の仲間よ。」
元老2「今から見聞きすることは何としても口外してはならぬ。」
元老3「約束できるか?」
「ああ。約束しよう。」
クムニョン大君は朦朧となりながら誓いました。
「私イ・ユンは辺首会(ピョンスフェ)の掟を必ず守ろう。約束を破れば死の苦しみを味わうだろう。あっ・・・。」
クムニョン大君の首に三つの刺し傷の印が付けられました。
「これは大君媽媽(テグンマーマー)のお命を狙っていた刀です。これからは媽媽(マーマー)をお助けし、我々は媽媽(マーマー)の盾(たて)と矛(ほこ)になりましょう。肝に銘じてください。いずれその代償を払わねばならぬことを。」
テモクは冷たい表情で言いました。
夜の王宮。
数名の黒装束の刺客が部屋にいた国王を斬りました。
洞窟。
「いかなる代償も甘んじよう。王になるのだ。この私がこの国の王になるのだ!」
クムニョン大君は大声で両手を広げて言いました。
ある日の両班(兩班、ヤンバン、양반)の集会所。
テモクは茶と菓子で接待された両班たちの前に立っていました。
「テモク様。観象監(カンサンガム관상감)からもうすぐお生まれになる王子様の四柱です。」
奴婢のチャンはテモクに書簡を渡しました。両班たちはどよめきました。
入胎四柱テモクが書簡を拡げると、このように書かれていました。
丁巳年
庚午月
壬辰日
庚戌時
庚金輔翊壬水生時、黒龍臨水。壬辰日柱英雄気強・・・即禍局強成水渇・・・何たらかんたら。
王宮。
「庚金が壬水をに導き生時に龍神が位置しています。これは龍が水に出会う運命です。王子様が無事王位につかれましたら正しい政治を行う聖君(ソングン)となられましょう。ただし・・・。」
観象監(カンサンガム)の官僚はこれから生まれてくる王子の四柱を述べました。
「どうした。早く言わぬか。」
国王イ・ユン(冒頭のクムニョンテグン)は官僚に言いました。
「日柱が壬辰ゆえ英雄の気質が強く危機に見舞われましょう。龍が天に昇る時に昇れなければ強力な火炎が立ち上り水は枯れ果ててしま龍は地に埋もれてしまうでしょう。これはすなわち一瞬の悪運に打ち勝つことができねば短命となる運命です。」
官僚は答えました。
「短命だと!!!」
国王イ・ユンは机をこぶしでたたきました。
「お怒りをお沈めください殿下。重要なのは王子様がお生まれになる時刻でございます。もし亥の刻にお生まれになれば万民の水となり民を救う龍となられる運命。必ず聖君になられるでしょう。」
「王子が今宵の亥の刻に生まれれば聖君となるが、さもなければ短命の運命となるのか?王子が、亥の刻に生まれねばならぬと?」
産室。
昭儀(ソイ)は出産のため布団に寝かされ天井から吊るされた紐を握りしめて叫び声をあげていました。
「亥の刻まで我慢できますか?」
ソダムは側室の昭儀(ソイ)の世話をしていました。
亥の刻(夜)。
「亥の刻にございます殿下。」
先ほどの四柱の官僚は国王に言いました。
集会所。
「一瞬の悪運に勝てねば短命になると?実に寂しくあわれな運命ではないか。」
テモクは侍っている両班たちに言いました。
官僚の声「あともう少しで戌の刻でございます。」
産室。
「ん~!」
王の部屋。
「王子様でございます殿下。」
医女長が現れ国王イ・ユンに報告しました。
「おめでとうございます殿下。」
部屋にいた世話人(内官と女官)たちは国王を祝いました。
「亥の刻でございます殿下。ですが解釈によれば・・・。」
官僚は言いかけました。
「それ以上言う出ない。この子はこの国の王子(ワンジャ)。将来朝鮮の聖君となるのだ。皆の者。王子を礼法にのっとり迎え入れよ!」
国王イ・ユンは言いました。
集会所。
テモクと両班たちは王子が生まれた知らせを受け取りました。両班たちはどよめきました。
「テモク様。どうすればよいですか?」
チンミョンという両班の男が言いました。
「今上(クムサン)の世継ぎとなる王子の誕生だ。お祝い申し上げねば。王子を盾に水を得ねばならぬ。」
テモクは茶を手酌しました。
「お祝いですと?」
両班の男、ソンギは言いました。
昭儀(ソイ)の部屋。
「わが子よ。父が誓おう。決してお前を余のような王にはせぬと。傀儡ではないまことの王。この国朝鮮の真の君主にしてやろう。礼を言う。そなたが王室の柱を立ててくれたな。そうだ。柱だ。柱を意味する楹嬪(ヨンビン)だ。」
国王イ・ユンは王子を大切に抱くと、横たわっている昭儀(ソイ)に言いました。
「ありがとうございます殿下。」
楹嬪(ヨンビン)は王様に言いました。
「はっはっはっは。」
イ・ユンは微笑みました。
「殿下。王子様のご誕生を祝いサツキツツジが届きました。」
内官はイ・ユンに言いました。
王の部屋。
イ・ユンはサツキツツジの盆栽とテモクからの書簡を受け取りました。
「水を渡せだと?この国朝鮮の水を差し出せだと?ハッ!テモク。奴はこの朝鮮の水をわが物にするつもりか!辺首(ピョンス)といえこれはあまりに受け入れがたい!」
イ・ユンは書簡を届けに来た武官に言いました。
「要求を聞き入れねば王子様の身が危うくなります。」
禁軍別将(親衛隊長)イ・ボムは言いました。
「あやつ・・・私の息子を人質にするつもりか!あっ・・・。」
国王イ・ユンは苦しみだしました。
「殿下。」
イ・ボムは急いで丸薬を国王に飲ませました。
「内禁衛(ネグミ)に王子を守るよう伝えよ。」
イ・ユンはイ・ボムに命令を下しました。
「はい殿下。」
イ・ボムは王命に従いました。
集会所。
「返事は?」
テモクは白い米菓子を食べながら両班の部下に尋ねました。
「返事はありませんが今上(クムサン)は内禁衛(ネグミ)に王子を守るよう命令しました。」
奴婢のチャンは言いました。
両班たちはおおげさに国王を見下すような身振りを示しました。
「ソンギ。すぐに王子様に贈り物をして来い。」
テモクは命令を下しました。
日中の楹嬪(ヨンビン)の部屋。
「私のような不出来な中殿(チュンジョン)のせいで王様はお心を痛めておられた。だがそちが立派に務めを果たしてくれた。」
王妃は養生中の楹嬪(ヨンビン)に言いました。
「恐れ多いことでございます中殿(チュンジョン)媽媽(マーマー)。」
楹嬪(ヨンビン)は布団から起き上がった姿勢のまま頭を下げました。
「それで、聞いているか?邪気払いの儀式の際に主上殿下(チュサンチョナ)は手ずから王子の名前を虎の血で書いてくれるそうだ。私が抜かりなく準備するよう命じておいた。万一我々の王子に何かあってはたいへんだ。」
儀式の部屋。
生まれて間もない王子は国王の御筆で背中に「煊(ソン)」という文字を書かれていました。
「煊(ソン)。この名前の意味は、民を慈しむ思いとこの暗雲たる朝鮮に光を照らすよう願いを込めて書いた。この名の通り、朝鮮を明るく照らす聖君となるのだ。」
国王イ・ユンは言いました。
イ・ソンが湯で清められると泣き出して、「煊(ソン)」という文字が消えました。
「早く診てください。もしや重い病では?」
楹嬪(ヨンビン)は慌てて御医に言いました。
「これは天然痘やはしかではありません。楹嬪(ヨンビン)様。まことに申しにくいのですが、既に毒に侵されておいででです。」
御医は首を横に振りました。
「ど・・・毒だと?」
楹嬪(ヨンビン)の表情に緊張が走りました。
「申し訳ありませんチャーガー(側室への敬称と思われますが、漢字わからず)。」
御医は謝罪しました。
王室の一室。
「わが子はまことに毒に侵されたのか?どうした。答えぬか。毒薬についてはそちがこの朝鮮で一番詳しいであろう?」
楹嬪(ヨンビン)は王子を青い服の官僚に診せました。
国王のイ・ユンは官僚の診察を見守っていました。
「皮膚に広まる強い赤みは強力な毒に侵されたのでしょう。すぐに解毒水を飲ませねばなりません。」
学者のウ・ボ(禹歩)は言いました。
「ならばすぐに医員(イウォン)に知らせねば。」
楹嬪(ヨンビン)は言いました。
「医院(イウォン)にはありません。純度の高い解毒水が必要です。毒を使った者たちならきっと持っているでしょう。」
ウ・ボは答えました。
「解毒水を飲ませられなければどうなるのだ?」
国王イ・ユンは尋ねました。
「お命を落とされることでしょう。」
ウ・ボは答えました。
「なりません殿下。なりません殿下。王子をお助けください。王子をお助けください。」
楹嬪(ヨンビン)は泣き叫びました。
「ようこそおいでくださいました殿下。」
テモクは庭に出てきて国王を丁寧に迎えました。
「おのれ(カーミ)。よくも王子の命を盾に取り脅してくれたな!」
お忍び姿で現れた国王イ・ユンはテモクに言いました。
「脅すですと?」
テモクはしらばっくれました。すると数人の刺客が現れテモクに暴言を吐いた国王の首に刀が突き付けられました。
禁軍別将(親衛隊長)のイ・ボムもまた刀を抜いて応戦しようとしました。
「刀をおさめよ。」
イ・ユンはイ・ボムに命じました。刺客たちはすぐに姿を消しました。
「水を渡瀬だと?朝鮮の水をわが物にするつもりか?」
イ・ユンはテモクに言いました。
「その水で民を救うつもりです。」
テモクは言いました。
「余がそのように決定を下しても朝鮮の忠臣(チュンシン)たちは決して受け入れぬだろう。」
「今日、その忠臣(チュンシン)たちが揚水庁(ヤンスチョン)を設けようと言いますので殿下はただわかったとおっしゃってください。」
「たとえ揚水庁(ヤンスチョン)を設けたとしても水を独占することはできぬ。約束しよう。水の一部を分け与える特権を与えるゆえ王子に解毒水を・・・。」
「お忘れですか?殿下を王位に就けたのはだれか?王子様のことをお考えください。すぐにお命を落とされてもよいのですか?我々も王子様に手を出すつもりはありません。王子様は大切なお方。将来我々の辺首会(ピョンスかい)に入られ我らの柱となるのです。」
「王子を!」
イ・ユンは怒りました。
「解毒水です。」
テモクは小さな壺を掲げました。
イ・ユンはテモクの拳ごと解毒水の入った小瓶を握りしめました。
「揚水庁(ヤンスチョン)の全権をくださり王子様を辺首(ピョンス)に入会させてください。」
ある日の王宮の便殿(ピョンジョン)会議。
「私、司憲府持平(チピョン)のホ・ユゴン(許裕建)は殿下に申し上げます。洪水に備えて河川の整備が必要ですが現在大規模な工事を任せられる人材が不足しています。揚水庁(ヤンスチョン)を設置してすべての水の管理を辺首会(ピョンスフェ)に任せてはいかがでしょうか。」
青い服を着た官僚、司憲府のホ・ユゴンは言いました。
「よきに計らえといっているだろう!余は、揚水庁(ヤンスチョン)の設置を認める。」
国王イ・ユンは怒鳴りました。
「ありがたき幸せにございます。」
官僚たちは全員頭を下げました。
王子の部屋。
イ・ユンが部屋に入ると楹嬪(ヨンビン)が王子を抱いて泣きじゃくっていました。
「さあ。解毒水だ。早く飲ませよ。」
イ・ユンは小瓶を差し出しました。
「申し訳ありません殿下。」
控えていたウ・ボは謝りました。
イ・ユンは動かぬ王子に解毒水を与えました。
「王子。」
イ・ユンは王子を励ますように言いました。
「王子~。あ~。あ~。」
楹嬪(ヨンビン)は王子を抱いて泣きました。
しばらくして、王子が動きました。
「王子・・・。」
楹嬪(ヨンビン)は王子の変化に気づきました。
「殿下。王子様は自らの力で毒に打ち勝ちました。」
ウ・ボは土下座して喜びました。
「すごいぞ。実にすごいぞわが王子。」
イ・ユンは王子を抱いて喜びました。王子の背中には「ソン」という文字が戻っていました。
「特に毒に侵されていたところ(文字の部分)が反応して赤くなっていたのです。今後は毒に侵されるたびにその文字が出てくるでしょう。災い転じて福をなすです。これで王子様はいかなる毒にも耐えられる強い力を得られました。お祝い申し上げます殿下。」
ウ・ボは泣いて喜びました。
「そうか。そうか。そうか。天が聖君にならせるべくお守りくださったのだ。はっはっはっは。」
イ・ユンは悲しそうに喜びました。
辺首会(ピョンスかい)。
「我々辺首会(ピョンスフェ)は、揚水庁(ヤンスチョン)を手に入れた。これで朝鮮に数十か所の揚水庁(ヤンスチョン)が置かれ、お前たちが首長(スジャン)となるのだ。」
テモクは配下の両班に演説しました。
「わ~!」
話を聞いていた刺客のチョ・テホは両こぶしを上げてテモクを称えました。皆もテホに続いてテホを称えました。
「皆の者はこれから各地に行き水売り人と交渉しろ。揚水庁(ヤンスチョン)が所有する水。枯れることのない我々の水(資金源)となろう。」
「はい。テモクオルシ!(一同)」
夜の東宮殿。
「これより、王子殿を廃止する。余の許しなく人を入れるな。」
イ・ユンは楹嬪(ヨンビン)と禁軍別将(親衛隊長)のイ・ボムに言いました。
「どういうことですか?王子殿を廃止するとは?」
楹嬪(ヨンビン)はイ・ユンに尋ねました。
「王子の命を守るためだ。奴らは必ず王子を辺首会(ピョンスフェ)に入会させようとするだろう。王子がいくら聖君となりたくても入会してしまえば名ばかりの王となってしまう。入会式を避けるためには王子の顔を隠さねばならぬが王宮のいたるところに間者がいる。王子を守るための決断ゆえそなたも従ってほしい。この父が必ずお前を守る手立てを見つけてやる。親衛隊長(禁軍別将=クムグンビョルチャン)。今後王子の顔を知る者は世と楹嬪(ヨンビン)とお前だけでならぬ。もし他の者が王子の顔を見たら、殺せ。」
イ・ユンは言いました。
辺首会(ピョンスかい)の刺客、チョ・テホは力持ちの水の運び手の男を選別していました。
国王の声「揚水庁(ヤンスチョン)ははじめ治水のため貯水池を管理していたが、今や全国で水売りを雇い民に届けている。当初カネで水を買うことに反感を抱いたが安値で家の前に届けてくれるため都城(トソン)では受け入れられたらしい。」
イ・ボムの声「問題は揚水庁(ヤンスチョン)が日照り続きでも干上がらない井戸を買い占めたことです。今日照りが続けば・・・。」
夜の王子の部屋。
「民は揚水庁(ヤンスチョン)から水を買うしかなくなり今は捨て値同然の水の価格がうなぎのぼりに上がるだろう。テモーク!!!どうしてここまでするのだ!他の件はどうなっておる。世子を怪しむ声はないか?」
イ・ユンは怒るとイ・ボムに尋ねました。
「病のため世子様のお顔には傷があると噂を広めておきました。皆はそう思っています。」
イ・ボムは答えました。
「辺首会(ピョンスフェ)は?」
「世子様のお顔の傷は毒薬のせいだと思っています。」
部屋の中で赤ん坊のイ・ソン(李煊)が母の楹嬪(ヨンビン)に湯で体を洗ってもらっていました。イ・ユンは愛らしいイ・ソンの笑顔に微笑みかけました。すると障子を指で破って部屋の中を見ている男がいました。イ・ボムは男を庭まで追いかけました。
「世子様のお顔を見ておりません。お助けください!」
内官が命乞いをするもイ・ボムは斬り殺してしまいました。
王子の部屋。
「どうか辺首会(ピョンスフェ)の陰謀に打ち勝ち生きてくれ。奴らに抗う力をつけていつの日か仮面を外して真の君主となってくれ。」
イ・ユンは眠っているイ・ソンの顔に仮面を被せました。楹嬪(ヨンビン)は王子を見守っていました。
「奇妙な仮面をつけたこの人は?せ~じゃ~。あはははは。世子様は本当に恐ろしい顔をしてそれは鬼のようなんだ。ほらお前さん。あの世子様のお顔を見るだけで殺される。」
芸人たちは囃子に乗って芸を披露していました。
「恐れ多くも私の顔をけなすとは。お前たちあの世の行きたいのか?」
世子を演じている芸人は言いました。
「わ~。お助けを~。」
芸人たちは散らばりました。太鼓が鳴らされました。
「顔を見てやる~。」
内官に扮した芸人が言いました。
鳴り物が鳴らされ芸人たちは踊りました。
王宮。
内人(ナイイン=女官)たちは世子の部屋に入ったらそれっきりだと噂していました。
「監獄行きならまだいいけど。殺されるんだって。」
「お前たち!」
内官のチョンスは内人(ナイイン)たちを叱りました。
「きゃあ。」
内人(ナイイン)たちは逃げていきました。
「そこまでにしておけ。幼い内人(ナイイン)を叱るより、もっと大事な用を頼んだはずだが。」
世子のイ・ソンは内官のチョンスに言いました。」
「あっ・・・。
内官のチョンスは袖の下から書物をこっそり見せました。
王宮の温室。
「薬房の記録にも主治医の記録にも、私の病の記録はない。病のために仮面をつけているのにその病の記録がないとは。お前もおかしいと思わぬか?うん?昭儀(ソイ)の主治医の医官ウ・シムは自分の手柄を独り占めしようと内医員(ネイウォン)ではない者に王子を診察させた。よってウ・シムを解任する。御医ではない者に私の診察を?」
イ・ソンは温室を歩きながら考えていました。
王宮の庭。
世子イ・ソンは父王イ・ユンと議論していました。
「東宮(トングン、世子のこと)。近々世子嬪を迎えようと思うが東宮はどう思う?」
「嬪宮(ピングン)は私の顔を見てよろしいのですか?それとも夫の顔も知らず一人寝をするのですか?」
「東宮!」
「そろそろ私に教えてください父上。私が仮面をつける本当の理由は何ですか?もう偽りは聞きたくありません。」
世子が仮面を外そうとすると、国王と世子の従者たちは皆地面に伏せました。イ・ボムは刀を抜いて世子を見た者と斬ろうとしました。
「・・・・・・。この仮面を取れば、また人が死ぬのですか?どうして私の顔を見た者を皆殺すのですか?」
「お前は病であると言っただろう。病が治れば仮面を外してやる。」
国王は世子に背を向けました。
温室。
「世子邸下(チョハ)。」
部屋の外で内官のチョンスが世子に呼びかけました。
イ・ソンは扉を開けると内官から書物を受け取り部屋に入りました。
「王子の病が重いため御医ウ・シムが成均館(ソンギュングァン)の司成(サソン)ウ・ボを入れる。成均館司成・・・?」
部屋。
「世子邸下(チョハ)。どうして私を呼ばれたのですか。私はもう侍講院(シガンウォン)で教えることはできません。」
師匠と呼ばれた赤い官服の男は言いました。
「師匠。どうしてそんなこと言うのですか?ただ師匠に会いたいだけです。師匠にはそういう師匠はいませんでした?」
世子は師匠に尋ねました。
「いないわけではありません。」
「成均館(ソンギュングァン)に変わった師匠はいませんでした?あ~その師匠は確か~。」
「ウ・ボ師匠(ススニム)です。」
「あ。ウ・ボ師匠!その時、成均館(ソンギュングァン)の司成(サソン)だったんですよね。」
「はい邸下(チョハ)。今は覚えている者は少ないですが成均館では西洋の学問をはじめ天文歴史地理に至るまであらゆる分野に明るく師匠に尋ねて答えを得られぬ者はいませんでした。」
「おほう。ならば医学(ウィハク)にも詳しかったのですか?」
「むろんです。内医院のどの医員よりも優れていました。」
「あっはっはっは。そうでしたか。」
中国の服を着たキム・ファグンは輿から降り立ち辺りを見回しました。キム・ファグンは父と顔を見合わせ微笑みあいました。
王妃の部屋。
キム・ファグンは大臣と父の後ろについて着て、大妃の部屋で茶と菓子を退屈そうにつまみながら王妃の話を聞いていました。
「この人は、いまだ主上殿下(チュサンチョナ)のお気持ちを察することができません。この件は少しお待ちください。」
王妃はキム・ファグンの父に言いました。
「しかし媽媽(マーマー)。世子嬪が他の家門に選ばれたら・・・。」
王妃の親戚と思われる大臣が言いました。
「それも殿下のご意思でしょう。」
王妃は優雅に言うと、キム・ファグンは動揺して匙を落としてしまいました。
「申し訳ありません媽媽(マーマー)。」
ファグンの父が謝りました。
「よいのだ。我々の話が退屈だったのだろう。ファグンというのか?世子嬪選びが始まればそなたも候補の一人になる。もしお前が世子嬪に選ばれたらどんな気分になる?」
王妃はキム・ファグンに尋ねました。
「世子嬪には関心ありません。」
キム・ファグンは答えました。
「こら。その口の利き方はなんだ。申し訳ありません媽媽(マーマー)。」
ファグンの父は後ろを振り返り娘を叱りました。
「よいのだ。正直で物おじしない振舞いは見込みがありそうだ。ハン尚宮(サングン)。この子に王宮を案内してやりなさい。」
王妃は言いました。
温室の前。
「東宮の温室な珍しい花でいっぱいなの?」
キム・ファグンは内人(ナイイン)のカンシムに尋ねました。
「はい。しかし東宮媽媽(マーマー)しか入れません。」
ファグンを案内しているカンシムは答えました。
「私が入ってみたいと言ったら?」
「お嬢様。そのようなこと思ってはなりません。」
「私は中宮殿に巾着を忘れてしまった。お前が取ってきてくれるか?」
「はい。」
カンシムは素直に従いました。
キム・ファグンは兵士の目をかいくぐり、温室の中に忍び込みました。そして花よりも世子の上衣を目にしました。
「お前はどう思う?私の考えでは間違いない。ウ・ボという者が真実を知っている。今は朝鮮の役人じゃないから聞きやすいだろう。」
世子はかまどの横に腰掛け一人問答していました。世子はよい案を思いついたので駆け出してキム・ファグンを目にして立ち止まりました。
「この花を鉢に植え替えてくれぬか?どうした。この花を鉢に。」
キム・ファグンは世子に命令しました。
「邸下(チョハ)。チョンスです。おいでですか。しばし中に入ります。」
部屋の外から内官のチョンスが世子に呼びかけました。
世子は急いでキム・ファグンの口を押さえて身を隠しました。キム・ファグンは世子の首筋に桐のような物で傷つけました。
「うっ・・・。」
「邸下(チョハ)?どこにおいでなのだろう。」
チョンスは部屋の外に出ていきました。
キム・ファグンは世子を押しのけ部屋の外に出ていきました。」
「何者だ。ここは世子邸下(チョハ)以外入れぬところだぞ。貴様。何者かと聞いておる。答えぬか。」
護衛の兵士はキム・ファグンに怒鳴りました。
「その子が私の温室に入ったのか?」
世子イ・ソンが裏手から現れました。
「邸下(チョハ)!」
兵士はひれ伏して刀を地面に置いて世子に従いました。
「どうしてここへ入った。許しを得ずにはいれば命はないとは思わなかったのか?」
世子はファグンの首に刀を突きつけました。
「一体どうしたのだ東宮。」
王妃が従者を引き連れて世子の前に現れました。
「この子を問いたださねばならぬのです。この子が温室に入り込んだ目的を探さねばなりませぬ。」
世子は王妃に言いました。
「東宮。この者は私が呼んだのです。不慣れゆえ道に迷ったのです。私に免じて許してやってください。」
王妃は言いました。
「中殿(チュンジョン)媽媽のお慈悲お前を許すとしよいう。また温室で見たことは決して口外してはならぬ。わかったな!」
世子はファグンに言いました。
「それくらいにしましょう。早くお連れしなさい。」
王妃は内人(ナイイン)にファグンを連れて行かせました。
ファグンが振り返ると世子の首から赤い血が出ていました。
男性の声で愛がどうのこうのという歌が流れる(恋愛の象徴BGM)。
夜のファグンの部屋。
キム・ファグンは世子との出会いを思い出して喜んでいました。キム・ファグンは世子を傷つけてしまったので自分の首筋にも傷(=自分なりの恋の証)をつけました。
「ファグンお嬢様。テモク様が呼びです。」
チャンが部屋の外から呼びかけました。
テモクの部屋。
テモクはキム・ファグンに王妃がどのような話を聞いていたか尋ねました。キム・ファグンは世子嬪について話していたと答えました。
「世子嬪(セジャビン)になりたいです。」
キム・ファグンは言いました。
「ファグン。この祖父が何と言った。この器が朝鮮ならこの水は民。水に浮く茶葉は王と言っただろう。我々はこの器を握っているべきで浮いている茶葉になってはならぬ。」
テモクは言いました。
「わかってます。茶葉は簡単に変えられてしまうからです。しかし、おじいさま。本当に世子嬪になってはいけませんか?」
ファグンは言いました。
「私の孫娘が仮面をつけた世子になぜ興味を持ったのだ?」
「傷があるのはただの噂でほかに理由があるかもしれません。おじい様は世子様のお顔を見ましたか?」
「もしや、世子の顔を見たのか?」
「え?いいえ。ただ気になって聞いてみただけです。」
「そうか。疲れたであろう。休みなさい。」
「ええ。」
ファグンは部屋から出ていきました。
「チャンよ。コンは今どこにいるのだ?」
夜の街。
黒い編み笠をかぶった男(イ・ボム)が民家に入りました。その民家の屋根にコンが立っていました。
「お前の名は何という。」
イ・ボムはイソンに尋ねました。
「イ・ソンと申します。」
「もう一度言う。お前の名は何という。」
「私はこの国の世子、イ・ソンです。」
両班の服を着たイソンはイ・ボムに言いました。
テモクの部屋。
「コンか?」
風が吹きました。
王の部屋。
「世子邸下(チョハ)の身代わりの準備ができました。」
イ・ボムは国王イ・ユンに報告しました。
「ご苦労だった。辺首会(ピョンスかい)がいつ動くかわからぬ。しっかり備えておけ。」
「はい。殿下。」
テモクの部屋。
「禁軍別将が一人の若い男を隠しているだと?その子が何者か調べてこい。」
テモクはコンに言いました。
「はい。オルシ。」
王室の書庫。
「あの方は金品は拒んでも貴重な西洋の書物を見ると夢中になってしまいます。私も珍しい書物を何冊かお渡ししたら、どんな質問にも答えてくださいました。」
世子は師匠の言葉を思い出しホンを探していました。
「まさにお前は朝鮮にひとつしかない書物だよな。」
イ・ソンは書物に話しかけて部屋から出ていこうとしました。すると机の上にサツキツツジの盆栽と書簡の入った竹筒がありました。イ・ソンは竹筒を開けようとしました。
「東宮お前はここで何をしいる!誰が無断で入ってよいと言った。出ていけ。明日の雨ごいの支度でもしていろ!」
父のイ・ユンはものすごい剣幕でイ・ソンを叱りました。
「・・・・はい。」
イ・ソンは小さくなって部屋から出ていきました。
国王イ・ユンとイ・ソンは雨ごいのため王宮の外に出ていきました。民たちは道端にひれ伏しながら、馬上のイ・ソンを見て仮面をつけている理由について噂をしました。
儀式の場。
祭官は国王と世子に身を清め衣服を整えるよう促しました。
人のいない建物の中。
「チョンスや。チョンスや。もしお前が私の顔を見たらどうなる?」
イ・ソンはチョンスを壁に押し付け(壁ドン)真剣な面持ちで尋ねました。
「はっ・・・はい。こ・・・殺されます。」
「服を脱げ。」
「邸下(チョハ)。どうして。」
「おほう。早く服を脱がぬか。これを着ろ。」
「邸下(チョハ)。どうしてわたしが邸下(チョハ)の服を・・・。」
チョンスは床にひれ伏しました。
イ・ソンは仮面を脱いでチョンスの顔の前に差し出しました。
「みっ・・・見ていません。私は何も見ていません。」
チョンスは怯えました。
「クロッチ・・・お前が目を閉じて色。目を開ければ私を見ることになりそうすれば死ぬことになる。それでいいのだ。」
イ・ソンはチョンスの顔に仮面を被せました。
テモクの部屋。
「今上(クムサン)はイ・ソンという名の子を隠しているそうだ。辺首会(ピョンスかい)の入会に必要なのはその者の顔と名前。誰か世子の顔を知る者はおらぬか?」
テモクは部屋に集まった両班に言いました。
「今上・・・まさか今上は我々を欺くために世子に仮面を被せているのでは?」
両班の一人が言いました。
「なんと。王がいまだに我々に抗おうとしているとは。」
司憲府持平(チピョン)のホ・ユゴンは言いました。
「テモク様。向こうがことを進める前に早く世子の入会式を行ってください。」
両班の一人(ソンギ)が言いました。両班たちはざわめきました。
「世子を早く入会させる。司憲府のソンギは世子のいる宗廟を監視して逃亡しないように監視しろ。逃げたら生け捕りにするのだ。ユゴンは禁府(クンブ)の動きを探り、左相(チャサン、左議政)は王お計画を調べ上げ私に報告しろ。どんな手を使ってもよい。必ず世子を私の前に連れてくるのだ。」
「はい。テモクオルシ(一同)。」
内官に成りすましたイ・ソンは儀式の場所を抜け出しました。
「ウ・ボは西門の近くに住んでいるんだよな。」
イ・ソンは駆け出しました。
テモクの配下の兵士が世子の東宮殿を囲みました。
国王が部屋に入るとサツキツツジの盆栽がひとつ増えて書簡が届いていました。
「主上殿下(チュサンチョナ)に申し上げます。世子邸下(チョハ)の辺首会(ピョンスかい)への入会を早めます。」
テモクの手紙にはこう書かれていました。
「世子の入会式を早めるだと?まさか我々の計画に気づかれたのか?」
イ・ユンはイ・ボムに尋ねました。
「それはありません。まさか、計画は我々数名しか知らないはずです。気づかれるはずありません。」
イ・ボムは答えました。
「何か気づかれたのだろうか。我々も計画を早めねばなりません。」
国王が言うと、部屋に世子の服を着たチョンスがぶつぶつ言いながら部屋に入ってきました。
「私は見ていません。私は見ていません。」
「東宮。どうしたのだ。」
「私は見ていません。私は世子邸下(チョハ)のご尊顔を見ていません。」
「世子は、世子はどこにいるのだ。」
イ・ユンはチョンスの仮面を剥がしました。
「私は知りません。私は見ておりません。」
「答えぬか!」
「チョーナー!!!!」
「世子はどこへ行ったと聞いておる。」
「私は存じ上げません。私は何も見ていません。」
「世子はどこへ行ったというのだーーー!!!」
日中の街。
「はっ。」
イ・ソンは顔を隠そうとしました。
通りすがりの行商人が世子にぶつかりました。
花の咲く山。
ハン・ガウン(韓加恩)はツツジの花を摘んでいました。
「お嬢様!お嬢様ーー!!!」
貧しい女性がハン・ガウンを呼びました。
家。
「毒草を食べたわね。」
ハン・ガウンは女性の息子を診察し子供が食べた草のにおいをかぎました。
「行者ニンニクにも毒があるんですか?」
「これは行者ニンニクではなくバイケイソウ。野草をむやみに食べたらダメだといったでしょう。一緒に市場に行きましょう。私が薬草を買うからそれを食べたらよくなるわ。こういうときのために隠しておいたお金があるの。」
ハン・ガウンは巾着を見せました。
「感謝します。感謝しますお嬢様。」
町。
イ・ソンは戸惑いながらも市場の賑わい見物していました。
♪星と太陽は決して出会えない。同じとき同じ空間いつも一緒にいるのに昼と夜、火と水のように決して一緒にいられない。胸が痛み傷ついてもまたあなたを呼ぶわ。強く望めば心から願えばあなたに会えるのかな。今日も揺れる私の心。どうすればいいの。眠れぬ夜。苦しい心。悲しい夜。砕ける心。♪
妓生の女性はイ・ソンに見とれてしまいました。
イ・ソンとハン・ガウンはすれ違いました。
揚水庁(ヤンスチョン)。
チョ・テホは水売りを庭に集めて叱っていました。その中にイソン(異線)と彼の父がいました。
「ひどい日照りで民は水不足で困っている。だが水泥棒で俺のほうが困ってる。盗まれるな。盗まれたらお前たちの賃金から引いてやるからな。泥棒を捕らえろ。賃金の十倍やる。水代が高いと暴れる奴がいたら殺してしまえ!わかったな!」
「はい。ナウリ。(一同)」
「もう危険なことにかかわるな。」
イ・ソンの父は息子に言いました。
「わかった。」
「騒ぎは起こすな。」
「わかったってば。おやじも自分の心配してろ。」
イソンは去りました。
街。
イ・ソンは貧しい人々がたくさんいる様子を見て衝撃を受けました。幼い子供がイ・ソンを見ていました。
井戸には鍵がかけられていました。水はお金を払った人にしか分け与えられませんでした。
「その子は喉が渇いているんだ。飲ませてやれ。」
イ・ソンは子どもに水を飲ませました。男の子は甕を投げ捨てて逃げました。
「一文だ。」
水売りのイソンはイ・ソンに手を出しました。
「一文?金を出せというのか?」
「いっぱい三文。子どもだから一文。」
「あ・・・。一日の賃金はどれくらいだ?」
「10文です。」
別の男たちが答えました。
「あ・・・一日の稼ぎが10文なのに一杯3文はおかしい。」
「水代が高くて嫌ならよそへ行ってください。喉が渇いたら買うしかないでしょう。」
イソンは言いました。
「身分が低い民にも売るのか。水代が高すぎるんじゃないか。」
身分が低い男はイソンを指さして文句を言いました。
「あなた(ナンプン)金を払って帰ってください。」
イソンはイ・ソンに手を出し急かしました。
「見てたらいい気になりやがって!」
身分の低い男がイソンに襲い掛かりました。
イソンは男たちにけり倒されました。
イ・ソンは皆を止めようとしましたが、どうにもなりませんでした。
「ナンプンを倒して満足か?卑怯な奴らだ。揚水庁(ヤンスチョン)には怖くて文句言えないくせに!」
イソンは言いました。
「や~!や~!」
劇場した男は樽を投げ壊しました。
「だめです。だめです。」
イ・ソンは男の手から棒をもぎ取りました。
その場は混乱して人々は勝手に水を汲もうとしました。
「やめぬか。皆やめぬか。米のためならまだしも水のために・・・。」
イ・ソンは戸惑いました。
そこに馬に乗ったチョ・テホが現れイ・ソンに矢を番いました。イ・ソンに放った矢は胸に抱いていた書物に刺さりました。イ・ソンは逃げました。
薬局の前。
「早くこの薬草をあげて。」
ハン・ガウンは女性に薬草を渡しました。
「感謝します。感謝しますお嬢様。」
女性は息子のもとへ駆け出しました。
その時、イ・ソンが通りの向こうから走ってきて人々を押し倒していました。
ハン・ガウンはイ・ソンの腕を捕まえました。
感想
仮面の王イ・ソン(韓国語: 군주-가면의 주인, 中国語: 君主-假面的主人)1話の感想です。いよいよドラマが始まりましたね!第一回の内容はかなり凝縮されていて普通の時代劇の2話分くらいのボリュームがありました。冒頭では辺首会(ピョンスかい)の首領テモクが何の狙いがあってかわかりませんが、朝鮮の国王を傀儡にして裏で富と権力の栄華を享受していました。テモクには息子と孫がいて、その孫がキム・ファグンという賢そうなお嬢様。テモクは左議政と司憲府の持平ホ・ユゴンとソンギという三人の男を召し抱えて、刺客のチョ・テホとユゴンという悪の仲間がいるようですね。世子には初回の時点でチョンスという内官と、おそらくは学者のウ・ボ、正式には元成均館(ソンギュングァン)の司成(サソン)という役職だったそうですが、あまり味方はいなさそうです。国王の護衛は禁軍別将イ・ボムといって本当にあった部署のようですね。揚水庁(ヤンスチョン)はどうでしょうね、架空の官庁なのかもしれません。日本でいえば水道局みたいな感じでしょうか?いつでも水を止められるってまるで現代みたい(笑)
国王イ・ユンを演じているのはキム・ミョンスです。キム・ミョンスは大げさな演技の間抜け役が多く、あまりいい作品には出ていない印象があるのですが、今回はあまり酷い演技ではなかったので不快感はありませんでした。
ウ・ボを演じているパク・チョルミンという俳優さんは「イニョプの道」でもホ・ウンチャムを演じていたほか「ペク・ドンス」でユ・スンホとの共演を果たしています。
軽い感じでパラパラと漫画のページをめくるようなノリのこのドラマ、果たして日本ではどれくらいの人気が出るのでしょうか。続きが楽しみです。
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