仮面の王イ・ソン9話のあらすじと感想
あらすじ
夜、キム・ファグンは5年振りに祖父のテモクを訪ねると「頭領様は私がお慕いしている方です。もしもその方が死ねば私も自害します」と行商人の頭領(イ・ソン)に刺客を差し向けないよう頼みました。テモクは孫娘の気迫に思わず固唾を飲みました。
テモクが放った刺客により傷を負った世子のイ・ソンは布団で眠っていました。ハン・ガウンはイ・ソンの手当を行いイ・チョンウンは世子の傍で見守っていました。そこに駆け付けたパク・ムハはテモクの刺客に世子が襲われたと聞くなり怒りを募らせました。カウンは詳しい話をパク・ムハから聞こうとすると、ムハは頭領がお嬢様を危険に晒したくないのでカウンに自分の正体を秘密にしていたと打ち明けました。カウンはチョンス若様(イ・ソン)が自分の身を案じてずっと他人の振りをしていたことに気づきました。
女性ヴォーカルの歌が流れる♪
回想シーン。
イ・ソンがカウンの前で別人として振舞う数々の場面。
「だから危険なことを一人で引き受けて私に知らぬふりをしたのね・・・。」
カウンは理解すると深いため息をつきました。
辺首会(ピョンスかい)。
「頭領を殺したらお前も自害するだと?この祖父を脅しに来たのか?」
テモクは孫娘に尋ねました。
「脅しに来たのではなく取引をしに来ました。」
キム・ファグンは堂々と答えました。
「では頭領の命と引き換えに何を差し出す。」
「おじい様であるテモクを超える大辺首(テピョンス)になります。私がその大辺首(テピョンス)になります。」
ファグンが答えると、部屋に入って来たファグンの父、キム・ウジェは思わず立ち尽くして手に持っていた書物を床に落としてしまいました。
「謹慎していろといったはずだ。」
テモクは息子に言いました。
「ご報告がありまして・・・。」
キム・ウジェは父に言いました。
「急ぎか?」
「違います。急ぎのご用なら私にお任せになりませんよね。」
「もう下がれ。」
テモクが言うとウジェは部屋から出て行きました。
「頭領の命を救えば大辺首(テピョンス)になるだと?元老にお前を紹介せねばな。」
テモクは机を何度か叩きました。
辺首会(ピョンスフェ)の秘密の洞窟。
「私の跡継ぎを紹介します。」
テモクは元老たちに言いました。
キム・ファグンは白い衣を着て髪を下ろし目を伏せました。
「テモクの孫なら辺首会(ピョンスフェ)を支持して当然なのに豪商の総会でなぜ行商人の側についた?」
元老の一人がファグンに質問を投げかけました。
「商団(サンダン)の行首(ヘンス)として利益があるほうを選びました。」
ファグンは答えました。
「倭館で我々の銅が奪われ辺首会(ピョンスフェ)の計画が破られた。またなぜそなたは倭館にいたのだ?」
別の元老がファグンに尋ねました。
「さすが辺首会(ピョンスフェ)はすべてご存知です。ええ。倭館で大きな取引をしました。」
ファグンは答えました。
「一度辺首(ピョンス)会を去った者がなぜ戻ろうとするのだ。」
「銅も管理できず辺首(ピョンス)の計画が失敗するなど愚かな失態を見て私がやらねばと決意しました。」
「失敗したというのか?我々辺首会(ピョンスフェ)が。」
「朝鮮の王朝より悠久の歴史を誇る辺首会(ピョンスフェ)がこのようなぶざまでいいのですか?私が大辺首(テピョンス)として辺首会(ピョンスフェ)の規律を正します。」
翌日。
キム・ウジェはチョ・テホを部屋に呼びチムの花を掌握しテモクに跡継ぎとして認められたいと打ち明けました。
洞窟。
キム・ファグンは洞窟から出るとよろめいて座り込んでしまいました。護衛武士のコンはファグンの腕を支えると、ファグンは世子様に会いたいと涙を流しました。
森の中。
イ・ソンは愛するカウンに見送ってもらっていました。イ・ソンは痛くないふりを演じました。
「五年前実はそなたに会いに行った。その時はそなたのためと思い背を向けたがずっと後悔していた。」
イ・ソンはカウンに打ち明けようとしました。
「そうして・・・早く来てくださらなかったのですか?」
♪女性の歌が流れる♪
イ・ソンはカウンの手に月と太陽の飾りを渡して彼女を引き寄せました。
「もう・・・お前を放さぬ。」
イ・ソンはカウンを見つめました。
「・・・・・・。」
カウンはイ・ソンを見つめました。
「私が・・・お邪魔でしたでしょうか?」
ファグンは令嬢の服に着替えてイ・ソンのもとに現れました。
「あ、いいえ。行首(ヘンス)様こそこのような所に何の御用ですか?」
イ・ソンはファグンに丁寧に言いました。
「心配で来てみたのです。ご無事で安心しました。」
ファグンはイ・ソンにほほえみました。
「驚かせてしまい申し訳ない。」
「ええ。二度と驚かせないでください。もう頭領に会えないかと思うと心臓が止まりそうでした。」
「ご心配くださりありがとうございます。豪商の総会にまた参ります。」
イ・ソンが言うとファグンも礼をして帰りました。
「カウン。誤解のないように。あの人とは何でもないんだ。信じてくれ。カウン。行首(ヘンス)様とは本当に・・・。」
「私をひとときも忘れなかったのかと。どんな仲なんですか?」
「こうしてそなたと手を繋いでいるのを診せられる仲だ。まさか。嫉妬したのか?」
「いいえ。ちょっと気になっただけです。」
カウンは先に歩き出しました。
「あ・・・。」
イ・ソンは腕を伸ばそうとして痛みで声を上げてしまいました。
帰り道。
「お嬢様。あの女を消しますか?」
コンはファグンを気遣いました。
「私がなぜあのようなつまらない女を気にするというの。私はあのような役立たずとは違う。邸下(チョハ)もお気づきになるわ。私がどんな女人(にょにん)も持たぬものを邸下(チョハ)に差し上げることができることを。」
ファグンは自信たっぷりに言いました。
豪商の総会。
イ・ソンは総会に参加し豪商たちに辺首(ピョンス)が銅を集めて造幣権を得る企みがあったが元成均館(ソンギュングァン)司成(サソン)ウ・ボらとともに阻止し吏曹判書の昇格したと話しました。
便殿(ピョンジョン)。
「元成均館(ソンギュングァン)司成(サソン)ウ・ボを本日より吏曹判書(イジョパンソ)に任じる。」
都承旨(トスンジ)が王命を読み上げました。
ウ・ボは国王と大臣におじぎをしました。
朝鮮国王のイソンは誇らしげにウ・ボに頷きました。
豪商の総会。
イ・ソンは豪商たちに結束を求めました。豪商たちは頭領のイ・ソンの後ろ盾になると約束しました。前もって豪商を取りまとめておいたキム・ファグンはイ・ソンに微笑むと、イ・ソンはありがとうとキム・ファグンに言いました。
「ゆえに私は司諫院(サガノン)、弘文館、司憲府の三司(サムサ)から辺首会(ピョンスフェ)に立ち向かう人材を集めたいと思います。」
イ・ソンは皆に言いました。
王の部屋。
国王のイ・ソンはヒョンソクから行商人の頭領がテモクを阻み大妃の信頼を得ていると報告を受けました。
イソンは頭領は大妃の手の者か尋ねるとヒョンソクはそこまではわからないと答えました。
そこに大妃(テビ)が現れました。
「礼を言います。テモクの企みを阻めました。貨幣が流通し民の苦しみも和らぎました。」
大妃はイソンにほほえみました。
「私ではなく行商人の頭領の手柄と効いてます。」
イソンはこたえると、大妃は四日も時を稼いでくれたので主上との約束を守るためカウンを王宮に連れてくると言いました。
温室。
イソンはヒョンソクの前では仮面を外して過ごしていました。
「殿下。大妃媽媽(テビママ)がカウンお嬢様を側室にくださるというのになぜお顔が暗いですか?」
護衛のヒョンソクはイソンに尋ねました。
「ヒョンソク。本物の世子邸下(チョハ)がいらっしゃったら辺首会(ピョンスフェ)に振り回されず民を慈しむ聖君(ソングン)になられただろうか。」
イソンは弱音を吐きました。
「どうしてそのようなことをおっしゃるのですか?本物の世子邸下(チョハ)は亡くなられたではありませんか。」
「そうだ。目の前で死んだのだ。」
イソンはあおむけに倒れていた世子を思い出しました。
イソンはあおむけに倒れていた世子を思い出しました。
「ならあなた様が本物の朝鮮の王です。」
「まるで本物の王を見ているようだな。お前にそう言われると欲が出る。私が本当の王になり辺首(ピョンス)を討ち万民を救いカウンお嬢様と結ばれる。そんな夢を見てしまう。」
「夢などとおっしゃらずそうすればよいのです。もうためらうのはおやめください。」
「辺首会(ピョンスフェ)に反感を持ち立ち向かう者が朝廷に必ずいるはずです。その者と手を結んで力を合わせるのです。」
イ・ソンの声。
ウ・ボは儒者の姿で市場で働く下級官僚のキム・グァンリョルに会い酒をおごりました。
「市場で金を数える仕事はやりがいがあるか?」
ウ・ボはキム・グァンリョルに尋ねました。
「金を貸して民が喜ぶならそれでよい。」
「アイゴ(舌打ち)。官庁の長官が下級官吏に降格されたのは辞職しろということだ。それを受け入れ金を数えているとはそなたを慕う儒者仲間の嘆きが聞こえるようだ。」
「最近偏屈者のウ・ボが朝廷を牛耳っていると朝鮮中が噂しているぞ。」
「本当に出世したと思われそうだ。」
「私が下っ端でいるよりお前が出世したことのほうが驚きだ。違うか?」
「そういうことになるかな。はっはっはっは。なあ(イボゲ)クァンリョル。そなたに紹介したい者がいるのだが。会ってみないか?」
夜の士大夫(サデブ)の家。
吏曹正郎(イジョチョンナン)のパク・ムハはイ・ソンをキム・グァンリョルに紹介しました。ウ・ボはクァンリョルに人事を改めるので大司憲を手伝ってほしいとtなおみました。パク・ムハはキム・グァンリョルに大妃に紹介すると言うと、キム・グァンリョルは王様ではなく大妃に従うなど朝鮮を半分にするようなものだと断りました。
イ・ソンは国王の任命ならどうだ?と問いを投げかけキム・グァンリョルが民を守るためあえて下級役人の仕事を引き受けて辺首(ピョンス)の企みを阻もうとしていることを指摘しました。
「今の朝廷には令監が必要なのです。」
「そちはただの頭領殿ではなさそうだ。そちを見てあるお方を思い出した。最初はその方の若い頃に似ていると思ったが似ているどころではない。そちの言葉と振舞いすべてがそのお方を思い出す。そちが誰なのか話してくれ。」
キム・グァンリョルはイ・ソンに言いました。
夜道。
「命を懸ける臣下に私が与えられるのは真心(チンシム)だけです。」
イ・ソンは自分の正体をキム・グァンリョルに明かしたことを案じるイ・チョンウンとパク・ムハに言いました。ウ・ボはその覚悟を聞いて嬉しく思いました。
キム・グァンリョルはチェ・ホンに早く都城(トソン)に戻ってくるように手紙をしたため下男(げなん)に遣いを出しました。
日中の薬草房(ヤクチョバン)。
カウンは大妃からクンニョ(宮女)になってほしいと頼まれたことを思い出していました。その手の中にはイ・ソンから貰った飾りがありました。そこにハン尚宮(サングン)が現れカウンを促しました。
「カウンお嬢様~大変です。」
町の人が慌てて駆け寄ってきました。
パク・ムハはメチャンと二人で道を歩きながらカウンお嬢様の芯の強さに頭領が惚れたのだと話していました。二人は通りに人だかりができているのを見てパク・ムハがその中に分け入るとヤンという少女が病気にかかり意識を失ってカウンが手当していました。パク・ムハはヤンを背負ってウ・ボの家に駆けこみました。
ウ・ボの家。
ヤンは手の中に紙を持っていました。
ウ・ボは匂いをかいで毒だと答えました。
イ・ソンは八歳のヤンに何があったか尋ねました。ヤンは自分がお母さんが自分にごはんを食べさせるためにお寺に預けるというのでついていったら寺ではなく山奥の花畑で同じくらいの年頃の女の子が二十人くらい花びらで丸薬を作っていたと答えました。イ・ソンが花畑の場所をヤンから聞き出しました。ヤンは地図を描こうとしましたがせき込みまた倒れました。
イ・ソンとカウン、ウ・ボとパク・ムハとイ・チョンウンたちは毒について話し合いました。ウ・ボは毒の背後に辺首会(ピョンスフェ)がいるかもしれないと言いました。
「辺首会(ピョンスフェ)に刃向かった者が赤黒い斑点に覆われた遺体で見つかったそうだ。奴らは毒で人を殺すというのだ。その噂すらいつの間にか消えてしまった。噂まで消してしまえる組織はそう多くはない。」
ヤンはメチャンが見守る中で地図を描こうとしていました。カウンはヤンに休むように言いました。
「明日は描けないかもしれない。早くみんな(奴隷の少女たち)を助けてあげたいの。」
ヤンは苦しそうに絵を描き泣きました。全部描けてないと泣くヤンに何も心配せずに眠るようにとメチャンは頭をなでました。ヤンは眠ったようにこと切れました。
夜になりヤンのお母さんがウ・ボの家に駆け付けました。布団に寝ているヤンをお母さんが起こそうとするとメチャンは死んだと答えました。お母さんはヤンを抱えて「ヤンや」と何度もわが子の名を叫び大声で泣きました。メチャンはカウンにヤンが描いたという地図を渡しました。
「あの子の想いがこもっています。頭領に渡してください。」
メチャンは部屋から出て言いました。
カウンはヤンが描いた地図を見ました。その地図はヤンが描いた物ではなく漢字入りの完成した地図でした。
「ヨゲジ山ですか。そんな地名があるのですか?」
イ・ソンは地図を見て言いました。ウ・ボは暗号ではないかと言いました。そこにイ・チョンウンが現れ揚水庁(ヤンスチョン)がヤンを探していると言いました。
カウンはヤンのお母さんが泣いている部屋に行き、お母さんをなぐさめてあげようとしました。ヤンのお母さんは自分が悪かったと言いました。カウンは悪いのは揚水庁(ヤンスチョン)だと言いました。
「どうしてそち(両班が奴婢など目下の者を呼ぶ言い方)が自分を責めるの。つらいだろうけどあの者たちが処罰される日が来る。私もそんな日が来るようにしてみせる。」
カウンはヤンのお母さんの手を握りました。ヤンのお母さんは泣きながら頷きました。
ウ・ボの家の庭。
イ・ソンはコムルとイソンのお母さんを連れて利川(イチョン)に身を隠すようカウンに言いました。
「今回だけは私の言う通りにしてくれ。」
イ・ソンはカウンの手を握りました。
カウンは納得しました。
「ありがとうカウン。そしてすまない。」
「いいえ。若様(トリョンニ)。申し訳ないのは私です。」
カウンはイ・ソンの手に自分の手を重ねました。
「ところで、さっき言いかけたこと(メチャンが見せた地図)は何だ?」
「いいえ。何でもありません。発つ前に私に一時間だけ時間をくださいませんか?」
ウ・ボの家の一室。
イ・チョンウンはカウンを送ってくるとイ・ソンに言いました。
イ・ソンはカウンが発つ前に真実(小尹ハン・ギュホの死の真相)を打ち明けたいと言いました。イ・チョンウンは世子とカウンお嬢様はよく似ているので真実を知れば邸下(チョハ)を理解なさるだろうと世子を励ましました。
翌日の薬房。
カウンは軒先で佇んでいました。イ・ソンは勇気を出してカウンを呼びました。
「カウンナ。」
「チョンス若様。」
イ・ソンはカウンを花が咲く林に連れて行きました。カウンは白や黄色、桃色の花を摘みました。イ・ソンもまた枝を折ってカウンに渡しました。
♪女性の歌♪
「着きました若様(トリョンニ)。父です。」
カウンはハン・ギュホの墓にイ・ソンを案内しました。
イ・ソンはハン・ギュホの墓に正座して挨拶しました。辺首(ピョンス)を倒した後に挨拶に来る予定だったがこんな形になるとはとイ・ソンは心の中で思いました。カウンは国王が辺首会(ピョンスフェ)と手を組んで民を苦しめていると話しました。
「(大切な人を置いて去ることがどれだけ心が痛むか。お父さまは亡くなられる時どれだけ心が痛んだか、お父さまの気持ちがわかります。)」
カウンは横眼でイ・ソンを見ながら涙を流しました。
夜道。
イ・ソンはカウンに何も打ち明けられないままカウンと歩いていました。
「カウナ。そなたに打ち明けることがある。五年前に話すべきだったがこれ以上・・・。」
「きれいですね。」
「カウナ。」
「若様(トリョンニ)。一つ約束してください。私がそばにいなくても危険に飛び込みお怪我などなさらぬように。」
「ああ。約束しよう。」
イ・ソンはカウンに微笑みました。
「これで、心おきなく、発つことができます。(若様と一緒になる夢を見ました。ですがこれからはもっと大きな夢を見ます。あなた様と同じ夢を見るなら、おそばにいなくても一緒にいるものと思うことにします。)」
「すぐに会いに行くから。泣くな。」
イ・ソンはカウンの頬に触れ、頭の花びらを一枚取りました。
カウンはイ・ソンにほほえみました。
イ・ソンもまたカウンにほほえみました。
♪ゆったりとしたテンポの女性ヴォーカルの歌♪
日中の温室。
「薬草房を閉めるかもしれないとはどういうことだ?」
イソンはカウンの動向についてヒョンソクに尋ねました。ヒョンソクは噂を聞いただけで確かなことはわからないと答えました。イソンはすぐにも薬草房に出かけると言うと、ヒョンソクはテモクに知られたらただでは済まないと諫めようとしました。しかし二度カウンに会えなくなるかもしれないとイソンは思い、準備するようヒョンソクに命じました。
イ・ソンは白い儒者の服に着替えてヒョンソクとともに王宮を抜け出しました。
薬草房。
イ・ソンは扇で自分の顔を隠していました。イ・ソンは薬草を整理する母を見て思わずこみ上げました。イソンのお母さんは視線に気づいてイソンを見ましたが、イソンは扇で顔を仰いで隠しました。そこにコムルが駆け寄ってきました。おじさん誰なの?と言うコムル。イソンは妹の手を握り「ずっと前に会ったことがあるのだ。お前を抱きしめていいか?」とコムルを抱き寄せて泣きました。ヒョンソクはイソンのに同情していると・・・。
「その子が妹か?おじさんではなくお兄さんと呼んでやれ。ここまで来たのだ。母にも会うべきだろう。」
テモクが現れイソンとコムルに言いました。
「そうだ。チョンスお兄さんも来るのよ。あ。お兄ちゃん。」
コムルが駆け出しました。
「よっと。コムリ。さあ。行こう。」
イ・ソンがコムルを抱き上げると涙を流しているイソンに気が付きました。
「・・・・・・。」
イソンは蒼白な表情でイ・ソンと目を合わせました。
「イソニ・・・!」
イ・ソンはイソンに気が付きました。
「さあ。お母上が中で待っているぞ。行こう。」
テモクは言いました。
「どうかやめてくださいテモク様。家族に会いたくて命令に背きました。どうか一度だけお助けください。」
イソンはテモクの足にすがりつきました。イ・ソンとイ・チョンウンはコムルを連れて隠れました。
「人は理由なく強気に出たりしない。誰がお前に勇気を与えた。大妃と随分親しいようだな。」
テモクは言いました。
「お助けくださいテモク様。」
「大妃が大事な贈り物をするようだな。だから私も贈り物を与えた。家族に会ってみてはどうだ。」
「私だけでなく家族の命もあなた様の手の中にあります。一度だけお助けください。もう二度と旦那様に逆らいません。お助けください。お助けください。」
イソンは地面に何度も頭を打ち付けました。
「近いうちに王宮でお目にかかります。殿下。」
テモクはイソンの顎に触れると行ってしまいました。
「大丈夫ですか殿下。」
ヒョンソクは駆け寄りました。
「私は夢を見ていたのか?」
イソンが言うと、コムルがイソンに抱きつき行ってしまいました。
夜のウ・ボの家。
イ・チョンウンは薬草房でウ・ボに見たことをすべて話しました。
イ・ソンは衝撃を受けていました。
「今日イソンの助けがなければ私がテモクに正体を知られていただろう。ああ。イソンにもうしわけがたたぬ。私さえいなければ今頃イソンは家族といられたのに。」
イ・ソンは悔しがりました。
「話はできたのか?」
「何とか連絡はしました。」
回想シーン。
イ・ソンはコムルに一日の戌の刻に会いに行くと言付けしました。
ウ・ボはイソンに会いに行くなど危険だと言いました。
イ・ソンはイソンがテモクに命乞いをしていたのでもう見て見ぬふりはできないと言いました。ウ・ボは王宮に入ったら行商人の頭領のふりをするようにイ・ソンに助言しました。
薬草房。
ハン尚宮(サングン)は輿を持参してカウンを迎えに現れました。イソンのお母さんはどういうことなのか血相を変えました。
ウ・ボの家。
イソンのお母さんはイ・ソンたちにカウンが王宮に上がったと駆け込みました。
イ・ソンが慌てて薬草房に行くとそこにはもうカウンの姿はありませんでした。
カウンは女官の身なりとなり王宮に入ろうとしました。
「カウナ!カウナ!」
イ・ソンは追い付きカウンを呼び駆け寄ろうとしました。
「・・・・・・。」
カウンは門の中に入り、イ・ソンは門番に制止されました。
感想
仮面の王イ・ソン(韓国語: 군주-가면의 주인, 中国語: 君主-假面的主人)9話の感想です。
話が少し進展してきましたね。イ・ソンはイ・チョンウンとしてカウンと愛をはぐくみます。ヤンというチムの畑で奴隷として働かされていた少女が街で倒れてウ・ボの家で息を引き取りました。メチャンはヤンが描いた地図ではなく自分が描いた地図をカウンに渡したのでした。イ・ソンはキム・ファグンを味方につけて行商人と豪商の力を獲得して辺首会(ピョンスフェ)に立ち向かう人材を三司(サムサ)から捜し出して味方につけました。キム・ファグンはおじいちゃんのテモクに頭領だけは殺さないでと言うと、辺首(ピョンス)会の大辺首(テピョンス)なる決意を固めます。イソンはカウンに一目会いたくて王宮を抜け出して母と妹を見て・・・そこにテモクが現れました。同じ場所にいたイ・ソンはイソンのおかげでテモクに見つからずに済んだと心を痛めます。カウンは国王に復讐するために王宮に大妃の配下として輿入りしたのでした。クンニョ(宮女、きゅうじょ)となることは王の女になるも同然で、いつ王の御手付きになってもよいという身分です。それを知ったイ・ソンはカウンが自分の女人(にょにん)になれないと思い城門まで駆け出したのでした。
せっかくまた両思いでラブラブになったところを、大妃という悪い勢力が二人の仲を引き裂いてしまいました。テモクもまたイソンの母と妹をいつでも殺せると脅して窮地に陥らせました。
せっかく勢力を拡大中のイ・ソンですが、恋人が王の女になると知り平常心ではいられません。カウンは自らつらい道を志願し、大妃が父の無念を晴らして無罪にしてくれるお礼に王宮に入ったのです。カウンを愛するイ・ソンとイソン。イソンにはカウンの心を得るチャンスはありません。あったらあったで面白いかと思いますけど。
ファグンもまたイ・ソンの心を得られる隙がありません。それでも積極的にイ・ソンの愛を得ようと政治でイ・ソンを支えます。でも恋愛は政治とカネじゃなくて心なの。ファグンの恋もまたうまくいってないけど「超ポジティブ」だと思いませんか?片思いで勝ち目がないとなれば、無理してあきらめるのが普通かと思いますが、ファグンは奪う気満々です。しかもたっぷりの自信を持って。その自信はどこで培われたかというと、やはり恵まれた環境と政治の中枢にいる祖父の孫だからこそ何不自由ない暮らしをしてきたリーダーだからでしょう。その自信は「持てる者の自信」であって、果たして本当の自信なのでしょうか?虚飾の自信なのか、それともすべてを失っても尚イ・ソンを愛せるという真心なのか。おそらくは後者なのでしょうけど、心情は入り乱れて複雑なファグンです。ファグンの父はなんとか一旗揚げたいと・・・チョ・テホと手を組み何か企んでるみたい。
今回の見どころはやはりカウンが王の女になるところでしょうかね。お下品なドラマ「王の顔」という時代劇でしたらそのまま想い人と結ばれることなく朝鮮国王と結ばれるのですが(笑)
イ・チョンウンは今回出番少な目でちょっと残念でした。
話が少し進展してきましたね。イ・ソンはイ・チョンウンとしてカウンと愛をはぐくみます。ヤンというチムの畑で奴隷として働かされていた少女が街で倒れてウ・ボの家で息を引き取りました。メチャンはヤンが描いた地図ではなく自分が描いた地図をカウンに渡したのでした。イ・ソンはキム・ファグンを味方につけて行商人と豪商の力を獲得して辺首会(ピョンスフェ)に立ち向かう人材を三司(サムサ)から捜し出して味方につけました。キム・ファグンはおじいちゃんのテモクに頭領だけは殺さないでと言うと、辺首(ピョンス)会の大辺首(テピョンス)なる決意を固めます。イソンはカウンに一目会いたくて王宮を抜け出して母と妹を見て・・・そこにテモクが現れました。同じ場所にいたイ・ソンはイソンのおかげでテモクに見つからずに済んだと心を痛めます。カウンは国王に復讐するために王宮に大妃の配下として輿入りしたのでした。クンニョ(宮女、きゅうじょ)となることは王の女になるも同然で、いつ王の御手付きになってもよいという身分です。それを知ったイ・ソンはカウンが自分の女人(にょにん)になれないと思い城門まで駆け出したのでした。
せっかくまた両思いでラブラブになったところを、大妃という悪い勢力が二人の仲を引き裂いてしまいました。テモクもまたイソンの母と妹をいつでも殺せると脅して窮地に陥らせました。
せっかく勢力を拡大中のイ・ソンですが、恋人が王の女になると知り平常心ではいられません。カウンは自らつらい道を志願し、大妃が父の無念を晴らして無罪にしてくれるお礼に王宮に入ったのです。カウンを愛するイ・ソンとイソン。イソンにはカウンの心を得るチャンスはありません。あったらあったで面白いかと思いますけど。
ファグンもまたイ・ソンの心を得られる隙がありません。それでも積極的にイ・ソンの愛を得ようと政治でイ・ソンを支えます。でも恋愛は政治とカネじゃなくて心なの。ファグンの恋もまたうまくいってないけど「超ポジティブ」だと思いませんか?片思いで勝ち目がないとなれば、無理してあきらめるのが普通かと思いますが、ファグンは奪う気満々です。しかもたっぷりの自信を持って。その自信はどこで培われたかというと、やはり恵まれた環境と政治の中枢にいる祖父の孫だからこそ何不自由ない暮らしをしてきたリーダーだからでしょう。その自信は「持てる者の自信」であって、果たして本当の自信なのでしょうか?虚飾の自信なのか、それともすべてを失っても尚イ・ソンを愛せるという真心なのか。おそらくは後者なのでしょうけど、心情は入り乱れて複雑なファグンです。ファグンの父はなんとか一旗揚げたいと・・・チョ・テホと手を組み何か企んでるみたい。
今回の見どころはやはりカウンが王の女になるところでしょうかね。お下品なドラマ「王の顔」という時代劇でしたらそのまま想い人と結ばれることなく朝鮮国王と結ばれるのですが(笑)
イ・チョンウンは今回出番少な目でちょっと残念でした。
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