仮面の王イ・ソン13話のあらすじと感想
あらすじ
大妃はハン・ガウンに一族の養女となり王妃選びの候補として揀擇(カンテ、中殿選び)に参加するれば父の無念を晴らすと約束しました。カウンは茶の席で見事な茶技を披露しましたが、カウンが淹れた茶を飲んだ大妃と王族の年配の女性、候補の令嬢たちが意識を失っていました。その場にいたメチャンは犯人と疑われないためにカウンにも毒入りの茶を飲むよう助言をし、カウンもまた意識を失ったのでした。メチャンが護衛を呼びに行き現場に駆け付けた世子イ・ソンは最愛のカウンが倒れている様子を見て動転します。国王のイソンもまた現場に駆け付けると御医(オイ、御殿医)の手当で大妃が意識を取り戻したところでした。イソンは大妃の身を案じると大妃は再び倒れてしまいました。イソンは護衛のイ・ソンに「あなたはどうしてトイ別監(ピョルガム、護衛)なのにどうして守れなかったのだ!」と叱るとイ・ソンは「申し訳ありませんでした、殿下」と謝ることしかできませんでした。「御医はこの子から見よ。お前は下がるのだ。」とイソンはカウンから離れるように命じました。イ・ソンはカウンの応急処置が終われた離れに寝かせるよう御医に命じました。
吏曹判書(イジョパンソ)のウ・ボはどうなっているのだと尚膳に詰め寄り現場に駆け付けました。尚膳はウ・ボの問いには答えずただ吏判(イパン)の来訪を告げるのみでした。ウ・ボはカウンの診察をはじめました。離れの外で待っているイ・ソンは内医女(ネイニョ)に様子を尋ねましたが意識が戻っていないと医女は答えました。
(男性の歌が流れる。)
夜になりました。
イソンは眠ったままのカウンの汗を拭ってウ・ボの治療を見守りました。夜明け前になりウ・ボは熱が出たのは毒を消し去るためで熱が下がれば大丈夫だとイソンに言うと薬を煎じに行きました。
「チョンス若様(トリョンニ)・・・。」
カウンが呟くと、汗を拭うイソンの手が震えました。
ウ・ボは外で待っているイ・ソンにもカウンの容態を伝えました。
「イソンがいる。イソンが戻れば中に入れるようにしてやる。」
ウ・ボは心配そうにしているイ・ソンを気遣い言いました。
イソンが大殿(テジョン)に戻るため寝殿から出てくると、イ・ソンとウ・ボは身を隠しました。
「カウンナ・・・・。」
イ・ソンはカウンに会いました。
「心配しないでください若様(トリョンニ)。私は大丈夫です。」
カウンはイ・ソンに言いました。
「お願いだ。もう二度と、こんな目には遭うな。私の前で泣こうが怒ろうが何をしても構わないが、だが、このような姿は見たくない。倒れているあなたを見てどんな気持ちだったか。」
イ・ソンはカウンの手を握りました。
「若様が川に落ちるのを見たた時の、私の気持ちと同じでしょう。」
カウンは言うと起き上がりイ・ソンの胸に寄りかかりました。
「私がつらい時はいつも、若様がそばにいてくださいましたね。たとえ、名前も、身分は変わっても。書士、頭領、今日は別監。本当は若様(トリョンニ)は何者だろうと思うけど、若様はチョンス若様ですよね。」
カウンが言うとイ・ソンはカウンを抱き締めました。
役人の部屋。
イ・ソンはウ・ボとパク・ムハと合流しました。パク・ムハもまたカウンのことを心配していました。ウ・ボは辺首会(ピョンスフェ)の仕業にしてはおかしいと言いました。イ・ソンは辺首会(ピョンスフェ)の仕業ではないと言いました。
辺首会(ピョンスかい)。
テモクとキム・ファグンと手下の両班が集まり会議が開かれました。キム・ウジェは領議政と左議政の娘の容態はじきに回復するだろうと報告しました。
「問題はスクソン翁主(オンジュ)と府夫人(プブイン)シム氏です。怯えて揀擇(カンテ)は降りると。」
チンミョンは言いました。
役人の部屋。
大妃は毒を飲んだが大きな収穫を得たとイ・ソンはウ・ボとパク・ムハに言いました。
辺首会(ピョンスフェ)。
テモクが孫に尋ねると、キム・ファグンもまた大妃が毒を飲み自作自演したと考えました。
役人の部屋。
「まさか大妃媽媽の自作自演?」
パク・ムハは首をかしげました。
辺首会(ピョンスフェ)。
「心配いりません。スクソン翁主は府夫人シム氏でなくても揀擇(カンテ)の審査に参加できる者はいます。」
ファグンは言いました。
「そうか。一体誰だというのだ?」
テモクは孫に尋ねました。
夜の大妃の部屋。
兄の右議政のソンギは妹の大妃の謁見し「大丈夫か」と心配しました。
「媽媽(マーマー)。大丈夫ですか?」
「大丈夫に見えますか?」
「ご自身の命を掛けて女命婦(ネミョンブ)をお守りになるとは。媽媽(マーマー)の強いご意思に感激いたしました。」
「つまらぬことを言ってないでヨンジュに伝えなさい。私が毒を飲んでまで渡してやる中殿(チュンジョン)の座です。気を引き締めて揀擇(カンテ)に参加するようにと。」
大妃は兄に言いました。
翌日の役人の部屋。
イ・ソンはこのままでは大妃の親族の娘が王妃に選ばれるとウ・ボに言いました。
王妃選びの場。
大妃はイ・ソンとともに席に着き、簾(すだれ)の向こうにいる娘たちに国王に挨拶させると二次審査を行うと言いました。すると審査に参加するという人がいるとハン尚宮は部屋の外から大妃に言いました。大妃が何者だと怒るとキム・ファグンが部屋に入ってきて揀擇(カンテ)に辺首会(ピョンスフェ)の代表として参加すると言いました。イ・ソンはファグンに祖父を目の前に連れて来ようかと脅すとイ・ソンは審査の同席を認めました。
役人の部屋。
パク・ムハは辺首会(ピョンスフェ)の大辺首(テピョンス)が審査に加わるとイ・ソンとウ・ボに知らせました。イ・ソンは部屋を飛び出しました。
王妃選びの場。
キム・ファグンは大妃の娘を落第させるべく米一石の価格を右議政の娘ヨンジュに尋ねました。ヨンジュは隣に座っているカウンに教えられ五両だと答えました。ファグンは各地の王室への貢物をヨンジュに尋ねました。忠清道、全羅道、慶尚道(キョンサンド)、は木綿、平安道、黄海道(ファンヘド)は絹を、咸吉道(ハムギルド)、江原道は麻だとカウンに囁かれた通りに応えました。
「・・・・・・太陽と隣国の長安はどちらが遠くにありますか?」
ファグンはヨンジュに尋ねました。
「?」
ヨンジュは首をかしげました。
カウンは立ち上がり簾の向こう側に行きました。
「今の問いは質問ではなく罠です。どちらが遠いと答えても誤りだとおっしゃるはずです。太陽と答えればこうおっしゃったはずです。顔を上げ天を見よ。太陽は目の前にある。だが長安はここから見えない。ゆえに長安のほうが太陽より遠いと。長安だと答えればこうおっしゃるでしょう。長安から来た人には会える。だが太陽から来た人には会えない。だから太陽が遠いと。誤った問に正しく答えることはできません。」
カウンが言うとイソンは頷きました。
「そちの言う通りです。私の問いが間違っていました。詫びに接ぎは明快な質問をします。二人のうち誰が答えても構いません。朝鮮の法について尋ねます。誰かが王と偽った場合、その大罪人をどうするべきですか?」
ファグンは言いました。
「この者、漢城府(ハンソンブ)庶尹(ソユン)ハン・ギュホは私である世子の名を悪用した。よって処刑する。」
カウンは父ハン・ギュホが影武者のイ・チョンウンに処刑される場面を思い出しました。
「よく、聞こえませんでしたか?もう一度聞きます。王と偽った大逆罪人をどうすべきですか?」
ファグンは言いました。
「打ち首の刑に処します。」
ヨンジュは答えました。
「ええその通りです。大逆罪人は打ち首にします。西門(ソムン)の外で処刑して、その首を竿に挿し、通行人はその首に唾を吐きます。違いますか?」
ファグンは言いました。
カウンは衣を握りしめ目に涙をためました。
王妃候補が宮殿から出てくると、イ・ソンは心配そうにカウンを見ました。キム・ファグンは護衛として付いていこうとするイ・ソンを呼び止めました。
部屋。
カウンはひとり涙を流しました。
「敦寧府(トンニョンブ、国王の親族や外戚の官職)、参奉(チャンボン)のご息女チェ・ソヨン様はおいでください。」
尚膳(サンソン)はカウンを呼びました。尚膳は審査を通過した褒美を与えるので来てほしいとカウンを別の部屋に案内しました。
カウンが部屋に来ると豪華な装飾品が並べられていました。カウンは黄色のノリゲを手に取りました。
「気に入ったか。そなたのために準備した。先ほどはつらかったであろう。よく耐えてくれた。そのノリゲが気に入ったか?同じ職人に命じより立派な物を作らせよう。」
イソンはカウンに優しく言いました。
「二次審査が終われば絹織物を頂けると聞きました。私は他の者と同じこちらを頂きます。私はこれで失礼します。」
カウンは黄色の絹を手に持ち国王に心を閉ざして答えました。
「余が黄色を準備するように言った。好きな色は黄色であろう?」
「どうして、それを・・・。」
王宮の外れの城壁。
ファグンはイ・ソンと会っていました。ファグンは毒を持ったのは辺首会(ピョンスフェ)ではないと言いました。
イ・ソンは何度も助けてもらって感謝しているが、今後はこうして会わないほうがよいと言いました。
「辺首会(ピョンスフェ)と私は、どちらかが死なねばならない運命です。行首(ヘンス)様はその辺首会(ピョンスフェ)の大辺首(テピョンス)です。こんな事しか申し上げられず済みません。」
イ・ソンは去ろうとしました。
「世子邸下(チョハ)!」
ファグンが世子を呼ぶと、イ・ソンは驚いたように振り返りました。
「いずからそれを・・・知っていたのですか?」
「五年前、温室で初めてあった日から知っていました。崖から落ちた世子邸下(チョハ)を助けたのも私です。薬で邸下(チョハ)の脈を止め叔父様の目を欺きました。私がどうして、邸下(チョハ)をお助けしたかわかりますか?邸下(チョハ)が、好きだからです。」
ファグンは真剣な眼差しでイ・ソンに言いました。
「行首(ヘンス)様、私は・・・。」
「邸下(チョハ)しかいないのです。大辺首(テピョンス)になる時、おじい様と約束を取り付けました。おじい様は頭領様に手出ししないと。邸下(チョハ)を助けたい。その一心で大辺首(テピョンス)になったのに、私が大辺首(テピョンス)だからもう会えないのですか?私が何か無理をお願いしましたか?邸下(チョハ)は私を遠ざけないで欲しい。姿を消さないで欲しい。それも望んではいけませんか?どれだけ、どれだけ努力すれば邸下(チョハ)は振りむいてくれますか?」
キム・ファグンは思いのたけをイ・ソンに打ち明けました。
「青雲(ソウン、イ・チョンスのこと)は言いましたね。テモクと戦うために、天が私を生き返らせてくれたのだと。でも本当は、テモクの孫娘が、助けてくれたのですね。」
「邸下(チョハ)。気になることがあります。ファグン様が邸下(チョハ)を助けるためにテモクと約束したのが事実なら、先日邸下(チョハ)を狙ったのはテモクではありません。」
「ええ。誰か見当はついています。」
ウ・ボの家。
イ・ソンはパク・ムハらと合流すると、自分の命を狙ったのは大妃だろうと言いました。ウ・ボはどうするのか尋ねると、イ・ソンは大妃に手を貸し辺首会(ピョンスフェ)を抑えると言いました。
夜の辺首会(ピョンスフェ)。
チンミョンとホ・ユゴンとキム・ウジェはテモクに会いました。チンミョンは大妃の動きが機敏になり不意を突かれてばかりだと言いました。
テモクは大妃の背後に策士がいるので見せしめに一人挙げる言いました。
日中の王宮。
大妃は最終審査に行く三人の名を呼ぼうとしました。その時門が開いて領議政のチンミョンが兵を率いて現れ毒を盛った犯人を捕まえに来たと言いました。
「こやつを捕らえよ!」
武官はハン・ガウンを兵士に捕えさせました。その場にいたイ・ソンとウ・ボとパク・ムハは驚きました。チンミョンは大妃に意味あり気なおじぎをして門を出ました。
イ・ソンは領議政を追いかけ何の証拠があってカウンを捕まえるのかと食い下がりました。領議政のチンミョンはイ・ソンを切り捨てるよう兵士に命じましたがウ・ボが間に入り、テモクの指示かと尋ねました。チンミョンは黙ってカウンを連れて行きました。
大妃の部屋。
イ・ソンは大妃にカウンを助けるよう懇願しました。大妃は今は王妃を選ぶのが先決でカウンのことは手を打つので口出しいないようにと言いました。
温室。
イ・ソンは国王のイソンと会いました。イソンは国王の権限でカウンを放免させると言うと、イ・ソンは毒を持ったのが大妃でそう簡単にはいかないと時間を稼ぐように言いました。
拷問の場。
領議政のチンミョンと左議政のホ・ユゴンはハン・ガウンに言いがかりを付けて尋問しました。ホ・ユゴンは口答えするカウンに拷問を加えるよう兵士に命じました。
「待つのだ!」
国王のイソンが現れました。
「まさか、この者を放免せよと言いませんよね。」
チンミョンは国王に言いました。
「まさか。言うはずがない。大妃媽媽が邪悪な毒に冒された。ゆえに国王として王が直接この者を尋問する。直ちに拷問の道具を片付けよ。」
「拷問もせずに罪人が自白しますか?」
ホ・ユゴンは国王に言いました。
「余は真実が知りたい。拷問を加えてどうして真実が聞けようか。余が尋問をする準備をせよ。」
イソンは鞠問の席に就きました。
辺首会(ピョンスフェ)。
チンミョンはテモクに指示を仰ぎました。テモクは有利な立場に立ったので王を動けなくして大妃を追い落とすと言いました。
役人の部屋。
イ・ソンらにメチャンが加わりました。メチャンは毒が盛られた当番日誌は義禁府に渡ったと言いました。イ・ソンはそのことではなく二十日前にイ・ソンの茶に毒を持った日誌を持ってきて欲しいと言いました。
メチャンは尚膳の了承のもと、日誌をイ・ソンのために取りに行きました。
役人の部屋。
日誌を手に入れたイ・ソンはウ・ボとパク・ムハと作戦を立て毒を入れた真犯人を利用して大妃を追い詰めると言いました。
夜の大妃の部屋。
イ・ソンは大妃に会い、領議政が毒を持ったチョン尚宮を狙っていると進言しました。身に覚えが無いと大妃はいったんシラを切りました。
大妃はチョン尚宮を呼び手切れ金を渡してすぐに発つよう命じました。三十年仕えてきたという尚宮に大妃は三十年仕えてきたから生きて王宮から逃がしてやると脅しました。
チョン尚宮が城門を出るとイ・ソンとイ・チョンウンが待っていました。
夜の温室。
イ・ソンはイソンと会い毒を持った犯人を捕らえたので大妃を動かせるだろうと言いました。イ・ソンはチョン尚宮をイソン預けるので大妃を脅すように言いました。イソンはイ・ソンの作戦を受け入れました。
メチャンは牢の見張りに金を渡して人払いをしました。
イ・ソンは牢屋にいるカウンに会いました。
「カウンナ。どうやら疲れているようだな。」
「どうして来たのです。一人でどれだけ怖かったか。」
「そんなに怖かったのか。そなたらしくない。私を救った時は川にも平気で飛び込んだというのに。」
「それは、若様のためだったのです。若様(トリョンニ)と一緒な死んでも構わないと思いました。」
「カウン。そなたが私に会わなければ今はもっと幸せだったはずだ。」
「私は幸せです。こうして若様が会いに来てくださったのですから。それだけで十分です。」
「そうか。すぐに私が助けてやる。」
イ・ソンとカウンは仲睦まじく過ごしていました。
その様子をカウンに会いに来たイソンは妬ましく見ていました。
イソンは部屋に戻るとイ・ソンからカウンを(解雇して)王宮の外に出すよう求められていたことを思い出しました。
朝。
イソンは寝ているカウンに衣を掛けてずっと見守っていました。
「殿下。」
カウンは目覚めるとすぐに国王にひれ伏しました。
「もっと早く来ればよかった。一晩中寒かったであろう。」
イソンはカウンに触れ、優しく身を起させました。
「大丈夫です。殿下のご寵恩を受け拷問されずにすみました。」
「拷問など・・・余が慕う女人に拷問する男に見えるか?なぜ驚くのだ。私は前にも言ったであろう。私が、そなたを慕っておると。」
「申し訳ありません。前にも申し上げた通り、私は殿下のお気持ちを受け入れることはできません。」
カウンは硬い表情で答えました。
「お前は宮女だ!宮女はすべて王の女でそなたは王の物だ!ゆえにそなたは王の女だ!」
イソンは立ち上がり声を荒げました。
「私が、なぜ宮女になったかわかりますか?殿下に近づくためでした。父の仇である殿下に復讐しようと宮女になったのです。ですが殿下は父を殺していないとおっしゃいました。もう一度お尋ねします。殿下は、本当に私の父を殺していないのですか?もしそうなら、私はもう、殿下を仇と思わなくてもよいのです。」
「私が仇でないなら、宮の、私の傍を離れるというのか?頭領が言ったのか?一緒に行かないかと。一緒に行くのか?そなたを望む資格も無い者と!」
「殿下。身分は高くなくても男らしく立派な人です。」
「お嬢様。真実を知っても今のように世子邸下(セジャチョハ)を慕うことができますか?」
イソンは牢屋から出て行きました。
大妃の部屋。
大妃が食事を摂っているとイソンは勝手に扉を開けて中に入ってきました。
「殿下。どうしたのですか?」
「王の許しも得ず王宮を出ようとしている宮女がいるので媽媽(マーマー)にお知らせに来ました。」
「またハン内人(ナイイン)のことですか?」
「獄中のハン内人がどうして出られましょう。」
「では、誰が・・・。」
「大妃殿(テビジョン)焼厨房(ソジュバン)尚宮、チョン尚宮です。私が王宮を出ようとしているところを捕らえさせました。」
「私に使える尚宮です。処罰するにしても私がすべきでしょう。チョン尚宮は今どこにいますか?」
「取引しましょう。」
「私と取引する?望みがあるなら何でもおっしゃってください。」
「頼んでいます。ひざまずき、頭を下げてお願いしました。」
「取引したいのですね。条件をおっしゃってください。」
「ハン内人(ナイイン)の放免です。毒を飲まれた大妃媽媽(ママ)がハン内人(ナイイン)が犯人ではないとおっしゃれば放免できます。」
「なんと。そんなことで良いのですか?わかりました。あの者が放免されるよう私が手をまわしましょう。」
「もう一つ条件があります。」
「欲張りですね。拒まれたらどうするのです?」
「拒むはずがありません。大妃様もお望みのはずでしょうから。」
役人の部屋。
パク・ムハはカウンが放免されるとイ・ソンとウ・ボに教えました。茶葉に毒性のある薬材が混ざったことで事件は収束しました。イ・ソンは部屋を飛び出しカウンに会いに行きました。
牢屋。
カウンが牢から出されるとイ・ソンが待っていました。
イ・ソンはもう女官ではなくなったので一緒に帰ろうとカウンに言いました。
「チェ・ソヨン様。お連れせよと王命を受けました。二次審査の結果が発表されます。康寧殿(カンニョンジョン)へ参りましょう。」
尚膳が現れカウンを呼びました。
イ・ソンとカウンは不安げに見つめ合いながら別れました。
パク・ムハはイ・ソンにすぐに康寧殿に行くよう王命を見せて急かしました。イ・ソンは慌てて駆け出しました。パク・ムハはイ・ソンが康寧殿で暴れないように後を追いかけました。
康寧殿。
王と大妃は王妃候補の娘たちの前に立っていました。イソンは大妃に王命を渡しました。
「右議政の娘チェ・ヨンジュ、領議政の娘、チュ・チャヨン。敦寧府参奉(チャンボン)の娘、チェ・ソヨン。」
大妃は王命を読み上げました。
イ・ソンは憎しみの目をイソンに向けました。
王の部屋。
イ・ソンはイソンに会いどういうことかと怒鳴りました。イソンは放免した以外何も知らないと言いました。
「どういう事だ。どういう事だと聞いている。」
「私に腹を立てられてもどの候補を残すかは大妃様が決めることだ。」
「私かにチョン尚宮を利用しろと言った。チョン尚宮を大妃媽媽に渡すためにカウンを放免しろと。」
「だから放免されました。私ではなく大妃媽媽に聞いてください。私は知りません。」
「カウンを側室にされて黙っていられるか!」
「なぜお嬢様に真実を言わないのですか?王位に就けば正室に迎えることができる私が本物の世子だという自信はありますか?私は行商人の頭領ではなく本物の世子だ!お嬢様のお父さまを殺したのは本物の世子だ!そう明かすのです!」
イソンが声を荒げると部屋の外で物音がしました。イソンは仮面を付けると部屋の外を見に行きました。
「雲剣!ここに誰か入って来たか?」
イソンはヒョンソクを呼びました。
「ずっと見張っていましたが誰も来ていません。」
「わかった。下がれ。」
イソンは部屋に戻りました。
「チムの毒の解毒剤は見つけ次第私が送ってやる。それから、カウンは私が連れて行く。」
イ・ソンはイソンに言いました。
「邸下(チョハ)に資格はありません。」
「カウンは断じて譲れない。」
「私も譲れません。」
「イソナー!」
イ・ソンは怒鳴りました。
「この仮面が望みならお持ちください。王座がお望みなら差し上げましょう。欲しい物ならすべて差し上げましょう。だがただ一つ!カウンお嬢様だけは・・・お嬢様だけは何があろうと差し上げられません。」
イソンとイ・ソンは睨みあいました。
感想
仮面の王イ・ソン(韓国語: 군주-가면의 주인, 中国語: 君主-假面的主人)13話の感想です。今回はテモクが右議政ソンギの娘を投獄すれば勢力を抑えられたのに、なぜかカウンを投獄してしまいましたね。脚本の筋が通っていませんでした。キム・ファグンも今回に来て恋のライバルに意地の悪さを見せてしまいました。大妃の手の者を落としに現れたファグンでしたが、やり方が悪の結社のリーダーらしくなくて、今一つでしたね。
イソンはカウンを手放したくない、イ・ソンのもとに行かせたくないので大妃と取引をしてカウンを女命婦(ネミョンブ)の一員に迎える決定をしました。
せっかく二人きりで過ごせると思ってたイ・ソンとカウンに味方で「子分(こぶん)」だと思っていたはずのイソンの邪魔が入ったのです。イ・ソンとカウンの立場から見たイソンは奴婢であり使用人であり奴隷です。その奴隷が初めて逆らったのですからそれはたいへんな衝撃になるでしょう。友達といっても、心の中には奴隷という意識がどんなに偉い人や高潔な人にもあるでしょうから、イ・ソンとカウンにとってイソンは純粋な友達であるとはいえません。
イ・ソンがイソンを憎む表情はただならぬ物がありました(笑)友達とはいえ、憎いものは憎いのです。イ・ソンにとってイソンは敵だといってもいいかもしれません。事実、ウ・ボはイソンを見捨ててもよいと前回暗示していましたし、ウ・ボにとってもイソンは奴婢でありイ・ソンよりも大切ではない民なのです。
愛だの平等だのいっても所詮は切羽詰まると人間残酷なものですね。純粋なイソンはその壁に傷ついているのです。イソンの立場になってみると、どうすることもできない世の中の仕組みや偉い立場の人間の本能に傷ついていることがわかると思います。脚本書いてる人はそこまで考えていないと思います。
お友達ごっこの恋愛ドラマ、譲れぬ恋心のせいで友情に亀裂が入ってしまいました。カウンは世子の最愛の人ですからウ・ボもメチャンもカウンを大事にしています。
果たして対立を乗り越えイ・ソンとイソンはほんとうの親友になれるのか?そこもまた見どころです。
イソンはカウンを手放したくない、イ・ソンのもとに行かせたくないので大妃と取引をしてカウンを女命婦(ネミョンブ)の一員に迎える決定をしました。
せっかく二人きりで過ごせると思ってたイ・ソンとカウンに味方で「子分(こぶん)」だと思っていたはずのイソンの邪魔が入ったのです。イ・ソンとカウンの立場から見たイソンは奴婢であり使用人であり奴隷です。その奴隷が初めて逆らったのですからそれはたいへんな衝撃になるでしょう。友達といっても、心の中には奴隷という意識がどんなに偉い人や高潔な人にもあるでしょうから、イ・ソンとカウンにとってイソンは純粋な友達であるとはいえません。
イ・ソンがイソンを憎む表情はただならぬ物がありました(笑)友達とはいえ、憎いものは憎いのです。イ・ソンにとってイソンは敵だといってもいいかもしれません。事実、ウ・ボはイソンを見捨ててもよいと前回暗示していましたし、ウ・ボにとってもイソンは奴婢でありイ・ソンよりも大切ではない民なのです。
愛だの平等だのいっても所詮は切羽詰まると人間残酷なものですね。純粋なイソンはその壁に傷ついているのです。イソンの立場になってみると、どうすることもできない世の中の仕組みや偉い立場の人間の本能に傷ついていることがわかると思います。脚本書いてる人はそこまで考えていないと思います。
お友達ごっこの恋愛ドラマ、譲れぬ恋心のせいで友情に亀裂が入ってしまいました。カウンは世子の最愛の人ですからウ・ボもメチャンもカウンを大事にしています。
果たして対立を乗り越えイ・ソンとイソンはほんとうの親友になれるのか?そこもまた見どころです。
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