仮面の王イ・ソン18話のあらすじと感想
あらすじ
テモクは元老に殺生簿(サルセンブ)通りに人材を厳選することで辺首会(ピョンスフェ)の体制を刷新辺首会(ピョンスフェ)の世の中にすると誓いました。すると元老たちはテモクに失敗すれば次はテモクが殺生簿に載る番だと言いました。元老のひとりは本物の世子が王になろうとしたらどうすると言うと、テモクは万策を講じており本物の世子は王座に戻ることは無いと言いました。
世子のイ・ソンは護衛武士(ホイムサ)のイ・チョンウンとコンとともにキム・ファグンの墓に参りました。
イ・ソンはキム・ファグンの言葉を思い出しました。
回想シーン。
回想シーン。
「私は若様(トリョンニ)の人です。どんな時も私を信じてくださいますか。・・・邸下(チョハ)。中殿(チュンジョン、王妃)や邸下(チョハ)の女人(にょにん)になるとは言いません。邸下のお傍にはお望みの女人を置いてください。私は邸下に辺首会を捧げます。」
「ファグン行首(ヘンス)さま。あなたからとても大きなご恩を受けました。」
イ・ソンはファグンの墓前でつぶやきました。
チムの花畑での回想シーン。
「生きていたのですね。感謝します。・・・・私は、ファグンと申します。」
「これからは私のために苦しむことなく、安らかに、お休みください。」
イ・ソンが呟いていると、キム・ウジェが木立の中からイ・ソンの様子を見守っていました。コンはキム・ウジェに会い解毒剤の作り方を教えて欲しいと頼みました。キム・ウジェはなぜ世子の側にいるのかとコンに尋ねると、コンはお嬢様の遺言だと答えました。
王宮。
「どういうこと?あなたは何を考えているの!中殿(チュンジョン)だなんて!」
王妃に任命されて怒ったハン・ガウンは勝手に王の部屋に入りイソンを問い詰めました。
「私はお嬢様が側室になることは永遠に無い。そう申し上げたはずです。」
イソンは仮面をつけたまま振り返りました。
「私はキュホ旦那様の身分を回復したのにどうして何もおっしゃらないのですか。」
「そのことについては感謝しているわ。中殿(チュンジョン)だなんて。私は中殿(チュンジョン)にはなれない。」
「中殿(チュンジョン)になりたくないのではありません。私と婚姻するのが嫌なのでしょう。本物の世子が相手でも中殿(チュンジョン)にならぬと言いますか?」
イソンは仮面を取って言いました。
「あなたという人は!私の知ってるイソンじゃないわ。」
「お嬢様が知っていたイソンはどんな人ですか?犬のようにいくら殴られても耐えるしかない卑しい人。お嬢様のような両班にひたすら従うしかなく腹がへっても主人が投げた餌しか食べられない人ですか!」
「イソナ。」
「そんなイソンにとって!お嬢様はどんな人だと思いますか?」
「今の私にとって、あなたはどんな王だと思う?父の敵と手を結び民を苦しめ、昔の友を欺き裏切る偽物よ!」
カウンは明言を避け、目を潤ませてイソンに怒鳴りました。
「だったら本物はお嬢様に何をしてくれたのですか?父君のお命を奪ったのですよ!だが私は!キュホ様の身分を回復させました。本物がお嬢様を苦しめたというのに、どうして忘れられぬのですか?」
イソンは部屋を出て以降とするカウンの腕を掴みました。
「イソナ・・・。」
カウンはイソンのようすに言葉を失いました。
「お嬢様がお望みのことは何でも叶えて差し上げます。ゆえに傍にいてください。私はお嬢様を得るためなら何をするかわかりません。私の傍を決して離れないでください。」
イソンはカウンを脅しました。
温室。
イソンのお母さんは、イソンにお嬢様を中殿(チュンジョン)にしたことについて苦言を呈し身分相応の暮らしがあると王の振りをやめるように説得しました。
「私がこの国の王です。私がキュホ様の身分を回復させました。なぜだ。なぜなぜなぜ!なぜ望んではいけぬのですか。本物の世子が生きているから怖いのですか?なぜ!なぜ私が認めてもらいたい母上に認めてくださらないのですか。それでも構いません。もう好きなようにします。」
怒ったイソンは部屋を出ていくと、イソンの変貌ぶりにお母さんは泣きました。
イ・ソンたちの隠れ家。
イ・ソンはメチャンからカウンが王妃になったと報告を受けました。イ・ソンは机を叩いて悔しがりました。
「カウンを王宮に行かせたのが誤りでした。イソンのカウンへの想いに気づいていたのに。」
イ・ソンが焦燥感に駆られていると、ウ・ボとパク・ムハはまだ王座に戻る日まで十日あると言いました。
夜の王宮。
ハン・ガウンは内人(ナイイン)の服に着替えて温室に入りました。ヒョンソクはカウンの後をつけて見張ってました。尚膳(サンソン)とメチャンはその様子を見守っていました。メチャンは尚膳にカウンお嬢様は世子が王座に戻るために必要な物を捜しに行ったと報告しました。ヒョンソクはイソンにカウンの行動を逐一報告していました。
カウンは地面を掘って胎壷を捜しました。
「東宮の温室に胎壷を隠してある。」
楹嬪(ヨンビン)は死ぬ前にカウンに言い遺していました。
カウンは地面に無いなら別の場所にあるかもと立ち上がるとイソンが現れました。
「ここで何をなさっているのですか。夜更けに女官の服を着て何をしているのですか?おかしいと思ったのです。世子邸下(チョハ)に会われたのにどうして宮に戻ったのかと。何のためですか?」
イソンはカウンを疑っていました。
「邸下(チョハ)が生きていると知ってたの?」
「だったらどうだというのですか?」
「イソナ。まだ遅く無いわ。今からでも邸下(チョハ)が王座に戻れるようにしましょう?」
「王座に戻ったら、お嬢様は私の人になってくれますか?私はお嬢様がいてくれたら水売りに戻っても構いません。どうしますか?・・・・・・内心期待したものです。お嬢様もいつか、私に振り返ってくれると。一度くらい私を男として見てくれると。そのうち私が本物の王になります。私が本物の王になるのです。ゆえにお嬢様は中殿(チュンジョン)になるのです。」
「私がお慕いしている人はあなたでは・・・。」
「構いません。お嬢様は私の女人(にょにん)。この国朝鮮の王は、このイソンです。」
イソンは目を潤ませて言いました。
「イソン。もとのあなたに戻るべきよ。」
「戻れだと?もとの私に?他の生き方ができるようお嬢様が異線(イソン)と名付けてくださいました。それゆえに私は王となったのにもとにもどれだと?私を王にしたのはお嬢様あなたです。これでもう私の人です。何があろうとお嬢様は渡しません。」
イソンはカウンの手を乱暴に掴むと温室の外に出ました。
「雲剣(ウンゴム、ヒョンソクのこと)。媽媽(マーマー)を部屋にお連れし監視せよ。婚礼を挙げるまで一歩も外に出してはならぬ。わかったな。」
イソンはヒョンソクに命じました。
「はい殿下。お連れ致しします。」
ヒョンソクは命令に従いカウンを連れて行きました。
「(お嬢様は温室で一体何を捜していたのだろう。)」
イソンは心の中で思いました。
メチャンは尚膳をイ・ソンのもとに案内しました。イ・ソンのもとに尚膳(サンソン)が現れました。イ・ソンは尚膳の来訪に感謝しました。イ・ソンは自分とチョンウンの命を助けてくれたことを感謝しました。イ・ソンは尚膳に宮の勢力を束ねてきた尚膳の助力を頼みました。
「私めはご期待に添えません。そう申すために来ました。我々は期待に応えられません。何もなさいますな。邸下(チョハ)は欲深い権力者とは違うと思わないことです。邸下(チョハ)が軽率に動かれれば再び宮に血が流れるでしょう。我々は、誰の側にも立ちませんし、これからも誰にも利用されません。」
「私はそちたちを利用したいのではない。選択の機会を与えているのだ。確かに大逆者の息子だ。だが王になろうと思う。父上の過ちを王になって正そうと思う。」
「王になって罪を償うから邸下を王にしてくれというのですか?」
「そちに誓う。民のために、ただ民のためだけに王になろう。」
「そうなさいませ。」
「尚膳。いつまで沈黙しているつもりだ!いつまで黙って見ているのだ。黙って間違いと知りながら正されるまで怯えているつもりか。朝廷がこうなったのもそちらのせいでもある!国が混乱しようと王が殺されようと、民が殺されようとも何もしなかったではないか。そちらにも罪を償う機会が来たのだ。民が苦しめられているのにまだ何もせぬつもりか!それとも朝鮮の未来のために、私と共に戦うか?挑戦の未来のために我々と共に戦ってくれぬか、尚膳。」
「チムの花畑で子どもたちを救われたそうですね。」
「そうだ。」
「万民の王になるというのに僅かな命をお救いになるためにお命を懸けられたのですか?また同じ状況になっても子どもたちを救われますか?お答えください。同じ状況になっても僅かな子どもたちを救うためにお命を懸けられますか?お答えください。同じ状況になったら一握りの子どもたちのために命を懸けられますか?それとも万民のために王に戻ることを選びますか?」
「ほんの一人握りの子どもたちを救うことが、万民を救うことではありませんか?少数の子どもだからとその命を軽んじる。そんな君主がどうして万民を慈しむ王になれるでしょうか?少ない子どもたちにも皆母や父、きょうだいがいます。」
「最後まであきらめずに辺首会(ピョンスフェ)と戦う自信はありますか?」
尚膳が言うとイ・ソンは頷きました。
「私は、何をすればいいですか?」
尚膳は態度を改めイ・ソンに従いました。
尚膳は王宮に戻ると若い尚宮(サングン)と内官に扮したイ・ソンを大妃に会わせるように命令を下しました。尚宮は大妃の部屋にイ・ソンを連れて行きました。大妃は死んだと思っていた本物の世子が現れ息をのみました。
「そちがどうして。死んだと聞いていたが。」
「大妃媽媽。お元気でしたか?」
「頭領。そちが・・・。」
「私が誰かご存じのはずです。」
「そうだ。世子。何の用で尋ねてきた。私が幽閉されている様子を見に来たのか?」
「辺首会(ピョンスフェ)のチムの花畑が焼き討ちに遇いました。チムの薬はありません。対策を講じねば十日後に媽媽(マーマー)も皆が死ぬでしょう。薬が無くて死ぬ者は75人になるそうです。」
「私がお前の話を信じると思うのか?私はお前を殺そうとした。」
「そうです。一度は私が生まれてすぐに。また、もう一度は媽媽(マーマー)の謁見の間で。」
「それで、私を助けようと言うのか?私を助けたとて、私が、貴様に感謝の言葉を言うと思うのか?いや。それならいっそ死のう!」
「母上(オマママ)!息子が、母を助けるのに理由が必要ですか?」
「私が、貴様の母だと?」
「私はあなたのほかに母上と呼べる人はいません。この世に残った親は母上、あなただけです。」
「いや!私に子はおらぬ!ゆえに先王の寵愛を楹嬪(ヨンビン)に奪われたのだ。子に恵まれなかったという理由で疎んじられどれほど苦しんで来たか。それなのに母上(オマママ)だと?お前さえいなければ、お前さえ生まれてこなければ!」
大妃は悲しそうに泣きました。
「私めは、これまで、母上がどんなに苦しみ悲しんでおられたのか・・・お詫びします。申し訳ありません。」
イ・ソンは大妃の手に自分の手を重ね涙を流しました。
「私には・・・もう何も残っておらぬ。権力も人も。なのに、なぜそのように言うのだ。」
「唯一無二のこの国の大妃ではありませんか。私を、私めをお助けください。母上。」
イ・ソンは両手で大妃の手を包んで頼みました。
大妃の表情から緊張が解けました。
日中の便殿(ピョンジョン)。
「大臣たちよ。聞くがよい。余は生まれてすぐに大病を患い長らく今日まで仮面をつけてきた。こたびはそちらに吉報がある。天の機運を読んだところ、じきに余の病が癒えるそうだ。」
イソンは皆に言いました。
回想シーン。
「私と取引してください。」
イソンはテモクに言いました。
「世子からすべて奪ってやるだと?貴様はどうするのだ。」
テモクはイソンに言いました。
「私は仮面を外します。」
「すっかり本物になる気か?」
「どのみち誰も本物の世子の顔を知りません。私が仮面を外した瞬間、私の顔が王の顔となるでしょう。」
イソンが言うと、テモクは机を三度叩きました。
「よかろう。仮面を外して世子を阻め。」
「儺礼(ナレ)の宴の前でこの仮面を外そう。」
イソンは言いました。
「私めは、殿下がご快復なさると信じています。きっと仮面をお外しになるでしょう殿下。」
チンミョンは言うとホ・ユゴンは動揺しました。大臣たちはチンミョンに声を揃えました。
隠れ家。
尚膳はイ・ソンたちに儺礼(ナレ)の宴でイソンが仮面を外し本物になろうとしていると報告しました。パク・ムハとキム・グァンリョルはその話を聞いて心配になりました。メチャンは尚膳に儺礼(ナレ)でイソンを阻止すると言いました。
「儺礼(ナレ)には文武百官が集まるだろう。その日、私が本物であることを証明し、皆の前で私は王に戻る。」
イ・ソンは言いました。仲間たちの表情に力が入りました。ウ・ボは何度も頷きました。
夜のテモクの部屋。
「テモク様。私に大妃媽媽の報告をするよう、どんなささいな事も報告するようにお命じなさいましたね。」
尚宮が部屋に現れました。
「そうだ。」
「媽媽(マーマー)が行商人の頭領に会われました。」
「頭領に?」
「はい。すべては聞けませんでしたが頭領と何か企てているようです。これは頭領から秘密に届いた手紙です。」
尚宮はテモクに手紙を渡しました。
「邪気を追い払うか。これを媽媽(マーマー)に渡せ。」
テモクは手紙を尚宮に返しました。
「大妃媽媽に知らぬふりをして渡すのですか?」
「獲物を追い詰めている時に逃げられてはまずいだろう。」
「はい。テモク様。」
楼閣。
「ふ~。世子が大妃に会っている。何か企んでいるようだ。儺礼(ナレ)の日に王に奴は戻るつもりだろう。」
テモクはイソンに言いました。
「私めに仮面を外すと言えば世子は戻ると言ったではありませんか。」
イソンは言いました。
「世子が宮に忍び込んだら、そちは捕らえて殺すのだ。そうでなければお前は王座も中殿(チュンジョン)もすべて失うことになるだろう。これがお前の最後の機会だ。」
「はい。必ず世子を殺して旦那様に捧げます。」
日中の王宮。
「媽媽(マーマー)。世子邸下(チョハ)とお会いになったそうですね。」
イソンは大妃に会いました。
「それをどうして?」
「世子から本物だという証言を媽媽(マーマー)に頼まれたのですか?媽媽(マーマー)。以前のように大妃として堂々と生きたくありませんか?このみすぼらしい離宮から大妃に戻って。」
「何を企んでいる。」
「媽媽(マーマー)をここに幽閉することは私にとってもよくありません。親への孝行はこの国の根本。今の私を民はどう思うでしょう。なんといってもあなたは私の母上ですから。母上(オマママ)。私の味方になると約束してください。そうしてくだされば大妃殿(テビジョン)に戻してさしあげます。媽媽(マーマー)がチムの中毒であることを覚えていますか?世子と画策してここで惨めに死にたいのですか?」
「本当に、私の幽閉を、解いてくれるのか?」
「無論です。」
カウンに当てが割れた部屋。
「媽媽(マーマー)。尚膳です。主上殿下(チュサンチョナ)から賜ったものです。ご婚礼までにお読みください。」
尚膳が小学など数冊の書を持って部屋に現れカウンに合図を送りました。
カウンは護産庁日記を開きました。
「儺礼(ナレ)の日に入閣なさいます。」
本の間にはこのような手紙が入っていました。
カウンは儺礼(ナレ)の日までに胎壷を捜そうと思いました。本の中には胎壷の絵が描かれていました。
隠れ家。
世子たちはイ・チョンウンが持ってきた4対の儺礼(ナレ、鬼払いの儀式)の處容舞(チョヨンム)の鬼の衣装を手に取りました。
「お~これが處容舞(チョヨンム)の衣装か。」
パク・ムハは興味深そうに手に取りました。
「仮面を外そうと王宮を出たのにまた仮面をつけて戻ることになるとはな。」
ウ・ボは言いました。
「仮面を、永遠に外すために戻るのです。明日仮面をつけて宮に入ります。」
イ・ソンは言いました。コンとキム・グァンリョルたちは頷きました。
王宮。
「明日の儺礼(ナレ)の際に行商人の頭領が宮に潜り込む。お前たちは逆賊たちを残らず捕らえ、行商人の頭領を見つけて殺せ。」
イソンは部屋にチョ・テホと右議政のソンギを呼びました。
「行商人の頭領たちが謀反を企てているのですか?」
チョ・テホはイソンに尋ねました。
「そうだ。右相(ウサン、右議政)は禁軍を率いて王宮の門を守れ。」
「はい。殿下。」
ソンギは答えました。
「司贍寺(サソムシ)提調(チェジョ)は勤政殿(クンジョンジョン)を守れ。行商人の頭領が現れたら一歩たりとも勤政殿(クンジョンジョン)に入れてはならぬ。しっかり守るのだ。」
「私は粉骨砕身、全力で命を懸けてお守りします。」
チョ・テホは答えました。
「明日、行商人の頭領が勤政殿(クンジョンジョン)に入ってきたら、私だけでなくお前たちの命も危うくなる。必ず阻止するのだ。」
「はい。殿下。」
二人は従いました。
カウンの部屋。
内人(ナイイン)が尚宮にコムルが会いたいと言っていると報告すると、カウンは「ここの主人は私だ。すぐに子を通せ。そちは私を誰だと思っておる!私は中殿(チュンジョン)となる身。何かあってはと殿下は外出を禁じられている。それなのに私を軽んじているのか。すぐに子を連れて来なさい!」と尚宮たちを叱りました。
「おねえちゃ~ん。」
コムルが部屋に入ってきてカウンに抱き着きました。
カウンは尚宮と内人(ナイイン)に部屋から出ていくように命じました。
「コムル。おねえちゃんを助けてちょうだい。」
カウンは優しくコムルに言いました。
「コムルがおねえちゃんを助けてあげる♪」
コムルはカウンのお遣いを聞きました。
コムルは内医院(ネイウォン)に行くと「仁核酸と香炒二」という薬草を手に入れカウンに渡しました。カウンはコムルを抱き締めました。
夜。
「ついに明日世子が来る。次こそあの者との悪縁を断ち切ってやる。」
イソンはつぶやきました。
儺礼(ナレ)の当日。
辺首会(ピョンスフェ)。
「今上が禁軍を動員して勤政殿(クンジョンジョン)を守っているそうです。禁軍がいれば謀反を企てても逃れることはできないでしょう。」
執事(奴婢)のチャンはテモクに報告しました。
チョ・テホもまた兵士に命令して王宮を守っていました。
「世子。四方を囲まれ王になれると思うな。」
テモクはつぶやきました。
「さあ。行こう。」
ウ・ボはイ・ソンたちに言いました。
城門。
「貴様らはなぜ仮面を被っておる!」
兵士は仮面を被ったウ・ボらを制止しました。
「へへへへへ。ナウリ。私たちは處容舞(チョヨンム)を舞う芸人です。仮面を脱ぐと穢れるのでお見逃しください。」
ウ・ボは言いました。
「早く!ただちに仮面を脱ぐのだ!」
兵士が怒鳴るとウ・ボとコンとイ・チョンウンとキム・グァンリョル、そしてイ・ソンに似た髪型の男は仮面を脱ぎました。
「早くしないと本当に穢れるぞ。」
ウ・ボは言いました。
「入ってよい。」
兵士は別人の人相書きを手に持っていました。
「さあ行こう。」
ウ・ボは城門をくぐりました。
ウ・ボたちは人相書きを変えたメチャンと合流し感謝の意を伝えました。尚宮の服を着たメチャンは手伝えるのはここまでだと皆を見送りました。
「人相書きを変えられたとはどういうことだ。ただちに捕らえよ。貴様ら何者だ!」
部下を叱っていたソンギは兵士とともに處容舞(チョヨンム)の鬼の仮装をしたウ・ボらを取り囲みました。
「我々は處容舞(チョヨンム)を舞う芸人でございます。」
オレンジ色の仮面をつけたウ・ボは踊って見せました。
「待て。宴が開かれる場所はここではないぞ。」
「うっかりして間違えてしまいました。」
「その声はどこかで聞いたことがある。」
「この美声をどこで聞かれましたかな。」
「早く仮面を脱げ!」
ソンギが命じると、ウ・ボたちは逃げました。
「さあ。早くこいつらの仮面を脱がせろ。」
ソンギはソンギをウ・ボとキム・グァンリョルを塀に追い詰めました。
「ダメです。脱がさないで。」
ウ・ボは抵抗しました。
「元吏曹判書(イジョパンソ)と元大司憲(テサホン)ではないか。」
ソンギはウ・ボらの顔を見て言いました。
「私は官職を追いやられたので仮面劇を習ってまして・・・。」
ウ・ボは釈明しました。
「こやつらをただちに捕らえろ!お前らは逃亡した奴らを追え!」
残る三人、コンとイ・チョンウンとパク・ムハは宮中を逃げました。
尚膳は自分の部屋に内官に扮したイ・ソンを匿っていました。イ・ソンは警備が厳しくなる前に入ったのだとテモクに会っていた尚宮に言いました。尚膳は尚宮がテモクに会って情報を流したおかげで警備が厳しくなる前に王宮に入れたのだと言いました。イ・ソンは尚膳に礼を言うと、尚膳は王になってから礼を言って欲しいと言いました。
カウンの部屋。
カウンは茶を飲みました。
「媽媽(マーマー)。香りがきつうございます。」
カウンを見張っている尚宮と内人(ナイイン)はふらふらになっていました。
「主上殿下(チュサンチョナ)から賜った貴重なお香だ。頭がすっきりして心身が落ち着くそうだ。」
「少し換気いたしましょう。」
「このままでよい。」
カウンは茶を飲みました。
回想シーン。
「これは何なの?」
コムルはカウンに尋ねました。
「これは眠気を起こす薬で、これは眠気を覚ます薬よ。」
尚宮は言いました。
「内人(ナイイン)たちが倒れてしまった。すぐに内医院(ネイウォン)に知らせよ。」
カウンは部屋の外にいた内人(ナイイン)に伝え部屋を出ました。
温室前。
「おじさん。入れて頂戴。王様がここで遊んでいいとおっしゃったの。」
コムルは温室に入り裏の扉を開けようとました。
メチャンは「大変ですナウリ!この者が寝所のほうに逃げました。」と温室前の兵士に言いました。兵士がいなくなった隙にカウンは温室の中にいるコムルに呼びかけました。コムルはがんばって扉を開けました。
カウンは壺の中から胎壷を捜しました。
王の部屋。
「殿下。会議をする準備ができました。殿下。玉帯にひびが入りました。」
尚膳はイソンに言いました。
「帯を変えよ。」
イソンは命じました。
別の部屋。
「殿下。では勤政殿(クンジョンジョン)にお行きください。」
尚膳は王の姿に着替えたイ・ソンに言いました。
イ・ソンは尚膳と内官と女官を連れて勤政殿(クンジョンジョン)に向かいました。
「王宮に入った逆賊を捕らえたと聞いた。その者たちを勤政殿(クンジョンジョン)に連れて参れ。」
イ・ソンは兵士に命じました。兵士はイ・ソンの命令に従いました。
王の部屋。
「尚膳は何をしているのだ。」
イソンは玉座に腰掛けたまま帯の替えを待っていました。
「殿下。行商人の頭領らが王宮に侵入し、吏曹判書(イジョパンソ)ら数名を捕らえましたが頭領はまだ見つかっていません。」
ヒョンソクはイソンに報告しました。
「頭領を逃しただと?勤政殿(クンジョンジョン)には近寄らせるな。」
「はい。」
「私はすぐに勤政殿(クンジョンジョン)へ行く。ひび割れた帯でも構わぬ。早くつけよ。ひびなど無い。なぜ尚膳は!?冠を持て。急ぐぞ。」
イソンは内官から帯をもぎ取ると勤政殿(クンジョンジョン)へ急ぎました。
勤政殿(クンジョンジョン)。
「主上殿下(チュサンチョナ)のおな~り~。」
本物のイ・ソンは尚膳とともに勤政殿(クンジョンジョン)の中に入りました。
「元吏曹判書(イジョパンソ、ウ・ボ)、元大司憲(テサホン、キム・グァンリョル)、元吏曹正郎(イジョチョンナン、パク・ムハ)らを私が捕らえて連れて参りました。」
ソンギは捕らえたウ・ボらを連れてきました。
「その者らの縄を解き立たせてください。」
イ・ソンは微笑しながら振り返りました。
「はい。殿下。」
ソンギは命令に従いました。
「殿下。玉座へどうぞ。」
尚膳は言いました。
「待つのだ!」
イソンが現れるとホ・ユゴンらは息をのみました。
「こやつは偽物だ。私が本物だ!何をしている!早く偽物を連れ出せ!」
イソンは怒鳴りました。
「偽物だと。私が本物だ。私がこの朝鮮の、王だ!」
イ・ソンは言いました。イソンは怒りで震えました。
ヒョンソクは伝書鳩をチャンのもとへ飛ばしました。
テモクはヒョンソクからの手紙を読みました。
「どうやって世子が勤政殿(クンジョンジョン)に入ったのだ!」
テモクは驚きました。
「一体本物はどっちだ?あっち?まいったな。」
チョ・テホは戸惑いました。
「領相(ヨンサン、領議政)大監(テガム)。どっちが今上(クムサン)かわかりますか?」
ホ・ユゴンはチンミョンに耳打ちしました。
「同じ装束に同じ仮面だ。わかるわけない。」
チンミョンは答えました。
「どちらが本物の世子です。本物を捕らえる機会です。」
ホ・ユゴンは言いました。
「扉を閉めて誰も一歩も入れるな!どちらが本物か証明してください。」
チンミョンは怒鳴りました。
「今日こそ朝鮮の運命が決まる。」
ウ・ボは言いました。
感想
仮面の王イ・ソン(韓国語: 군주-가면의 주인, 中国語: 君主-假面的主人)18話の感想です。
いよいよ残る2回ですね!イソンはどうしちゃったのか、やはり数日イ・ソンと過ごしたくらいでは本物の友達になれなかったのか?愛するカウンのために悪に手を染めた悪役になってしまいました。イソンのお母さんはもとの奴婢の暮らしに戻ろうとイソンを説得するのですが、奴隷に戻るのは嫌だとイソンは言います。ドラマの中での奴婢の暮らしはあまり悪くは描かれていないのでイソンが戻りたくないと言うには説得力が欠けますね。
今回は儺礼(ナレ)、儺礼戯(ナレイ)という儀式が登場しました。儺礼(ナレ)は時代劇「 麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」という高麗時代のドラマにも登場しました。この儀式は悪鬼を世継ぎの王子(王族)が追い払うという形式になっていたと思います。日本では単に「儺(ナ)」という鬼払いの儀式があるそうで、古代中国にルーツがあるようです。目が四つある鬼を追い払うというそうですよ。要するに王室の権威を高めて疫病を追い払う儀式と宴です。
本物の世子、イ・ソンたちはもう王手をかけた感じで、話がどうなるかは誰の目にも明らかです。カウンもノリに載ってイ・ソンの重要な助けとなる胎壷を捜してそれを手に入れるのも時間の問題といったところですね。
あらすじはもうわかったも同然。
大妃(テビ)様も大人になって義母の気持ちがわかるようになったイ・ソンに説得されて考えを改めたのかどうか・・・。いえ、本来ならイ・ソンのおじさんの子どもが国王になるべきなんだけど・・・。そのところはイ・ソンは完全に無視しちゃってますねw
韓国の人が「私の人」と言う場面が本当にかわいらしいです。
このドラマの登場人物は敵も味方もタフな人ばかりですね。続きが楽しみです。
いよいよ残る2回ですね!イソンはどうしちゃったのか、やはり数日イ・ソンと過ごしたくらいでは本物の友達になれなかったのか?愛するカウンのために悪に手を染めた悪役になってしまいました。イソンのお母さんはもとの奴婢の暮らしに戻ろうとイソンを説得するのですが、奴隷に戻るのは嫌だとイソンは言います。ドラマの中での奴婢の暮らしはあまり悪くは描かれていないのでイソンが戻りたくないと言うには説得力が欠けますね。
今回は儺礼(ナレ)、儺礼戯(ナレイ)という儀式が登場しました。儺礼(ナレ)は時代劇「 麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」という高麗時代のドラマにも登場しました。この儀式は悪鬼を世継ぎの王子(王族)が追い払うという形式になっていたと思います。日本では単に「儺(ナ)」という鬼払いの儀式があるそうで、古代中国にルーツがあるようです。目が四つある鬼を追い払うというそうですよ。要するに王室の権威を高めて疫病を追い払う儀式と宴です。
本物の世子、イ・ソンたちはもう王手をかけた感じで、話がどうなるかは誰の目にも明らかです。カウンもノリに載ってイ・ソンの重要な助けとなる胎壷を捜してそれを手に入れるのも時間の問題といったところですね。
あらすじはもうわかったも同然。
大妃(テビ)様も大人になって義母の気持ちがわかるようになったイ・ソンに説得されて考えを改めたのかどうか・・・。いえ、本来ならイ・ソンのおじさんの子どもが国王になるべきなんだけど・・・。そのところはイ・ソンは完全に無視しちゃってますねw
韓国の人が「私の人」と言う場面が本当にかわいらしいです。
このドラマの登場人物は敵も味方もタフな人ばかりですね。続きが楽しみです。
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