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仮面の王イ・ソン8話のあらすじ感想 Ruler:Master of the Mask 李煊

仮面の王イ・ソン8話のあらすじと感想

仮面の王イ・ソン

あらすじ

国王となったイソンは温室に籠りハン・ガウンが亡き父の無念を晴らしたいと言っていたことを思い出して哀れみと自責の念に駆られて叫びました。
「お嬢様のために何かしたかったのに傷口をえぐっただけだった。お嬢様は今頃泣いているだろう。私が行ってお慰めできれば・・・・・・。」
イソンが言うと、護衛のヒョンソクは彼に同情しました。

城門の外。
カウンが落ち込んだ様子で歩いていると世子のイ・ソンが現れました。頭領がなぜ来たのかというカウンにイ・ソンは「揚水庁長(ヤンスチョンジャン、チョ・テホのこと)が来たから薬草房に行ったら王宮に向かったというので。」と答えました。「私の心配をしているのですか?」というカウンに「そうだ」とイ・ソンは答えて咳払いをました。
「あの、大丈夫なようで何よりです。行きましょう。揚水庁長がまた来るかもしれませんので。」

女性の歌♪

「私にお話しでもあるのですか?」
「主上殿下(チュサンチョナ)に呼ばれて王宮に行かれたようですね。王様にお会いしたのですか?」
「はい。会いました。」
「殿下は、殿下はどうお過ごしでしたか?」
「恨めしいことにお元気なようでした。ところで、お話はそれでおしまいですか?」
カウンはイ・ソンを見つめました。
「そのおじさんがチョンスお兄様なの?」
コルムが二人を見て言いました。

薬草房。
カウンはイ・ソンとコルムを連れてイソンのお母さんに会いました。イソンのお母さんは本当に頭領なのかと聞きました。コルムはイ・ソンに独身なのかといろいろ尋ねました。
「一度お姉ちゃんと付き合ってみたら?」
「子どものくせに余計な事言わないの。」
カウンはコルムの頭を小突きました。
「私に任せといて!」
コルムは無邪気に言いました。
「では私はこれで失礼します。」
イ・ソンは茶を飲み終えると立ち上がりました。
「今日は送っていただきありがとうございました。」
カウンはお礼を言いました。
「(カウン)・・・・・・。」
イ・ソンは心の中で切ない声をあげました。

王宮の大妃(テビ)の部屋。
大妃は尚宮(サングン)から王様が温室に内医院(ネイウォン)に薬草を納入している女人(にょにん)を入れたと報告を受けました。大妃はその女性について調べるようにハン尚宮(サングン)に命じました。

辺首会(ピョンスかい)。
領議政(ヨンイジョン)のチンミョンもまた領袖(りょうしゅう)のテモクに国王のイソンが温室に女性を入れたことを報告していました。テモクはその娘は大妃の手の者かと尋ねるとチンミョンは大妃側の尚宮もその娘を探っているのでそうではないと答えました。

テモクは今上(クムサン、国王)がその娘に自由に会えるように仕向け、その隙に娘の周りに男がいないか調べるよう命じました。

そこにテモクの息子のキム・ウジェが現れたのでテモクは手下を集め会議を開きました。

辺首会(ピョンスフェ)の会合。
キム・ウジェは銅の密輸を差し押さえられ漢城府(ハンソンブ)の将軍(チャングン)が漢城府(ハンソンフ、都)へ銅を運んでいる途中だと報告しました。

テモクは失態を犯したキム・ウジェを怒鳴りました。テモクは皆に造幣権をすぐに得るように命じました。テモクはウジェが銅を奪い返さないと世継ぎ(大首長)の座は渡さないと脅しました。

王宮の大妃の部屋。
大妃もまた右議政のソンギから銅が漢城府(ハンソンブ)の将軍の手により都に運ばれている途中だがテモクが造幣権を得るつもりだという報告を受けました。大妃はなんとしても銅を無事に王宮に届けさせるよう命じました。
「そうなればテモクが我々を生かしておかぬでしょう。」
「右相(ウサン、右議政)の手に国の運命がかかっているのです。」

夜の右議政ソンギの家。
「銅を持ってくればテモクに殺されるし持って来なければ大妃様のお怒りを買うことになる。」
ソンギはため息をついて考えました。そこにタイミングよくイ・ソン(行商人の頭領)が銅の件で来訪しました。
ソンギはイソンを部屋に入れました。
「銅を右相大監(ウサンテガム)に差し出せば私に何をくれますか?」
イ・ソンはソンギに言いました。
「銅の闇取引の現場に踏み込んだのは漢城府(ハンソンブ)の将軍だと聞いたが。」
「そうです。ですが銅(クリ)の運搬は我々です。そうですか。大妃媽媽(テビママ)と手を組もうと思いましたが・・・仕方ありません。テモク様と・・・。」
「待て。条件は何だ。」
「吏曹判書(イジョパンソ、文官と財政を管理する吏曹の長官)の座をください。約束してくだされば15日までに銅を戸曹(ホジョ)に納入します。」
「大妃様がお約束されるはずがない。」
「テモク様は何とおっしゃるでしょうか。相手がだれであろうと私の条件は一つ、吏曹判書の座です。」

夜の大妃の部屋。
ソンギはイ・ソンに言われたことをそのまま大妃に報告し、行商人の頭領は信義を守る人なので信用しようと言いました。
大妃は時間を稼ぐので必ず15日までに銅を納めさせるよう命じました。

日中のウ・ボの家。
イ・ソンは銅を元手に吏曹の座を得るので手伝ってほしいとウ・ボに頼みました。ウ・ボは急に真顔になりイ・ソンの頼みを断りました。
「断る。官職を捨てた時私は誓いを(メンセ)した。民のために生きると。何があろうと誓いは破れん。」

薬草房。
コルムはカウンに王宮に行ったらお金持ちになれて苦労しなくなるか尋ねました。イソンのお母さんは娘のコルムにそんなことでは風邪は治らないと言いました。そこに護衛のヒョンソクが現れカウンを連れて行こうとしました。
「おねえちゃん。これをお兄ちゃんにあげて。反物屋のおばさんが言ってた。偉い人に気に入られるのが一番だって。」
コルムは巾着をカウンに差し出そうとしました。
「これ。王様はこんな物いらないの。」
イソンのお母さんはコルムの口を押さえました。
「私がお渡しします。」
ヒョンソクはコルムから巾着を預かりました。
「おじさんは話がわかるわね。」
コルムが言うと、ヒョンソクは微笑みました。

温室。
イソンはカウンを部屋に招きました。カウンは国王の姿を見ると立ち上がり礼をしました。
「揚水庁長(ヤンスチョンジャン)に脅されたとか。またそのような事があったら必ず余に申せ。」
イソンはカウンに言いました。
「殿下がお気になさることではありません。」
「私は!・・・・・・。」
「私は、殿下にお伺いしたいことがあります。私の父を処刑したのは過ちとおっしゃいましたがどうしてその過ちを正して父の無念を晴らすことができぬのか、その理由を教えてください。」
カウンはきつい表情で国王を見つめました。
「今は・・・答えることができぬ。いずれ、答えよう。もう少しだけ待ってくれ。」
イソンは傷ついた様子で答えました。

「一度でも構わぬ。本物の王になりたい。」
温室から出てきたイソンはヒョンソクにつぶやきました。

王宮の一角
「お前がハン・ガウンか?」
ハン尚宮は帰ろうとしているカウンを呼び止めました。
「そうです。」
カウンは答えました。

大妃の部屋。
大妃はカウンを部屋に呼びました。
「主上の温室の手入れをしているそうだな。」
「はい。媽媽(マーマー)。」
「お前の身分を言ってみよ。お前の父の名は?」
「・・・・・・。私の父は、五年前、大逆罪人となった漢城府(ハンソンブ)小尹(ソユン)ハン・ギュホ。」
「ハン尚宮(サングン)。大殿に行きすぐに主上を連れてきなさい。」
大妃が尚宮(サングン)に命じると、カウンの隣に国王が呼ばれました。

「主上。今から私の言うことをよくお聞きください。私はこの娘の父が着せられた大逆罪人(だいぎゃくざいにん、テヨクチェイン)の汚名をそそいでやるつもりです。ハン・ギュホは忠臣でした。刑に処したのは主上の過ちではありませんか。」
大妃はイソンに言いました。カウンは顔を上げました。
「はい。媽媽(マーマー)。」
イソンは答えました。
「数か月後、私の誕生日に罪人に恩赦を与えるつもりです。その日に父の無念を晴らしてあげましょう。」
「媽媽(マーマー)。大妃媽媽(マーマー)。私は死ぬまで忘れません。」
カウンは感謝しました。

王宮の大妃殿の前。
「大妃媽媽(テビママ)は王様とは違う・・・。」
カウンは大妃の部屋を振り向きつぶやきました。

大妃の部屋。
「あの娘を主上の側室にと思っているのですが主上(チュサン)はどう思いますか?」
大妃はイソンに尋ねました。
「媽媽(マーマー)、私は・・・。」
イソンは戸惑いました。
「あの者に正三品(チョンサンプン)淑媛(スゴン、側室)の称号を与えましょう。気がかりなのがあの娘は罪人の娘だということです。側室に迎えるとなれば反対する者もあらわれるでしょう。私があの娘の父の名誉を回復します。私は主上のために何でもするつもりです。なのにどうして主上はなぜ私ではなくテモクと手をお組みになるのですか?」
「大妃媽媽(マーマー)、それは誤解です。」
「そうですか。ならテモクから離れて私の手を取ってください。そうすれば私は誰が何と言おうと主上の味方になります。あの娘を主上の傍に置いてあげます。テモクが造幣権を狙っています。阻止してください。それができなければ私を信じて四日後の15日まで食い止めてください。私は主上だけを信じています。」
大妃はイソンに取引を持ち掛けました。

夜の王の部屋。
「ヒョンソク。私が造幣権を認めねばテモクはどうすると思う?」
イソンはヒョンソクに尋ねました。
私は命を懸けて王様をお守りいたします!
ヒョンソクはイソンの意思を尊重しました。
「こんな情けない私がお嬢様を望んでよいのだろうか・・・私にそんな資格があるのか?」
「殿下。」
「一度でも会えたならそれだけで一生生きていけると思った。なのに・・・今はお嬢様に会えなくなると思うと・・・たまらなくつらい。」
イソンは胸を拳で叩きました。

日中の便殿(ピョンジョン)。
大臣たちは国王を待っていました。

王の部屋。
「ヒョンソク。」
イソンは正面に正座しているヒョンソクに言いました。
「はい。殿下。」
「尚膳に御医を呼ぶように。」
「はい。殿下。」

便殿。
尚膳が現れ大臣たちに今日は王様が病なので会議を中止すると言いました。
テモク側のホ・ユゴンはこのまま王様が会議に出なければどうなるのかとチンミョンに尋ねました。

辺首会(ピョンスフェ)。
テモクは大妃がどんな手で今上(クムサン)を動かしたのか調べるようにチンミョンに命じました。チンミョンはチムの毒で脅せば国王は従うだろうと言いました。

夜の王の部屋。
尚膳はテモクがチムの毒を送らないと言っていると寝ているイソンに報告しました。

夜のキム・ウジェの部屋。
チョ・テホは明日麻浦マポ、港)に銅が届くと報告しました。
キム・ウジェは揚水庁(ヤンスチョン)の手下を全員動かしてでも銅を取り戻すように命じました。

翌日の麻浦の渡し場。
パク・ムハとイ・チョンウンが積み荷を降ろしていると、キム・ウジェとチョ・テホが手下を率いて現れました。パク・ムハとイ・チョンウンは応戦するふりを見せた後、すぐに逃げました。

王の部屋。
イソンに禁断症状が出始めていました。
「殿下。今日が15日です。いったん会議に出られ、お嬢様をあきらめてください。」
ヒョンソクはイソンに言いました。
「そうなれば大妃媽媽(テビママ)が二度とお嬢様に会えぬように・・・。」
イソンは落ち着かない様子で部屋を往復すると、急に胸を押さえて苦しみだしました。

キム・ウジェとチョ・テホは奪った銅を運んで街道を行進していました。

便殿。
イソンは会議に出ました。
ホ・ユゴンは揚水庁(ヤンスチョン)が銅を確保しているので民を救うために早く造幣権を渡すように上奏しました。
イソンは右相(ウサン、右議政)のソンギに銅がどうなったか尋ねました。ソンギは倭館に使者を送ったが確認できていないと答えました。
領議政のチンミョンは造幣権を揚水庁(ヤンスチョン)に譲るように言うと、大臣たちは声を揃えて同調しました。
「そうか・・・。」
イソンが苦しみ答えようとしたその瞬間、青い官服を着た学者のウ・ボが議場に現れました。チンミョンやホ・ユゴンら辺首(ピョンス)の大臣たちは目を丸くして驚きました。

回想シーン。
「誓いを破るのではなく誓いを守るために吏曹判書(イジョパンソ)になってもらえませんか?朝廷ではなく民のために生きる。今の民に必要なのは辺首会(ピョンスフェ)と戦ってくれる人なのです。吏曹判書はこれから朝廷で辺首会(ピョンスフェ)と戦う礎にならなければなりません。辺首会(ピョンスフェ)にとって邪魔な存在になるでしょう。生死に関わる危険な任務です。師匠以外に頼むことができません。師匠。どうかお願いします。民のために命をかけてください。」
イ・ソンはウ・ボを説得しました。

便殿(ピョンジョン)。
ウ・ボは黒い簾(すだれ)の向こう側にいる国王を見ました。
「私、元成均館(ソンギュングァン)司成(サソン、従三位)ウ・ボ、取り急ぎ申し上げることがございます。」
ウ・ボは正座して王様に挨拶しました。
「無礼者。王様の御前であるぞ。」
ホ・ユゴンは怒りました。
「(ウ・ボ師匠?)どうしたのだ。早く言ってみよ。」
イソンは苦しみながら言いました。
「銅の所在を突き止めましてございます。」
ウ・ボは言いました。
「余は海賊の略奪だと聞いた。」
イソンは言いました。
「本物の海賊ではなく海賊になりすました輩が闇取引したのです。」
「海賊になりすました輩?」
「はい殿下。私は漢城府(ハンソンブ)の将軍を送りその輩を退治しました。」
「銅はどうなった?手に入れたのか?」

街道。
キム・ウジェらの積み荷が落ちて、中から大きな石が落ちました。キム・ウジェとチョ・テホたちは悔しがりました。

「私が奴らから銅を奪い返しました。今頃戸曹に銅が着いているはずです。どうかお確かめください。」
ウ・ボは言いました。
「今戸曹にだと?事実か?」
イソンの顔に赤い斑点が現れました。
「はい殿下。」
ウボは答えました。
「戸判(ホパン)はすぐに戸曹へ行き確かめて来い。」
イソンは戸曹判書(ホジョパンソ)に命じました。

戸曹判書(ホジョパンソ)が戸曹に行くと銅が運び入れられていました。
イ・ソンは戸曹判書(ホジョパンソ)に頭を下げました。

戸曹判書(ホジョパンソ)は便殿へ戻り銅十万貫が届いたと国王に報告しました。
「戸曹はすぐに貨幣を鋳造して民生を安定させよ。」
イソンは命じました。

王宮の廊下。
「あ・・・・アガッシ(お嬢様)・・・・。」
イソンは胸を押さえて柱にもたれかかりました。
「殿下!」
ヒョンソクはイソンを支えました。
通りがかったチンミョンはヒョンソクに竹の筒を渡しました。
イソンはチムの毒を飲みました。

大妃の部屋。
右議政ソンギは大妃にすべてを報告しました。ソンギは行商人の頭領は只者ではないと言いました。
「ウ・ボという者はどうしましょう?」
「あの者が手柄を立てたそうですね。」
「あの者が突然現れ銅が戸曹にあると聞いた時のあの者らの表情、媽媽(マーマー)にもお見せしたかったです。」
「その者たちよりテモクの様子が気になります。」

辺首会(ピョンスフェ)。
チンミョンとキム・ウジェとチョ・テホがテモクに侍っていました。
「銅を奪われ造幣権も認めさせなかっただと?お前は大辺首(テピョンス)座を失ったのだ。」
テモクはキム・ウジェに言うと蟄居を命じました。
キム・ウジェとチョ・テホは退室しました。
「またしても行商人の頭領だと?奴が大妃と手を組んだ?二人にはどんなつながりがあるのだ?」
テモクが尋ねるとチンミョンはわからないと答えました。テモクは頭領の素性がわからないと言ったチャンを怒鳴り早く調べてくるよう命じました。

王宮の大妃の部屋。
「(どうしてかようにも先王に似ているのだ。)座りなさい。貨幣を鋳造できたのはお前のおかげだ。国のために大きな手柄を立てたな。」
大妃はイ・ソンを見て言いました。
「身に余るお言葉です。大妃媽媽(マーマー)。」
イ・ソンは答えました。
「そうか。手柄を立てたゆえ褒美を取らせるのが道理だが、なぜ吏曹判書になりたいのだ?」
大妃はイ・ソンに言いました。
「おそれながら申し上げます。私が吏曹判書になりたいのではありません。こたびの件は元成均館(もとソンギュングァン)司成(サソン)ウ・ボのおかげです。漢城府(ハンソンブ)将軍を倭館へ送り、銅の行方を突き止めたのもすべてその者のおかげです。」
「その者を吏曹判書にすればよいのか?」
「はい。その者を吏曹判書に就ければ主上殿下の力となるでしょう。銅を隠したのが辺首会(ピョンスフェ)の仕業であることはご存知でしょう。その辺首会(ピョンスフェ)の企みを新たな吏曹判書が破ったとお称えになり世に知らしめてください。吏曹判書には人事権があります。今後辺首会(ピョンスフェ)と戦う忠臣を集めて朝廷を満たしてください。そうすれば主上殿下(チュサンチョナ)は辺首会(ピョンスフェ)に立ち向かえるでしょう。」
「辺首会(ピョンスフェ)と戦う忠臣。頭領。そちはなぜ辺首会(ピョンスフェ)と戦おうとしている?」
「それは重要ではありません。大妃媽媽(テビママ)。これからどうやって辺首会(ピョンスフェ)を倒すかお考えください。」
「やはり噂通りだな。」

王宮の一角。
ウ・ボとイ・ソンは待っていたパク・ムハと合流しました。
「何だよ。全部俺がやったのに家で座ってた爺さんが吏曹判書?重臣になれるって言っただろ~。」
パク・ムハは悔しがりました。
「吏曹正郎(イジョチョンナン)。」
ウ・ボは任命書をパク・ムハに渡しました。
「吏曹正郎(イジョチョンナン)?ほんとに?おお。吏判大監(テガム)。一生ついていきます!ははは!」
パク・ムハはウ・ボの腕を取りました。
「お二人は先に帰ってください。久々にここに戻ったのでゆっくり見ていきたいです。」
イ・ソンは二人に言いました。
「気を付けるのだ。何があるかわからぬからな。」
ウ・ボはイ・ソンに言いました。
「はい。そうします。」
イ・ソンは王宮を見物しに行きました。

イ・ソンは温室を見て安堵し、次に王の部屋を見て父が殺された時のことを思い出しました。イ・ソンとカウンは門ですれ違いました。

大妃の部屋。
カウンはお礼をしたいと大妃に言いました。
大妃はまだ父の無念を晴らしていないというと、カウンは父を覚えていたことに感謝しました。
「近くに来なさい。」
大妃はカウンを招きました。
「罪のない父がなぜ殺されたのか。それはこの国に愚かな王が即位したためだ。先日揚水庁(ヤンスチョン)が一気に借金を回収しただろう。あれは揚水庁(ヤンスチョン)が国の造幣権を握ろうと策をめぐらせたのだ。残念なのは主上が揚水庁(ヤンスチョン)の側についたということだ。」
「主上が民をお見捨てになったのですか?」
「私が阻止せねば揚水庁(ヤンスチョン)が造幣権を握っていた。そうなれば民の暮らしがどれほど疲弊したかわかるか?本当に私に恩返しがしたいのか?」
「そうです媽媽(マーマー)。」
「ならば宮女(クンニョ)になってほしい。信頼できる目と耳が必要だ。その目と耳で主上を見張るのだ。国と民のために廃位する。私は覚悟を話した。お前の返事を聞かせてほしい。次に来るまで心せよ。」

夜の民家。
パク・ムハは酔いつぶれて眠ってしまいました。
「カウンはどうするのだ?手放すのか?」
私服姿のウ・ボも酔っぱらって泣き出しました。
「私はカウンをつかまえる力はありません。」
「さっさと手放せ。男はお前だけではない。父を亡くした哀れな子だ。世話してやらぬと。お前よりも百倍千倍マシな男に嫁がせてやる。ワシのような男前にな。」
ウ・ボは部屋から出て行きました。
「今も小尹(ソユン)様の死を邸下(チョハ)のせいだと(お思いですか)・・・。」
イ・チョンウンはイ・ソンに言いました。
「私のせいです!私の安易な命令のせいで。」
「旦那様を処刑したのは私です。私がこの手で・・・・旦那様の首をはねました。」
「青雲(ソウン、チョンウンの字)。」
「私に罪悪感がないと邸下(チョハ)はお思いですか?」
「何度言ったらわかるのですか。小尹(ソユン)を殺したのは青雲のせいではなく辺首会(ピョンスフェ)です!」
「そうです。辺首会(ピョンスフェ)です。邸下(チョハ)こそいつおわかりになるのですか?邸下(チョハ)は辺首会(ピョンスフェ)のせいで父上と母上を亡くされました。内官のチョンスも亡くされました。辺首会(ピョンスフェ)のせいで今度はカウンお嬢様まで失うのですか?すべて失った後辺首会(ピョンスフェ)のせいにすればいいのですか?」
チョンウンは兄らしくイ・ソンに言いました。
「・・・・・・。カウンだけは・・・・絶対に失いたくありません。カウンだけはだめです。私は・・・私は・・・・カウンなしに生きていけません。」
イ・ソンはつぶやきました。

日中。
カウンはイ・ソンと約束した屋敷の庭で大妃の話とイ・ソンとのかつての約束を思い出していました。そこにイ・ソンが現れカウンは想い人が現れたのかと思いハッとしました。
「カウンお嬢様。お元気・・・でしたか?揚水庁(ヤンスチョン)長に困らされていませんか?お顔の色がよくありませんね。大丈夫ですか?」
「チョンス若様ではないのですか?なぜ何度も現れるのです?もう来ないでください。同じ顔同じ声で気遣いなどしないでください。」
カウンはつらそうに目を閉じました。

男性の歌♪

「ばかね。しっかりしなさい。あの方はチョンス若様じゃないのよ。若様(トリョンニ)とはもう会えない。私をお忘れになったのね。私がそうしてと頼んだから。」
イ・ソンが去ると、カウンは涙を流して座り込みました。イ・ソンの耳にもその声は聞こえていました。イ・ソンは振り返るとカウンを想いました。

夜の辺首会(ピョンスフェ)。
テモクのもとにチンミョンが現れ頭領が新しい吏曹判書とともに大妃に挨拶したと報告しました。テモクはチャンに手足を斬り落としてでも頭領を連れてくるよう命じました。

妓女(キニョ、妓生の女)のメチャンは内人(ナイイン)の身なりで王宮に入ると女官長の命令で遣いに来たと門番に報告し、「やはりあの者は世子でした」と謎の人物(男)に報告しました。
「本物のイ・ソンが生きていたのか?」
「どうしますか?」
「当分の間は見守っていろ。」

カウンは寝ているコルムの隣の布団に入ろうとして一枚の絵を見つけました。
「この月に寄り添う太陽のように常にそなたと共にありたい。」
カウンはイ・ソンの言葉を思い出しました。
「コルム。コルム。ちょっと起きてちょうだい。この絵はだれが描いたの?」
「私が描いたのよ。」
「どこでこれを見たの?」
「頭領のところで見たわ。頭領が大事そうに見ていたの。」
「チョンス若様・・・。」
カウンはいてもたってもいられなくなりました。

深夜のメチャンの家。
キム・ファグンは豪商をもてなし采配を振るっていました。ファグンは男が来たのでイ・ソンかと期待しましたがただの豪商でした。そこに妓生の姿をしたメチャンが現れました。
「頭領様はまだいらっしゃってないのですか。」
メチャンはファグンに優しく尋ねました。
「必ずお見えになるでしょう。こうして(メチャンが)漢城府(ハンソンブ)に来ていると知れば喜ばれるでしょう。漢城府(ハンソンブ)にはまだ滞在するのですか?」
ファグンはイ・ソンの来訪を期待していました。
「どうでしょう。それは頭領様次第です。」

キム・ファグンは門の外に出てイ・ソンの来訪を待ちわびてしました。そこにコンが現れテモクが世子(頭領)に刺客を放ったと報告しました。キム・ファグンは世子の来訪と止めるためお嬢様の姿のまま駆け出しました。

世子のイ・ソンはイ・チョンウンとともにファグンの屋敷に向かっていました。カウンは世子に会おうと走っていました。
「若様(トリョンニ)。お尋ねしたいことがあります。今度は二度と聞きません。最後に尋ねます。本当にチョンス若様ではないのですか?」
カウンはイ・ソンに尋ねました。その様子をキム・ファグンが見守っていました。
そこに刺客が現れるとイ・ソンはカウンをかばい、戦いました。ファグンはカウンをかばって傷つくイ・ソンを見て心を痛めました。ファグンが花火を打ち上げると刺客は刀を収めて逃げました。ファグンの周りに彼女の刺客が集まりました。イ・ソンは刀を受けて意識を失いました。イ・チョンウンはイ・ソンを背負ってカウンとともに逃げました。

ウ・ボの家。
ウ・ボはイ・ソンの治療を行い大丈夫だと太鼓判を押しました。

辺首会(ピョンスフェ)。
「私の許しもなく客人を襲うとは。私がどれだけ恥をかいたと思う。すぐに下がれ。」
キム・ファグンはテモクの手下の頬を叩きました。
「テモク様の・・・。」
刺客は言い返そうとしましたが、また頬を叩かれました。
「コナ(コン)。おじい様は頭領が世子邸下(チョハ)とは知らないのね?」
刺客が頬を押さえて去るとファグンはコンに言いました。
「はい。行商人の頭領とお思いです。」
コンは答えました。

ウ・ボの家。
カウンは眠っているイ・ソンの手当をしていました。カウンはイソンの懐から約束の飾りを見つけました。
「なぜずっと隠していたのですか?私がどれだけ若様(トリョンニ)を恋しかったかわかりますか?」

男性の静かな歌♪

「泣かないで・・・カウン。知らぬふりをしていてすまなかった。」
イ・ソンはカウンの頬に触れました。
「チョンス若様。」
「カウン。私がどんなにそなたをこう呼びたかったか。そなたと距離を置くことが守る道だと思っていた。だがひとときも私は忘れたことはない・・・。」
イ・ソンが言うと、カウンはイ・ソンの胸に顔をうずめました。イ・ソンはカウンの頭に手をやり抱きました。
「二度と・・・そなたを一人にせぬ。そなたも私のそばを離れるな。」
イ・ソンは言いました。

カウンは大妃から王を廃位するため女官になって手伝ってほしいという話を思い出しました。

イ・ソンは愛しそうにカウンを抱きました。

感想

仮面の王イ・ソン(韓国語: 군주-가면의 주인, 中国語: 君主-假面的主人)8話の感想です。

いいところで終わりましたね~。ラブラブなイ・ソンとカウン。まさに両思い。スクリーンショットを保存しておきたいところですが・・・残念ながら、画像はなしです。こんなに素敵なシチュエーションはみなさんご経験済みでしょうか(笑)

二人の愛があれば何でも乗り越えられそうな気がしてきます。本当に心から愛し合っていたとしたなら。

状況は明確になってきて、イ・ソンは一旦大妃の側につきました。テモクは造幣権と銅を失い損失を被りましたがその資金は民から集めたお金なのでテモクの物ではありません。

テモクの孫のキム・ファグンはなぜか自立して豪商を取りまとめる存在になって采配を振るっています。ドラマではファグンの実力を表現しているようですが、おじいちゃんの資金と力があってこそのファグンなので、行動力はあっても元手は民から搾取したお金になるでしょう。ファグンは今回もイ・ソンを守り、命を救いました。イ・ソンがカウンを必死で守っているところを見て傷つくファグン。でもそこで落ち込むファグンではないところが精神的に強いことを表現しています。今回からコンがかっこよくなってた気がします!

そして宮中に住まう「謎の男」がメチャンに世子の様子を報告させました。謎の男の正体は一体誰なのでしょうね。お年を召されているような声でしたが。メチャンはファグンの手下ではなくて、あくまでも知り合いのお姉さんといったところですね。メチャンは謎の男の勢力の側についているようです。

イ・チョンウンはお兄さんらしくイ・ソンを見守っています。

イ・ソンの周りには親(保護者)同然のウ・ボ、お兄ちゃんのイ・チョンウン、妹のコルム、親友のイソン、仲間(子分)のパク・ムハと人間関係に恵まれています。周りにいい人がいれば、精神的にも肉体的にもどこまでも強くなれそうな気がします。

自分を励ましてくれたり叱ってたり助けれくれる人が人生をより善いものにしてくれるのです。

それにしてもやっぱり「愛」ですね。「恋」が成就した「愛」ほど強いものはないでしょう。両思いは最強ですね。

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薯童謠(ソドンヨ)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ ソドンヨ 1話~66話 あらすじと感想 長文注意。薯童謠はよかったので感想もあらすじもしっかり書いてます!薯童謠とは新羅に伝わる童謡で物語がすすむにつれて意味がわかってきます。百済は三韓のうちのひとつを引き継ぎ前の国の王を倒す際にとある約束をしました。百済の技術師モンナス博士は仲間を連れて新羅に亡命します。そして新羅でしばらく過ごした後に・・・詳しくはソドンヨ各話あらすじをご覧ください。 薯童謠(ソドンヨ) 1話 薯童謠(ソドンヨ) 2話 薯童謠(ソドンヨ) 3話 薯童謠(ソドンヨ) 4話と5話  新羅へ亡命 薯童謠(ソドンヨ) 6話 薯童謠(ソドンヨ) 7話 薯童謠(ソドンヨ) 8話 薯童謠(ソドンヨ) 9話 薯童謠(ソドンヨ) 10話 11話 薯童謠(ソドンヨ) 12話 薯童謠(ソドンヨ) 13話 薯童謠(ソドンヨ) 14話 薯童謠(ソドンヨ) 15話 薯童謠(ソドンヨ) 16話 薯童謠(ソドンヨ) 17話 薯童謠(ソドンヨ) 18話 薯童謠(ソドンヨ) 19話 薯童謠(ソドンヨ) 20話 薯童謠(ソドンヨ) 21話  木羅須百済に帰国 薯童謠(ソドンヨ) 22話 薯童謠(ソドンヨ) 23話 薯童謠(ソドンヨ) 24話 薯童謠(ソドンヨ) 25話 薯童謠(ソドンヨ) 26話 薯童謠(ソドンヨ) 27話 薯童謠(ソドンヨ) 28話 薯童謠(ソドンヨ) 29話 薯童謠(ソドンヨ) 30話 薯童謠(ソドンヨ) 31話 薯童謠(ソドンヨ) 32話 薯童謠(ソドンヨ) 33話 薯童謠(ソドンヨ) 34話 薯童謠(ソドンヨ) 35話 薯童謠(ソドンヨ) 36話 薯童謠(ソドンヨ) 37話 薯童謠(ソドンヨ) 38話 薯童謠(ソドンヨ) 39話 薯童謠(ソドンヨ) 40話  武康太子の誕生 薯童謠(ソドンヨ) 41話 薯童謠(ソドンヨ) 42話 薯童謠(ソドンヨ) 43話  威徳王逝去 薯童謠(ソドンヨ) 44話  惠王即位 薯童謠(ソドンヨ) 45話 薯童謠(ソドンヨ) 46話 薯童謠(ソドンヨ) 47話 薯童謠(ソドンヨ) 48話  法王即位 薯童謠(ソドンヨ) 49話 薯童謠(ソドンヨ) 50話

朱蒙(チュモン)全話1から最終回81話までのあらすじと感想

朱蒙(チュモン)のあらすじ一覧 朱蒙(チュモン)の1話から最終回81話までのあらすじを解説し感想も述べています。途中でちょっと面倒になったこともありましたが、何とか最後まで視聴することができました。朱蒙(チュモン)は感情移入するようなドラマではないと侮っていたのですが、最後らへんになると思わず登場人物の結末に涙してしまいました。 チュモンの全話あらすじ詳細とネタバレ感想 チュモン 1話 あらすじネタバレ感想 チュモン 2話 あらすじネタバレ感想 チュモン 3話 あらすじネタバレ感想 チュモン 4話 チュモン 5話 あらすじネタバレ感想 チュモン 6話 チュモン 7話 あらすじネタバレ感想 チュモン 8話 チュモン 9話 あらすじネタバレ感想 チュモン 10話 あらすじネタバレ感想 チュモン 11話 あらすじネタバレ感想 チュモン 12話 あらすじネタバレ感想 チュモン 13話 あらすじネタバレ感想 チュモン 14話 あらすじネタバレ感想 チュモン 15話 あらすじネタバレ感想 チュモン 16話 あらすじネタバレ感想 チュモン 17話 あらすじネタバレ感想 チュモン 18話 あらすじネタバレ感想 チュモン 19話 あらすじネタバレ感想 チュモン 20話 あらすじネタバレ感想 チュモン 21話 あらすじネタバレ感想 チュモン 22話 あらすじネタバレ感想 チュモン 23話 あらすじネタバレ感想 チュモン 24話 あらすじネタバレ感想 チュモン 25話 あらすじネタバレ感想 チュモン 26話 あらすじネタバレ感想 チュモン 27話 あらすじネタバレ感想 チュモン 28話 あらすじネタバレ感想 チュモン 29話 あらすじネタバレ感想 チュモン 30話 あらすじネタバレ感想 チュモン 31話 あらすじネタバレ感想 チュモン 32話 あらすじネタバレ感想 チュモン 33話 チュモン 34話 あらすじネタバレ感想 チュモン 35話 チュモン 36話 チュモン 37話 あらすじネタバレ感想 チュモン 38話 あらすじネタバレ感想 チュモン 39話 あらすじネタバレ感想 チュモン 40話 あらすじネタバレ感想 チュモン 41話 あらすじネタバレ感想 チュモン 42話 あらすじネタバレ感想 チュモ

薯童謠(ソドンヨ)最終回第66話恋の成就のあらすじとネタバレ感想

薯童謠(ソドンヨ)最終回 あらすじ 夜の百済王宮。 女性たちが華やかに舞い、貴族の男とメクトスたちは庭で酒と食事を楽しんでいました。 「こんなに楽しい日は生まれて初めてだ。ははは。」 メクトスは有頂天でした。 「親父、俺も結婚したいよ。」 ポムノはメクトスに言いました。 「何だと。」 「チョギとだよ。陛下がうらやましいよ。」 「父親を片付けてから結婚しろ。」 「あー!ちくしょう。」 「ところで陛下は男女の営みをご存知だろうか。事前に教育するのを忘れてたよ。」 メクトスは卑猥な想像をしていました。 「そんなの心配いりませんよ。(未経験の)俺でも知っています。」 トゥイルはメクトスに言いました。 「そうか?」 「今頃うまくやってますよ。」 「はっはっはっはっはっは。」 男たちは笑いました。 「紙に穴をあけてのぞきたいところだけど、陛下にそれはできないな。」 メクトスは笑いました。 寝所の控室。 「結髪(キョルバル)の用意はできた?」 モジンはウンジンとウスに言いました。三人は桃色に白地の縁取りの刺繍の絹を着て初夜の営みの準備をしていました。 「はい。」 「香油は?」 「用意しました。」 ウンジンはモジンに言いました。 「櫛は?」 「置きました。」 ウスが答えました。 「浄化水は?」 「用意しましたー。」 チョギは明るく言いました。 「分かったわ。」 三人は王の寝所を出ました。 「準備が整いました。」 寝所の前で控えていたボミョンが外に出てきたモジンに言いました。 「はい。では五歩下がるように。」 モジンは侍従と侍女たちに命じました。 ウンジンとチョギとウスは口に手を当てて照れ笑いして顔を見合わせました。 「陛下。初夜の儀式を始める時間です。今から申し上げる順序でなさいませ。」 モジンは寝所の中に向かって話しかけました。 「まず、生涯を共にすると誓う意味の結髪をしてください。」 ベッドの上には白地の縁に金の刺繍が施された衣に着替えたチャンと白い絹に薄桃色の縁取りの絹を着たソンファ公主が腰かけていました。二人の髪が少し切られて絹の敷物の上に赤い紐で結ばれ置かれていました。 チャンは置