朱蒙(チュモン)65話
あらすじ
チュモンは桂婁に急ぎ、ソソノはプウィムの船に乗せられ南の国に向かいました。
扶余の幕舎のテソ王子にソンヤンは呼ばれました。
チュモンは桂婁に戻り海賊の頭を説得しソソノは船に乗ったとヨンタバルに言いました。ヨンタバルはチョルボンに扶余の軍勢が攻めてくるという噂で民は不安がっていると言いました。ヨンチェヨンとヤンタクはソンヤンを殺すべきだと思いましたがチュモンはその必要はないと言いました。摩離(マリ)とチェサはソソノが生きていることをチョルボンの皆に見せるべきだとチュモンに進言しました。
ソンヤンは桂婁さえ落とせば沸流(ピリュ)をはじめとする五つのチョルボンの部族はテソに抵抗しないと密約を交わしました。テソ王子は玄菟(ヒョント)から物資が届き次第攻撃を開始すると言いました。
プブンノはユファ夫人とイエソヤに急いで脱出せねばならないと言いました。
「何とか隙を見て大将のもとへお連れします。早めにご準備を。」
チュモンはマリとヒョッポとオイを連れてソンヤンの寝所に入りました。ソンヤンはチュモンにテソ王子に会いに行ったことを白状しました。
「扶余が攻めてきても桂婁以外の四部族は抵抗しないという約束した。仕方なかったのだ。各部族の長も大将が死んだと思い戦意を喪失しておる。」
「それで結構だ。私が生きていることは知らせず漢の軍に従っている振りをしてください。油断こそが敵の弱点です。この戦は必ずこちらが勝つ。信じてください。」
テソ王子は精鋭を集め精鋭隊を自ら率いると言いました。
テソの軍は真番と臨屯に匹敵する軍勢だと摩離(マリ)はチュモンに報告しました。
プブンノ(扶余の副総監)はユファたちに今夜脱出するので用意するように言うと、ユファたちは早くチュモンに危機を知らせるために一人で行くように言いました。
「チョルボンが滅びたら私たちも行くべき場所をなくしてしまいます。急いで。」
テソ王子はプブンノにチョルボンへ侵入し様子を探るように命じました。プブンノは三人の部下を率いてチョルボンに行きました。プブンノは部下を斬り倒し一人でチョルボンへ行きチュモンに会いました。プブンノはテソ王子が先峰隊を率いアクプリョンへ向かったと報告しました。
「先鋒隊は最強の軍団です。」
チュモンはプブンノに沸流(ピリュ)川の草地にテソと軍隊を誘導するように命じ、チェサたちに火責めの準備をするように言いました。
陝父(ヒョッポ)はモパルモに使い物にならない鋼鉄の鎧を貰いました。
「何の真似だ。」
マリは妙な歩き方をしているヒョッポに言いました。
「ああ。親方が作った鋼鉄の鎧をつけてみたんだ。どうですか大将。」
「動きづらくないのか。」
チュモンはヒョッポに言いました。
「これくらい・・・軽いもんです。」
摩離(マリ)とチェサは剣の柄で鎧の腹をつつきました。
チュモンはタムル軍とチョルボンの前に姿を現しました。タムル軍の兵士たちの士気が上がりました。
「皆一丸となり扶余の軍勢を叩き潰すのだー。」
チュモンは言いました。
「おーっ!」
アクプ嶺。
テソ王子はプブンノの別動隊を待ちました。しばらくするとプブンノが戻って来ました。
「奇襲を受け、部下を皆失いました。お許しを。」
「お前だけでも無事でよかった。タムル軍の様子はどうだ?」
「もはやタムル軍の勢いはありません。作戦を変え沸流(ピリュ)川の上流から攻めるべきかと。」
「わかった。移動するぞ。」
「移動の準備を!」
テソたちはプブンノの言う通りにしました。
夜。
摩離(マリ)は消炭(ソタン)を爆発させれば一瞬で燃えるだろうとチュモンに言いました。ほどなくテソ王子と扶余の精鋭隊二百人が現れました。
「放てー。」
チュモンが命令するとあたりは炎に包まれました。
「攻撃しろー。」
チュモンは号令をかけました。
「やーっ!」
「退却だー。退却せよー。」
テソ王子は叫びました。
ヒョッポは鋼鉄の腹で敵の槍を受け止め敵を倒しました。
チュモンとテソ王子は相まみえました。
「貴様ぁ。私を騙したなー!」
「兄上の驕りが災いを招いたのです。」
「こやつめー!あーーっ!うにゃ!」
「殿下ー。殿下。お逃げください。」
ナロは腕を負傷したテソ王子のもとに駆け寄りました。
「はなせぇ。」
「殿下。逃げなくては。」
テソ王子とナロは扶余に逃げ帰りました。
「どういうことだ。」
とぼとぼと帰ってきたテソ王子にクムワ王は言いました。
「桂婁を攻め落とせずに敗退しました。チュモンは・・・生きていました。油断して敵の策にはまりましたが損失はわずかです。再度攻撃しますゆえ出陣をお許しください。父上。出陣のご許可を。」
「その体でまた戦地へ赴くのは無理だ。まずは休むがよい。」
「今すぐプブンノの家族を連れてこい。あやつらを八つ裂きにしてやる。」
テソ王子は逃げたプブンノに怒りました。テソ王子はチュモンが何を企んでいるのかナロに命じました。ヨンポ王子はテソ王子の過失を責めました。テソ王子は激高しヨンポ王子を殴りました。
「暴言を吐くなら相手をよく見てからにしろ。私は扶余の世継ぎだ。今度私の神経を逆なでするとただではおかんぞ。覚悟しておけ。」
ヨンポ王子はテソ王子をあざ笑いました。
チュモンがチョルボンのヨンタバルが作った宮殿に凱旋すると民たちはチュモンを称え喜びました。ソンヤンと部族長たちはチュモンに許しを請いました。チュモンは必ず封鎖を打開してチョルボンを守り抜いて見せると君長に約束しました。
ヨンタバルはいつまでも信頼が続くことはないとチュモンに言いました。摩離(マリ)は疫病が流行していると言いました。チュモンは沸流(ピリュ)と貫那(クァンナ)を見てまわると言いました。
チュモンが沸流(ピリュ)と貫那(クァンナ)へ行くと疫病で亡くなった遺体が穴の中に打ち捨てられていました。人々は配給に頼っていましたが十人家族でも茶碗一杯の粥しか与えられませんでした。疫病は椽那(ヨンナ)にまで広がっていました。摩離(マリ)は人々の心を一つにしなければチョルボンが滅びるとチュモンに言いました。ピョリハは民は希望を無くしたせいで疫病が流行っていると言いました。チュモンはピョリハに祭儀の準備を頼みました。
チュモンは雪の降る中祭儀を行いました。チュモンは五日も眠らず同じ場所で祈っていました。
「大将の思いがただ天に届くのを祈るしかありません。」
チュモンは天地の神に天に命を捧げると祈りました。
「この身と引き換えにチョルボンを、高句麗をお守りください。」
感想
飢餓と疫病は神頼み!やっぱりそんな時代だったのですね。飢えてるのにチュモンたちは元気いっぱい。それって民を思う前に搾取をしなければ腹いっぱい食べられないという矛盾(笑)お仲間だけはリッチに暮らせているので不満が出ないのは当然でしょうね。そんなことは無視してストーリィは進んでいきます。これが大ヒットしたのが不思議。都合よすぎてビミョーなドラマです。下々は苦しんでるのに支配者だけは涼しい顔してお仲間ごっこをしている典型ですね。