王と妃 123話 垂簾聴政
あらすじ
貞熹王后ユン氏が成宗の摂政となりました。官僚たちは国王よりも先に大王大妃に拝礼しました。
便殿。
重臣のひとりが睿宗の遺体の色が二日で変色したので医師を処罰するように上奏しました。別の重臣は医師を処罰するなら睿宗の異変に気付かなかった我々も処罰されなければならないと言いました。シン・スクチュは先の政丞カン・メンギョンが死んだ時には世祖が医師を罰したので王ならなおさら罰しなければならないと大妃に伺いを建てました。大王大妃は私でもわからなかったのだから医師や内官を罰するのは筋違いだと言いうと、シン・スクチュは世祖の病状が悪化したときは医師に宿直を命じていたが睿宗は病状を隠していたために重篤になったので罰するべきだと言いました。大王大妃は世祖の代で廃止された兼判書制度(政丞が判書を兼任する制度)を復活させハン・ミョンフェを兵曹兼判書に、吏曹兼判書にハン・ゲミを任ずると言いました。
「朝廷のことは私にはわかりません。上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)、高霊君(コリョングン、シン・スクチュ)、ク大監は何人もの王に仕えてきたので国政のことを熟知しているはずです。国事をお任せしますので三人が取り仕切ってください。」
「ありがたき幸せでございます。」
「シン・スクチュと領議政ホン・ユンソンを国葬都監の提調に、ハン・ベンニュン(睿宗の義父)、右議政キム・グックァン、ハン・チヒョンを山陵都監の提調に任命します。今日はこれで散開します。」
「ありがたき幸せでございます。」
ホン・ユンソンは人事に気に入りませんでした。
勢力図を考えない人事が行われました。
ハン・チヒョンは政敵のハン・ベンニュンに大王大妃の意向をお察しくださいと嫌味を言いました。
「いっそ領議政を兼任しては?」
ホン・ユンソンはハン・ミョンフェに捨て台詞を吐きました。
「借りをひとつ返しました。上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)に兵権をあげました。そなたは何を返してくれますか。」
粋嬪ハン氏は成宗がいた屏風の裏からハン・ミョンフェに声を掛けました。
「もちろんですとも。なんでもして差し上げます。」
ハン・ミョンフェは答えました。
「粋嬪とともに上党君は政権を掌握つもりですよ。たとえ失脚してでも阻止してみせます。」
ホン・ユンソンは憤りました。
チョン・チャンソンも領議政になれなかったので悔しがりました。
大王大妃は屏風の裏に耳を傾けていた、屏風の裏に誰かいただろうとク・チグァンはハン・ミョンフェに言いました。ハン・ミョンフェは粋嬪がいたのだと言いました。ハン・ミョンフェは大王大妃は文字が読めないから黙認しようと言いました。ク・チグァンは我慢ならないと部屋を出ていきました。
大妃殿。
粋嬪ハン氏はご立派でしたと貞熹王后(チョンヒワンフ、大王大妃のこと)を褒めました。粋嬪は承旨に文書を持ってこさせ豆大(トゥデ、承政色のような女官で文書を大妃に渡す職)を置くように言いました。粋嬪はイム尚宮を豆大に推薦しました。貞熹王后は粋嬪に懿敬世子を追尊するというと自分は大妃じゃなくてもよいと言いました。
イム尚宮ら粋嬪ハン氏の配下は粋嬪のことを「大妃」と呼び敬いました。
キム・スオンは粋嬪が後ろに隠れていたことに重臣たちが腹を立てていると言いましたが貞熹王后はそれをやめるつもりはないと言いました。
成宗は母上が上座に座るべきだと部屋を訪ねてきた粋嬪を座らせました。成宗は粋嬪に拝礼すると粋嬪は泣いて喜びました。
ハン・ベンニュンは娘の王大妃ハン氏と幼い王子に王子様が王位を継がれるべきだと悔しくて泣きました。王子も祖父につられて泣きました。
粋嬪ハン氏は「聖君におなりなさい」と息子に言いました。粋嬪はチョン内官をクビにしてソン内官を尚膳に命じ部屋で起きたことは誰にも口外しないよう命じました。粋嬪ハン氏は成宗に学問に励み孝寧大君には礼を尽くすように言いました。
「聖君におなりなさい。そうすれば私を欲深いと言う者どもも私に頭を下げるはずです。」
「はい母上。」
チョン・ギュンは「老いぼれめ」と粋嬪に言われた話を聞きました。
「殿下。私を休ませてくださり心より感謝いたします。」
チョン内官は泣き退職を喜びました。
ハン・ミョンフェはユ・ジャグァンを呼び死にたくなければ亀城君を早く片づけるよう命じました。ユ・ジャグァンは見返りを求めましたが生きてるだけでも幸いと思えと言いました。ユ・ジャグァンは亀城君であれだれであれ始末すると約束しました。
ユ・ジャグァンは亀城君の家に行き粋嬪が屏風の裏に隠れて政治をしていたと亀城君に立ち上がるように言い寄り謀反を唆しました。
亀城君は世祖の臨終の際に粋嬪を追い返したため粋嬪から恨みを買っていました。
粋嬪は王妃が宮殿に来れば朝夕身分が下の自分が下になり挨拶しなくてはならぬので嫌だとヒャンイに言いました。
殯宮で睿宗に祈る孝寧大君に成宗は母に孝行にするため協力をしてほしいと言いました。孝寧大君は貞熹王后にまずは懿敬世子を王に追尊し粋嬪を王妃に昇格させるべきだと言いました。
ハン・ミョンフェは粋嬪に強権を与えぬためなら王妃の娘が参内できずにいるままでもよいと考えていました。
成宗はもうすぐ母上が大妃になれると言って粋嬪に抱き着きました。
感想
成宗はマザコン(かなりのあまえんぼ)として描かれているようですね。ハン・ミョンフェはそんなに粋嬪が嫌いなら亀城君を王にすればよかったのにと思いますwユ・ジャグァンは人を騙して悪いやつですね。そう命じているハン・ミョンフェもさらに悪い人間ですが。チョン内官はバカな役回りでやめさせてくれてありがとうと、本当はバカなふりをしていたんじゃないかと思うくらい鈍い人ですね。チョン内官の人生は一体何だったのか、考えれば虚しいです(笑)