朱蒙(チュモン)61話
あらすじ
柳花(ユファ)とイエソヤはユリを抱えて侍女と扶余を脱出しました。金蛙(クムワ)王は何としてでも捕まえろと激怒しました。ナロとソンジュは四人を追いかけました。ユファたちが卒本(チョルボン)との国境に着くとチョン・ギョンスル商団に会いました。ユファはチョン大人に助けてくれと頼みました。チョン大人は快く引き受けユリを積み荷の中に隠し国境に向かいました。国境の検問所は扶余の兵士で固められていました。そこにナロとソンジュが馬で追いかけてきて「止まれ」と商団に言いました。ナロは積み荷に剣を突き刺しました。「困ります。こぼれて売り物になりません」とチョン大人が言うとナロは大人に剣を突き付けて脅しました。「やめて」イエソヤは思わずナロに言ってしまいました。兵士が積み荷を調べると中からユリが出てきました。ナロはユリに剣を突き付けるとユリは怖がって泣きました。
ユファたちは扶余にチョン大人とともに連行されました。ヨンポ王子はチョン大人を見て驚きました。クムワ王はなぜユファ夫人たちの逃亡を助けたのか朱蒙(チュモン)に通じていると決めつけ牢屋に入れ姫たちを寝所に監禁しました。
金蛙(クムワ)王は部屋にユファ夫人を呼び「いずれすべて片付いたら行かせてやると言ったではないか。なぜそのように変わってしまったのか」と言いました。ユファは変わってしまったのはクムワ王だと言うと、クムワ王はなぜ苦しみがわからないのかと言いました。ユファは扶余は朱蒙(チュモン)と協力しなければならないと言いましたが、クムワ王は新たな国になってしまうと代々の王に顔向けができないと言いました。
「ユファ・・・私はそなたを手放しはせんぞ。たとえそなたを殺すことになっても決して手放しはせん。」
「では殺してください。この命と引き換えにソヤとユリを行かせてやってください。」
クムワ王は涙を流しました。
ナロはチョン大人を椅子に縛り付け焼きごてで拷問していました。ヨンポはチョン大人が白状してしまったら自分の命がないと側近に言いました。ヨンポは側近にチョン大人を殺すように命じました。
「やり方がぬるすぎるのではないか?テマジンは長安で在任を取り調べた経験がある。彼にやらせろ。」
ナロはテマジンに任せるとテマジンはチョン大人を殴り殺してしまいました。
朱蒙(チュモン)はユファたちが宮殿を脱出してチョン大人とともに捕まり大人が殺されたとチェサから報告を受けました。チュモンは夜、しばらく部屋の中でひとり悩みました。ソソノはチュモンと会おうとするとチェサは夫人たちのことを召西奴(ソソノ)に教えて配慮するように言いました。苦悩するチュモンを陰からソソノは見つめていました。
イエソヤは眠ったユリを見つめて、ユファもまたチュモンを思いました。
(ロマンチックな歌が流れる)
プドゥクプルは扶余の便殿で扶余の民が飢えて卒本(チョルボン)に向かっていると言いました。帯素(テソ)王子は逃げた扶余の民を殺そうとしましたが、クムワ王はそれをやめさせました。
「今苦しい状況にあるからといって祖国に背を向けてはならん。」
「王様。扶余の国を捨てたくありません。ですが飢えている妻子を見捨てることはできません。」
「扶余と桂婁はひとつになれば扶余が助かります。桂婁には食べ物がたくさんあるそうです。」
「王様。どうかわたしたちをお救いください。」
「そなたたちが王というのはこの私か。チュモンか?帯素(テソ)。ただちにこの者どもを手打ちにして町に首を晒し国境の警備を強めろ。逃げる者はひとり残らず打ち首にせよ。」
クムワ王は逃亡する国民を殺せと命じました。
桂婁ではムソンとモパルモが民たちに握り飯と住居を与えていました。ケピルはいずれは俺たちが飢えてしまうと怒りました。モパルモは見捨てられないと言うとヨン・チェ・ヨンは厳しく反対しました。チュモンはソリョンに戦わずにチョルボンを統一したいと言いました。
「チョルボンも扶余も三足烏が抱く国ですから。」
そこにモパルモとムソンが来て桂婁の行首が兵糧を分けてくれないと亡命者を助けるように頼みました。チュモンはソソノに兵糧を分けてくれるよう頼みましたがソソノはソンヤンとの戦争が近いので分けてあげることはできないと言いました。ヨンタバルは両方の意見に一理あると言うと、チュモンは責任を持つので兵糧を与えてくれと頼みました。桂婁の倉庫はすぐに空っぽになりケピルは食べ物がなくなりつらそうでした。チュモンは戦争をしないでチョルボンを統一するとソソノとヨンタバルに言いました。
「チョルボンは五つの部族に分かれていますがそれぞれの民は兄弟同士のようなものだと聞きました。そんな兄弟同士が国が違うからと言って血を流す。そんな国の上に新しい国を建てて何になりましょう。」
チュモンは二人に言いました。ソソノは戦うしかないと言いました。チュモンはヨンタバルに各君長の特徴の教えを請いました。
チュモンはしばらく庭でひとりで考えるとタムル軍を連れて貫那(クァンナ)の部族の君長の家に忍び込みました。チュモンは君長の寝室に入ると烏伊(オイ)とムゴルが剣を突き付け君長を庭に連れてきました。チュモンはクァンナの君長が民を守るために渋々ソンヤンに従っていることを指摘して、味方になれば部族を守ってやると説得しました。
「私と一緒に新しい国を造り上げてみないか?」
(断れば・・・ひえーっかな?)
チュモンはクァンナと椽那(ヨンナ)の君長を説得して味方につけました。ソンヤンはその報告をきいて驚きました。
摩離(マリ)とチェサはソンヤンに会いソンヤンに味方になるように交渉しました。ソンヤンは「この無礼者めが。まったく片腹痛い。このソンヤンはまだ死んでいない。必ずや貴様らタムル軍を滅ぼし桂婁を服属してみせる」と怒りました。ソンヤンは玄菟(ヒョント)のヤンジョンに会い援軍を求めましたがヤンジョンは自分の部族も束ねられぬのに援軍を出せるかと怒りました。ヤンジョンはソンヤンが寝返らないと踏んで援軍を断りました。ソンヤンはチュモンに一人で来るように伝言をしました。
ソソノはソンヤンがチュモンを殺すつもりではないかと言いました。チュモンは沸流(ピリュ)の民も卒本の民であり最初の統一に血を流すわけにはいかない、天は自分を見捨てないと言いソンヤンに会いに行きました。
感想
チュモンはたくましい男になりましたねw朝鮮風の思考パターンではソンヤンみたいな男は騙した後に殺してしまうのがよくあるパターンだと思うのですがwチュモンは懐の深い男として描かれていますね。そしてクムワ王はテソ王子と同様にひどい奴になってしまいました。お決まりパターンの連続ですが、サクサク展開しておもしろいですね。