王と妃 129話 悲願の座
あらすじ
ハン・ミョンフェの娘で成宗の妃は病床に就きました。ハン・ミョンフェの娘は皆短命で病弱でしたので王宮は重い空気に包まれていました。
仁粋王妃はハン・ミョンフェの娘は病弱で高霊君(コリョングン、シン・スクチュ)の娘も病弱だったと大王大妃に言いました。
(今話から喪が明け登場人物は平服になっています。)
イム尚宮は貴族の装いでハン・ミョンフェの家を訪問し、王妃の病状を報告ました。
「私が罪を犯しすぎたせいだ。」
ハン・ミョンフェは悲しみました。
王妃は夜中に苦み出し吐血しました。
成宗は中殿のところに行こうとしたら仁粋王妃は引き止めかわりに自分が行きました。
「楽になりましたか。」
仁粋王妃は王妃の血を拭ってやりました。
「ありがとうございます。」
「中殿には何の罪もありません。お父様の因果です。大勢の人が殺されました。」
仁粋王妃は王妃に優しくしながらも嫌味を言いました。
大王大妃は仏に祈りました。
「もうお許しください。」
ハン・ミョンフェは「ほうき星を見た。大きな星が地に落ちた。中殿媽媽が命を落としたらどうするのだ。早く宮殿に行くぞ」と輿に乗り行きました。
仁粋王妃は意識のない王妃の手を握りました。
「許して。私は最後まで憎むことしかできなかった。」
重臣の立ち合いにより王妃の死亡が確かめられました。韓明澮は娘の臨終に間に合いませんでした。
仁粋王妃はシン・スクチュを呼び王妃の葬儀をどうすべきかと尋ねました。シン・スクチュは王室の葬儀は簡素には行えないと言いましたが、大王大妃は十五日、王大妃は三十日、自分は二十日の喪に服するだけでよいと押し切りました。
左議政チェ・ハンが王妃に次いで亡くなりました。
ハン・ミョンフェは貞熹王后ユン氏に会い隠居したいと申し出ました。大王大妃は誰に相談すればいいのと困りました。仁粋王妃は辞職は許さない、左議政の後任になりなさいと言いました。大王大妃が辞職を認めようとしましたが仁粋王妃は成宗が既にハン・ミョンフェを左議政に任命したと冷たく言いました。
「上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)は見るに忍びない姿でした。」
ハン・チヒョンは仁粋王妃に嬉しそうに言いました。
「辞職などさせるものですか。私が大妃に冊立する姿を見せてやらねば。あっはっはっは。あっはっはっは。」
仁粋王妃は笑いました。
ハン・ミョンフェは娘の位牌の前で泣きました。
大王大妃ユン氏は便殿で仁粋王妃を大妃に昇格すべきだと言いました。
「仁粋王妃が固辞するのです。」
大王大妃は言いました。
「簡素に式を行えばよいのです。」
チョン・チャンソンが言うと仁粋王妃が大妃に昇格することを受け入れました。
仁粋王妃は仁粋大妃になりました。
仁粋大妃は就任式で涙を流して喜びました。
仁粋大妃は朝鮮王朝史において類を見ない女傑でした。
中殿の死から二年後。新しい王妃は冊立されていませんでした。
淑儀の母シン氏はユン淑儀が成宗に愛され男子を身ごもるように「七星堂」の仏に祈りました。
宮中では貴人チョン氏と貴人オム氏が誰が中殿になるだろうかとユン淑儀の悪口を言い雑談していました。
「殿下は私に夢中よ。」
淑儀ユン氏は側近の女官に言いました。
夜の床。
「キム淑儀には指一本触れなかった。そなたのことを明け方まで考えていた。」
成宗は淑儀ユン氏に言いました。成宗と淑儀ユン氏は恋人同士のように振る舞いました。
仁粋大妃は必要のない昼の挨拶に来たチョン貴人とオム貴人に茶菓子を出しました。チョン貴人は母を早くに失ったので一度でいいから大妃を母と呼びたいというと、仁粋大妃はチョン貴人に「オモニ」と呼ばせてあげました。イム尚宮は不快な表情を浮かべました。
(成宗役の人は「大王世宗テワンセジョン」でチョン・インジを演じていた俳優さんです。)
成宗は貴人たちに母上の内訓を守らず派手にしすぎだと冷たくしました。
成宗は仁粋王妃に挨拶に行くと仁粋王妃は冷たい態度をとりました。
「それでも君主ですか。主上はおいくつですか。19です。水刺間を叱っている場合ですか。」
成宗は母に孝行しないと国王の務めは果たせないと静かに言いました。
「勝手にしなさい。」
仁粋王妃は冷たく横を向きました。
「王の自覚がない。いつまで摂政をさせておくつもりですか。」
成宗が十九歳になっても慈聖大王大妃(チャソンテワンテビ)ユン氏の摂政が続いていました。仁粋大妃を牽制している朝廷の勢力(キム・スオンら)が大王大妃の摂政が続くよう講じていたのでした。
大王大妃は領議政のチョン・チャンソンを呼びこれからの人事は成宗がするように言いました。チョン・チャンソンは今回の人事案はすでに成宗の許しを得ていると言いました。大王大妃はもう成宗はひとりで政務を行えるので親政をしてみてはどうかと議論するように命じました。キム・スオンはチョン・チャンソンに今の言葉は鵜呑みにしないよう言いました。
成宗は右副承旨イム・サホンと左副承旨ヒョン・ソッキュを部屋に呼びました。
「私にそんな力はない。母上は私の親政を望んでおられる。だが私にその力があるだろうか。」
感想
成宗が大人になり側室が増えると宮中の雰囲気が華々しくなりましたね!仁粋大妃を牽制する勢力もでてきて仁粋大妃は敵だらけで毎日が戦争のようです。そして成宗の俳優さんは「テワンセジョン」にも出ていた俳優さんで、ドラマ「仁粋大妃」の成宗ほど色男ではありませんが、ぼそぼそと話す演技がいかにも母に自分を抑えつけられて育ってきたか自信のない男を表しているかのようですね。