朱蒙(チュモン)57話
あらすじ
玄莬に行った朱蒙(チュモン)とオイはヤンジョンと帯素(テソ)王子の行動を調べました。チュモンはヤンジョンが卒本(チョルボン)に兵を派遣しテソ王子とソルラン王女がヤンジョンのもとに現れた情報を掴みました。
ヤンジョンはソンヤンに援軍を送ってソンヤンを殺しチョルボンを手に入れる計画であることをテソに言いました。ヤンジョンは漢の軍をテソに率いさせました。
「クムワはお前を見捨ててしまった。ソルランとともに私のもとに来い。」
ヤンジョンはテソ王子に扶余を捨て漢の配下になりヤンジョンの手下になれと誘われました。
軍人のプブンノはナロにもしテソ王子が漢の配下になったら辞めさせてもらいますといいました。ナロはチュモンが玄莬に来たことをテソに報告しました。テソ王子はチュモンを包囲させるようにナロに命じました。チュモンたちはすぐに囲まれてしまいました。
「突入しろ。」
テソはヤンジョンから借りた漢軍に命令しました。チュモンとオイは漢の兵士に囲まれました。テソは剣を抜きチュモンに襲い掛かりました。プブンノは冷静にチュモンとテソが戦う様子を観察し、その技量を見極めようとしていました。チュモンとオイは兵士を倒し馬に乗り玄莬から脱出しました。
チュモンとオイは追っ手をかわしました。チュモンはオイに扶余へ行こうといいました。
扶余の村では兵士が穀物を運んでいると民たちは争い我先にと食料を奪いました。チュモンとオイは困窮した扶余の民を見つめていました。扶余の城下町の民心も日照りの飢餓で荒廃していました。チュモンは店主に柳花(ユファ)姫とイエソヤ姫が王妃にいびられているという噂をチュモンに教えました。金蛙(クムワ)王は約束を守っていないとオイはチュモンに言いました。チュモンは母と妻と息子ユリのために強行はできないとオイに言いました。
イエソヤはチュモンの立派な様子をユリ王子に教えていました。
柳花(ユファ)はソヤとユリをチュモンに送るようにクムワ王に進言しました。クムワ王は始祖山(シジョサン)から戻り次第そうしようと約束しました。
クムワ王は宮殿の外に馬に乗って出かけました。チュモンとオイはその様子を見ていました。
クムワ王は林道を進みました。
クムワ王は総監に洞窟の中に下見に行かせると「入るでない」という女性の声がしました。「ピグムソン巫女だ」とクムワ王は怯える総監に言いました。クムワ王は松明を持ち一人で洞窟の中に入りました。すると風が吹き松明が消えました。
「ピグムソン巫女。私は扶余の王だ。大事な話がある。姿を見せてもらいたい。」
クムワ王が叫ぶと洞窟の奥から白髪の女性が現れました。女性はクムワ王に一礼しました。
「そなたがピグムソンか。」
「さようでございます。ここまで入ってこられた方は王様が初めてでございます。きっとおいでになるとお待ちしておりました。扶余国を苦しめている災いを振り払う術を探りに来られたのでは?」
「その通りだ。扶余が災いから逃れられるなら私はどんなことでもする。私の命もためらうことなく差し出そう。何をすべきか教えてほしい。」
「王様。数年間日照りによる危機は時がくれば解決するでしょう。ですが日照りよりも大きな災いが訪れようとしています。数年前、日無光(イルムガン、日食)をご覧になったはず。あれはこの世に新たなる太陽が誕生したことを意味しています。古朝鮮が滅びた後、その民は流民となりその領土はいくつもの国や部族へと分断されました。けれど天命をもって生まれし勇者が新たなる国を建てます。そしてその勇者が古朝鮮の流民を取り戻し天下にあまねく号令を下すでしょう。扶余は次第に衰退してゆきこの地上から消え去ります。私はただ天の意思をそのままお伝えしただけ。ではこれ以上申すことはありませぬゆえ。」
ピグムソン巫女は消え去りました。クムワ王が何度呼んでも巫女は現れませんでした。クムワ王はとぼとぼと洞窟の外に出ました。
「チュモンに違いない。扶余を脅かし滅亡させるのはチュモンだ。」
クムワ王は思いました。
桂婁(ケル)では兵士の訓練が行われていました。サヨンはソソノとヨンタバルに玄莬の軍二千が半月後にソンヤンの陣営に合流するだろうと言いました。ソソノは本渓山から返事はなくタムル軍の援軍は期待できないと父に言いました。
テソ王子は勝手に扶余の王宮に戻りました。王妃は泣いて喜びました。テソ王子とヤン・ソルランも目に涙を溜めました。王妃は扶余がこうなったのは王様が道を誤った報いだとテソ王子にいいました。ヨンポ王子も愛想よくテソ王子にごまをすりましたが「見え透いた嘘はよせ」とテソ王子に言われました。テソ王子はプドゥクプルと再会しました。テソ王子は憎しみの目をプドゥクプルに向けました。
「王様の許しも得ずに国境守備隊を離れるのは重罪でございます。」
プドゥクプルはテソ王子に挑戦しました。
「この懐に秘めた刃が真っ先に向かう先は大使者(テサジャ)です。」
テソ王子はプドゥクプルを殺すと脅しました。
クムワ王が扶余宮殿に戻ってきました。
「呼び戻してもおらぬのに何をしに参った。」
クムワ王はテソを部屋に呼びました。
「父上。どうかわたしをお許しください。父上をないがしろにし扶余に破滅の危機を招いた過ちを深く反省しております。」
「飲んだくれて武術見物に興じるのが反省か。もはやお前の言葉は信じられぬ。」
「父上。実はここに来る前に玄莬城に行きました。ヤンジョンはチョルボンを攻める気でおり私に漢の軍を率いてみよと誘いを受けました。私はその誘いを断りました。父上。漢の皇室は扶余に食指を伸ばしつつあるとか。父上。二度と権力を欲しません。ですから扶余に身を捧げる機会をください。もし漢が攻めて来たら私が先方に立って戦います父上。」
「・・・よかろう。もう一度だけお前を信じよう。」
クムワ王はテソ王子を睨みましたがそこに愛情はありませんでした。
テソ王子の復権はプドゥクプルの耳にも入りました。
「あの二人が戻ってきたらまたこちらを目の敵にするでしょう。幼いユリが心配です。」
イエソヤは柳花(ユファ)姫に言いました。柳花(ユファ)姫はクムワ王にもう一度お願いしてくると言って部屋を出ました。
柳花(ユファ)姫はクムワ王に会い約束を果たすように願いました。クムワ王は本渓山は幼い子供が行くには遠すぎると言いました。
「仕方ない。重臣たちは皆反対している。タムル軍と扶余の均衡をはかるためなのだ。」
「まことにもって王様らしからぬ言い訳としか思えません。」
柳花(ユファ)は何としてもイエソヤとユリをチュモンのもとに送り届けるとイエソヤに約束しました。
チュモンは始祖山に行きました。チュモンとオイは一緒に洞窟の中に入りました。洞窟の奥にはかつてチュモンが折ったタムル弓が置かれていました。
「私が扶余を滅ぼす暗示なのかもう一度確かめたかった。」
「大将。私にはどこも折れているようには見えません。無傷です。」
チュモンは弓の弦をやすやすと掛けて弦をはじきました。そうすると風が吹き白髪の巫女があらわれました。
「そのタムル弓の主はタムル軍の大将チュモン様でございます。」
巫女はチュモンに言いました。
感想
まるでテレビゲームみたいなサクサクストーリーの展開ですね!面白いといえば面白いですがあっさりしちゃって王道展開です。登場人物の発言も単純で一面的ですね。中身がないといえばないのですがwまあ、テレビゲームとコミックを合わせたような幼いドラマなので気楽に観ていきましょう。