「王と妃」 第112話 王妃の決断 とあらすじネタバレ感想
あらすじネタバレ感想
康寧殿(カンニョンジョン)の前に白い麻の喪服に着替えた王族や重臣や侍従たちは集まりました。
「礼。俯伏。哭。」
霊廟の前でハン・ミョンフェたちはひれ伏しました。
シム・スオンは功臣に世祖の国葬都監を任せてはいけないと海陽大君に進言しました。大妃ユン氏は反対しました。
「哭止。(地面に伏して泣くのをやめる)興。(立ち上がる)四拝。(四回拝礼)」
功臣たちは言うとおりにしました。
大妃ユン氏は功臣も盛大な葬儀に参加させて世祖の偉大さをアピールすべきだと睿宗に言いました。睿宗もそれに同意しました。睿宗はハン・ミョンフェとシン・スクチュに国葬大監を任せようとしました。大妃ユン氏もそれに同意しました。
ホン・ユンソンは「なぜ私を一緒に連れて行かなかったのですか殿下。私もいっしょに連れて行ってください」と大きな声で位牌に向かい思ってもいないことを言い泣くふりをしました。
ユ・ジャグァンは亀城君に上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)に国葬都監を任せれば再び台頭を許すことになる、我々にも生死がかかっているので功臣を葬り去るべきだと言いました。
「哭泣(こくきゅう)が終われば殯宮には近寄れぬようにすべきです領相(ヨンサン、領議政)大監。」
領議政の亀城君は功臣に恨まれることを恐れて国葬大監にハン・ミョンフェを指名しました。ユ・ジャグァンと兵曹判書のナム・イは亀城君の優柔不断さにより機会を逃してしまうと思いました。
(ナム・イと亀城君とユ・ジャグァンはこんなに仲よさそうに見えるのに・・・)
ハン・ミョンフェとシン・スクチュは国葬都監の提調に任命されました。山陵都監には亀城君のイ・ジュンと右議政のキム・ジルが任命され世祖の葬儀の準備が整えられました。
ハン・チヒョンは「先王さまがもうろくされていたから最後を看取れなかったのだ」と粋嬪ハン氏をなぐさめました。
「もうろくしたって?言い過ぎですよおにいさま。」
「言いすぎました。ですが粋嬪様に立ち入りを禁じられたのは先王様だとか。」
「お義父様が私を遠ざけようとするはずありません。」
「私が軽率でした。怒りをおさめてください。」
「お義父様が私の謁見を拒むはずがありません。お焼香に行かねば。」
粋嬪ハン氏は臨終にも焼香にも行けないことを恨んで涙を流していました。
睿宗は殯宮の前に小屋を建てそこに寝泊まりして朝夕に父に祈りを捧げました。
亀城君は世祖が生前に石室を作るなといったことに従おうと睿宗に言いました。そうするとシン・スクチュは副葬品が朽ちてしまうと石室を設けないことにに反対しました。石室をめぐって激しい権力争いが置きました。ハン・ミョンフェは内旨(ネジ)を大妃様に求めようと言いました。ユ・ジャグァンはいったん大妃に内旨を賜れば今後もずっともらわなければならない、そうなれば大妃が摂政だと亀城君に言いました。ハン・ミョンフェは一足早くに大妃ユン氏に取り入っていました。大妃の側近のキム・スオンは内旨(ネジ)に賛成しました。内旨(ネジ)とは王大妃が政治に参加することを意味していました。
石室をめぐって亀城君派と勲旧派は対立しました。睿宗は王大妃に意見を求めました。
「母上が決めてください。」
「そうですね。どうすればよいのでしょう。相談できる相手がいれば・・・。」
「母上。粋嬪に尋ねてみては?」
「意見なら大臣にきけばよいのです。」
睿宗は端宗と同様に権力がどういうものか理解していませんでした。
「私は何としても月山君と乽山君を守ります。」
睿宗が粋嬪の息子を守るということは睿宗の息子を守らないということと同じであることを理解していませんでした。王大妃ユン氏は宮殿を追い出され殺された端宗を思い出し睿宗の姿と重ねました。
王大妃は粋嬪の謹慎を解きました。側近のキム・スオンは反対しましたが王大妃は人情を優先しました。それは上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)に摂政を願われ王大妃の政権への参加が実現したことへのお返しでもありました。
夜。
ユ・ジャグァンはハン・ミョンフェの家を尋ねました。
粋嬪ハン氏は「罪人は輿に乗ってはいけないわ。私は夫とおとうさまを亡くした罪人ですから」と歩いて宮殿に向かいました。
「本当に非凡な方でいらっしゃいますわ。粋嬪様は女傑よ。」
妾のヒャンイはハン・ミョンフェの妻に言いました。
ユ・ジャグァンは「上党君大監が再び天下を取りましたね。亀城君には度胸がなく幻滅しました。だからこうして私は大監のところに来たのです。上党君大監。大監に仕えさせてください」とハン・ミョンフェに拝礼しました。
粋嬪ハン氏は王宮に就くとチョン内官は泣いて喜びました。粋嬪ハン氏は殯宮に入ると涙を流して地面に崩れ落ちました。
「ナム・イがいます。ナム・イは愚かで向こう見ずです。彼を利用すればよいのです。まだ私を信じられませんか。」
ユ・ジャグァンはハン・ミョンフェに言いました。
「どうしてお前はナム・イを排除しようとするのか。」
「ナム・イなしで亀城君は天下を掌握できません。」
「私がナム・イを排除して何の得になるのか?」
「大監は何のために癸酉靖難に加わられたのですか。」
「私は・・・。」
「富と名誉のためではありませんか。」
「蛇の道は蛇だ。隠しても仕方がない。そなたの言う通りだ。だがどんな方法でナム・イを排除するのだ?」
ユ・ジャグァンはナム・イの書いた詩を見せました。
「ナム・イの作った詩です。ご感想は?」
「見事な詩だ。豪放な男という噂は本当だったようだな。この詩歌がどうしたのだ。」
「男児二十歳で国を平定できざれば名を残せず。それではこちらもご覧ください。」
「・・・!男児二十歳にて国を平定できざれば・・・」
「二十歳で天下を取れざれば男子ではないということは明らかな謀反ではありませんか。」
「あ・・・!」
ハン・ミョンフェは口を開けて驚きました。
「おとうさまが千年悪鬼なら・・・私は万年土の中にいてよみがえった悪鬼です。」
粋嬪ハン氏は位牌に向かって世祖に語り掛けました。
「万年です殿下。万年の間積り積もった恨みなのです殿下。おとうさま。月山君と乽山君を助けてください。毎晩月山君と乽山君が殺される夢を見るのですおとうさま。」
粋嬪ハン氏は睿宗が近くにいると悟ると泣き落としの演技を始めました。睿宗の心はとても痛みました。
「なんと悪賢い奴だ。」
ハン・ミョンフェはユ・ジャグァンをこのように評価しました。
粋嬪ハン氏は王大妃の部屋に行くと泣き崩れました。
「大妃媽媽。私の罪を不問にしてくださりたいへん慈悲に満ちておられる方です。ご厚情に感激するあまりあふれ出る涙をこらえきれません。」
感想
こんな幼稚でばからしいことを本当にやっていたのですね。当時の人々は知能が低かったのでしょうか。でもすらすらと詩を詠めるほどであればそんなはずはないのですが・・・こんなことばかりやってたら世の中が発展しなかったのも頷けます。そうはいっても日本も文字読めない人がほとんどで戦争してましたから似たようなものですね。当時はふつうの人から嫌われるような人々だけが権力を掴めたのですから、ナム・イや端宗みたいに人々から慕われる人は殺される運命にあるのですね。むしろ普通じゃない人のほうが王道を歩めたようですね。