王と妃 124話 粋嬪ハン氏とハン・ミョンフェの対立
あらすじ
成宗は孝寧大君に母が嬪宮のままで親不孝をして子の役目を果たせないので助けてくれと頼みました。孝寧大君は粋嬪を王妃に冊立するために懿敬世子を王に追尊すべきだと大王大妃の貞熹王后に言いました。粋嬪ハン氏は絶えず母を案じている成宗の賢さに喜び上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)に失望していました。ハン・チヒョンはもう少しまってくれたらハン・ミョンフェも粋嬪を受け入れるだろうと従妹に言うと、粋嬪ハン氏はもう我慢ならないと怒りました。
「いいでしょう。上党君が逆らうなら私にも考えがあります。中殿を選びなおします。ハン・ミョンフェの娘はまだ冊封されていないのでまだ王妃とはいえません。揀拓令(カンテンニョン、王妃選び)を出すように大王大妃に言います。上党君がその気なら私も思い知らせてやります。」
大王大妃はハン・ミョンフェの妻と王妃の入宮について話し合っていました。そこに粋嬪ハン氏は好都合だと言い部屋に入り新しい王妃選びをしようと言いました。ハン・ミョンフェの妻ミン氏は今にも倒れそうな足取りでヒャンイと家に帰りました。粋嬪ハン氏は上党君の嫁は短命なので今の妃も短命なのではないかと貞熹王后に言いました。
ハン・ミョンフェの妻は帰り道に意識を失い火病(朝鮮民族特有の精神疾患、憤怒を抑えることで生じる症状)で倒れました。
「王妃を選びなおすなんてあんまりだわ。」
粋嬪ハン氏は領議政のホン・ユンソンを呼びハン・ミョンフェの人事案の文書の決済に領議政の印が押されてないと言い領議政の決済を求めました。ホン・ユンソンは「老いぼれめ。けしからんやつめ」と腹を立てました。ホン・ユンソンは兄のホン・ダルソンに腹が立つと不満をぶちまけました。
ハン・チヒョンはチョン・チャンソンの家に行き、ホン・ユンソンやハン・ミョンフェはチャンソンよりも格下で市場の商人と変わらぬ身分だと誘惑しました。
「大監は集賢殿出身の学者ですから格が違います。上党君は乱世の逸材ですが今は泰平です。大監が朝廷の主流になるべきでは?これは粋嬪媽媽のお考えです。」
「粋嬪様は卓見をお持ちだ。」
チョン・チャンソンは粋嬪を受け入れました。
夜。成宗はシン・スクチュを呼び母を大妃にするため力を貸してほしいと頼みました。成宗はホン内官から官僚の性格と情勢の情報を求めました。
チョン内官は世祖大王が粋嬪の野心を見抜いて距離を置いていたとチェ尚宮に語りました。
シン・スクチュはハン・ミョンフェの家に行き粋嬪を受け入れるよう説得しました。ハン・ミョンフェは粋嬪の野心を問題にしました。ハン・ミョンフェは後の世に貶められないためにも栄華を極めた残りの人生は善行をしたいと言いました。
「驚いたろう。いかさま師のくせにもっともらしいことを言うとは。」
粋嬪は息子を王にすることができましたが大妃の夢はかないませんでした。粋嬪は実権を握っていましたがハン・ミョンフェら功臣をしのぐことができませんでした。
ハン・ミョンフェは娘に成宗は妻を見捨てないと慰めました。
(ほんといい人そうに演じてますw)
ハン・ミョンフェは朝廷に出仕しました。
「底辺にいたくなければ今日中に決着をつけろ。粋嬪にかかればそなたは庶子どころではなく奴婢にされるぞ。」
ハン・ミョンフェはユ・ジャグァンに言いました。
便殿。
粋嬪は大王大妃の屏風の後ろに隠れました。
ユ・ジャグァンは部下に今夜亀城君を告発するよう命じました。
中国の皇帝は妃を二人娶ることは乱を招くことになるので法律で禁止したと重臣のひとりが言いました。キム・ジルは懿敬世子を王に追尊すべきだと言うと、別の重臣は成宗の父は先王の睿宗にあたるのでそれは礼に反すると言いました。また別の重臣は懿敬世子も世祖の息子なので王にすべきだと言いました。大王大妃は高霊君(コリョングン、シン・スクチュ)の意見を求めました。王室の礼法に詳しいシン・スクチュは成宗は睿宗の後を継いだので孝子嗣王臣下(ヒョジャサワンシン)と呼ぶべきで、懿敬世子を王にしても嫡流とは言えないので霊廟は別に設けて祭祀を行い皇伯考(ファンベッコ、王の伯父)と呼ぶべきだと言いました。
「なら粋嬪はどうなるの?」
「粋嬪は格上げし王妃という称号にのみして大妃にするのは見送るのがよろしいかと思います。大妃様はおられますので粋嬪と区別すべきかと思います。」
粋嬪ハン氏の笑みが消えました。ハン・ミョンフェは王妃の父なので発言は控えますとういとチョン・チャンソンは冊封されてないのに王妃とは言えないと怒りました。孝寧大君は話しにくい話題なので別途席を設けて話し合ってから殿下に進言すべきだと言いました。成宗が大王大妃を見ると、大王大妃はそうしましょうと言いました。
大妃殿。
「心配いりません。今に粋嬪は大妃になります。」
孝寧大君は申し訳なさそうにしている貞熹王后ユン氏に言いました。
夜。成宗の部屋。
粋嬪ハン氏は「私はまだ血の涙を流さねばならぬのですか」とハン・チヒョンに怒鳴りました。
謀反の密告がありました。文書を受け取った都承旨は大王大妃にキム・ユンセンが亀城君が謀反をたくらんだという手紙をよこしたと言いました。
感想
どうやら韓国の脚本家は物語の中に必ず善なる要素を置いておきたいようですね。それが偽善だとしても。悪党道士の権勢をめぐる醜い構図を期待していた私はちょっと拍子抜けです。善なる立場があれば悪への憎しみや恨めしさが際立ち火病の気が掻き立て垂れるといったことが狙いでしょうか。韓国ドラマではしょっちゅうおばさんが憤怒した後に気を失いますよね。男なら憤怒のあとに焼酎か洋酒のきついのを飲んでべろんべろんになる場面を挿入しますよね。あれがいわゆる火の病を表現しているのだとわかりました。あっけなく亀城君に罪が着せられました(笑)こんな嘘で罪が裁かれるなら命がいくつあっても足りませんね。まともな道を歩こうとは誰も思わなくなるんじゃないかな。