王と妃 127話 摂政の座
あらすじ
仁粋王妃(インスワンビ)は王妃を呼び喪中なのに成宗と床を共にするなど許さぬと夜中に少女を叱りつけ尼僧のように振る舞いなさい、できなければ実家に帰れと言いました。
「私のかわりに中殿が怒られているのか?」
成宗はホン内官に問いました。
仁粋王妃は王妃に殯宮に行くよう命じたら成宗も行くと言いました。
騒ぎの報告を得た大王大妃貞熹王后ユン氏は早速権勢を振るい始めた仁粋王妃に腹を立て昌徳宮に行くと言いました。すると尚宮は仁粋王妃が恐ろしく報復が怖いので大王大妃の命令に従えないと言いました。大王大妃は自分が大妃を辞めれば宮中が平和になると思いました。
翌日。
王大妃ハン氏は王妃ハン氏に優しく言葉をかけました。
大王大妃の部屋には仁粋王妃が同席し成宗が挨拶に来ていましたが、成宗は元気がなく終始黙っていました。成宗のかわりに仁粋王妃が饒舌に振る舞いました。仁粋王妃は喪中なので王妃の冊立を遅らせてはどうかと諫言しました。
ハン・ミョンフェは王妃の冊立を拒まれたことを知りました。ヒャンイは大妃の冊立が喪中明けになったことへの復讐だと言いました。ハン・ミョンフェの妻ミン氏はどうすればいいのとヒャンイに尋ねるとヒャンイは仁粋王妃が大妃に冊立するまで待つしかないと言いました。
「一緒に横になろう。こうして大の字になるとこの上なく幸せな気分だ。」
娘を心配している妻が来るとハン・ミョンフェは離れで御座の上で仰向けに寝転がり扇子で扇ぎました。ハン・ミョンフェは仁粋王妃に手玉を取られたと笑いました。
仁粋王妃は王のすべき仕事を代行して上奏文に目を通しイム尚宮に指示を出していました。仁粋王妃は大王大妃に文書を見せる必要はないとイム尚宮に言いました。仁粋王妃に逆らえる者はいませんでした。ヒャンイは仁粋王妃に思うようにやってみてはどうかと言いました。仁粋王妃は亀城君を助けたくてもハン・ミョンフェが反対するのではないかというと、ヒャンイはハン・ミョンフェは野に下るので亀城君を助けることができると言いました。仁粋王妃はハン・ミョンフェの不正を告発する文書に目を通し莫大な財産に目をつけていました。仁粋王妃はヒャンイにハン・ミョンフェに野心を見せずにおとなしくしているように伝言しました。
「ふっはっはっは。いい加減に権力を手放しなさい。」
仁粋王妃は笑いました。
ヒャンイはミョンフェの家に帰りました。
夜になりヒャンイはハン・ミョンフェの晩酌をしていました。
「死人を見ているようだな。どうしたのだ。」
「お酒をどうぞ。沈みゆく太陽を止めることはできません。」
「いずれ夜は明けるはずだ。」
「あの方を止められません。」
「だが黙ってはおれん!女人に天下を与える気か!女人に転嫁を握らせるわけにはいかん!」
尚膳のチョン内官は危篤になりました。女官と内官は慌ただしく動き回りました。イム尚宮はチョン内官を宮中で死なせてはいけない掟なので追い出すのだと仁粋王妃に言いました。
チョン・ギュンは癸酉靖難で功臣となり一品が贈られました。チョン内官は宮殿外に連れ出されました。
「夜中に追い出すなんてかわいそうだわ。」
大王大妃は言いました。
「チョン内官は十分富貴栄華を極めました。」
仁粋王妃は冷たく言うと、亀城君を処刑せよとの上疏文が届いたと大王大妃に言いました。
便殿。
ホン・ユンソンは亀城君の処遇をどうするか大王大妃に尋ねました。大王大妃は亀城君の罪は問えぬと言いました。重臣たちは声をそろえて亀城君を謀反の罪に問うべきだと合唱しました。
仁粋王妃は「能力もないのに摂政ができるわけがない」と亀城君の処遇を静観するようにハン・チヒョンに笑いました。
「亀城君を庇う者が誰もおらぬとは。シン・スクチュもク・チグァンもいないわ。」
イム尚宮はシン・スクチュは病気で休み、ク・チグァンは野に下ったと大王大妃に報告しました。大王大妃は仁粋王妃に相談するわと言いました。
シン・スクチュはハン・ミョンフェの家を訪ねていました。シン・スクチュは亀城君を助けたいと言うと、ハン・ミョンフェは亀城君は聡明すぎたのだと事態を静観するように言いました。
大王大妃は仁粋王妃に相談すると、仁粋王妃は亀城君を流刑にすることが亀城君を助けられる唯一の方法でまた呼び戻せばいいと言いました。
亀城君は財産を没収され牛舎に乗せられました。亀城君は泣き叫ぶ妻に一年以内に戻ると言い残しキョンサンドの島に流されました。亀城君の言葉も空しく流刑地で亡くなることになりました。
亀城君が失脚し仁粋王妃は目に涙をためて復讐の本懐を遂げ喜びました。
成宗の父である懿敬世子は懿敬王に追尊されその位牌は王家の位牌堂に納められました。
仁粋王妃の二つ目の願いが叶いました。
「ご立派です主上(チュサン)。あの世のお父上も喜んでおられます。ご立派です主上(チュサン)。」
「私は母上に合わせる顔がありません。」
「殿下は十分孝行されました。」
「母上が大妃の冊立を受けておらぬので・・・。」
「私のことまで心配してくれるとは主上(チュサン)。」
大王大妃貞熹王后ユン氏は摂政をやめようかと孝寧大君に相談していました。
「王族を滅ぼすおつもりですか。仁粋王妃の欲は尽きることがありません。媽媽がおられると仁粋王妃も傍若無人に振る舞えぬでしょう。」
「朝廷の重臣たちが皆仁粋王妃の顔色ばかり窺うのでこんな事態に陥ったのです。助けてください。」
「南無観世音菩薩。」
成宗と仁粋王妃は手下の護衛の弓の腕前を鑑賞していました。仁粋王妃はこの護衛を成宗の護衛にふさわしいと褒め喜びました。
大王大妃が摂政をやめるという噂はハン・ミョンフェにも届きました。ハン・ミョンフェはそれではいかんと立ち上がりました。
成宗と仁粋王妃は女官に弓を筒に投げ入れさせる遊びを見て笑いました。
便殿では大王大妃はすべて仁粋王妃に相談しているので手間だから仁粋王妃が摂政になるべきだと言いました。ホン・ユンソンは母子は阿吽の息だと笑いました。シン・スクチュは内心は反対でも静観していました。
ハン・ミョンフェが外出したと聞いて仁粋王妃はハン・チヒョンを叱りました。ハン・チヒョンは動揺もせずにハン・ミョンフェには力がないと言いました。
大王大妃に謁見したハン・ミョンフェは権力が一極に集中すると虐殺が起きかねないと言い仁粋王妃の摂政に反対しました。大王大妃ユン氏は摂政を辞する決意は変わらぬと言いました。
「媽媽。仁粋王妃は剣の柄ではなく刃を握ってこられたお方です。」
「上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)が何を言っているのか私はわかりません。」
「まだ幼少の殿下は鋭い剣ともなり得るのです。媽媽。お考え直しください。」
ハン・ミョンフェが上奏していると背後に仁粋王妃が現れました。
「うまいこと言いますね。私は上党君の握っている剣の刃を握っています。」
仁粋王妃は冷たく微笑みました。
感想
面白い。醜い権力争いは見るだけなら娯楽として面白いですね。成宗も冷たそうな子供でwドラマ「インス大妃」よりこちらの「王と妃」の仁粋大妃のほうがうまく作られていると思います。貞熹王后ユン氏も「王と妃」のほうが似合ってて「インス大妃」の貞熹王后ユン氏は意地悪そうでしたものね。ハン・ミョンフェはドラマという演劇に欠かせない敵をよく演じられていると思います。