朱蒙(チュモン)59話
あらすじ
ソソノは酒樽の中に隠れ沸流(ピリュ)にサヨンと精鋭五十人の兵士とともに侵入しました。サヨンは金子を渡し見張りの兵を懐柔しました。
「これを酒に混ぜて。毒草を干して粉末にしたものよ。」
「この毒草を酒に混ぜると泥酔したようにぐったりするのです。」
サヨンは部下に説明しました。
チュモンは兵士を連れて途中で野営をしました。
夜になりチュモンを見張っていたプブンノはチュモンの野営地に侵入し大将の首を取ると部下に言いました。プブンノと部下はタムル軍の兵士を倒し鎧を奪いました。
力自慢のヒョッポは相撲でムゴルを倒しました。オイには勝気のムゴルはヒョッポに負けても悪い気はしないようでした。
「俺に買ったら十両やろう!大将。一勝負しましょうや。」
陝父(ヒョッポ)は得意げに皆に言いました。
「私は親方に作ってもらったこの鋼鉄剣を賭ける。」
「鋼鉄剣なら不足はありません。よっしゃ。」
プブンノと手下はその様子を兵士になりすまし観察していました。
チュモンは陝父(ヒョッポ)に負けてしまいました。
モパルモは自分の剣がヒョッポのものになると悔しそうにしました。
「親方。すまないが鋼鉄剣をもう一本作ってくれ。」
「親方。私めが木刀でも削って差し上げましょうか。」
ムソンが言うと皆は笑いました。
「多くの指揮官を見てきたがあんな奴ははじめてだ。野営地で凍てつく寒さなのに誰一つ不満を漏らさない。兵士はチュモンへの忠誠であふれている。俺はチュモンとタムル軍が怖くなった。」
プブンノは暗殺をあきらめて野営地を去りました。
柳花(ユファ)姫は礼の薬を煎じてきたとヤンソルランに持っていきました。柳花(ユファ)姫は毅然とした態度で今度毒を持ってきたら許さないと言いました。
プブンノは帯素(テソ)王子のもとに戻りチュモンが本渓山を出たことを報告しました。ナロはそれを聞いて本渓山を攻撃する絶好の機会だとテソ王子に言いました。テソ王子は金蛙(クムワ)王にそのことを報告しました。
「私に軍をお任せください。本渓山を攻めチュモンの拠点を一層します。」
「よく考えてから返事をする。しばし待て。」
柳花(ユファ)姫はクムワ王の部屋に行きました。
「お加減はいかがですか。」
「天の怒りを鎮めることが唯一の治療法だ。」
「王様。ソヤとユリをどうかチュモンのもとへ。」
「その話はやめろ。時が来たら送ってやる。扶余とタムル軍の間に戦の危機がなくなってからだ。それまでの安全は保証する。」
「ユリに毒がもられました。王様がなさらないなら私がソヤとユリを送り届けます。」
クムワ王はチュモンが扶余を滅ぼすと考えていました。柳花(ユファ)姫はクムワ王への恨みで涙を流しました。
「これで・・・王様と私の縁(愛)は切れました。」
柳花(ユファ)姫は心に思いました。クムワ王は柳花(ユファ)姫とイエ・ソヤの寝所に見張りを絶たせるよう部下に命じました。
(ユファも言わなきゃよかったのに!なんてバカなのw)
「お母さま。護衛兵が私たちを監視しています。どういうことでしょうか。」
イエソヤはユファに尋ねました。
「わかっている。いつでも旅立てるように準備しておきなさい。」
ヨンポ王子の側近は王子にチョン大人を紹介しました。チョン大人はヨンポ王子に金と銀を渡しました。
「この扶余で商売ができるよう私が後ろ盾になってやろう。頼みがあるなら何でも言ってみろ。」
チョン・ギョンスル大人はヨンポ王子に扶余の書庫の本が欲しいといいました。
「古朝鮮の記録か。滅び去ったところだし問題あるまい。」
チョン大人はユファにも会いたいとヨンポ王子の側近に言いました。ヨンポ王子の側近はユファ夫人の護衛兵を誘い出して金を渡しました。
「総監に知られたらまずい。なるべき早めに。」
兵士は懐柔されました。
「チュモン大将の使いでまいりました。大将から預かった所信でございます。それではこれにて失礼を。」
チョン大人はユファに手紙を渡すとすぐに部屋を出ました。
「母上。かような形でしかごあいさつできぬ親不孝をお許しください。私の親不孝でさえ大業を成し遂げる糧として考えてくださる母上に恐縮に思います。その名を呼ぶだけでいとしさがこみ上げるソヤ。夢の中でしか顔を思い浮かべられないユリ。天命を投げ出し駆けつけたいが母上とソヤとユリの苦痛を無駄にせぬため必ずや私は大業を成し遂げてみせます。」
イエソヤもチュモンの手紙を読みました。
「出陣だ。」
テソ王子は本渓山に向かいました。その様子をヨンポ王子の側近は見ていました。
ソソノは今晩宴で「たけなわになったら決行する」と皆に命じました。
ソソノは出発前に沸流(ピリュ)と名付けた息子に父優台(ウテ)の敵を取ってくると誓いました。
「今この瞬間も見守ってくれていると信じています。本懐を遂げられるようどうか力を貸してください。」
ソソノは優台(ウテ)に語り掛けました。
(沸流国と同じ名前!?あれっwww)
チュモンはタムル軍に野営をさせてマリとヒョッポとオイを率いて桂婁に行きました。チュモンはヨンタバルに会うと、すでにソソノがソンヤンの陣営に潜入していると言いました。
「大将。ソソノ様が危険です。ソンヤンを倒したとしても脱出するのは困難でしょう。」
摩離(マリ)はチュモンに言いました。
「きっと死ぬ覚悟で行ったに違いありません。」
陝父(ヒョッポ)はチュモンに言いました。
「今からでも乗り込みましょう。」
オイは言いました。
夜になりました。ソンヤンは酒を飲んで宴会していました。ソソノと兵士は見張りの兵を殺して幕舎に火をつけました。
「火事だ!火事だ!軍事物資が燃えている!」
ソンヤンの兵士が宴会場から離れた隙にソソノたちはソンヤンの宴会場に入り込みました。
「おのれソソノめ。どうやら命が惜しくないようだな。何をしている!さっさとあの女をしとめよ!」
ソンヤンは手下に命令しました。すぐにソンヤンの兵士が戻ってきました。ソソノは何人もの兵を切り倒しましたが次から次へと兵士が襲ってきました。ソソノは腕を切られました。
「姉さん!」
ヨン・チェヨンの息子チャンスとサヨンはソソノに駆け寄り退路を作るよう味方に命じました。
(チャンスはいつの間にかソソノの味方になってたんですねw)
ソソノはソンヤンの陣営の物置の中に隠れましたがソソノは出血が止まらず命が危うくなりました。ソソノはサヨンにチャンスと兵士を連れて逃げるように命じました。サヨンはどんなことをしてもソソノを守ると言いました。
チュモンはオイに軍事物資は灰にしたがソンヤンの暗殺に失敗したという報告を受けました。チュモンはソソノたちを助けると言いました。
ソソノの意識は薄れていきました。
「しっかりしてください!君長様!」
チュモンはソンヤンの陣営に乗り込みました。
感想
どこのドラマや小説にもあるよくある場面ばかりでしたね。チュモンはソヤのことを愛しているけどソソノのことはもっと好き。そんな感じでしたね。続きが楽しみです。