逆転の女王26話
あらすじ
テヒはハン常務と特別企画開発室社員が見ている前でヨンシクの甘ったれた行動を叱りました。ヨンシクはテヒの後を追いかけエレベーターに乗りましたが・・・
「本気ですか?ほんとうにうんざりですか?俺がそれを信じると思いますか?」
「私は給料のためだけに働く契約社員です。特別企画開発室で最善を尽くしましたが今後は企画開発室で最善を尽くして給料をもらえればそれで充分です。私は上司に義理など感じません。自分のことで精いっぱいです。」
「阻止すると俺が手放さないと言っただろう!なぜ信じない?」
「それで。結果は?失敗でしょ。」
「なら辞めればいい。給料が目的なら俺が払う。ファン・テヒさんは俺の社員になればいい。俺は冷静だ。みんなと会社を興してもいい。独立してみんなで好きな仕事をやるんだ。」
「本部長はチームの皆さんがついてくると思いますか?会長に逆らって後ろ盾を失った本部長に従うと?本部長への義理立てより生活が大事なんです。彼らには妊娠した妻がいて仕送りを待つ子供がいて学費が必要な妹がいます。幼稚な冒険に巻き込むつもりですか?私もです。すぐに我を失って子供みたいにだだをこねる本部長に人生は賭けられません。」
テヒはエレベーターを降りました。
「本日付で企画開発室に配属されました。」
テヒはポン・ジュンスに出会うと淡々と自己紹介しました。
ヨンシクはため息をつきました。
ポン・ジュンスは企画開発室の前でテヒの腕を掴むとテヒは泣いていました。
「会議室に行こう。」
テヒはしばらく泣きました。
「聞かなかったの?」
「何を?」
「なぜ泣いてるか聞かないの?」
「聞いても?」
「いいえ。聞かないで。」
テヒはマスカラを流しながら悲しみました。
夜になりました。
ヨンパル(ヨンシク)から電話がかかってきましたが帰宅途中のテヒは無視しました。ヨンシクはテヒのアパートの部屋の前までやってきました。
「今ファン・テヒさんの家の前です。出てきてください。出ないと呼び鈴を鳴らしますよ。」
ヨンシクはテヒに電話をかけました。ポン・ジュンスのお母さんがその様子を見て衝撃を受けました。
「勝手にどうぞ。私は出ませんから。」
テヒの部屋のドアホンが鳴りました。テヒのお母さんとお姉さんが出てきました。
「どなたですか?」
「ファン・テヒさんの上司のク・ヨンシク本部長です。」
「それでどのようなご用件で?」
「ファン・テヒさんに話があるのに電話に出なくてきました。」
「本部長!話は下で。」
テヒは部屋を出ました。
「失礼します。」
ヨンシクは丁寧にテヒの母と妹に挨拶しました。
夜の子供用の公園。
「早く話して。二度と来ないで。」
テヒはヨンシクに無感情に言いました。
「俺は幼稚で冷静さを失ってる。あなたしか見えない。だからあなたがポン・ジュンスのそばに行くのは我慢ならない。」
「話はそれだけですか?本部長がそういう気持ちならなおさら私は戻れません。もっと早く言うべきでしたが本部長の気持ちは迷惑です。私はその気がないのに本部長は一方的だから。うちに来るのは今日限りにしてください。ほかに話はありますか?ないならこれで失礼します。今までのご厚意には感謝します。」
テヒは頭を下げました。
ヨンシクは切なそうにテヒを見つめました。
同じ階のポン・ジュンスの部屋。
ポン・ジュンスのお母さんはヨンシクはテヒに気があるのではないかと息子に言いました。
テヒのアパートの部屋。
「今の男の人はだれ?」
「・・・・・・。」
テヒは黙って寝室に逃げました。
「傷つくだけなのになぜ来るのよ。」
テヒは笑顔のみかんを手に取りつぶやきました。
ヨンシクはバーでウイスキーをストレートで飲んで酔いながらテヒの厳しい言葉を思い出し涙を流しました。
夜の会社のヨンチョルの部屋。
「私の勘が当たってたは。ク・ヨンシクは愛するあまり我を失ってた。そこが微妙なの。火種は投げたら身を引くの。放火犯になるわよ。」
ハン常務はヨンチョルに言いました。
「会社で噂に火が付けば役員の耳に入るのは時間の問題だ。株主総会までに確固たる証拠を握れば勝負ありだな。」
「それは任せて。」
「そうか?」
「それよりク・ヨンシクの実母はどうなった?」
「親父が手術を受けさせるようだ。親父のやつどうやって知ったんだ・・・。」
「会長を甘く見ないで。奥様の一族に臆せずに二十年も会長の座にいるのだから。」
病院。
ク会長はヨンシクの母を病室で見守っていました。
「私たちの息子を・・・立派に育てる約束を守ってくれてありがとう・・・。」
「手術は・・・韓国で受けろ。一刻を争うらしいが体力が弱って帰国するのは危険そうだ。なんてざまだ。みっともない。」
「そうね。戻るまいと思ってたけど忘れられなくて。こんな姿で戻りました。ごめんなさい。記憶を消したい。毎日願っていたのに皮肉にもかないそうです。手術を受けたら本当に記憶が消えるんですね。これでやっと楽になれます。」
ヨンシクのお母さんは涙を流しました。
ク会長は病室の廊下のソファに座ると涙を流しました。
ヨンシクのマンションのロビー。
「なんであんなところで寝てるの?」
同じマンションに住む母子はヨンシクを見て不快そうにしました。
「本部長!」
ヨジンが返ってくるとヨンシクをモク部長と一緒に運びました。
「ああっ・・・あ~。」
ヨジンはヨンシクと一緒に転びました。
「ファン・テヒさん・・・ファン・テヒさん・・・話をしましょう。俺はまだ・・・残っている。」
「あとは任せて。」
モク部長はヨンシクの足を持つと寝室に引きずって行きました。
朝の会社。
テヒはロビーでオ課長とギップムに会いました。
「今日から企画開発室ですね。」
ギップムはテヒに言いました。
「ファン・テヒさんの企画は我々が処理することになったよ。やれやれだ。」
オ課長は正直な気持ちを言いました。
「私がいなくてもみんなでできるでしょ。ではお先に。」
特別企画室。
ヨンシクとカンウは社員の前に現れて、会議を開くと言いました。
常務室。
テヒはハン常務に呼ばれていました。
「あんな本部長は初めて見たわ。」
「部下への愛着が強い人です。常務の勘違いです。何か得るために私を異動させたのなら何も得られません。なぜなら事実無根ですので。」
テヒはヨンシクを守りました。
「私が得たかったのはファン・テヒさんだけど。今日から企画開発室ね。頑張って。期待しているわ。」
テヒはハン常務の礼をして部屋を出ました。
「私を熟知してるわね。」
ハン常務は伊達眼鏡をはずしました。
会長室。
会長は秘書から報告を受け「ヨンチョルを呼べ!」と怒鳴りました。
夜の企画開発室。
ポン・ジュンスとテヒは残業をしていました。ポン・ジュンスはテヒを心配そうに見つめました。
会社の廊下。
「変な展開ね。元夫婦が二人だけで残業を。」
「よりを戻したりして。」
企画開発室の社員たちは噂をしながら帰りました。
ヨンシクは話を聞いてテヒのところに向かいました。
「まったく。すぐ焼きもちを焼くんだから。」
カンウはあきれました。
会長室。
ク会長はヨンチョルにヨンシクに母の話をしたか尋ねました。ヨンチョルは内密に探したと言いました。
「向こうから来たのになぜ追い返した。」
「俺がですか?あっはっは。本人がそう言ってましたか?誤解です。帰るといったから世話したまでです。オーストラリアで手術を受ける手配もしました。俺なりに気を配ったのに誤解されると正直心外です。」
「この人は?本部長に会わせたんだろ?会わせる条件が韓国からの追放で、すべてお前の考えか!」
会長は偽の母親の写真を見せました。
「親父・・・それは・・・。」
「なぜだ!自分の弟に!あの気の毒なヨンシクに!」
ク会長は憤り立ち上がりました。
「親父がかばってるのに何が気の毒だ!」
ヨンチョルが口答えすると会長はヨンチョルの頬を叩きました。
「今回の件は、許さないぞ。下がれ。うせろ!」
ク会長は悪息子を叱りました。
ヨジンは通訳のお礼にと警察官のヒョクを夕食に呼びました。
「ソレジャ、ニホンゴデイイデスカ?」
「日本語もできるの?」
ヨジンはポン・ジュンスの元妻が同じ部署に来たので不安だと言いました。
「彼を嫌いになれるなら私も楽なんだけど。まるで泥沼にはまった気分だわ。」
「君もひどい。僕にも同じ拷問をしてるだろ。」
ヒョクは英語で言いました。
「あ、今私をばかにしたでしょ。」
「ヨクシッテルネ」
ヒョクは日本語で返しました。
テヒはポン・ジュンスと屋台でキムチとラーメンと焼酎で乾杯しました。
「久しぶりだな。」
「うん。」
「もう聞いてもいいか。」
「何を?」
「この間の涙だ。特別企画開発室を離れたくなくて?」
ポン・ジュンスは焼酎を注ぎました。テヒは黙ってスープを飲みました。
「昔は俺はお前をずいぶんと泣かせた。すまないと思ってる。でも今は違う気持ちだ。寂しくて、腹が立った。」
「夫婦だったときの涙は見てほしい涙だったけどこの間の涙はあなたに見られたくなかった。」
「・・・・・・。」
挿入歌
♪違うフリしても口から出てしまいそうな僕には気まずいあの一言。バカみたいな表情。情けない僕の心のようにどうしたらいいか途方に暮れる。この気持ちに気づかれてしまいそうで。笑われてしまいそうでこらえ続けたあの言葉。君を愛してるとの言葉。前から言いたかった言葉、必死に努力したけどもうこれ以上は我慢できない言葉。ずっと伝えたかった言葉。まぶしく輝く言葉。君を愛してるとずっと愛してたとの言葉。たった一言で僕の気持ちに気づくことは望んではないけど・・・でもこんな僕が煮え切らない僕がとても情けなく見える。この気持ちに気づかれてしまいそうで。まだ早すぎるのではとこらえ続けたあの言葉・・・♪
ヨンシクはテヒを雪原でスマートフォンで撮った写真を眺めてベッドに仰向けに倒れました。
テヒは寝室でヨンシクからもらった「テヒがヨンシクを引き留めるための提案書に対する承認印」を見つめました。
日中の会社。
テヒはユギョンと近くのカフェでお茶を飲みました。
「肩身が狭いでしょ。もしいじめられたら言ってください。」
「ユギョンさん。私は喧嘩には強いのよ。私はファン・テヒよ。」
「チーム長がのけ者にされてるのではないかと心配で。」
「大丈夫よ。私は死んでないわ。私のほうからシカトよ。そっちはどう?」
「今はモク部長が熱心に仕事をしてくれて少しはまとまってます。でも農場の社長がなかなか落ちません。こんなときチーム長がいたら心強いのに。」
農場の温室。
モク部長は農場の仕事を手伝っていました。
「あきらめの悪い人ね。気にしてほしいと伝わってきますよ。」
女性社長はモク部長を呼びました。社長はモク部長に一週間あげるのでデパート以外でサンプルの調査をしてみてと言いました。
「もし御社と提携しても原則は守ってもらいます。最高の原料を使うこと。10%は環境保護に寄付。広告は出さないこと。」
特別企画開発室の会議。
モク部長が成果を上げ皆は喜びました。
ヨンシクは最後まで気を引き締めるように言いました。
テヒは農場の社長から連絡を受けました。
「お宅の提案が実現可能かサンプル調査で確かめたいだけよ。こんなにしぶとい人は初めてだわ。モク部長もだけどあなたもよ。」
「感謝しまーす。」
テヒは喜びました。
回想シーン~過去の農場の温室。
テヒは社長の仕事を手伝いました。テヒは特別企画室の社員はリサイクル品なのよと社長に話しました。
「残り三か月で成果を出してリサイクルされたいのです。どうかお力添えください。必ずお役に立てるはずです。社長。そんなに持ったらだめですよぉ。私が持ちます。」
夜の本部長室。
会長はヨンシクに会いに来ました。
「お前が会った母親は偽物だ。写真を見たから気づいただろ。」
「ああ。」
「なぜ黙ってた。」
「話してどうなる。何かあったの?実は母さんが俺に会いに来てたらしい。でも会えなかった。」
「会ってみるか?」
「居場所を知ってるのか?韓国?場所は?」
「もうすぐ手術を受ける。」
「どこか悪いのですか?」
「脳の腫瘍を摘出する手術だが危険だと聞いた。記憶障害を起こすらしい。手術の前に一目見たくて来たんだろ。」
「今、母さんのいる病院はどこ?」
ヨンシクは全速力で廊下を駆け出しました。するとエレベーターの前にテヒがいました。
「ファン・テヒさん。」
「はい。」
「母さんの居場所が分かった。」
「だから?」
「一緒に来てくれませんか?」
「私がなぜ?」
「少し・・・怖くて。同行してくれませんか。」
「私が本部長に付き添う理由はありません。」
テヒは先にエレベーターで降りました。
「あなたを守りたい。持ってるすべてと引き換えでも。」
テヒはヨンシクの言葉を思い出して涙を流しました。
ヨンシクは駆け出しました。
エレベーターのドアが途中で開くとポン・ジュンスが乗り込んできました。
「・・・・・・どうしたんだ?会社だぞ。いつから涙もろくなったんだ。ファン・テヒらしくないぞ。」
「そうよね。情けないよね。自信あったのに。強く決心したのに。どうして切なくて胸が苦しくて気になるのかわからないの。」
「俺の前で・・・ほかの男のために・・・泣くのか?」
ポン・ジュンスも涙ぐみました。
ヨンシクはエレベーターよりも先に下の階に着きエレベーターのボタンを押しました。
ポン・ジュンスはテヒを抱き寄せました。
エレベーターのドアが開くとヨンシクはテヒが泣いて抱かれている様子を見てしまいました。
感想
まさに胸キュンラブコメです。テヒちゃんはヨンシクが好きになっちゃったんですね~。かわいいです。ああ恋だなって感じで素敵♪ラストは誤解を招く場面で終了(笑)もう恋、恋、恋~ですね。テヒはポン・ジュンスと日々ではここまで切なくならなかったような感じですね。ポン・ジュンスもテヒと別れて初めてテヒへの愛に気が付いたけど時すでに遅しって感じで。韓国ドラマは復讐復讐ばかりでなかなか胸キュンドラマは珍しいのですが、このドラマはしっかりと恋を描けてますね。
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