王と妃 第166話 あらすじネタバレ感想
王と妃 166話 あらすじ 仁粋大妃(インステビ)の思惑
死期を悟った成宗は世子を助けてくれと母の仁粋大妃に懇願しました。
「正妻を殺した王がどこにいますか。頼みます母上。世子に優しくしてやってください。あの子は母親を失ったのです。」
燕山君は自分の母が廃妃ユン氏と悟り母の無念を思い涙を流しました。
「母上・・・。」
「邸下(チョーハー)・・・。殿下のそばを離れてはなりません。大殿にいてください邸下。」
月山大君夫人パク氏は燕山君に言いました。
「私は一日も安眠できません。ここは人間の住む処ではないのです。去勢された内官と結婚できぬ女官であふれています。宮殿のいたるところからうめき声が聞こえてきます。安眠などできません。死霊がうごめいている宮殿で枕を高くして眠れません。私が消えても誰も探しません。伯母上。案じてくれるのは伯母上だけです。私は天から落ちたもてあまし者です。地から生まれた卑しい人間です。」
「大殿のお行きください。殿下のおそばにいてください。」
「晋城大君だけで十分です。」
成宗は仁粋大妃に自分が死んだら廃妃を祀ったり墓に移してはならぬと遺言を残したので世子を助けてほしいと言いました。
「お願いです母上。でなければ安心して逝けません。」
チョン貴人とオム貴人は仁粋大妃に世子を廃するよう言いました。仁粋大妃はイム尚宮を呼び廃妃の母はどこにいるか尋ねました。廃妃尹氏の母シン氏は長興(チャンフン)に流刑となっていました。シン氏は奴婢と行方をくらましていました。
廃妃尹氏の母シン氏は廃妃尹氏の墓に行き泣きました。
「もう少しの辛抱です。世子様が王になられたら何もかもお話しします。媽媽が無念の死を遂げたことをお知りになれば放ってはおかぬでしょう。」
シン氏が泣いていると両班の装束をした男トクチュンが来て廃妃の墓の手入れは禁じられていると言いました。シン氏は狐に墓を掘り返されかねないと見逃してくれと頼みました。
トクチュンはイム・サホンの家に行き妻の実家にシン氏をお連れしたと報告しました。
「栄養も足りないのか歩くのもやっとでした。」
「金を出すからしっかりお世話をするように家族に伝えろ。そのうち世子邸下が後を継がれるからな。」
イム・サホンは内密にシン氏を助けるよう命じていました。
政丞(チョンスン)らは成宗を見舞い治るだろうと言いました。
成宗は励まされたから治ったかのようだと礼を言いました。
シン・スグンは妹で燕山君の妻嬪宮シン氏に燕山君は成宗のお傍を離れてはならぬと助言しました。
武霊君(ムリョングン)ユ・ジャグァンはイム・サホンの家に行き、サホンにそろそろ成宗の死期が近いと言いました。
晋城大君(チンソンテグン)は祖母の仁粋大妃の膝に乗り「孝経の聖治行」に書かれていた文を読み「不孝より大きな罪はない」と言いました。
「勉強を怠る王はとうてい君主になれません。晋城大君(チンソンテグン)は聖君になるでしょう。さらに精進なさい。はっはっはっは。アイゴー。」
仁粋大妃は晋城大君(チンソンテグン)をかわいがりました。
仁粋大妃の部屋を出た王妃ユン氏は晋城大君(チンソンテグン)に大王大妃に聞かれても身の安全のために知らない無学なふりをしなさいと言いました。
ハン・チヒョンは長子相続の伝統にしたがうよう仁粋大妃に助言すると、仁粋大妃は燕山君には卑しい廃妃の血が流れていると言いました。
成宗はもうすぐ死にそうでした。
「私が決着をつけます。私が起こしたことだから私が始末をつけます。」
仁粋大妃は輿に乗り大殿に向かいました。
大殿(テジョン)。
成宗は意識がありませんでした。
燕山君は臨終に立ち会うよう内官のキム・ジャウォンに言われましたが酒を飲んで荒れていました。
「行かぬといったであろう。おばあさまからはとうに睨まれておる。行きたければ嬪宮が行くがよい。」
尚膳(サンソン)のキム・チョソンは燕山君の様子を見に来ました。
「世子殿下。キム・チョソンでございます。」
「私は親不孝ゆえ父上をみとる資格はない。」
「私は下賤な内官ですが邸下は私と約束してくださいました。邸下が王位にお就きになるまで目があっても見ず耳があっても聞かず口があっても言わぬと私と約束なさったはずです。大殿にお行きくださいチョーハー。」
世子(燕山君)は大殿に行きました。ユン・ピルサンが出迎えました。ユン・ピルサンは大王大妃の許しがあるまで入ってはならぬと言いました。
「わかりました。千年でも待ちましょう。むしろを敷け。父上がこうなられたのは私のせいだ。殿下。私の不孝をお許しください。」
燕山君は立派に振る舞いました。
仁粋大妃は成宗の世話をしていました。
「この母は幸薄い女です。私も夫の後を追うべきでした。でも幼い主上と月山大君と明淑がいました。主上が亡くなれば私も後を追います。廃妃を廃したのは私の過ちでした。私はいらぬことをしました。母と子を引き裂く残酷なことをしました。主上が逝かれたら私が一人で重荷を背負えというのでしょうか?いつか廃妃のことを世子が知り廃妃が殺された理由を聞かれたらどうするのですか。」
「母上・・・。母上はずいぶん年をとられましたね。おきれいな手だったのに。」
大殿の前に王大妃ハン氏が現れ燕山君が席藁待罪をしている様子を見て世子は父上のお傍にいるべきだと厳しく言いました。
成宗は母がいたので幼いときに王になっても心強かったと言いました。
「母上。世子は悪い子ではありません・・・。王妃の情は本当の母のそれとは違い薄いでしょう・・・。」
「何をいうのですか主上。中殿は世子の生母です。」
仁粋大妃の大きな声が燕山君にも聞こえました。
「・・・くっくっくっく。」
燕山君は泣いたような苦笑しているような声をあげました。
仁粋大妃は世子が王になったら廃妃ユン氏のことを暴こうとするだろうと言いました。
成宗は世子を呼び廃妃のことを知っていたら母の言う通り晋城大君(チンソンテグン)を王にすると仁粋大妃に言いました。
世子(燕山君)が部屋に呼ばれ仁粋大妃は部屋の外に出ました。
仁粋大妃は燕山君とすれ違う際に眉にしわを寄せいかめしい顔をしました。
庭に出た仁粋大妃は恐ろしい形相で王大妃を睨みました。
「私と同じようにおばあさまには逆らってはならぬ。どんなことがあってもおばあさまに逆らってはならぬ・・・。」
成宗は弱弱しい声で燕山君に言いました。
燕山君は厳し表情をしていました。
感想
アン・ジェモ演じる燕山君は寂しそうで若々しくて優しさもチラ見えしつつも残酷さを醸し出していい味だしてますね。「王と私」や「仁粋大妃(インステビ)」の燕山君よりもドラマになってます。この「武人時代」「龍の涙」に続く「王と妃」は配役が絶妙で面白いです。映像が古いけど変に音楽で騒いだりしないし(たまに銅鑼が鳴るけど)、会話を立たせて説明もあってわかりやすいし、いいお芝居だと思います。