王と妃 第169話 あらすじネタバレ感想
王と妃 169話 あらすじ 廃妃ユン氏の調査
夜の王の殯宮。
朝鮮国王となった燕山君(ヨンサングン)は義兄のシン・スグン(王妃の兄)に廃妃ユン氏の調査を命じました。
「父上。どうして母上を宮殿から追放したのですか。どうして母上を殺したのですか。」
仁粋大王大妃(インステワンテビ)の部屋。
「なぜ胸が苦しいのだろうか。部屋の中が暗くて物がよく見えないわ。胸が苦しくて息がつまりそうだわ。息子に先立たれるなんて。天はなんて残酷なのでしょうか。アイゴー。」
仁粋大妃は発作を起こして燕山君の命乞いをする成宗を思い出し号泣しました。
宮殿の庭。
シン・スグンは父シン・スンソンに燕山君が廃妃に気付いたが大王大妃に逆らう気はなさそうだと打ち明けました。
殯宮。
尚膳のキム・チョソンは先王の成宗も庶民と同じくらい仁粋大妃に腰を低くしていたので燕山君もそうすべきだと助言しました。燕山君はそれに同意し父が自分を哀れむような目で見ていた理由を悟りました。
「私と同じようにおばあさまに逆らってはならぬ(生前の成宗)」
「ええ。父上。実権を手にするまで十年でも待ってみますとも。」
大王大妃ハン氏の寝所の庭。
成宗の側室と側室の息子たち、王大妃は燕山君が現れると目をそむけました。
斉安大君(チェアンテグン)は大王大妃が寝込んだと聞いて来たが晋城大君(チンソンテグン)が部屋の中にいて一晩中看病していたと笑いました。
「大王大妃は晋城大君(チンソンテグン)がお気に入りですから。」
王大妃(睿宗の妃)はイム尚宮に主上が来たのに何をしているのだと叱りつけました。
「主上を立たせておくとは何事なの。」
イム尚宮は仁粋大王大妃に燕山君の来訪を告げましたが無視をして布団に入りました。月山大君夫人は主上だけでなく王大妃と大妃も来ていると心配しましたが仁粋大王大妃は気力がないので皆帰るように伝えさせました。
月山大君が庭に出ると王大妃(斉安大君(チェアンテグン)の母)は不機嫌になり帰りましょうといって帰りました。
燕山君は部屋に呼ばれるまで待っていると大妃ユン氏(成宗の二番目の妃)に言いました。
「安陽君(アンニャングン)と鳳安君(ポアングン、成宗の側室の息子)たちもいたのか。せっかく参殿したのなら父上の殯宮にお参りしてきなさい。」
燕山君が言うとチョン貴人は息子たちは側室の子なので殯宮には行けないと言いました。
燕山君は「哭泣してきなさい」と二人の参拝を許しました。
帰り道。
オム貴人はチョン貴人に燕山君は廃妃の存在を知っていると言いました。チョン貴人はまだ自分たちが廃妃ユン氏を陥れたことまでは知らないと楽観していました。
王大妃の部屋。
「母上。機嫌を直してください。今まで通り耐えてください。」
斉安大君(チェアンテグン)は母に笑いながら言いました。
「あの女はまだ自分の天下のつもり?これ以上は耐えられないわ。王になった孫よりも威張るなんて。主上まで立たせておくとは。はっ。」
王大妃は息子に言いました。
大王大妃殿の前。
燕山君はたなびく雲を見て女の髪に見えるとジャウォンに言いました。
「そうですね。」
ジャウォンは相槌を打つと・・・「イノミ。お前もたまには自分の考えを言わぬか」と怒りました。するとジャウォンは雲は絶えず変化するのでいかようにも見えると言うと、燕山君は「はっはっはっは」と大きな声で笑いました。その声を聴いて仁粋大王大妃は「喪中なのにけしからんやつめ」と月山君夫人に言いました。
「おばあさまのきまぐれには変わってやまぬ雲も負ける。帰るぞ。」
燕山君は王妃と尚膳とジャウォンを連れて帰りました。
大妃の部屋。
ユン・ピルサンは大妃ユン氏に若い殿下の気勢をそぐために大王大妃は無視されたのだと言いました。大妃は晋城大君(チンソンテグン)を可愛がる大王大妃にさぞ燕山君は不快だろうと息子の身を案じました。
大王大妃の部屋。
晋城大君(チンソンテグン)は仁粋大王大妃の膝の上で眠っていました。月山大君は苦言を呈しましたが自分しか斉安大君(チェアンテグン)を守れぬと溺愛していました。
「まだ小さいのに眠いのを我慢して夜を徹して看病してくれたわ。」
王の部屋。
燕山君は尚膳キム・チョソンに「今からはなんでも知ってるふりをする。そうすればおばあさまを事あるごとに慌てさせられるからな。隠せると信じておられるゆえ私を王に就けたのでしょう」と言いました。
「次はおばあさまの番です。孫を見るたびに息苦しくなるはずです。何気ない一言すら勘ぐっては胸がふさがるでしょう。そうやって御医来なさい。今までは帝王のようでしたが今日からは孫におもねり生き延びる道をお探しください。ええ苦痛でしょうとも。私はどう生きてきたとも知りもしないでしょうね。私はおばあさまに好かれようとそればかり考えていました。おばあさまを喜ばせられるなら火の中でも飛び込んだでしょう。そうやって生きてきたのです。今度はおばあさまの番です。真夜中風のたてる音におののき目を覚まして暗い庭をご覧になれば私の母上が立っておられるはずです。苦しんでください。見えますかおばあさま。成仏できぬ母上のお姿が見えますか。はっはっはっは。はっはっはっは。はははははは。」
成宗の財期間中はまさに太平の世でした。王が公平だったため民は平穏に暮らせました。唯一の不祥事は中殿を廃位し自決させたことでした。成宗が積極的に王妃を廃したとは資料から考えにくいことでした。成宗の棺が王宮を出た日、百官がささげた弔辞を見てみましょう(ナレーション)。
「白い天幕が今から動かされますが赤い弔旗はすでになびいています。北斗七星の玉衡(オッキョ)星は南の天の川を指し金色の光が西の屋根に差しました。そして宮殿の九つの門が開かれ一万本の杖が並びました。杯が三度捧げられると八方の神が行列を守ります。皆耐えきれずに地面を叩いて号泣し、野辺の送りに尚悲しみが漂います。」
(仁粋大妃は女性であるので成宗を行列で送ることはできませんでした)
成宗の棺が宮殿を出て宣陵(ソンヌン)に向かいました。実録によりますと護衛する者から身分の低い奴婢に至る者まで泣かぬ者はいませんでした。百官はむろん儒者や老人たちも皆泣き叫びました。盲人や僧侶まで数えきれないほど大勢の人間が命じずとも集まってきました。
(女性の記述は一切ないようです)
廃妃ユン氏の母は娘の墓をなでながら成宗の行列が川の向こうに渡っていく、どう媽媽をお慰めすればよいのだろうと号泣していました。
「ですが世子殿下が王になられました。きっと殿下は媽媽のお墓を放ってはおきません。せめて遺骨は掘り出してテヘン(大行)殿下(チョアン)のお墓の傍に埋めてくださあるはずです。」
ある日の東宮。
都承旨は王に呼ばれました。部屋には左賛成ハン・チヒョンがいました。ハン・チヒョンは王に部屋が狭いので東宮を大殿として使うには狭いのではと言いました。
「左賛成大監は私の祖父のようです。」
「恐れ多いお言葉です。」
「おばあさまにお伝えください。前はひと月に数回は遊びに出ていました。世間の様子を見ると気晴らしになったものです。でも今は退屈でなりません。喪中であるのはわかっています。頼みます。普段着で数名の従者と出かけるのを大目に見てくれるよう伝言を。」
ハン・チヒョンは伝言を引き受けました。
都承旨が入室しました。
「父上の墓誌を調べたくて。もうお帰りになるのですか。」
ハン・チヒョンは王の部屋を出ました。
燕山君は墓に関する記録を読みました。都承旨は目をきゅっと閉じて関わりたくないという気持ちでした。
「判奉常寺事(パンボンサンシサ、祭祀を担当する官職)のユン・ギギョンとは?」
「・・・・・・。」
都承旨は視線をそらしました。
「もしかして領敦寧府使(ヨントンニョンブサ、王と王妃の親戚を管理する官庁の長官)ユン・ホの間違いではないか?」
「おそれながら・・・。」
「母上の実父なら領敦寧府使(ヨントンニョンブサ、王と王妃の親戚を管理する官庁の長官)のユン・ホなのにこの文では中殿媽媽の実父がユン・ギギョンと記されている。この奇妙な文章は誰が書いたのだ?書き間違えたのかそれともユン・ギギョンという者がいるのか?」
「ユン・ギギョンは・・・・あの・・・・。」
「言ってみなさい。」
「ユン・ギギョンは廃妃の父で・・・・・・。」
「私は父王の廃妃の話は初耳だ。どういうことだ。」
「恐れながら殿下。テヘンテワンは三回王妃を迎えられ二番目の王妃ユン氏がつ、つ・・・つ・・・罪を犯し廃されて死にました。」
「そういうことですか。」
燕山君は頁をめくりました。
部屋から出てきた都承旨はハン・チヒョンに呼び止められました。
「なぜ殿下は墓誌の内容をお知りになりたいのだ?」
都承旨はありのままを簡単に答えたと言いました。
ハン・チヒョンが立ち去るとイム・サホンが現れ都承旨は肝が冷えました。
「殿下がお呼びだと連絡があったのだ。大監もご存じでしょう。からかわないでください。
大王大妃の部屋。
ハン・チヒョンは仁粋大王大妃に事を報告しました。
王の部屋。
イム・サホンは燕山君に挨拶すると合わせる顔がないと泣きました。
感想
燕山君は決してバカじゃないような感じですね、このドラマでは賢い人物として描かれています。この燕山君をしてでも仁粋大妃の悪行を裁けなかったのですから、王室の規律は乱れまくりですね・・・。王大妃は仁粋大妃(インステビ)を嫌っていることが今回になって明確に描かれました(笑)その王大妃をたしなめる王子は相性がよいようで、王子のために頑張って仮面をかぶる王大妃は偉いですね。燕山君は悪党とされたのは勝った人間から見たら倒すべき悪いやつに見えるだけで真実ではないということですね。