王と妃 第159話 あらすじネタバレ感想 王妃勢力排除される
159話 あらすじネタバレ感想
領議政チョン・チャンソンと右賛成ホン・ウンと左議政のシム・フェは司諫院と大司憲という重職に(無実の罪で)弾劾されたヒョン・ソッキュとイム・サホンを任命してはならないと上奏しました。重臣たちは声を揃えて成宗の人事に反対しました。
「よかろう。それなら改めよう。」
成宗の王命により新たな人事が発表されました。
「刑曹判書(今でいう警察庁長官)ヒョン・ソッキュ。都承旨イム・サホン。」
重臣たちは騒ぎました。
「反対すれば次は政丞に昇進しかねません。」
「殿下は人事で大妃様に反抗なさっているのです。」
「この人事は序列を無視している。」
刑曹判書ヒョン・ソッキュは辞職上疏を出しました。
「自分を守るために辞職を出すのか。私はお前を買いかぶっていた。」
成宗はヒョン・ソッキュに言いました。
韓明澮の家。
「皆退けという意味だろう。年よりは身を引けとの殿下の暗示なのだ。」
上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)はノ・サシンに言いました。
「では年よりがいなくなるまで常識はずれの人事が行われるのですか?」
領敦寧府使(ヨントンニョンブサ、王と王妃の親戚を管理する官庁の長官)ノ・サシンは言いました。
「殿下は中殿(チュンジョン、王妃)の件で不満をお持ちなのだ。だから仁粋大妃と戦える大臣らが必要なのだろう。復位したとはいえ寿康宮に幽閉されたままだ。仁粋大妃は殿下の母上だ。殿下は母には逆らえまい。だからヒョン・ソッキュらを風よけにして大妃の起こす風に備えたいのだ。」
「まだか仁粋大妃がまた中殿を廃位するとでも?」
「今の風はそよ風にすぎん。本物の嵐はこれから吹き荒れる。」
仁粋大妃は輿に乗り大妃殿(テビジョン)に現れました。
大王大妃ユン氏の弟ユン・サフンとシム・スオンが仁粋大妃を出迎えました。
仁粋大妃はユン・サフンらに「私は義母の一族に礼を尽くしてきました。こんどはそちらが借りを返す番です」と言いました。
「教えてください媽媽。私はお義母様を不快にさせたことがありますか?どうせ人間として一生を送るなら男として生まれて天下を治めるなら生きる甲斐があるというもの。媽媽。女は一生服従し続けねばなりません。両親にも夫にも服従し子供にも服従するのが女です。両親を亡くし夫に先立たれようやく私は理を理解しました。」
「私はおろかな女ですから・・・。」
貞熹王后ユン氏は知らないふりをしました。
「学ばねばなりません。中宮は服従しなければなりません。宮中には三人の年長者がいて夫である主上もおられます。堂々と頭を上げて相手の目を見てはなりません。中宮は服従せねば王室は安泰になりません。」
仁粋大妃が部屋を去ると貞熹王后ユン氏はストレスで胸を押さえて苦しみました。
「文昭殿(ムンソジョン)に行くぞ!」
仁粋大妃は命じました。
便殿。
ユ・ジャグァンは成宗に訴えました。
「私がそなたに騙されると思うのか。」
成宗はユ・ジャグァンに言いました。ユ・ジャグァンはやたら親子の忠と孝を持ち出しヒョン・ソッキュの傲慢さは天下に害をおよぼしている、ヒョン・ソッキュは王族が囲う芸妓と内通しているといいました。成宗は憤慨して自分の部屋に戻りました。
成宗の部屋。
成宗が部屋に戻ると仁粋大妃が待ち構えて微笑んでいました。
「中宮を大殿に移します。」
「そうですか。ふっふっふっふ。ふっふっふっふ。」
便殿。
イム・サホンはユ・ジャグァンを褒めました。イム・サホンはヒョン・ソッキュはもう逃れられないだろうと笑いました。
成宗の部屋。
成宗は中宮がいないので寂しいと母に言うと、仁粋大妃はもっと寂しいのは自分だといいました。
「今回の人事は指弾されている者を司憲府にし翌日刑曹判書にしました。」
「ヒョン・ソッキュほど清廉な朝臣はいません。」
成宗が言うと仁粋大妃はイム・サホンの父は汚吏だと言い二人とも罷免するように言いました。
「解任なさったら中宮を大殿に戻してください。主上。今日は主上は言いたいことをおっしゃいましたね。母はやりこめられたので退散します。」
仁粋大妃は部屋を出ると大殿をにらみました。
「中宮を大殿に戻すですって?はっ!」
寿康宮。
イム・サホンは王妃ユン氏に成宗が仁粋大妃に反抗し大殿に戻れそうなので「お祝い申し上げます」と言いました。
(王妃を復帰させたいので)ヒョン・ソッキュの辞職上疏を成宗は受け入れました。
仁粋大妃の部屋。
「思い通りになりましたね。イム・サホンとヒョン・ソッキュが辞任したので朝廷は中殿の味方がいなくなりましたね。はっはっはっは。」
ハン・チヒョンは笑いました。
「ご苦労様でした。お茶でもどうぞ。」
仁粋大妃は従兄に茶を注ぎました。
王妃ユン氏の実家。
「この御恩をどうお返しすれば。」
王妃ユン氏の母はイム・サホンに言いました。
王妃ユン氏の廃位が免れたのはヒョン・ソッキュと新進の士大夫とイム・サホンが助力したためでした。若い王を中心とする新勢力が仁粋大妃と元老らに対抗し仁粋大妃の計画を阻みました。二人が辞職したため中殿ユン氏の支持勢力も消滅しました。
夜の宮殿。
成宗は嬉しそうに輿に乗り寿康宮に向かいました。
仁粋大妃の部屋。
仁粋大妃はイム尚宮に腕をもんでもらっていました。
「大妃様が寿康宮の門をお開けになったとか。」
オム淑儀とチョン貴人は笑いました。
寿康宮。
王妃ユン氏は知らせを聞いてうれしい気持ちになり鏡を見ましたがすぐに不機嫌になりました。クォン淑儀は王妃ユン氏を心配しました。王妃ユン氏は「大妃が難癖つけてくるかも」と警戒を緩めませんでした。
成宗は寿康宮に到着しましたが王妃は部屋を暗くして王を出迎えませんでした。
「中殿はもう寝ているのか。怒っているのだな。」
成宗は微笑みながら部屋に行きました。
「中殿は寝ているのか?皆下がっておれ。私だ。私が来たぞ。」
成宗は王妃の部屋の扉を開けました。すると王妃ユン氏は眠っていました。
「寝ているのか。私だ。私が来たぞ。」
成宗は王妃の頬に手を触れました。
「泣いてるのか。」
「お帰りください。お墓のほうがここより暖かいでしょう。」
「すまぬ。私を許してくれ。」
「許せですって?私には無理です。どう暮らしてきたと思いますか?子供にも夫にも会いたいあまり涙が血にかわるほど泣き明かしました。風雨が吹き付ければ物音におびえ森閑としていれば静寂におびえていました。私は死ぬまで殿下をお恨み申し上げます。」
「何と言われても仕方ない。何もかもおろかな私のせいだ。」
「ひどいではありませんか。来られないなら使者に伝言なさってもよいではありませんか。辛抱して待てと伝えてくださったら私はこれほど苦しまずに済んだでしょう。触らないでください。鳥肌が立ちます。お母さまが怖いのですか?愛する妻と子供を捨てるほど母が怖いのですか?王子も私の顔を忘れたはずです。三歳になるのに母にすら会えずにいます。お義母様は人倫に背いてらっしゃいます。母と子の絆を引き裂き夫婦のきずなを断ち切ったのです。なのに殿下は文句も言えない。私は誰一人頼れないのです。だからやるせないのです。」
王妃ユン氏は嗚咽しました。
「約束する。王子を養生先から宮殿に戻す。二度と母親と別れさせぬ。約束する。私を信じてくれ。母上に何と言われようと従わぬ。たとえ母上を捨ててもだ。」
「殿下・・・。多くは求めません。殿下は私を捨てさえしないでくださるなら私は寿康宮に閉じ込められても構いません。ですが王子は別です。王子を宮殿の外に住まわせないでください。誰かが王子に危害を加えるかも。王子を宮殿に連れ戻してください。」
チェ尚宮は涙をふきました。内官やほかの尚宮らも声をあげて泣きました。
「王子を連れてこよう。王子が戻ったらそなたの手で育てよ。住まいを景福宮に移そう。康寧殿を修理させるゆえそこでやり直そう。母上は恐ろしい存在だ。私は幼いころから母上のしつけにあたたかな母の情より厳しさを感じていた。私が何か間違うと何事であろうと母上は許してくれたことがない。兄上など母上がのっぺらぼうより怖いと冗談を言った。はぁ・・・心配するな。母上には改めて話をする。大妃の怒りはずいぶんと収まった。大妃を大殿に戻すと言った時も母上はご立腹になると思ったが反対なさらなかった。」
「媽媽。許されると思いますか?」
「わたしに任せなさい。」
「反対なさらなかったと?本当に情けないお方ですね。殿下はいくつですか?そんなことまでお母さまに許しを請うとは。それで王といえますか?」
「声が大きいぞ。」
「恥ずかしいですか。羞恥心はあるのですか。殿下は庶民にも嘲られています。王子よ。もう見込みはないわ。私たち母子は死んだも同然よ。一緒に暮らすことは大妃様がお許しにならないわ。」
「私が今すぐ母上に会いに行く。母上に会って・・・母上に話すと言っておろう。」
「触らないで。気持ち悪い。やめてください。」
王妃ユン氏が振り払った手が成宗の頬を傷つけました。
「夫婦は生死をともにして喜怒哀楽を分かち合うべきでは?私は幽閉して生きるより平民の妻になったほうがましです。名ばかりの中殿でいるよりもずっと心やすらかでしょうから。」
王妃は成宗を振り返ると成宗の手に血がついていました。
成宗は驚愕しました。
「媽媽・・・・・・。お怪我なさったのですか?媽媽。わざとではありません。お恨みすると言ったのは言葉のあやです・・・。」
「誰かおらぬか!大殿に戻るぞ!」
成宗は激怒しました。
王妃ユン氏は0泣きじゃくりました。
「ええ。わかりました。どうぞお好きに。私は殿下を恨みながら生きますから勝手になさってください。大切な妻さえ守れぬ殿下など呪わずにいられません。もう来ないでください。お声も聴きたくありません。もう二度と来ないでください。」
王妃は大声で成宗に聞こえるように言いました。
成宗が去ると王妃はぴたりと演技をやめました。
「何をしているの。早く大妃様にいいつけてきなさい。きっと大喜びになるわ。お顔から血が流れているのだから。あっはっはっは。私のために泣いてるの?私を憐れんでいるなら泣くかわりに呪いをかけて。そのほうがありがたいわ。」
王妃ユン氏は同情しているチェ尚宮に言いました。
仁粋大妃の部屋。
「どこまで根性が曲がっているの。」
寿康宮。
「一年以上閉じ込められていました。王子の顔すら一度も見られませんでした。嬉しさと恨めしさのあまりすねてみせただけなのに本心も見抜けずお帰りになるなんて。天も無常だわ。いっそ私の頭の上に落とすがいい。そうすれば苦痛も終わるわ。鳴り響け雷よ。落ちなさい雷よ。私を燃やしこの宮殿を焼いてしまえ。焼き尽くしてしまうがいい。何もかも灰にしてしまえ!」
感想
何ともいえませんw王妃ユン氏も常識はずれな性格ですね。当時はたいした学習の機会もなかったでしょうから誰も彼もが悪意に満ちていても不思議ではありません。ドラマの中だけで言うなら王妃ユン氏は余計なことをしてしまったのと成宗は王妃ユン氏をまったく理解していないということですね。成宗は自分を守り助けてくれる勢力がいなくなったのに、まったく気づいていない演技で歴史の聖君とは違いかなりアホそうでドラマではまるで裸の王様です。王妃ユン氏の情けない男という言葉はまさにその通りです。しかし大げさな演技でも、そこには朝鮮の人々の本質がありますので、まんざら嘘八百というわけでもなさそうです。